有価証券報告書-第154期(2025/04/01-2026/03/31)
人的資本への対応の考え方
当社グループは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けて、当社グループの成長を牽引する組織能力を強化するため、積極的かつ計画的に人的資本投資を進めています。人材戦略と健康経営における人的資本投資が社員一人ひとりの働きがいを高め、能力を最大限に引き出すことで、多様な人材がエネルギッシュに躍動する組織風土を醸成し、当社グループの持続的成長と価値向上を実現していきます。
(ガバナンス)
当社グループでは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、6つの重点領域の1つに「人材マネジメント」を選定し、CSV目標を設定するとともに、その具体的な取り組み・進捗について、社外取締役を含む取締役会において、客観的かつ独立した視点を踏まえた報告・審議・決議を行い、適切なモニタリングを実施しています。
また、経営による人事政策の検討機能の強化を目的として、2025年度下期より「人材開発委員会」を設置しました。同委員会は四半期に1度を目安に開催し、「ビジョン2030」の実現に向けた人材マネジメントの高度化、つまり「強固でレジリエントな人材基盤の構築」と「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」に資する主要政策や主要施策について、グループ横断かつ全社的な視点から審議を行い、経営戦略と連動した組織・人材開発を推進しています。
さらに、人材戦略やその具体的な施策、各種制度の新設・改訂など、人的資本に関わる重要事項については取締役会や執行役員会、事業戦略会議等で適宜、報告・審議・決議を行っています。
(戦略)
~経営戦略と人的資本への依存・影響~
当社グループは、「ビジョン2030」の実現およびその実行戦略である「Value UpX」の達成に向け、人的資本を企業価値創造の源泉と位置付けています。「Value UpX」は、成長戦略・基幹戦略・基盤戦略からなる3階層の戦略体系と、それらを支える研究開発、デジタル・IT、サプライチェーン、サステナビリティの4つの機能強化により構成されており、これらの実効性は、それを担う人材および組織能力に大きく依存するものと認識しています。
~人的資本関連のリスク・機会~
「Value UpX」の実行において、人的資本が重要な役割を担うことを踏まえ、人的資本に関するリスクおよび機会を次の通り認識しています。
まず、リスクとしては、成長領域における高度専門人材やデジタル人材の獲得競争の激化により必要人材の確保が困難となることや、事業環境の変化に対して人材の教育が十分に進まないことにより、戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。また、エンゲージメントの低下等による生産性の毀損や人材流出も重要なリスクとして認識しております。
一方で、当社グループが培ってきた人材や組織風土、技術・ノウハウは競争優位の源泉であり、これらの高度化・活用により付加価値創出の拡大が期待されます。加えて、多様な人材の活躍促進やエンゲージメント向上は、組織能力やイノベーション創出力を高め、持続的成長につながる重要な機会と捉えております。当社グループは、これらのリスクの低減および機会の最大化に向け、人材戦略を一体的に推進してまいります。
~人材戦略と人的資本関連指標および目標~
上記認識のもと、当社グループでは人材のあるべき姿を「グローバルな舞台で『おいしさ・健康・美』の新たな価値を創造し続けるエネルギッシュな精鋭集団」と定義し、人的資本経営の起点としております。この人材像の実現に向け、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。具体的には、人材領域における重要課題(人材マテリアリティ)として、「グループの理念・ビジョンへの共感」「強固な人材力の構築」「多様な人材の活躍」「イノベーションを生み出す組織風土への進化」の4領域を特定するとともに、これらの基盤として「健康経営の推進」を位置付けております。各マテリアリティについては、2030年に向けたCSV目標を設定し、人的資本の重点領域として取り組みを進めています。(詳細な数値目標は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況」を、具体的な取り組みについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本への対応 ① 人材育成方針」をご参照ください。)
また、これらを踏まえた人材マネジメント方針として「強固でレジリエントな人材基盤の構築」および「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」を掲げ、採用・育成・配置・評価といった一連の人材マネジメントプロセスを実行し、個人および組織能力の高度化と戦略実行力の強化を図っています。
図3:経営戦略と連動した人材戦略

① 人材育成方針
