有価証券報告書-第103期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 16:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
116項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、インバウンドやレジャー需要・サービス消費回復の動きが続く一方で、エネルギー価格上昇・生活必需品の値上げ等の物価高による消費者マインド低下や、長期化する人手不足等の影響により緩やかな回復に留まりました。また、欧米各国の金融引き締めや円安進行の継続、ウクライナや中東の地政学リスク、能登半島地震等により先行きは極めて不透明な状況となりました。
原料とうもろこしのシカゴ相場は、期初657セント/ブッシェル台で始まり米国主産地の高温乾燥予報及び作柄報告の悪化から6月中旬には一時671セント/ブッシェル台迄値を上げましたが、米国の収穫が順調に進んだことやブラジルの天候回復等から2月下旬には399セント/ブッシェル台迄値を下げました。しかしその後、ブラジルの高温乾燥気候や3月末に発表された米国の作付意向面積が市場予想を下回ったこと等から値を上げ、期末時点では442セント/ブッシェル台、通期平均では505セント/ブッシェル台となりました。
WTI原油相場は期初80ドル/バレル台で始まり、欧米利上げによる景気減退観測やイラン核合意再建により原油供給が増加する見込み等から67ドル/バレル台迄値を下げましたが、ウクライナ情勢の緊迫による地政学リスクの高まりやOPECプラス等の減産による供給減少懸念から9月下旬には93ドル/バレル台迄値を上げ、期末時点では83ドル/バレル台、通期平均では77ドル/バレル台となりました。
米国から日本までの穀物海上運賃は、期初53ドル/トン台で始まり荷動きが低調に推移し、船舶余剰感から43ドル/トン台迄値を下げました。しかしその後、原油相場の高騰に伴う船舶燃料油の上昇や南米産穀物の荷動き増加等から値を上げ、更にパナマ運河の水位低下に伴う航行制限による長期滞船等から一時63ドル/トン台迄値を上げましたが、長期滞船は解消されつつあり値を下げ、期末時点では56ドル/トン台、通期平均では52ドル/トン台となりました。
為替相場は、期初133円/ドル台で始まり、好調な米国経済指標等から米金利上昇が継続する一方、本邦では金融緩和を継続し、日米金融政策の違いを背景にしたドル買いによる円安が進行しました。その後も市場予想を上回る米経済指標を受け追加利上げ観測が強まったことや本邦金融政策の現状維持が発表されたことに加え、FRB議長の強硬的な発言等から11月中旬には151円/ドル台迄円安が進行しました。しかしその後、日銀総裁発言によるマイナス金利解除観測の高まりや、米国にて2024年中に利下げが行われる予想等から12月下旬には一時141円/ドル台迄円高が進行しましたが、能登半島地震が経済に与える影響への懸念や日銀が3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除等を決めたものの今後も緩和的な金融環境が続くという見通しから円安が進行し、期末時点では151円/ドル台、通期平均では144円/ドル台となりました。
販売面では、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが2類から5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進んだことにより、人流が回復し、またインバウンドの増加も重なり、観光、イベントといった分野でチラシ・パンフレットに使用される澱粉製品の需要が回復傾向でありました。一方、新聞、雑誌のデジタル化から、紙の生産量の減少傾向は依然続いており、製紙向け澱粉の販売数量は前事業年度に比べ減少しました。糖化製品は、大型連休も天候に恵まれ、夏の猛暑の影響により飲料向けを中心に販売数量は増加しました。物価上昇の影響で一般消費者の節約志向が強まり、需要が減退する場面もありましたが、人流回復と外出機会増加により外食産業を始めとする業務用需要は回復傾向であり、業務用途の販売数量を含め、糖化製品全体では販売数量が増加する結果となりました。なお、原料とうもろこし及び原油相場高騰による製造費用上昇を背景とした製品価格の適正化が進捗したことにより、糖化製品、澱粉製品いずれも製品価格は前事業年度に比べて上昇しました。一方で、澱粉製品は販売数量減少の影響により、副産物は穀物相場が下落したことや輸入品の影響から販売価格が下落したため、売上高は前事業年度に比べ減少しました。
また、資本効率性向上の観点から、2023年5月に当社が保有していた株式会社サニーメイズの全株式の譲渡を行いました。これに伴い、同社を関連会社から除外し、関係会社株式売却益566百万円を特別利益として計上しております。一方、同様の観点で2023年10月に当社が保有している静岡県富士市内の倉庫用地の売却を決議したことに伴い、減損損失322百万円を特別損失として計上しております。なお、当該倉庫用地については2024年3月に売却が完了しております。
この結果、当事業年度における当社の売上高は666億7千万円(前事業年度比3.2%増)、営業利益は25億6千万円(前事業年度比27.6%減)、経常利益は30億円(前事業年度比10.0%減)、当期純利益は24億3千万円(前事業年度比6.6%減)となりました。
次に、各部門の販売概況は以下のとおりであります。
(澱粉部門)
澱粉部門は、社会経済活動が再開したことにより食品向け澱粉需要は回復傾向にあるものの、製紙向け澱粉需要が全体的に減少したことを受け、澱粉製品の販売数量は減少しました。売上高は140億円(前事業年度比0.5%減)となりました。
(糖化品部門)
糖化品部門は、経済再開により外出機会が増加したことで業務用販売が回復、更に夏の猛暑の影響により飲料向け販売数量が増加しました。売上高は423億8千万円(前事業年度比5.7%増)となりました。
(ファインケミカル部門)
ファインケミカル部門は、社会経済活動の正常化が進んだ影響により製品販売が回復傾向となり、売上高は22億9千万円(前事業年度比8.3%増)となりました。
(副産物部門)
副産物部門は、主製品の販売増により生産量は増加しましたが、穀物相場の下落と輸入品の影響から販売価格も影響を受け下落し、売上高は80億円(前事業年度比3.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下資金という。)の残高は、前事業年度末より1億9千万円減少し、2億1千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は67億7千万円となりました。これは主として、税引前当期純利益32億5千万円に減価償却費24億1千万円及び仕入債務の増加額13億6千万円を加算した額等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は24億5千万円となりました。これは主として、関係会社株式の売却による収入6億1千万円から当社工場設備への投資などの有形固定資産の取得による支出29億7千万円を控除した額等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は45億1千万円となりました。これは主として、借入金の減少(純額)29億9千万円及び配当金の支払額13億8千万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当事業年度において、前事業年度に比べファインケミカル部門の生産高が著しく増加しております。主な要因は、販売数量の増加によるものです。
a. 生産実績
当事業年度における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称生産高(百万円)前事業年度比(%)
澱粉部門10,824102.8
糖化品部門41,559105.8
ファインケミカル部門2,338124.7
副産物部門8,05296.1
合計62,775104.5

