有価証券報告書-第154期(2025/04/01-2026/03/31)
(指標と目標)
各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況は下表(表3)の通りです。
表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況

※1 「健康、おいしさ・美、食のバリューチェーン」の3つの重点領域については、2030年度目標を今後策定予定
※2 ビジョン2030の経営目標であるROIC7%の達成に向け、利益拡大・利益率向上の視点から戦略的に拡販していくべき商品群

※3 国内4工場+周辺倉庫の平均、パッケージ品が対象
※4 ボトル・キャップが対象
※5 Self-Assessment Questionnaire(自己評価調査票)
※6 報告書作成時の最新の排出係数を使用して算定
2025年度は厳しい市場環境であったことに加え、油脂コストや物流費等の上昇により、国内油脂・油糧事業における利益が減少いたしました。これに伴い、同事業に関連する複数のCSV目標の進捗に遅れが生じました。2026年度より同事業を中核とした構造改革に着手し、資本効率の向上とマーケティング機能の強化などに取り組むことで、2028年度のCSV目標達成を目指してまいります。
(2)人的資本への対応
人的資本への対応の考え方
当社グループは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けて、当社グループの成長を牽引する組織能力を強化するため、積極的かつ計画的に人的資本投資を進めています。人材戦略と健康経営における人的資本投資が社員一人ひとりの働きがいを高め、能力を最大限に引き出すことで、多様な人材がエネルギッシュに躍動する組織風土を醸成し、当社グループの持続的成長と価値向上を実現していきます。
(ガバナンス)
当社グループでは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、6つの重点領域の1つに「人材マネジメント」を選定し、CSV目標を設定するとともに、その具体的な取り組み・進捗について、社外取締役を含む取締役会において、客観的かつ独立した視点を踏まえた報告・審議・決議を行い、適切なモニタリングを実施しています。
また、経営による人事政策の検討機能の強化を目的として、2025年度下期より「人材開発委員会」を設置しました。同委員会は四半期に1度を目安に開催し、「ビジョン2030」の実現に向けた人材マネジメントの高度化、つまり「強固でレジリエントな人材基盤の構築」と「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」に資する主要政策や主要施策について、グループ横断かつ全社的な視点から審議を行い、経営戦略と連動した組織・人材開発を推進しています。
さらに、人材戦略やその具体的な施策、各種制度の新設・改訂など、人的資本に関わる重要事項については取締役会や執行役員会、事業戦略会議等で適宜、報告・審議・決議を行っています。
(戦略)
~経営戦略と人的資本への依存・影響~
当社グループは、「ビジョン2030」の実現およびその実行戦略である「Value UpX」の達成に向け、人的資本を企業価値創造の源泉と位置付けています。「Value UpX」は、成長戦略・基幹戦略・基盤戦略からなる3階層の戦略体系と、それらを支える研究開発、デジタル・IT、サプライチェーン、サステナビリティの4つの機能強化により構成されており、これらの実効性は、それを担う人材および組織能力に大きく依存するものと認識しています。
~人的資本関連のリスク・機会~
「Value UpX」の実行において、人的資本が重要な役割を担うことを踏まえ、人的資本に関するリスクおよび機会を次の通り認識しています。
まず、リスクとしては、成長領域における高度専門人材やデジタル人材の獲得競争の激化により必要人材の確保が困難となることや、事業環境の変化に対して人材の教育が十分に進まないことにより、戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。また、エンゲージメントの低下等による生産性の毀損や人材流出も重要なリスクとして認識しております。
一方で、当社グループが培ってきた人材や組織風土、技術・ノウハウは競争優位の源泉であり、これらの高度化・活用により付加価値創出の拡大が期待されます。加えて、多様な人材の活躍促進やエンゲージメント向上は、組織能力やイノベーション創出力を高め、持続的成長につながる重要な機会と捉えております。当社グループは、これらのリスクの低減および機会の最大化に向け、人材戦略を一体的に推進してまいります。
~人材戦略と人的資本関連指標および目標~
上記認識のもと、当社グループでは人材のあるべき姿を「グローバルな舞台で『おいしさ・健康・美』の新たな価値を創造し続けるエネルギッシュな精鋭集団」と定義し、人的資本経営の起点としております。この人材像の実現に向け、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。具体的には、人材領域における重要課題(人材マテリアリティ)として、「グループの理念・ビジョンへの共感」「強固な人材力の構築」「多様な人材の活躍」「イノベーションを生み出す組織風土への進化」の4領域を特定するとともに、これらの基盤として「健康経営の推進」を位置付けております。各マテリアリティについては、2030年に向けたCSV目標を設定し、人的資本の重点領域として取り組みを進めています。(詳細な数値目標は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況」を、具体的な取り組みについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本への対応 ① 人材育成方針」をご参照ください。)
また、これらを踏まえた人材マネジメント方針として「強固でレジリエントな人材基盤の構築」および「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」を掲げ、採用・育成・配置・評価といった一連の人材マネジメントプロセスを実行し、個人および組織能力の高度化と戦略実行力の強化を図っています。
図3:経営戦略と連動した人材戦略

