訂正有価証券報告書-第76期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/08/10 9:32
【資料】
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【項目】
105項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における食品業界を取り巻く環境は、食の安全性に加え価値訴求への要求が高まり、節約志向とこだわり志向の二極化が鮮明になってきました。
食生活に関しては、高齢化、共働き世帯の増加による専業主婦世帯の減少、都市への集中と地方の過疎化等の影響により、ファミリー世帯の減少と1人・2人世帯の増加が顕著になってきました。
購入方法も、インターネットでの購入や宅配による購入の増加、スーパーも郊外型大型店から近くの店へ、こだわりの商品は専門店や百貨店での購入が増加してまいりました。
このような変化の中、当社は単に価格競争で売上を拡大するのではなく、安全対策の強化として農作物の農薬基準を欧州並みの基準を取り入れた対策を進め、コストと手間をかけた付加価値の高い商品を提供することに取り組んでまいりました。
しかしながら、低価格のプライベートブランド商品は価格競争によるバラツキや、顧客のナショナルブランド商品への購買のシフト傾向を受け、売上を減らす店舗があるなど伸び悩みました。その対策として当社は「地域と旬」による商品展開を行い売上の増大を計りましたが、成果があらわれたのが下期であったため、赤字の解消には至りませんでした。
新しいビジネスモデルとしては、当社の強みである「無添加調理」を基礎とし、「地域と旬」をテーマに地域の食材を使用した商品開発を行いました。その商品を地域の道の駅や首都圏の百貨店等で販売し、行政を巻き込んだ取り組みを各地で実施しました。一例といたしまして、京都府京丹波町産の丹波しめじを使った「丹波しめじのまぜごはん2合用」、「しめじがつまったハンバーグ」を販売しました。また、正月料理においても青森県弘前市、茨城県笠間市、千葉県成田市、京都府京丹波町、岐阜県山県市等の全国7地区のその年に収穫した栗を使用した栗きんとんを百貨店等で販売しご好評をいただきました。
その他、社会的なニーズの高まっている非常食においては、5年賞味で火や水が不要でいつでもどこでも食べることができる食物アレルギー特定原材料7品目不使用のリゾットを発売し、官公庁、企業、学校等に販売を開始いたしました。
原材料においては、特に当社の主力原材料であるごぼうが天候不順の影響で品不足に見舞われながらも、品質の高い農作物の調達に努めました。
生産部門では、一つ一つの工程を分析し、大量生産による工程のロス等を見直し、期の後半からは小ロット生産に切り替えることで製品ロスと歩留まりを改善し、時間管理の徹底により付加価値生産性の改善を行ってまいりました。
このような活動を行った結果増収となり、当連結会計年度における売上高は前年同期比70百万円増の105億38百万円、売上総利益は前年同期比2億60百万円増の37億78百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、厚生年金基金の解散による退職給付費用の増加等により、前年同期比45百万円増の38億17百万円となり、38百万円の営業損失(前年同期は2億53百万円の損失)となりました。
これに営業外収益61百万円、営業外費用55百万円を加減した結果、32百万円の経常損失(前年同期は2億76百万円の損失)となり、固定資産処分損等の特別損失2百万円を計上した結果、税金等調整前当期純損失は35百万円(前年同期は4億54百万円の損失)、これに法人税等合計30百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は65百万円(前年同期は4億74百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ16億89百万円増加し、30億93百万円(前年同期比120.4%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は3億67百万円(前年同期は91百万円の増加)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上、減価償却費の計上、退職給付に係る負債の増加、たな卸資産の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により増加した資金は8億91百万円(前年同期は14億87百万円の減少)となりました。
主な要因は、定期預金の払戻による収入、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は4億30百万円(前年同期は1億29百万円の減少)となりました。
主な要因は、短期借入金の純増加、社債の発行による収入、配当金の支払額であります。