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社は受注生産を行っておりません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称販売高(百万円)前事業年度比(%)
澱粉部門14,00099.5
糖化品部門42,381105.7
ファインケミカル部門2,292108.3
副産物部門8,00296.2
合計66,676103.2

(注)1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2022年 4月 1日
至 2023年 3月31日)
当事業年度
(自 2023年 4月 1日
至 2024年 3月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
三菱商事株式会社11,01617.110,90716.3

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
当事業年度における総資産は464億2千万円となり、前事業年度末と比較して7千万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産が9億5千万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が11億円減少したこと等によるものです。また、負債については、前事業年度末と比較して17億円の減少となりました。その主な要因は、買掛金が13億6千万円増加したものの、借入金(純額)30億9千万円減少したこと等によるものです。
なお、純資産は243億3千万円となり、自己資本比率は前事業年度末と比較して3.6ポイント増加し、52.4%となりました。
2)経営成績
当社の当事業年度の経営成績は、売上高666億7千万円、営業利益25億6千万円、経常利益30億円、当期純利益24億3千万円となり、前事業年度と比較して増収減益となりました。まず、増収の主な要因は、夏の猛暑の影響による糖化製品の販売数量増加に加え、原料とうもろこし及び原油相場高騰による製造費用上昇を背景とした製品価格の適正化が進捗したことによるものであります。また、減益の主な理由は、穀物相場の下落や輸入品の影響から副産物の販売価格が下落したことや前述の製造費用の上昇等によるものであります。
経営上の目標達成状況を判断する為の客観的な指標について、当社は「中期経営計画2022-24年度(中経2024)」において、連結経常利益ベースで単年度17±4億円を指標として掲げており、次期見通しとしては、売上高625億円、営業利益13億円、経常利益17億円、当期純利益13億円を見込んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、製造設備の更新及び製品品質向上に係る工事等の支出に対し、その資金の調達財源としては主としてグループファイナンスの活用によっております。
なお、当事業年度末における借入金の残高は79億円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたって、当事業年度末現在における資産・負債及び当事業年度における収益・費用等に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて合理的と思われる方法によって判断をしておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当事業年度末現在における資産・負債及び当事業年度における収益・費用等に影響を与える見積りは、主に繰延税金資産、退職給付引当金、賞与引当金となります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。