① 人材育成方針
当社グループは、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上にとって重要であると考えています。経験や知識・スキル、価値観といった多様な個性を持つ人材の個のチカラを引き出し、性別や国籍などの属性に関わらず、全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジと成長機会の提供に取り組んでいます。人材育成に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ グループの理念・ビジョンへの共感
グループ一丸となって「ビジョン2030」で目指す姿を実現していくためには、当社グループの全社員が理念やビジョン、企業価値に共感し、誇りを持って主体的に行動することが最も重要です。そのため、経営トップからのメッセージの発信、階層別教育の場や統合報告書・グループ報などの媒体を通じて、社員が理念やビジョンへの理解を深められるような取り組みを行っています。今後はさらに、国・地域・事業体を越えてグループ内で共通認識化するべく、情報発信の強化や教育・ワークショップの実施、経営層と社員の対話の場づくりといった取り組みを進めていきます。
2025年度は、中期経営計画「Value UpX」の初年度にあたることから、同計画の浸透および理解促進を目的として、中央労使協議会や階層別研修等の各種機会を通じ、社長をはじめとする経営層による講話を実施し、その内容の発信強化に取り組みました。
また、2025年度より新入社員研修の一部プログラムをグループ会社合同(国内)で開催し、グループの理念体系や「ビジョン2030」の解説、コンプライアンスや行動規範、サステナビリティ等に関する講義を行い、グループシナジーの源泉となる連帯感の強化に取り組みました。
人材マテリアリティ 強固な人材力の構築
事業環境の変化が激しく、戦略テーマが高度化し課題解決の難易度が増すなか、高度な専門性を有した人材や、堅固で揺るぎない現場力を支える人材など、一人ひとりの力を今以上に高め、より強固なものにしていく必要があります。当社には「教育最優先の原則」という人材育成を最優先とする方針があり、長年にわたり教育を経営の重要テーマとして位置づけて体質化してきました。この文化をグループ全体にも波及させ、「ビジョン2030」の実現に向けた積極的な人材投資を実施しています。教育研修の充実化をはじめ、経験者採用による人材の拡充にも注力し、高い専門性と豊富な経験を持つ人材の確保・育成を進めております。2023年度よりスタートした「グローバル人材登録制度」では、公募による登録者に対し、専用教育プログラムの提供や国内外のグローバル業務への優先的な配置を実施しています。
2025年度のグローバル人材登録者は41名であり、そのうち新たにグローバル業務に配置された社員は4名でした。また、2025年度より、本制度の登録者の中から1名を、海外トレーニーとしてマレーシアの連結子会社であるISF社へ派遣しました。当該派遣を通じ、現地での業務経験や異文化環境への適応を実地で学ぶ機会を提供することで、グローバルビジネスに関する理解を深化させるとともに、次世代を担うグローバル人材として必要なスキルおよび適応力の向上を図りました。
表4:経験者採用比率(正規雇用労働者のみ)
人材マテリアリティ 多様な人材の活躍
全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジや成長機会の提供と、「働きやすさ」の観点から社内環境の整備を進めています。社員が自らの個性を発揮して活躍するには、管理職にも高度なマネジメント力が求められることから、部下の個性や主体性を引き出すマネジメントへの意識の転換や、キャリア開発支援のスキル向上を目的とした管理職研修を実施しています。
2025年度は、主体的なキャリア形成の促進および組織の活性化を目的として、社員自らの意思で応募可能な社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」のトライアルを実施しました。当該制度により、社員に自己実現および成長機会を提供するとともに、適材適所の配置を通じて組織のパフォーマンス向上および優秀人材のリテンション強化を図っております。
また、階層別研修のリニューアル・拡充により、職務遂行能力の向上および人材基盤の強化を推進したほか、経験者採用者の早期活躍および定着を目的としたオンボーディング施策として、2025年7月および2026年2月に研修プログラムを実施しました。当該プログラムでは、講義やグループワーク、事業場見学等を通じて企業理解の深化および部門間の交流促進を図りました。
さらに、当社はかねてより社員の主体的な能力開発を支援する制度として「NLF(Nisshin Life Fund)制度」を運用しており、研修受講、通信教育、語学教育および資格取得に対する費用補助等を提供しております。近年、本制度の利用が拡大しており、社員のスキル向上および能力開発の促進に繋がっています。
人材マテリアリティ イノベーションを生み出す組織風土への進化
当社グループでは、仕事を通じた自己成長と社会や組織への貢献実感が働きがいにつながり、働きがいこそが主体性の原動力となると考えています。社員と会社が互いに高めあう環境を築き、社員が社内外で積極的に創発的なコミュニケーションや共創に取り組み主体的に挑戦する風土を醸成し、イノベーション創出の基盤としていきます。
当社単体では2021年度より社員のエンゲージメント状態を定期的に調査し、全社的な人材戦略と職場のマネジメントに活かしています。調査結果は役員や管理職に共有され、各部門や課単位で自組織の改善ポイントを特定したうえで、アクションプランを策定し具体的な改善行動につなげています。また、生産性向上を目的として、部署を横断した「働き方改革推進会議」を実施しており、人事部門だけでなく現場の課題感を踏まえた取り組みを推進しています。
2025年度は、新規ビジネス創出に向けた社内プロジェクトを実施しました。本プロジェクトは、社内に蓄積されたアイデアの顕在化および事業化を目的とし、体系的な支援を通じて新規事業の創出につなげるものです。あわせて、全社的な参加を促進することで、新たな価値創造にチャレンジする意識の醸成および組織風土の強化を図っております。当年度は67件の応募があり、書類選考を通過した案件については、教育プログラムの提供や事業化に向けた具体的な検討・支援を進めています。
② 社内環境整備に関する方針
当社グループは、健全かつ社員の持てる能力を存分に発揮できる職場環境を提供することが会社の責務であると考えます。育児、介護、治療と仕事の両立支援、柔軟かつ生産性高い働き方への変革、長時間労働の削減、社内コミュニケーションの活性化など、社員が安心して働くことのできる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきます。社内環境整備に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ 健康経営の推進
社員の健康への取り組みは、企業の発展を支える土台づくりであると捉えており、一人ひとりが活力高く働き、健康的で豊かな人生を送れるよう、社員の健康維持・増進、生産性向上に向けた支援を積極的に展開しています。統括組織である健康経営推進部を中心に、経営層、各事業所の健康推進担当や健康保険組合、労働組合、グループ会社が連携する体制を構築しています。
2025年度には、経営方針、健康経営推進方針、2030年度ゴール、各種指標および施策との関係性を体系的に整理し、健康経営を経営戦略と連動させて推進する枠組みを明確化しました。あわせて、2030年度ゴールの成果指標(KGI)として、CSV目標に掲げる「働きがいを感じる社員の割合」を設定し、進捗を把握しています。
具体的な取り組みとしては、「生活習慣病予防」「禁煙促進」「こころの健康」の3点を重点テーマとし、健康セミナーやウォーキング等の企画に加え、健康ポイントの付与を通じて健康意識の向上や行動変容を図っています。また、「こころの健康」の取り組み強化として新たに睡眠改善アプリを導入し、約200名の社員が利用しています。
こうした取り組みにより、当社単体では8回目となる「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定を受けたほか、グループ会社では大東カカオ株式会社が「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」、セッツ株式会社が「健康経営優良法人2026(中小規模法人)ネクストブライト1000」に認定されています。さらに、当社横浜磯子事業場およびグループ会社の株式会社NSPでは、「横浜健康経営認証2026 クラスAAA」(認証期間:2026年4月1日から2年間)に認定されています。
(リスク管理)
取締役会が設置する委員会であるリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、人的資本に伴うリスクの管理も他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの人的資本に関する目標は、「CSV目標」の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すそのものとして管理されています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標及び目標)」の「人材マネジメント」をご参照ください。
この他関連するものとして、健康指標の項目についても目標を設定し、実績値を集計しています。健康指標のさらに詳細な数値目標は、当社ホームページの「健康経営への取り組み」をご参照ください。
https://www.nisshin-oillio.com/company/sustainability/health_management/
(3)気候変動への対応
気候変動への対応の考え方
当社グループは、事業活動を通じた社会課題の解決により、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展(サステナビリティ)の実現を目指しています。当社グループは植物資源を事業活動のベースとしており、植物の生育に大きな影響を与える気候変動への対応は経営の重要テーマです。そのため、2021年3月にTCFD提言に賛同を表明し、2022年度よりTCFD提言に則った開示(気候変動に伴うリスク・機会の分析、財務影響などのシミュレーション等)を実施しています。
今後、分析の深化を進めるとともに、気候変動対応のガバナンスと事業戦略の強化を目指していきます。
(ガバナンス)
気候変動への対応は経営の重要課題であり、事業戦略会議にて審議し、特に重要な案件については取締役会で審議、決議しています。詳細は「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(ガバナンス)」をご参照ください。気候変動に関する審議内容としては、2025年4月の事業戦略会議において、物流戦略の一環としてグリーンロジスティクスの推進に関して審議しています。
(戦略)
当社グループでは、気候関連のリスク・機会の特定・評価および対応策について継続的に検討しており、今後も中長期的な視点から戦略のレジリエンスを高めていく必要があると考えています。2023年度に実施したシナリオ分析については、「①気候変動シナリオ分析」をご参照ください。
また、当社グループの事業活動へ大きく影響するリスク、機会についての対応策を検討しました。
・原材料の生産~調達プロセスでは、現地農家とのエンゲージメントを強化するなかで、認証油等の持続可能な原料生産、トレーサビリティ拡充を推進します。また購買活動としてサプライヤーの複線化によるリスク分散、気候変動に適応した植物資源の採用等によりサステナビリティ向上に努めます。
・研究開発においては、顧客・消費者ニーズに柔軟に対応するためのインキュベーションスクエアの設置、既存原料に捉われない新たな油糧資源・機能素材の獲得、健康増進商品の開発、脱化石原料に向けたプラスチック容器代替品の開発等を進めていきます。
・製造プロセスにおいては、エネルギー・水等の資源の効率的利用の促進、変化する顧客・消費者ニーズに対応した商品生産の強化、気候変動により激甚化・頻発化する風水害等への対策の強化等を進めます。
・物流プロセスにおいては、炭素税などの法規制対応やカーボンニュートラル実現に向けて、企業間ネットワークを活用した共同配送網拡大、エネルギー効率の高い鉄道輸送などへのモーダルシフト推進による温室効果ガス排出量削減に取り組みます。
・販売プロセスにおいては、製品・サービスの環境負荷の可視化や持続可能性に配慮した認証原料の普及・啓発により当社グループのブランドイメージ向上と環境価値を活用した積極的なマーケティング活動を推進します。
① 気候変動シナリオ分析
「気候変動の進行が抑制された世界」(1.5℃/2℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が1.5℃/2℃程度に抑えられた世界)と「気候変動が進行する世界」(4℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が4℃程度上昇する世界)について気候変動関連リスクと機会の分析を実施しました。
表5:気候関連リスク及び機会の一覧