当社グループは、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上にとって重要であると考えています。経験や知識・スキル、価値観といった多様な個性を持つ人材の個のチカラを引き出し、性別や国籍などの属性に関わらず、全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジと成長機会の提供に取り組んでいます。人材育成に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ グループの理念・ビジョンへの共感
グループ一丸となって「ビジョン2030」で目指す姿を実現していくためには、当社グループの全社員が理念やビジョン、企業価値に共感し、誇りを持って主体的に行動することが最も重要です。そのため、経営トップからのメッセージの発信、階層別教育の場や統合報告書・グループ報などの媒体を通じて、社員が理念やビジョンへの理解を深められるような取り組みを行っています。今後はさらに、国・地域・事業体を越えてグループ内で共通認識化するべく、情報発信の強化や教育・ワークショップの実施、経営層と社員の対話の場づくりといった取り組みを進めていきます。
2025年度は、中期経営計画「Value UpX」の初年度にあたることから、同計画の浸透および理解促進を目的として、中央労使協議会や階層別研修等の各種機会を通じ、社長をはじめとする経営層による講話を実施し、その内容の発信強化に取り組みました。
また、2025年度より新入社員研修の一部プログラムをグループ会社合同(国内)で開催し、グループの理念体系や「ビジョン2030」の解説、コンプライアンスや行動規範、サステナビリティ等に関する講義を行い、グループシナジーの源泉となる連帯感の強化に取り組みました。
人材マテリアリティ 強固な人材力の構築
事業環境の変化が激しく、戦略テーマが高度化し課題解決の難易度が増すなか、高度な専門性を有した人材や、堅固で揺るぎない現場力を支える人材など、一人ひとりの力を今以上に高め、より強固なものにしていく必要があります。当社には「教育最優先の原則」という人材育成を最優先とする方針があり、長年にわたり教育を経営の重要テーマとして位置づけて体質化してきました。この文化をグループ全体にも波及させ、「ビジョン2030」の実現に向けた積極的な人材投資を実施しています。教育研修の充実化をはじめ、経験者採用による人材の拡充にも注力し、高い専門性と豊富な経験を持つ人材の確保・育成を進めております。2023年度よりスタートした「グローバル人材登録制度」では、公募による登録者に対し、専用教育プログラムの提供や国内外のグローバル業務への優先的な配置を実施しています。
2025年度のグローバル人材登録者は41名であり、そのうち新たにグローバル業務に配置された社員は4名でした。また、2025年度より、本制度の登録者の中から1名を、海外トレーニーとしてマレーシアの連結子会社であるISF社へ派遣しました。当該派遣を通じ、現地での業務経験や異文化環境への適応を実地で学ぶ機会を提供することで、グローバルビジネスに関する理解を深化させるとともに、次世代を担うグローバル人材として必要なスキルおよび適応力の向上を図りました。
表4:経験者採用比率(正規雇用労働者のみ)
人材マテリアリティ 多様な人材の活躍
全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジや成長機会の提供と、「働きやすさ」の観点から社内環境の整備を進めています。社員が自らの個性を発揮して活躍するには、管理職にも高度なマネジメント力が求められることから、部下の個性や主体性を引き出すマネジメントへの意識の転換や、キャリア開発支援のスキル向上を目的とした管理職研修を実施しています。
2025年度は、主体的なキャリア形成の促進および組織の活性化を目的として、社員自らの意思で応募可能な社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」のトライアルを実施しました。当該制度により、社員に自己実現および成長機会を提供するとともに、適材適所の配置を通じて組織のパフォーマンス向上および優秀人材のリテンション強化を図っております。
また、階層別研修のリニューアル・拡充により、職務遂行能力の向上および人材基盤の強化を推進したほか、経験者採用者の早期活躍および定着を目的としたオンボーディング施策として、2025年7月および2026年2月に研修プログラムを実施しました。当該プログラムでは、講義やグループワーク、事業場見学等を通じて企業理解の深化および部門間の交流促進を図りました。
さらに、当社はかねてより社員の主体的な能力開発を支援する制度として「NLF(Nisshin Life Fund)制度」を運用しており、研修受講、通信教育、語学教育および資格取得に対する費用補助等を提供しております。近年、本制度の利用が拡大しており、社員のスキル向上および能力開発の促進に繋がっています。
人材マテリアリティ イノベーションを生み出す組織風土への進化
当社グループでは、仕事を通じた自己成長と社会や組織への貢献実感が働きがいにつながり、働きがいこそが主体性の原動力となると考えています。社員と会社が互いに高めあう環境を築き、社員が社内外で積極的に創発的なコミュニケーションや共創に取り組み主体的に挑戦する風土を醸成し、イノベーション創出の基盤としていきます。
