有価証券報告書-第74期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 11:51
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における食品業界を取り巻く環境は、円安による原材料費・エネルギーコストの上昇により、経費負担増の影響がありました。また、異物混入問題が起こる等の食への不安・不信が一層増し、引き続き厳しい経営環境となっております。
食生活においては、共働きの増加による専業主婦の減少、高齢化、一人・二人世帯の増加等、ライフスタイルの変化に伴い、食へのニーズも大きく変化してきました。働く主婦からは「夕飯を15分で準備したい」、塩分が気になる方からは「自分ではコントロールが難しいけれど美味しいものが食べたい」、非常時の食事をお探しの方は「災害時に火と水が無くても美味しいものが食べたい」、食物アレルギーを持つ子供の親からは「毎日手作りするのは大変なので安心して食べられる商品が欲しい」等の食に関するご要望が多く寄せられました。
このような変化の中、原材料の国産化を進めるとともに美味しさと風味を生かすため、一次加工の内製化を進め、「栗を社内で剥く」、「ごぼうは泥付を仕入れて社内で剥く」、「玉ねぎは保管条件の良いものを仕入れて社内で剥く」等を行いました。さらに素材の旨みを最大限に生かすため、出汁の内製化も進め、鶏ガラ、鰹節、昆布から出汁を取り、本物の味を追求して参りました。
また、食事の困り事を解決する為に、「15分で準備ができる食事の提案」、「塩分を1日6gに抑える食事の提案」、「非常時における3日分の食事の提案」、「食物アレルギー配慮の食事の提案」、「正月料理における自家製の出汁で作った本物のおせち料理の提供」を行って参りました。
食肉加工品のうち、主力のミートボールは、15分で準備ができる食事の提案と「無添加調理」を基本に新鮮な鶏肉にこだわり、風味を生かした味を店頭でお伝えした結果、売上高は前年同期比103.1%と好調に推移致しました。
塩分に配慮した食事では、食塩不使用のパンの開発や、自家製の出汁を使用し、素材の良さを引き出した商品を開発し、今後の基盤となりました。
非常時の食事では、地震、津波、水害等の災害時の食事として火と水が無くても美味しく食べられる事と、食物アレルギー物質特定原材料7品目不使用という点が評価され、学校・官公庁・企業等へ販売し、売上高は前年同期比137.4%、30万食の販売となり、新しいマーケットを確立致しました。
正月料理のうち、お重詰予約おせちについては、生活の多様化に応えるため、二人家族用の商品開発と自家製の出汁を使用した素材本来の風味に改善し、売上高は前年同期比102.3%と増加致しました。
8月には、地域の方が集まり、食を楽しんで頂くコミュニティハウスとして、本社ビル耐震工事に併せて1階に「ヴィリジアン」を開設致しました。「ヴィリジアン」は、食事の困り事やニーズを捉える事と、当社が創り上げてきている価値をお伝えする場であり、お子様が安心して遊べたり、イベント等で学べて楽しめる空間になっております。
生産部門においては、一つ一つの工程における時間と温度の品質管理の徹底を行い、改善に取り組んで参りました。
このような活動を行って参りました結果、当連結会計年度における売上高は前年同期比1億69百万円増の105億18百万円、売上総利益は前年同期比2億11百万円増の37億39百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めました結果、前年同期比57百万円減の37億4百万円となり、35百万円の営業利益(前年同期は2億34百万円の損失)となりました。
これに営業外収益44百万円、営業外費用45百万円を加減致しました結果、経常利益は34百万円(前年同期は2億29百万円の損失)となり、固定資産処分損の特別損失32百万円を計上した結果、税金等調整前当期純利益は1百万円(前年同期は2億38百万円の損失)となりましたが、法人税等合計が22百万円となり、20百万円の当期純損失(前年同期は3億31百万円の損失)を計上することとなりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億80百万円増加し、29億27百万円(前年同期比19.6%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は4億60百万円(前年同期は1億5百万円の減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上、未払消費税等の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により増加した資金は81百万円(前年同期は61百万円の増加)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入及び有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により減少した資金は62百万円(前年同期は2億43百万円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払額であります。