[表中の用語の定義/考え方]
前述で特定したリスクのうち(★)を付記したリスクに対して、「(a)炭素税・ETS等によるコスト増」「(b)農業における脱炭素による原料大豆価格上昇」「(c)気象災害による生産停止に伴う利益減」の財務影響を分析しました。具体的な検討にあたっては、IPCC※1、IEA※2、NGFS※3等の各国際機関が公表するシナリオの定性/定量情報を参照しました。
※1 IPCC:気候変動に関する政府間パネル(各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的とした政府間組織)
※2 IEA :国際エネルギー機関(第一次石油ショックを機に設立されたエネルギー安全保障等のエネルギー政策全般をカバーする国際機関)
※3 NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するための中央銀行および金融監督当局の国際的なネットワーク)
(a) 炭素税・排出量取引制度(ETS)などによるコスト増
当社およびIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(マレーシア)を対象に2℃および1.5℃シナリオ※1における炭素価格を用いて、2030年と2050年の炭素価格の年間負担額をそれぞれ算出しました。CO2排出量削減目標を達成した場合、2030年の2社負担額は2.0℃シナリオで20億円/年、1.5℃シナリオで26.1億円/年となり、いずれのシナリオにおいても現状維持の場合と比較して半分程度に抑えられるという示唆が得られました。
(b) 農業における脱炭素による原料大豆価格上昇
大豆の主要生産国である米国とブラジルを対象に、NGFS※2による1.5℃相当シナリオを用いて2030年と2050年の大豆価格の変化による年間の調達コスト増加額を算出しました。その結果、米国産、ブラジル産大豆のいずれもコスト上昇は、財務影響算定を行ったリスク項目の中で最も大きな影響(2030年に合計165億円/年、2050年に合計259億円/年)となりました。
(c) 気象災害による生産停止に伴う利益減
国内事業を対象に、IPCC※3の4℃/2℃シナリオを用いて、洪水により操業が停止した場合の2050年における年間営業利益の減少額を算出しました。その結果、気象災害の影響が大きいとされる4℃シナリオでも影響額は1.76億円/年となり、財務影響算定を行ったリスク項目の中で、最も影響が小さいことが分かりました。
※1 2℃シナリオはIEAのWorld Energy Outlook 2022におけるAPSシナリオを、1.5℃シナリオはNZEシナリオを使用
※2 NGFS(Network for Greening the Financial System):気候変動リスクにかかる金融当局ネットワーク
※3 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル
このように特定したリスク、機会を踏まえれば、「気候変動の進行が抑制された世界」「気候変動が進行する世界」のいずれに進んだとしても影響は大きく、中長期的観点から当社グループ戦略のレジリエンスをより高めていく必要があると考えています。当社グループの事業活動へ大きく影響するリスク、機会に対して、サプライチェーンの上流から下流までの各プロセスにおいて、主に以下の対応策(次頁の表6:気候関連リスク、機会への対応策を参照ください)を採ります。これらの対応策は、当社グループ戦略のレジリエンスを高めることに貢献すると考えています。
表6:気候関連リスク・機会への対応策

※具体的な内容は実施中のものと検討中のものを含む
② 脱炭素化ロードマップ
2024年度に、脱炭素化移行計画の「脱炭素化を推進する戦略ロードマップ」(図4)を更新しました。省エネルギーの更なる深化では、未利用エネルギーの利活用とプロセス変革に注力し、非化石エネルギーの割合を次世代太陽光発電やバイオマス利用により向上させていきます。また、2024年度から、事業成長に伴うCO2排出量増加を抑えるため、市場からの再生可能エネルギー由来電力(再エネ電力)と再エネガスの調達を拡大しており、2025年度に堺工場の使用電力を100%再エネ電力にしました。さらに横浜磯子事業場では、水素をエネルギー源として活用していくため、かねてより設置を進めていた水素混焼型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステム(※1)(以下、CGS)設備の運用を2025年4月より開始しました。また、本取り組みを含め、当社グループとJFEエンジニアリングによる、日清オイリオ横浜磯子事業場での熱供給と多拠点電力融通、CGS導入に関するこれまでの一連の取り組みが評価され、両社は一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが主催する「コージェネ大賞 2025」(※2)において、産業用部門の最高位である「理事長賞」を受賞しました。今後も様々な施策を通じて、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指します。
※1 都市ガス等を利用して発電し、発電時に生じる熱を活用することでエネルギーを無駄なく利用できるシステム
※2 一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが主催し、新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性等において優れたCGSを表彰することにより、CGSの社会的認知を図るとともに、より優れたCGSの普及促進につなげることを目的とした表彰制度
図4:脱炭素化を推進する戦略ロードマップ

(リスク管理)
取締役会が設置するリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、気候変動に伴う物理的/移行リスクの管理も行っています。気候変動関連リスクは当社グループの重要リスクと位置づけられており、他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
リスク管理の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの気候に関する既存の目標として、CSV目標および環境目標2030があります。気候変動対策として温室効果ガス排出量削減を掲げ、「スコープ1および2の温室効果ガス排出量(総量ベース)を2030年度までに50%削減すること(2016年度比)」、「スコープ3は、購入した製品・サービスおよび輸配送(上流)を中心に排出量を2030年度までに25%削減すること(2020年度比)」をCSV目標として設定しています。
2025年度の実績は、スコープ1および2では、基準年である2016年度に対して22.0%減(速報値)となりました。今後もカーボンニュートラルを見据えた脱炭素化ロードマップに基づき、未利用エネルギーの利活用や次世代太陽光発電の導入、水素等の非化石エネルギーへの転換によるスコープ1、2削減を推進します。また、スコープ3についてもサプライチェーンへの働きかけ等による削減を推進します。脱炭素化ロードマップについては「②脱炭素化ロードマップ 図4:脱炭素化を推進する戦略ロードマップ」をご参照ください。CSV目標の進捗状況については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標と目標)」もご参照ください。
気候変動に関連する目標と取り組み状況は下表(表7)の通りです。
表7: CSV目標のうち気候変動に関する目標
※ 購入した製品・サービスおよび輸配送(上流)
(4)自然資本への対応
自然資本への対応の考え方
当社グループは植物資源を事業活動のベースとしています。主要原料となる大豆、菜種、パーム油、カカオなどの“植物のチカラ®”を活用して、食品、飼肥料、化成品、化粧品原料などの製造・販売を行っています。大豆(米国、ブラジル)、菜種(カナダ、オーストラリア)、パーム油(マレーシア、インドネシア)、カカオ(西アフリカ、南米)などは世界各地から輸入しており、特定の自然資本および産地に依存しています。このように、植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は、事業の持続性そのものです。その認識のもと、2023年度に生物多様性方針と水方針を制定しました。
日清オイリオグループ生物多様性方針

(2023年12月22日制定、2026年3月23日改訂)
日清オイリオグループ水方針

(2023年12月22日制定)
また、2024年9月にTNFD提言※1に基づく情報を開示し、2025年3月にTNFD Adopter※2に登録しました。今後も、事業活動を通じた自然資本の保全・回復に真摯に取り組むことで、社会との共有価値を創造し、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展の実現に努めていきます。
※1:TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures/自然関連財務情報開示タスクフォース):民間企業や金融機関が、自然に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織
※2:TNFD Adopter:2024年または2025年度の会計年度にTNFD提言に基づく情報開示の意向を示した企業・団体
(ガバナンス)
自然資本への対応は重要な経営課題であり、事業戦略会議にて審議し、特に重要な案件については取締役会が審議・決議しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(ガバナンス)」をご参照ください。
TNFD提言に沿った内容については、2024年9月の取締役会にて決議しました。
ステークホルダーとの関わり
自然資本の利用は、生物多様性への影響だけでなく人権侵害のリスクとも関わっており、当社グループのガバナンスにおいても、自然資本とつながりのあるステークホルダーへの配慮が必要とされています。当社グループは、サプライチェーンにおいて、事業が直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しています。そこで、事業に関わる全ての人々の人権を尊重するために、「日清オイリオグループ人権方針」を定め、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿い、当社グループ全体での人権尊重の取り組みを推進しています。当社グループは、「国際人権章典」および「OECD多国籍企業行動指針」ならびに「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に規定された人権を尊重します。また、国際的に認められた人権と各国・地域法に矛盾がある場合は、国際的な人権の原則を最大限尊重するための方法を追求していきます。
(戦略)
当社グループは、2023年度より、TNFD開示で求められる自然関連課題(依存、影響、リスク、機会)の特定と評価に着手しました。具体的な手法として、TNFDが提唱するLEAPアプローチ(※)を参照し、当社グループ事業のバリューチェーン上における自然に対する重要な依存関係と影響の特定や、リスクと機会の抽出、関連する既存施策の整理を実施しています。
今後もLEAPアプローチを通じて優先地域の特定やリスクと機会の重要性の評価等を実施し、対応策の具体化や指標の設定等を検討していく予定です。
※LEAPアプローチ:自然との接点、自然との依存と影響、および自然に関するリスクと機会などを評価するための統合的なアプローチとして、TNFDにより開発されたプロセスです。
① LEAP分析
図5: LEAPアプローチと実施状況