当社単体では2021年度より社員のエンゲージメント状態を定期的に調査し、全社的な人材戦略と職場のマネジメントに活かしています。調査結果は役員や管理職に共有され、各部門や課単位で自組織の改善ポイントを特定したうえで、アクションプランを策定し具体的な改善行動につなげています。また、生産性向上を目的として、部署を横断した「働き方改革推進会議」を実施しており、人事部門だけでなく現場の課題感を踏まえた取り組みを推進しています。
2025年度は、新規ビジネス創出に向けた社内プロジェクトを実施しました。本プロジェクトは、社内に蓄積されたアイデアの顕在化および事業化を目的とし、体系的な支援を通じて新規事業の創出につなげるものです。あわせて、全社的な参加を促進することで、新たな価値創造にチャレンジする意識の醸成および組織風土の強化を図っております。当年度は67件の応募があり、書類選考を通過した案件については、教育プログラムの提供や事業化に向けた具体的な検討・支援を進めています。
② 社内環境整備に関する方針
当社グループは、健全かつ社員の持てる能力を存分に発揮できる職場環境を提供することが会社の責務であると考えます。育児、介護、治療と仕事の両立支援、柔軟かつ生産性高い働き方への変革、長時間労働の削減、社内コミュニケーションの活性化など、社員が安心して働くことのできる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきます。社内環境整備に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ 健康経営の推進
社員の健康への取り組みは、企業の発展を支える土台づくりであると捉えており、一人ひとりが活力高く働き、健康的で豊かな人生を送れるよう、社員の健康維持・増進、生産性向上に向けた支援を積極的に展開しています。統括組織である健康経営推進部を中心に、経営層、各事業所の健康推進担当や健康保険組合、労働組合、グループ会社が連携する体制を構築しています。
2025年度には、経営方針、健康経営推進方針、2030年度ゴール、各種指標および施策との関係性を体系的に整理し、健康経営を経営戦略と連動させて推進する枠組みを明確化しました。あわせて、2030年度ゴールの成果指標(KGI)として、CSV目標に掲げる「働きがいを感じる社員の割合」を設定し、進捗を把握しています。
具体的な取り組みとしては、「生活習慣病予防」「禁煙促進」「こころの健康」の3点を重点テーマとし、健康セミナーやウォーキング等の企画に加え、健康ポイントの付与を通じて健康意識の向上や行動変容を図っています。また、「こころの健康」の取り組み強化として新たに睡眠改善アプリを導入し、約200名の社員が利用しています。
こうした取り組みにより、当社単体では8回目となる「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定を受けたほか、グループ会社では大東カカオ株式会社が「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」、セッツ株式会社が「健康経営優良法人2026(中小規模法人)ネクストブライト1000」に認定されています。さらに、当社横浜磯子事業場およびグループ会社の株式会社NSPでは、「横浜健康経営認証2026 クラスAAA」(認証期間:2026年4月1日から2年間)に認定されています。
(リスク管理)
取締役会が設置する委員会であるリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、人的資本に伴うリスクの管理も他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの人的資本に関する目標は、「CSV目標」の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すそのものとして管理されています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標及び目標)」の「人材マネジメント」をご参照ください。
この他関連するものとして、健康指標の項目についても目標を設定し、実績値を集計しています。健康指標のさらに詳細な数値目標は、当社ホームページの「健康経営への取り組み」をご参照ください。
https://www.nisshin-oillio.com/company/sustainability/health_management/
当社グループは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けて、当社グループの成長を牽引する組織能力を強化するため、積極的かつ計画的に人的資本投資を進めています。人材戦略と健康経営における人的資本投資が社員一人ひとりの働きがいを高め、能力を最大限に引き出すことで、多様な人材がエネルギッシュに躍動する組織風土を醸成し、当社グループの持続的成長と価値向上を実現していきます。
(ガバナンス)
当社グループでは、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、6つの重点領域の1つに「人材マネジメント」を選定し、CSV目標を設定するとともに、その具体的な取り組み・進捗について、社外取締役を含む取締役会において、客観的かつ独立した視点を踏まえた報告・審議・決議を行い、適切なモニタリングを実施しています。