当社グループの油脂・油糧および加工食品・素材事業におけるバリューチェーン上流、直接操業および下流について、自然に対する依存と影響を特定しました。当社グループのバリューチェーン上流では、原材料となる作物の生産および、パーム油等一部原材料において搾油などの加工プロセスがあり、主要原材料である大豆、菜種、パーム油、カカオ、オリーブ油、ごまの生産加工を分析対象としました。直接操業では、調達した原材料の製造加工を行っています。また下流では、顧客企業による当社加工品の最終製品への製造加工、流通および最終消費者への小売りが行われています。バリューチェーンに関連がある国、地域を自然との接点として特定し、それらの地域について依存と影響の特定を行いました。そして、特に依存・影響度合いの大きい項目に対しリスクと機会を抽出しています。
② 当社グループの自然に対する依存関係と影響および対応施策
バリューチェーン上流では、食用油脂の原材料となる大豆、菜種、オリーブ、ごま、パームやカカオの生産工程において、昆虫などによる受粉媒介、干ばつの抑制、肥沃な土壌の維持といった、作物の生産を支える生態系サービスに大きく依存していること、さらには洪水・暴風雨などの自然災害の被害を緩和する機能や、農地における土壌侵食を抑制する機能も、自然資本から受ける重要なサービスであることが確認できました。
原材料別では、カカオの生産は、受粉媒介への依存度がより高く自然状態の変化の影響を受けやすいことが特定されました。
また、直接操業の製造加工工程、およびバリューチェーン下流の当社販売先企業の製造加工工程において、水資源に依存していることが特定されました。
バリューチェーン上流の原材料生産工程では、陸上生態系の利用や水質・土壌汚染が影響要因として特定されました。ENCORE※での説明や文献などからも、原材料生産地開発のための森林伐採、栽培における肥料や農薬の過剰使用は、陸上生態系の利用、水質・土壌汚染として自然にマイナスの影響を与えると認識しています。
原材料別では、パーム油は、原産地での搾油工程に伴うGHG排出量や廃棄物、水の利用が自然に影響を与えていることが特定されました。
直接操業では、製造加工工程において、製造拠点からのGHG排出や廃棄物の発生や水の排出を通じて自然に影響を及ぼす可能性が高い結果となりました。また、バリューチェーン下流では、当社販売先企業の製造加工工程、流通および販売工程において、GHG排出、廃棄物の発生や水の排水を通じて自然に影響を及ぼす可能性が高いことを特定しました。
また、食品製造業界全体として、製造加工工程や製品から発生する食品廃棄物、容器包装に使用するプラスチックの使用と廃棄は重要な課題となっています。特にプラスチックは、廃棄・焼却時のGHG排出や、海洋に流出したプラスチック(マイクロプラスチック)が海洋の生態系に与える影響も懸念されています。当社グループもこれらを重要な課題と認識しています。
※ ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)は、自然資本分野の国際金融業界団体(NCFA)主導で、世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)などが共同で開発したツールであり、TNFD v1.0の中でも、LEAPアプローチのLocate、Evaluateで活用できるツールとして紹介されています。当社グループの依存と影響の特定においても、ENCOREを活用しました。
当社グループの自然に対する依存関係と影響により発生するリスク機会、リスク機会に対応した施策は下表(表8-a、b)の通りです。
表8-a:自然に対する依存から発生するリスク、機会および既存の対応施策

表8-b:自然に対する影響から発生するリスク、機会および既存の対応施策

③ アクションプラン
自然資本(動植物、大気、土壌、水)への依存と影響、およびそれにより発生するリスクと機会については、当社グループの環境目標のテーマとも深く関連することから、すでに指標の開示や目標の設定、および目標達成に向けた対応を順次進めています。今後はさらに当アプローチで明らかになった課題を取り入れ、対応を充実させていきます。加えて、優先地域の特定やリスクと機会の重要性の評価等を実施することで、現在、未着手の分野も含め、必要な対応策を検討、拡大していく予定です。
2024年度以降は、自然への依存と影響が高い上流の原材料生産地域において、パーム油、大豆およびカカオの農作物ごとの持続可能な調達に向けたアクションプランを策定し、具体的な取り組みを推進しています。
パーム油アクションプラン
・トレーサブルで透明性のあるサプライチェーンの構築
・小規模農家の生産性・収益性向上支援による森林保護と人権尊重
・ステークホルダーとの連携による人権尊重の取り組みの推進
・パーム油サプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)の削減
大豆アクションプラン
・トレーサビリティの向上と、サプライチェーンにおけるCO2排出量の削減
・持続可能な調達の実践(認証制度の活用やエンゲージメントの拡大など)
カカオアクションプラン
・トレーサビリティが確保できる調達ルートの確立
・認証カカオ製品の拡大
・風味のサステナビリティ活動の実践
その他
・自然保全活動の推進/植林による自然保全活動(例:マレーシアでのマングローブ植林(2025年度は1,500本(約0.75ha)を実施)
④人権尊重
人権尊重の取り組みとして、人権デュー・ディリジェンスの仕組みの構築とトレーサビリティの強化を進めており、サプライチェーン全体で取り組むため、「日清オイリオグループ調達基本方針」と「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」を制定しています。
パーム油、大豆、カカオの生産地では、自然環境・生態系の保護や、先住民・農園で働く人たちの人権尊重が社会課題となっています。原材料産地の環境と人権の保護は、自然資本関連のリスク・機会への対応において、切り離せないものと考えています。
こうした環境・社会課題は原材料ごとに異なることから、調達基本方針のもと、「パーム油調達方針」・「大豆調達方針」・「カカオ調達方針」を制定しました。課題解決のためのアクションプランには、人権尊重に関する事項を盛り込み、人権デュー・ディリジェンスの実践と、苦情処理メカニズムの運用も進めています。また、人権尊重の取り組み内容を適宜ウェブサイトで公開しています。
図6: 人権尊重の取り組みの全体像

(リスク管理)
取締役会が設置するリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、自然資本に伴う物理的/移行リスクの管理を行っています。自然資本関連リスクは当社グループの重要リスクと位置づけられており、他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
リスク管理の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」もご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの自然資本に関する目標は、CSV目標の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すものとして管理されています。CSV目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティ課題全般(指標と目標)」もご参照ください。
また、CSV目標の実現に向けて、環境目標2030を定め、パーム油については、パーム油の農園までのトレーサビリティ体制を構築する(2030年に100%)、持続可能なパーム油調達推進に向けて、パーム油認証油割合を高める(2030年に100%)、RSPO認証油のSG比率の維持(50%)といった定量的な目標を掲げ取り組んでいます。
特に自然資本に関連するCSV目標と進捗は下表(表9)の通りです。
表9: CSV目標のうち自然資本に関する目標
※自然資本のうち、気候に関連する目標は(2)気候変動への対応(指標と目標)をご参照ください。
各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況は下表(表3)の通りです。
表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況

※1 「健康、おいしさ・美、食のバリューチェーン」の3つの重点領域については、2030年度目標を今後策定予定
※2 ビジョン2030の経営目標であるROIC7%の達成に向け、利益拡大・利益率向上の視点から戦略的に拡販していくべき商品群

※3 国内4工場+周辺倉庫の平均、パッケージ品が対象
※4 ボトル・キャップが対象
※5 Self-Assessment Questionnaire(自己評価調査票)
※6 報告書作成時の最新の排出係数を使用して算定
2025年度は厳しい市場環境であったことに加え、油脂コストや物流費等の上昇により、国内油脂・油糧事業における利益が減少いたしました。これに伴い、同事業に関連する複数のCSV目標の進捗に遅れが生じました。2026年度より同事業を中核とした構造改革に着手し、資本効率の向上とマーケティング機能の強化などに取り組むことで、2028年度のCSV目標達成を目指してまいります。
(2)人的資本への対応
人的資本への対応の考え方
当社グループは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けて、当社グループの成長を牽引する組織能力を強化するため、積極的かつ計画的に人的資本投資を進めています。人材戦略と健康経営における人的資本投資が社員一人ひとりの働きがいを高め、能力を最大限に引き出すことで、多様な人材がエネルギッシュに躍動する組織風土を醸成し、当社グループの持続的成長と価値向上を実現していきます。
(ガバナンス)
当社グループでは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、6つの重点領域の1つに「人材マネジメント」を選定し、CSV目標を設定するとともに、その具体的な取り組み・進捗について、社外取締役を含む取締役会において、客観的かつ独立した視点を踏まえた報告・審議・決議を行い、適切なモニタリングを実施しています。
また、経営による人事政策の検討機能の強化を目的として、2025年度下期より「人材開発委員会」を設置しました。同委員会は四半期に1度を目安に開催し、「ビジョン2030」の実現に向けた人材マネジメントの高度化、つまり「強固でレジリエントな人材基盤の構築」と「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」に資する主要政策や主要施策について、グループ横断かつ全社的な視点から審議を行い、経営戦略と連動した組織・人材開発を推進しています。
さらに、人材戦略やその具体的な施策、各種制度の新設・改訂など、人的資本に関わる重要事項については取締役会や執行役員会、事業戦略会議等で適宜、報告・審議・決議を行っています。
(戦略)
~経営戦略と人的資本への依存・影響~
当社グループは、「ビジョン2030」の実現およびその実行戦略である「Value UpX」の達成に向け、人的資本を企業価値創造の源泉と位置付けています。「Value UpX」は、成長戦略・基幹戦略・基盤戦略からなる3階層の戦略体系と、それらを支える研究開発、デジタル・IT、サプライチェーン、サステナビリティの4つの機能強化により構成されており、これらの実効性は、それを担う人材および組織能力に大きく依存するものと認識しています。
~人的資本関連のリスク・機会~
「Value UpX」の実行において、人的資本が重要な役割を担うことを踏まえ、人的資本に関するリスクおよび機会を次の通り認識しています。
まず、リスクとしては、成長領域における高度専門人材やデジタル人材の獲得競争の激化により必要人材の確保が困難となることや、事業環境の変化に対して人材の教育が十分に進まないことにより、戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。また、エンゲージメントの低下等による生産性の毀損や人材流出も重要なリスクとして認識しております。
一方で、当社グループが培ってきた人材や組織風土、技術・ノウハウは競争優位の源泉であり、これらの高度化・活用により付加価値創出の拡大が期待されます。加えて、多様な人材の活躍促進やエンゲージメント向上は、組織能力やイノベーション創出力を高め、持続的成長につながる重要な機会と捉えております。当社グループは、これらのリスクの低減および機会の最大化に向け、人材戦略を一体的に推進してまいります。
~人材戦略と人的資本関連指標および目標~
上記認識のもと、当社グループでは人材のあるべき姿を「グローバルな舞台で『おいしさ・健康・美』の新たな価値を創造し続けるエネルギッシュな精鋭集団」と定義し、人的資本経営の起点としております。この人材像の実現に向け、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。具体的には、人材領域における重要課題(人材マテリアリティ)として、「グループの理念・ビジョンへの共感」「強固な人材力の構築」「多様な人材の活躍」「イノベーションを生み出す組織風土への進化」の4領域を特定するとともに、これらの基盤として「健康経営の推進」を位置付けております。各マテリアリティについては、2030年に向けたCSV目標を設定し、人的資本の重点領域として取り組みを進めています。(詳細な数値目標は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況」を、具体的な取り組みについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本への対応 ① 人材育成方針」をご参照ください。)
また、これらを踏まえた人材マネジメント方針として「強固でレジリエントな人材基盤の構築」および「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」を掲げ、採用・育成・配置・評価といった一連の人材マネジメントプロセスを実行し、個人および組織能力の高度化と戦略実行力の強化を図っています。
図3:経営戦略と連動した人材戦略