また、経営による人事政策の検討機能の強化を目的として、2025年度下期より「人材開発委員会」を設置しました。同委員会は四半期に1度を目安に開催し、「ビジョン2030」の実現に向けた人材マネジメントの高度化、つまり「強固でレジリエントな人材基盤の構築」と「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」に資する主要政策や主要施策について、グループ横断かつ全社的な視点から審議を行い、経営戦略と連動した組織・人材開発を推進しています。
さらに、人材戦略やその具体的な施策、各種制度の新設・改訂など、人的資本に関わる重要事項については取締役会や執行役員会、事業戦略会議等で適宜、報告・審議・決議を行っています。
(戦略)
~経営戦略と人的資本への依存・影響~
当社グループは、「ビジョン2030」の実現およびその実行戦略である「Value UpX」の達成に向け、人的資本を企業価値創造の源泉と位置付けています。「Value UpX」は、成長戦略・基幹戦略・基盤戦略からなる3階層の戦略体系と、それらを支える研究開発、デジタル・IT、サプライチェーン、サステナビリティの4つの機能強化により構成されており、これらの実効性は、それを担う人材および組織能力に大きく依存するものと認識しています。
~人的資本関連のリスク・機会~
「Value UpX」の実行において、人的資本が重要な役割を担うことを踏まえ、人的資本に関するリスクおよび機会を次の通り認識しています。
まず、リスクとしては、成長領域における高度専門人材やデジタル人材の獲得競争の激化により必要人材の確保が困難となることや、事業環境の変化に対して人材の教育が十分に進まないことにより、戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。また、エンゲージメントの低下等による生産性の毀損や人材流出も重要なリスクとして認識しております。
一方で、当社グループが培ってきた人材や組織風土、技術・ノウハウは競争優位の源泉であり、これらの高度化・活用により付加価値創出の拡大が期待されます。加えて、多様な人材の活躍促進やエンゲージメント向上は、組織能力やイノベーション創出力を高め、持続的成長につながる重要な機会と捉えております。当社グループは、これらのリスクの低減および機会の最大化に向け、人材戦略を一体的に推進してまいります。
~人材戦略と人的資本関連指標および目標~
上記認識のもと、当社グループでは人材のあるべき姿を「グローバルな舞台で『おいしさ・健康・美』の新たな価値を創造し続けるエネルギッシュな精鋭集団」と定義し、人的資本経営の起点としております。この人材像の実現に向け、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。具体的には、人材領域における重要課題(人材マテリアリティ)として、「グループの理念・ビジョンへの共感」「強固な人材力の構築」「多様な人材の活躍」「イノベーションを生み出す組織風土への進化」の4領域を特定するとともに、これらの基盤として「健康経営の推進」を位置付けております。各マテリアリティについては、2030年に向けたCSV目標を設定し、人的資本の重点領域として取り組みを進めています。(詳細な数値目標は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 表3:各重点領域のCSV目標と2025年度までの取り組み状況」を、具体的な取り組みについては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本への対応 ① 人材育成方針」をご参照ください。)
また、これらを踏まえた人材マネジメント方針として「強固でレジリエントな人材基盤の構築」および「選び選ばれる魅力ある会社・組織風土づくり」を掲げ、採用・育成・配置・評価といった一連の人材マネジメントプロセスを実行し、個人および組織能力の高度化と戦略実行力の強化を図っています。
図3:経営戦略と連動した人材戦略

① 人材育成方針
当社グループは、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上にとって重要であると考えています。経験や知識・スキル、価値観といった多様な個性を持つ人材の個のチカラを引き出し、性別や国籍などの属性に関わらず、全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジと成長機会の提供に取り組んでいます。人材育成に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ グループの理念・ビジョンへの共感
| 2030年度ゴール: ・グループ会社を含めたすべての社員が企業理念やビジョンに共感と誇りを持ち、常に自分事化して行動している ・グループ全体で目指す姿へのベクトルが揃い、一人ひとりの主体性が成果に結びついている |
グループ一丸となって「ビジョン2030」で目指す姿を実現していくためには、当社グループの全社員が理念やビジョン、企業価値に共感し、誇りを持って主体的に行動することが最も重要です。そのため、経営トップからのメッセージの発信、階層別教育の場や統合報告書・グループ報などの媒体を通じて、社員が理念やビジョンへの理解を深められるような取り組みを行っています。今後はさらに、国・地域・事業体を越えてグループ内で共通認識化するべく、情報発信の強化や教育・ワークショップの実施、経営層と社員の対話の場づくりといった取り組みを進めていきます。