① 人材育成方針
当社グループは、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上にとって重要であると考えています。経験や知識・スキル、価値観といった多様な個性を持つ人材の個のチカラを引き出し、性別や国籍などの属性に関わらず、全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジと成長機会の提供に取り組んでいます。人材育成に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ グループの理念・ビジョンへの共感
| 2030年度ゴール: ・グループ会社を含めたすべての社員が企業理念やビジョンに共感と誇りを持ち、常に自分事化して行動している ・グループ全体で目指す姿へのベクトルが揃い、一人ひとりの主体性が成果に結びついている |
グループ一丸となって「ビジョン2030」で目指す姿を実現していくためには、当社グループの全社員が理念やビジョン、企業価値に共感し、誇りを持って主体的に行動することが最も重要です。そのため、経営トップからのメッセージの発信、階層別教育の場や統合報告書・グループ報などの媒体を通じて、社員が理念やビジョンへの理解を深められるような取り組みを行っています。今後はさらに、国・地域・事業体を越えてグループ内で共通認識化するべく、情報発信の強化や教育・ワークショップの実施、経営層と社員の対話の場づくりといった取り組みを進めていきます。
2025年度は、中期経営計画「Value UpX」の初年度にあたることから、同計画の浸透および理解促進を目的として、中央労使協議会や階層別研修等の各種機会を通じ、社長をはじめとする経営層による講話を実施し、その内容の発信強化に取り組みました。
また、2025年度より新入社員研修の一部プログラムをグループ会社合同(国内)で開催し、グループの理念体系や「ビジョン2030」の解説、コンプライアンスや行動規範、サステナビリティ等に関する講義を行い、グループシナジーの源泉となる連帯感の強化に取り組みました。
人材マテリアリティ 強固な人材力の構築
| 2030年度ゴール: ・高度専門人材を積極的に育成・獲得し、ソリューションの舞台となるインキュベーションスクエアをはじめ、グローバル、デジタル、マーケティング、コーポレート部門等に重点配置が完了している ・堅固で揺るぎない生産や営業等の現場力を盤石化して競争力を発揮している |
事業環境の変化が激しく、戦略テーマが高度化し課題解決の難易度が増すなか、高度な専門性を有した人材や、堅固で揺るぎない現場力を支える人材など、一人ひとりの力を今以上に高め、より強固なものにしていく必要があります。当社には「教育最優先の原則」という人材育成を最優先とする方針があり、長年にわたり教育を経営の重要テーマとして位置づけて体質化してきました。この文化をグループ全体にも波及させ、「ビジョン2030」の実現に向けた積極的な人材投資を実施しています。教育研修の充実化をはじめ、経験者採用による人材の拡充にも注力し、高い専門性と豊富な経験を持つ人材の確保・育成を進めております。2023年度よりスタートした「グローバル人材登録制度」では、公募による登録者に対し、専用教育プログラムの提供や国内外のグローバル業務への優先的な配置を実施しています。
2025年度のグローバル人材登録者は41名であり、そのうち新たにグローバル業務に配置された社員は4名でした。また、2025年度より、本制度の登録者の中から1名を、海外トレーニーとしてマレーシアの連結子会社であるISF社へ派遣しました。当該派遣を通じ、現地での業務経験や異文化環境への適応を実地で学ぶ機会を提供することで、グローバルビジネスに関する理解を深化させるとともに、次世代を担うグローバル人材として必要なスキルおよび適応力の向上を図りました。
表4:経験者採用比率(正規雇用労働者のみ)
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
| 経験者採用者比率 | 9% | 28% | 33% | 38% | 34% | |
| 採用人数 | 新卒 | 53 | 47 | 61 | 51 | 67 |
| 経験者 | 5 | 18 | 30 | 31 | 34 | |
人材マテリアリティ 多様な人材の活躍
| 2030年度ゴール: ・人材マネジメントの高度化により、社員の多様な個の能力やスキルを発展させ、全社員が活躍と成長を実感している ・業務特性を踏まえた生産性高く柔軟な働き方の実現と、育児・介護等様々な状況下にある社員がパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整備できている |
全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジや成長機会の提供と、「働きやすさ」の観点から社内環境の整備を進めています。社員が自らの個性を発揮して活躍するには、管理職にも高度なマネジメント力が求められることから、部下の個性や主体性を引き出すマネジメントへの意識の転換や、キャリア開発支援のスキル向上を目的とした管理職研修を実施しています。
2025年度は、主体的なキャリア形成の促進および組織の活性化を目的として、社員自らの意思で応募可能な社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」のトライアルを実施しました。当該制度により、社員に自己実現および成長機会を提供するとともに、適材適所の配置を通じて組織のパフォーマンス向上および優秀人材のリテンション強化を図っております。
また、階層別研修のリニューアル・拡充により、職務遂行能力の向上および人材基盤の強化を推進したほか、経験者採用者の早期活躍および定着を目的としたオンボーディング施策として、2025年7月および2026年2月に研修プログラムを実施しました。当該プログラムでは、講義やグループワーク、事業場見学等を通じて企業理解の深化および部門間の交流促進を図りました。
さらに、当社はかねてより社員の主体的な能力開発を支援する制度として「NLF(Nisshin Life Fund)制度」を運用しており、研修受講、通信教育、語学教育および資格取得に対する費用補助等を提供しております。近年、本制度の利用が拡大しており、社員のスキル向上および能力開発の促進に繋がっています。
人材マテリアリティ イノベーションを生み出す組織風土への進化
| 2030年度ゴール: ・変革マインドをもって生き生きと個の強みを存分に発揮するための健全な組織風土が醸成されている(心理的安全性の担保) ・未来志向の深化と探索の取り組みに注力する時間(余力)を創出し、チャレンジを重視する文化が浸透している |
当社グループでは、仕事を通じた自己成長と社会や組織への貢献実感が働きがいにつながり、働きがいこそが主体性の原動力となると考えています。社員と会社が互いに高めあう環境を築き、社員が社内外で積極的に創発的なコミュニケーションや共創に取り組み主体的に挑戦する風土を醸成し、イノベーション創出の基盤としていきます。
当社単体では2021年度より社員のエンゲージメント状態を定期的に調査し、全社的な人材戦略と職場のマネジメントに活かしています。調査結果は役員や管理職に共有され、各部門や課単位で自組織の改善ポイントを特定したうえで、アクションプランを策定し具体的な改善行動につなげています。また、生産性向上を目的として、部署を横断した「働き方改革推進会議」を実施しており、人事部門だけでなく現場の課題感を踏まえた取り組みを推進しています。
2025年度は、新規ビジネス創出に向けた社内プロジェクトを実施しました。本プロジェクトは、社内に蓄積されたアイデアの顕在化および事業化を目的とし、体系的な支援を通じて新規事業の創出につなげるものです。あわせて、全社的な参加を促進することで、新たな価値創造にチャレンジする意識の醸成および組織風土の強化を図っております。当年度は67件の応募があり、書類選考を通過した案件については、教育プログラムの提供や事業化に向けた具体的な検討・支援を進めています。
② 社内環境整備に関する方針
当社グループは、健全かつ社員の持てる能力を存分に発揮できる職場環境を提供することが会社の責務であると考えます。育児、介護、治療と仕事の両立支援、柔軟かつ生産性高い働き方への変革、長時間労働の削減、社内コミュニケーションの活性化など、社員が安心して働くことのできる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきます。社内環境整備に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ 健康経営の推進
| 2030年度ゴール: ・健康経営が「社員一人ひとりの心身の健康」と「やりがいを持って活力高く働く」ことの土台として機能しており、社員の健康と魅力ある会社づくりが実現できている |
社員の健康への取り組みは、企業の発展を支える土台づくりであると捉えており、一人ひとりが活力高く働き、健康的で豊かな人生を送れるよう、社員の健康維持・増進、生産性向上に向けた支援を積極的に展開しています。統括組織である健康経営推進部を中心に、経営層、各事業所の健康推進担当や健康保険組合、労働組合、グループ会社が連携する体制を構築しています。
2025年度には、経営方針、健康経営推進方針、2030年度ゴール、各種指標および施策との関係性を体系的に整理し、健康経営を経営戦略と連動させて推進する枠組みを明確化しました。あわせて、2030年度ゴールの成果指標(KGI)として、CSV目標に掲げる「働きがいを感じる社員の割合」を設定し、進捗を把握しています。
具体的な取り組みとしては、「生活習慣病予防」「禁煙促進」「こころの健康」の3点を重点テーマとし、健康セミナーやウォーキング等の企画に加え、健康ポイントの付与を通じて健康意識の向上や行動変容を図っています。また、「こころの健康」の取り組み強化として新たに睡眠改善アプリを導入し、約200名の社員が利用しています。
こうした取り組みにより、当社単体では8回目となる「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定を受けたほか、グループ会社では大東カカオ株式会社が「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」、セッツ株式会社が「健康経営優良法人2026(中小規模法人)ネクストブライト1000」に認定されています。さらに、当社横浜磯子事業場およびグループ会社の株式会社NSPでは、「横浜健康経営認証2026 クラスAAA」(認証期間:2026年4月1日から2年間)に認定されています。
(リスク管理)
取締役会が設置する委員会であるリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、人的資本に伴うリスクの管理も他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの人的資本に関する目標は、「CSV目標」の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すそのものとして管理されています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標及び目標)」の「人材マネジメント」をご参照ください。
この他関連するものとして、健康指標の項目についても目標を設定し、実績値を集計しています。健康指標のさらに詳細な数値目標は、当社ホームページの「健康経営への取り組み」をご参照ください。
https://www.nisshin-oillio.com/company/sustainability/health_management/
(3)気候変動への対応
気候変動への対応の考え方
当社グループは、事業活動を通じた社会課題の解決により、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展(サステナビリティ)の実現を目指しています。当社グループは植物資源を事業活動のベースとしており、植物の生育に大きな影響を与える気候変動への対応は経営の重要テーマです。そのため、2021年3月にTCFD提言に賛同を表明し、2022年度よりTCFD提言に則った開示(気候変動に伴うリスク・機会の分析、財務影響などのシミュレーション等)を実施しています。
今後、分析の深化を進めるとともに、気候変動対応のガバナンスと事業戦略の強化を目指していきます。
(ガバナンス)
気候変動への対応は経営の重要課題であり、事業戦略会議にて審議し、特に重要な案件については取締役会で審議、決議しています。詳細は「2サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(ガバナンス)」をご参照ください。気候変動に関する審議内容としては、2025年4月の事業戦略会議において、物流戦略の一環としてグリーンロジスティクスの推進に関して審議しています。
(戦略)
当社グループでは、気候関連のリスク・機会の特定・評価および対応策について継続的に検討しており、今後も中長期的な視点から戦略のレジリエンスを高めていく必要があると考えています。2023年度に実施したシナリオ分析については、「①気候変動シナリオ分析」をご参照ください。
また、当社グループの事業活動へ大きく影響するリスク、機会についての対応策を検討しました。
・原材料の生産~調達プロセスでは、現地農家とのエンゲージメントを強化するなかで、認証油等の持続可能な原料生産、トレーサビリティ拡充を推進します。また購買活動としてサプライヤーの複線化によるリスク分散、気候変動に適応した植物資源の採用等によりサステナビリティ向上に努めます。
・研究開発においては、顧客・消費者ニーズに柔軟に対応するためのインキュベーションスクエアの設置、既存原料に捉われない新たな油糧資源・機能素材の獲得、健康増進商品の開発、脱化石原料に向けたプラスチック容器代替品の開発等を進めていきます。
・製造プロセスにおいては、エネルギー・水等の資源の効率的利用の促進、変化する顧客・消費者ニーズに対応した商品生産の強化、気候変動により激甚化・頻発化する風水害等への対策の強化等を進めます。
・物流プロセスにおいては、炭素税などの法規制対応やカーボンニュートラル実現に向けて、企業間ネットワークを活用した共同配送網拡大、エネルギー効率の高い鉄道輸送などへのモーダルシフト推進による温室効果ガス排出量削減に取り組みます。
・販売プロセスにおいては、製品・サービスの環境負荷の可視化や持続可能性に配慮した認証原料の普及・啓発により当社グループのブランドイメージ向上と環境価値を活用した積極的なマーケティング活動を推進します。
① 気候変動シナリオ分析
「気候変動の進行が抑制された世界」(1.5℃/2℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が1.5℃/2℃程度に抑えられた世界)と「気候変動が進行する世界」(4℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が4℃程度上昇する世界)について気候変動関連リスクと機会の分析を実施しました。
表5:気候関連リスク及び機会の一覧