2025年度は、中期経営計画「Value UpX」の初年度にあたることから、同計画の浸透および理解促進を目的として、中央労使協議会や階層別研修等の各種機会を通じ、社長をはじめとする経営層による講話を実施し、その内容の発信強化に取り組みました。
また、2025年度より新入社員研修の一部プログラムをグループ会社合同(国内)で開催し、グループの理念体系や「ビジョン2030」の解説、コンプライアンスや行動規範、サステナビリティ等に関する講義を行い、グループシナジーの源泉となる連帯感の強化に取り組みました。
人材マテリアリティ 強固な人材力の構築
| 2030年度ゴール: ・高度専門人材を積極的に育成・獲得し、ソリューションの舞台となるインキュベーションスクエアをはじめ、グローバル、デジタル、マーケティング、コーポレート部門等に重点配置が完了している ・堅固で揺るぎない生産や営業等の現場力を盤石化して競争力を発揮している |
事業環境の変化が激しく、戦略テーマが高度化し課題解決の難易度が増すなか、高度な専門性を有した人材や、堅固で揺るぎない現場力を支える人材など、一人ひとりの力を今以上に高め、より強固なものにしていく必要があります。当社には「教育最優先の原則」という人材育成を最優先とする方針があり、長年にわたり教育を経営の重要テーマとして位置づけて体質化してきました。この文化をグループ全体にも波及させ、「ビジョン2030」の実現に向けた積極的な人材投資を実施しています。教育研修の充実化をはじめ、経験者採用による人材の拡充にも注力し、高い専門性と豊富な経験を持つ人材の確保・育成を進めております。2023年度よりスタートした「グローバル人材登録制度」では、公募による登録者に対し、専用教育プログラムの提供や国内外のグローバル業務への優先的な配置を実施しています。
2025年度のグローバル人材登録者は41名であり、そのうち新たにグローバル業務に配置された社員は4名でした。また、2025年度より、本制度の登録者の中から1名を、海外トレーニーとしてマレーシアの連結子会社であるISF社へ派遣しました。当該派遣を通じ、現地での業務経験や異文化環境への適応を実地で学ぶ機会を提供することで、グローバルビジネスに関する理解を深化させるとともに、次世代を担うグローバル人材として必要なスキルおよび適応力の向上を図りました。
表4:経験者採用比率(正規雇用労働者のみ)
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | ||
| 経験者採用者比率 | 9% | 28% | 33% | 38% | 34% | |
| 採用人数 | 新卒 | 53 | 47 | 61 | 51 | 67 |
| 経験者 | 5 | 18 | 30 | 31 | 34 | |
人材マテリアリティ 多様な人材の活躍
| 2030年度ゴール: ・人材マネジメントの高度化により、社員の多様な個の能力やスキルを発展させ、全社員が活躍と成長を実感している ・業務特性を踏まえた生産性高く柔軟な働き方の実現と、育児・介護等様々な状況下にある社員がパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整備できている |
全社員が活躍と成長を実感できる状態を目指し、チャレンジや成長機会の提供と、「働きやすさ」の観点から社内環境の整備を進めています。社員が自らの個性を発揮して活躍するには、管理職にも高度なマネジメント力が求められることから、部下の個性や主体性を引き出すマネジメントへの意識の転換や、キャリア開発支援のスキル向上を目的とした管理職研修を実施しています。
2025年度は、主体的なキャリア形成の促進および組織の活性化を目的として、社員自らの意思で応募可能な社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」のトライアルを実施しました。当該制度により、社員に自己実現および成長機会を提供するとともに、適材適所の配置を通じて組織のパフォーマンス向上および優秀人材のリテンション強化を図っております。
また、階層別研修のリニューアル・拡充により、職務遂行能力の向上および人材基盤の強化を推進したほか、経験者採用者の早期活躍および定着を目的としたオンボーディング施策として、2025年7月および2026年2月に研修プログラムを実施しました。当該プログラムでは、講義やグループワーク、事業場見学等を通じて企業理解の深化および部門間の交流促進を図りました。
さらに、当社はかねてより社員の主体的な能力開発を支援する制度として「NLF(Nisshin Life Fund)制度」を運用しており、研修受講、通信教育、語学教育および資格取得に対する費用補助等を提供しております。近年、本制度の利用が拡大しており、社員のスキル向上および能力開発の促進に繋がっています。
人材マテリアリティ イノベーションを生み出す組織風土への進化
| 2030年度ゴール: ・変革マインドをもって生き生きと個の強みを存分に発揮するための健全な組織風土が醸成されている(心理的安全性の担保) ・未来志向の深化と探索の取り組みに注力する時間(余力)を創出し、チャレンジを重視する文化が浸透している |