[表中の用語の定義/考え方]
| -「影響度」 | : | 当該リスク/機会が現実のものとなった場合に当社に及ぼす影響の度合いを、主に財務的影響の観点から定性的に3段階(大/中/小)で評価しています。 | |
| -「発生可能性」 | : | 当該リスク/機会が実際に発生する可能性や確率を示しており、定性的に3段階(高/中/低)で評価しています。なお、既に発現しているリスク/機会については「高」に含めています。 | |
| -「発生時期」 | : | 当該リスク/機会が「いつ発生し得るか」を示しています。なお、短期=現在~5年未満、中期=5年以上10年未満、長期=10年以上を目安として定性的に判断しています。なお、既に発現しているリスク/機会については「短期」に含めています。この時間軸の定義は、当社グループの経営戦略(短期戦略として2025年から2028年までの「Value UpX」、中期戦略として2030年までの「日清オイリオグループビジョン 2030」)における時間軸の考え方と整合的です。 | |
| -「★」 | : | 試行的に影響度の定量化(金額換算)を実施したものを示しています。 |
前述で特定したリスクのうち(★)を付記したリスクに対して、「(a)炭素税・ETS等によるコスト増」「(b)農業における脱炭素による原料大豆価格上昇」「(c)気象災害による生産停止に伴う利益減」の財務影響を分析しました。具体的な検討にあたっては、IPCC※1、IEA※2、NGFS※3等の各国際機関が公表するシナリオの定性/定量情報を参照しました。
※1 IPCC:気候変動に関する政府間パネル(各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることを目的とした政府間組織)
※2 IEA :国際エネルギー機関(第一次石油ショックを機に設立されたエネルギー安全保障等のエネルギー政策全般をカバーする国際機関)
※3 NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するための中央銀行および金融監督当局の国際的なネットワーク)
(a) 炭素税・排出量取引制度(ETS)などによるコスト増
当社およびIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(マレーシア)を対象に2℃および1.5℃シナリオ※1における炭素価格を用いて、2030年と2050年の炭素価格の年間負担額をそれぞれ算出しました。CO2排出量削減目標を達成した場合、2030年の2社負担額は2.0℃シナリオで20億円/年、1.5℃シナリオで26.1億円/年となり、いずれのシナリオにおいても現状維持の場合と比較して半分程度に抑えられるという示唆が得られました。
(b) 農業における脱炭素による原料大豆価格上昇
大豆の主要生産国である米国とブラジルを対象に、NGFS※2による1.5℃相当シナリオを用いて2030年と2050年の大豆価格の変化による年間の調達コスト増加額を算出しました。その結果、米国産、ブラジル産大豆のいずれもコスト上昇は、財務影響算定を行ったリスク項目の中で最も大きな影響(2030年に合計165億円/年、2050年に合計259億円/年)となりました。
(c) 気象災害による生産停止に伴う利益減
国内事業を対象に、IPCC※3の4℃/2℃シナリオを用いて、洪水により操業が停止した場合の2050年における年間営業利益の減少額を算出しました。その結果、気象災害の影響が大きいとされる4℃シナリオでも影響額は1.76億円/年となり、財務影響算定を行ったリスク項目の中で、最も影響が小さいことが分かりました。
※1 2℃シナリオはIEAのWorld Energy Outlook 2022におけるAPSシナリオを、1.5℃シナリオはNZEシナリオを使用
※2 NGFS(Network for Greening the Financial System):気候変動リスクにかかる金融当局ネットワーク
※3 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル
このように特定したリスク、機会を踏まえれば、「気候変動の進行が抑制された世界」「気候変動が進行する世界」のいずれに進んだとしても影響は大きく、中長期的観点から当社グループ戦略のレジリエンスをより高めていく必要があると考えています。当社グループの事業活動へ大きく影響するリスク、機会に対して、サプライチェーンの上流から下流までの各プロセスにおいて、主に以下の対応策(次頁の表6:気候関連リスク、機会への対応策を参照ください)を採ります。これらの対応策は、当社グループ戦略のレジリエンスを高めることに貢献すると考えています。
表6:気候関連リスク・機会への対応策

※具体的な内容は実施中のものと検討中のものを含む
② 脱炭素化ロードマップ
2024年度に、脱炭素化移行計画の「脱炭素化を推進する戦略ロードマップ」(図4)を更新しました。省エネルギーの更なる深化では、未利用エネルギーの利活用とプロセス変革に注力し、非化石エネルギーの割合を次世代太陽光発電やバイオマス利用により向上させていきます。また、2024年度から、事業成長に伴うCO2排出量増加を抑えるため、市場からの再生可能エネルギー由来電力(再エネ電力)と再エネガスの調達を拡大しており、2025年度に堺工場の使用電力を100%再エネ電力にしました。さらに横浜磯子事業場では、水素をエネルギー源として活用していくため、かねてより設置を進めていた水素混焼型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステム(※1)(以下、CGS)設備の運用を2025年4月より開始しました。また、本取り組みを含め、当社グループとJFEエンジニアリングによる、日清オイリオ横浜磯子事業場での熱供給と多拠点電力融通、CGS導入に関するこれまでの一連の取り組みが評価され、両社は一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが主催する「コージェネ大賞 2025」(※2)において、産業用部門の最高位である「理事長賞」を受賞しました。今後も様々な施策を通じて、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指します。
※1 都市ガス等を利用して発電し、発電時に生じる熱を活用することでエネルギーを無駄なく利用できるシステム
※2 一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが主催し、新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性等において優れたCGSを表彰することにより、CGSの社会的認知を図るとともに、より優れたCGSの普及促進につなげることを目的とした表彰制度
図4:脱炭素化を推進する戦略ロードマップ

(リスク管理)
取締役会が設置するリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、気候変動に伴う物理的/移行リスクの管理も行っています。気候変動関連リスクは当社グループの重要リスクと位置づけられており、他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
リスク管理の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの気候に関する既存の目標として、CSV目標および環境目標2030があります。気候変動対策として温室効果ガス排出量削減を掲げ、「スコープ1および2の温室効果ガス排出量(総量ベース)を2030年度までに50%削減すること(2016年度比)」、「スコープ3は、購入した製品・サービスおよび輸配送(上流)を中心に排出量を2030年度までに25%削減すること(2020年度比)」をCSV目標として設定しています。
2025年度の実績は、スコープ1および2では、基準年である2016年度に対して22.0%減(速報値)となりました。今後もカーボンニュートラルを見据えた脱炭素化ロードマップに基づき、未利用エネルギーの利活用や次世代太陽光発電の導入、水素等の非化石エネルギーへの転換によるスコープ1、2削減を推進します。また、スコープ3についてもサプライチェーンへの働きかけ等による削減を推進します。脱炭素化ロードマップについては「②脱炭素化ロードマップ 図4:脱炭素化を推進する戦略ロードマップ」をご参照ください。CSV目標の進捗状況については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標と目標)」もご参照ください。
気候変動に関連する目標と取り組み状況は下表(表7)の通りです。
表7: CSV目標のうち気候変動に関する目標
| 重点領域 | CSV目標 | 2030年度 目標値 | 2025年度実績 |
| 地球環境 | Scope1,2におけるCO2排出量削減(2016年度比) | 50% | 22.0%(速報値) |
| Scope3におけるCO2排出削減(2020年度比:カテゴリー1,4から取組開始※) | 25% | [カテゴリー1] ・GHG排出量の算定方法について、業界統一基準としての採用に向け、業界団体の委員会等を通じ、米国・カナダ・オーストラリアで示されている算定方法(EUにおいて採用されている国際的手法)を採用する方向性を確認 ・再生農業により生産された大豆を試験的に調達する準備を開始 | |
| プラスチック容器・包装の削減及び資源循環の推進 石油から新たに作られるプラスチック容器(ボトル・キャップ)の原単位削減(2022年度比) | 15% | ・原単位削減:4.9% ・2024年8月に実施したフレッシュキープボトル145g容器のプラスチック使用量削減が「2025日本パッケージングコンテスト」において「テクニカル包装賞」を受賞 ・油付きPETボトルの水平リサイクル実証実験をキユーピー社と実施、成果を2月発行の日本包装学会誌に論文発表した。また、リサイクルしたPETを使用した製品を当社、キユーピー社で生産。当社では800gPETボトル商品の一部に使用し、2026年3月から順次販売を開始 |
※ 購入した製品・サービスおよび輸配送(上流)
(4)自然資本への対応
自然資本への対応の考え方
当社グループは植物資源を事業活動のベースとしています。主要原料となる大豆、菜種、パーム油、カカオなどの“植物のチカラ®”を活用して、食品、飼肥料、化成品、化粧品原料などの製造・販売を行っています。大豆(米国、ブラジル)、菜種(カナダ、オーストラリア)、パーム油(マレーシア、インドネシア)、カカオ(西アフリカ、南米)などは世界各地から輸入しており、特定の自然資本および産地に依存しています。このように、植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は、事業の持続性そのものです。その認識のもと、2023年度に生物多様性方針と水方針を制定しました。
日清オイリオグループ生物多様性方針

(2023年12月22日制定、2026年3月23日改訂)
日清オイリオグループ水方針

(2023年12月22日制定)
また、2024年9月にTNFD提言※1に基づく情報を開示し、2025年3月にTNFD Adopter※2に登録しました。今後も、事業活動を通じた自然資本の保全・回復に真摯に取り組むことで、社会との共有価値を創造し、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展の実現に努めていきます。
※1:TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures/自然関連財務情報開示タスクフォース):民間企業や金融機関が、自然に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築する国際的な組織
※2:TNFD Adopter:2024年または2025年度の会計年度にTNFD提言に基づく情報開示の意向を示した企業・団体
(ガバナンス)
自然資本への対応は重要な経営課題であり、事業戦略会議にて審議し、特に重要な案件については取締役会が審議・決議しています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(ガバナンス)」をご参照ください。
TNFD提言に沿った内容については、2024年9月の取締役会にて決議しました。
ステークホルダーとの関わり
自然資本の利用は、生物多様性への影響だけでなく人権侵害のリスクとも関わっており、当社グループのガバナンスにおいても、自然資本とつながりのあるステークホルダーへの配慮が必要とされています。当社グループは、サプライチェーンにおいて、事業が直接的または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しています。そこで、事業に関わる全ての人々の人権を尊重するために、「日清オイリオグループ人権方針」を定め、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿い、当社グループ全体での人権尊重の取り組みを推進しています。当社グループは、「国際人権章典」および「OECD多国籍企業行動指針」ならびに「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に規定された人権を尊重します。また、国際的に認められた人権と各国・地域法に矛盾がある場合は、国際的な人権の原則を最大限尊重するための方法を追求していきます。
(戦略)
当社グループは、2023年度より、TNFD開示で求められる自然関連課題(依存、影響、リスク、機会)の特定と評価に着手しました。具体的な手法として、TNFDが提唱するLEAPアプローチ(※)を参照し、当社グループ事業のバリューチェーン上における自然に対する重要な依存関係と影響の特定や、リスクと機会の抽出、関連する既存施策の整理を実施しています。
今後もLEAPアプローチを通じて優先地域の特定やリスクと機会の重要性の評価等を実施し、対応策の具体化や指標の設定等を検討していく予定です。
※LEAPアプローチ:自然との接点、自然との依存と影響、および自然に関するリスクと機会などを評価するための統合的なアプローチとして、TNFDにより開発されたプロセスです。
① LEAP分析
図5: LEAPアプローチと実施状況

当社グループの油脂・油糧および加工食品・素材事業におけるバリューチェーン上流、直接操業および下流について、自然に対する依存と影響を特定しました。当社グループのバリューチェーン上流では、原材料となる作物の生産および、パーム油等一部原材料において搾油などの加工プロセスがあり、主要原材料である大豆、菜種、パーム油、カカオ、オリーブ油、ごまの生産加工を分析対象としました。直接操業では、調達した原材料の製造加工を行っています。また下流では、顧客企業による当社加工品の最終製品への製造加工、流通および最終消費者への小売りが行われています。バリューチェーンに関連がある国、地域を自然との接点として特定し、それらの地域について依存と影響の特定を行いました。そして、特に依存・影響度合いの大きい項目に対しリスクと機会を抽出しています。
② 当社グループの自然に対する依存関係と影響および対応施策
バリューチェーン上流では、食用油脂の原材料となる大豆、菜種、オリーブ、ごま、パームやカカオの生産工程において、昆虫などによる受粉媒介、干ばつの抑制、肥沃な土壌の維持といった、作物の生産を支える生態系サービスに大きく依存していること、さらには洪水・暴風雨などの自然災害の被害を緩和する機能や、農地における土壌侵食を抑制する機能も、自然資本から受ける重要なサービスであることが確認できました。
原材料別では、カカオの生産は、受粉媒介への依存度がより高く自然状態の変化の影響を受けやすいことが特定されました。
また、直接操業の製造加工工程、およびバリューチェーン下流の当社販売先企業の製造加工工程において、水資源に依存していることが特定されました。
バリューチェーン上流の原材料生産工程では、陸上生態系の利用や水質・土壌汚染が影響要因として特定されました。ENCORE※での説明や文献などからも、原材料生産地開発のための森林伐採、栽培における肥料や農薬の過剰使用は、陸上生態系の利用、水質・土壌汚染として自然にマイナスの影響を与えると認識しています。
原材料別では、パーム油は、原産地での搾油工程に伴うGHG排出量や廃棄物、水の利用が自然に影響を与えていることが特定されました。
直接操業では、製造加工工程において、製造拠点からのGHG排出や廃棄物の発生や水の排出を通じて自然に影響を及ぼす可能性が高い結果となりました。また、バリューチェーン下流では、当社販売先企業の製造加工工程、流通および販売工程において、GHG排出、廃棄物の発生や水の排水を通じて自然に影響を及ぼす可能性が高いことを特定しました。
また、食品製造業界全体として、製造加工工程や製品から発生する食品廃棄物、容器包装に使用するプラスチックの使用と廃棄は重要な課題となっています。特にプラスチックは、廃棄・焼却時のGHG排出や、海洋に流出したプラスチック(マイクロプラスチック)が海洋の生態系に与える影響も懸念されています。当社グループもこれらを重要な課題と認識しています。
※ ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)は、自然資本分野の国際金融業界団体(NCFA)主導で、世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)などが共同で開発したツールであり、TNFD v1.0の中でも、LEAPアプローチのLocate、Evaluateで活用できるツールとして紹介されています。当社グループの依存と影響の特定においても、ENCOREを活用しました。
当社グループの自然に対する依存関係と影響により発生するリスク機会、リスク機会に対応した施策は下表(表8-a、b)の通りです。
表8-a:自然に対する依存から発生するリスク、機会および既存の対応施策

表8-b:自然に対する影響から発生するリスク、機会および既存の対応施策

③ アクションプラン
自然資本(動植物、大気、土壌、水)への依存と影響、およびそれにより発生するリスクと機会については、当社グループの環境目標のテーマとも深く関連することから、すでに指標の開示や目標の設定、および目標達成に向けた対応を順次進めています。今後はさらに当アプローチで明らかになった課題を取り入れ、対応を充実させていきます。加えて、優先地域の特定やリスクと機会の重要性の評価等を実施することで、現在、未着手の分野も含め、必要な対応策を検討、拡大していく予定です。
2024年度以降は、自然への依存と影響が高い上流の原材料生産地域において、パーム油、大豆およびカカオの農作物ごとの持続可能な調達に向けたアクションプランを策定し、具体的な取り組みを推進しています。
パーム油アクションプラン
・トレーサブルで透明性のあるサプライチェーンの構築
・小規模農家の生産性・収益性向上支援による森林保護と人権尊重
・ステークホルダーとの連携による人権尊重の取り組みの推進
・パーム油サプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)の削減
大豆アクションプラン
・トレーサビリティの向上と、サプライチェーンにおけるCO2排出量の削減
・持続可能な調達の実践(認証制度の活用やエンゲージメントの拡大など)
カカオアクションプラン
・トレーサビリティが確保できる調達ルートの確立
・認証カカオ製品の拡大
・風味のサステナビリティ活動の実践
その他
・自然保全活動の推進/植林による自然保全活動(例:マレーシアでのマングローブ植林(2025年度は1,500本(約0.75ha)を実施)
④人権尊重
人権尊重の取り組みとして、人権デュー・ディリジェンスの仕組みの構築とトレーサビリティの強化を進めており、サプライチェーン全体で取り組むため、「日清オイリオグループ調達基本方針」と「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」を制定しています。
パーム油、大豆、カカオの生産地では、自然環境・生態系の保護や、先住民・農園で働く人たちの人権尊重が社会課題となっています。原材料産地の環境と人権の保護は、自然資本関連のリスク・機会への対応において、切り離せないものと考えています。
こうした環境・社会課題は原材料ごとに異なることから、調達基本方針のもと、「パーム油調達方針」・「大豆調達方針」・「カカオ調達方針」を制定しました。課題解決のためのアクションプランには、人権尊重に関する事項を盛り込み、人権デュー・ディリジェンスの実践と、苦情処理メカニズムの運用も進めています。また、人権尊重の取り組み内容を適宜ウェブサイトで公開しています。
図6: 人権尊重の取り組みの全体像

(リスク管理)
取締役会が設置するリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、自然資本に伴う物理的/移行リスクの管理を行っています。自然資本関連リスクは当社グループの重要リスクと位置づけられており、他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
リスク管理の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」もご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの自然資本に関する目標は、CSV目標の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すものとして管理されています。CSV目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティ課題全般(指標と目標)」もご参照ください。
また、CSV目標の実現に向けて、環境目標2030を定め、パーム油については、パーム油の農園までのトレーサビリティ体制を構築する(2030年に100%)、持続可能なパーム油調達推進に向けて、パーム油認証油割合を高める(2030年に100%)、RSPO認証油のSG比率の維持(50%)といった定量的な目標を掲げ取り組んでいます。
特に自然資本に関連するCSV目標と進捗は下表(表9)の通りです。
表9: CSV目標のうち自然資本に関する目標
| 重点領域 | CSV目標 | 2030年度 目標値 | 2025年度実績 |
| 信頼でつながるサプライチェーン | 農園までのトレーサビリティ比率向上 | パーム油 100% | パーム油 94% |
| 持続可能な大豆の調達推進 | 安定供給を前提とした持続可能な大豆の調達 | ・大豆モラトリアムに加盟しているTier3(現地集荷業者)の当社向け年別/輸出港別の供給割合を調査し、82.9%であることを確認 | |
| 持続可能なカカオの調達推進 | 安定供給を前提とした持続可能なカカオの調達 | ・希少性が高い伝統的なアリバ種カカオ豆を最新設備の整ったプランテーションで栽培し、本取り組みをウェブサイトに公開 |
※自然資本のうち、気候に関連する目標は(2)気候変動への対応(指標と目標)をご参照ください。