当社グループでは、仕事を通じた自己成長と社会や組織への貢献実感が働きがいにつながり、働きがいこそが主体性の原動力となると考えています。社員と会社が互いに高めあう環境を築き、社員が社内外で積極的に創発的なコミュニケーションや共創に取り組み主体的に挑戦する風土を醸成し、イノベーション創出の基盤としていきます。
当社単体では2021年度より社員のエンゲージメント状態を定期的に調査し、全社的な人材戦略と職場のマネジメントに活かしています。調査結果は役員や管理職に共有され、各部門や課単位で自組織の改善ポイントを特定したうえで、アクションプランを策定し具体的な改善行動につなげています。また、生産性向上を目的として、部署を横断した「働き方改革推進会議」を実施しており、人事部門だけでなく現場の課題感を踏まえた取り組みを推進しています。
2025年度は、新規ビジネス創出に向けた社内プロジェクトを実施しました。本プロジェクトは、社内に蓄積されたアイデアの顕在化および事業化を目的とし、体系的な支援を通じて新規事業の創出につなげるものです。あわせて、全社的な参加を促進することで、新たな価値創造にチャレンジする意識の醸成および組織風土の強化を図っております。当年度は67件の応募があり、書類選考を通過した案件については、教育プログラムの提供や事業化に向けた具体的な検討・支援を進めています。
② 社内環境整備に関する方針
当社グループは、健全かつ社員の持てる能力を存分に発揮できる職場環境を提供することが会社の責務であると考えます。育児、介護、治療と仕事の両立支援、柔軟かつ生産性高い働き方への変革、長時間労働の削減、社内コミュニケーションの活性化など、社員が安心して働くことのできる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきます。社内環境整備に関する人材マテリアリティの取り組みは以下のとおりです。
人材マテリアリティ 健康経営の推進
| 2030年度ゴール: ・健康経営が「社員一人ひとりの心身の健康」と「やりがいを持って活力高く働く」ことの土台として機能しており、社員の健康と魅力ある会社づくりが実現できている |
社員の健康への取り組みは、企業の発展を支える土台づくりであると捉えており、一人ひとりが活力高く働き、健康的で豊かな人生を送れるよう、社員の健康維持・増進、生産性向上に向けた支援を積極的に展開しています。統括組織である健康経営推進部を中心に、経営層、各事業所の健康推進担当や健康保険組合、労働組合、グループ会社が連携する体制を構築しています。
2025年度には、経営方針、健康経営推進方針、2030年度ゴール、各種指標および施策との関係性を体系的に整理し、健康経営を経営戦略と連動させて推進する枠組みを明確化しました。あわせて、2030年度ゴールの成果指標(KGI)として、CSV目標に掲げる「働きがいを感じる社員の割合」を設定し、進捗を把握しています。
具体的な取り組みとしては、「生活習慣病予防」「禁煙促進」「こころの健康」の3点を重点テーマとし、健康セミナーやウォーキング等の企画に加え、健康ポイントの付与を通じて健康意識の向上や行動変容を図っています。また、「こころの健康」の取り組み強化として新たに睡眠改善アプリを導入し、約200名の社員が利用しています。
こうした取り組みにより、当社単体では8回目となる「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)~ホワイト500~」の認定を受けたほか、グループ会社では大東カカオ株式会社が「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」、セッツ株式会社が「健康経営優良法人2026(中小規模法人)ネクストブライト1000」に認定されています。さらに、当社横浜磯子事業場およびグループ会社の株式会社NSPでは、「横浜健康経営認証2026 クラスAAA」(認証期間:2026年4月1日から2年間)に認定されています。
(リスク管理)
取締役会が設置する委員会であるリスクマネジメント委員会が、事業に対する財務または戦略面での重要なリスクを選定しており、人的資本に伴うリスクの管理も他の重要リスクと統合的にマネジメントしています。
詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(リスク管理)」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループの人的資本に関する目標は、「CSV目標」の中に含まれ、重点領域の取り組み状況を示すそのものとして管理されています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ課題全般(指標及び目標)」の「人材マネジメント」をご参照ください。
この他関連するものとして、健康指標の項目についても目標を設定し、実績値を集計しています。健康指標のさらに詳細な数値目標は、当社ホームページの「健康経営への取り組み」をご参照ください。
https://www.nisshin-oillio.com/company/sustainability/health_management/