有価証券報告書-第61期(2024/03/01-2025/02/28)
② 戦略
当社グループでは、気候変動によるリスクおよび機会の特定にあたり、シナリオ分析の手法を用いた評価分析を実施しています。「国際エネルギー機関(IEA)」や「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表するシナリオを参考に、「4℃シナリオ」と「1.5℃シナリオ」の2つの将来世界観のもと、定量・定性の両面で影響を評価しています。
分析対象については2024年に国内グループ会社全体に範囲を拡大し、2030年および2050年時点の影響について評価しています。
想定シナリオ
リスク影響分析結果一覧
・時間軸の定義
短期:0~3年 中期:2030年前後 長期:2050年前後
・影響度の評価基準
大:5億円以上の影響 中:2億円以上5億円未満 小:2億円未満
(4℃シナリオ分析)
4℃シナリオでは、平均気温上昇がもたらす主要な原材料の生育不良による価格上昇が、長期的に重大な財務的影響となる可能性があります。加えて、当社グループの一部工場では、主に台風や豪雨災害による洪水によって被害を受ける可能性があり、今後こうした異常気象の激甚化と頻発化により、保有する資産の被害や一時的な操業停止による損失が発生・拡大することが想定されます。また、原材料の生産地が異常気象の激甚化の影響を受けることで、調達コストの高騰を引き起こす可能性があります。
(1.5℃シナリオ分析)
1.5℃シナリオでは、炭素税の導入による追加的コストの発生が、重大な財務的影響となる可能性があります。また、炭素税導入への対応や再エネ・省エネに関する政策の強化への対応として、再生可能エネルギーの導入や省エネ性能の高い設備/トラックへの更新が考えられますが、それらの対応にはエネルギーコストおよび設備投資コストの増大が懸念されます。他にも、製品の容器包装にプラスチックを使用しているため、石油由来のプラスチック使用に対する規制の強化が進むと包材の購入コストが増大する可能性があります。
温室効果ガス排出量の削減に向けては、省エネ、創エネ、再エネ調達に取り組むことで2030年度までの基準年(2018年度)に対する50%削減および2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。省エネにおいては、工場の熱、電気、水の利用効率の向上や生産体制の再構築によるエネルギー消費の低減などに取り組んでおります。創エネにおいては、工場への太陽光発電設備の設置に注力しています。また、再エネ調達においては、エネルギー調達における再生エネルギー利用率向上の可能性を検討しております。
他にも、プラスチック規制への対策として、廃プラスチック消滅装置を導入し、排出量の削減を推進しています。
気候変動によって引き起こされる被害に向けては、シミュレーションを行い、被害を最小とする対策や生産体制を構築していきます。また、気候変動の影響を大きく受ける原材料については代替品や代替の産地について調査検討していきます。
当社グループでは、気候変動によるリスクおよび機会の特定にあたり、シナリオ分析の手法を用いた評価分析を実施しています。「国際エネルギー機関(IEA)」や「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表するシナリオを参考に、「4℃シナリオ」と「1.5℃シナリオ」の2つの将来世界観のもと、定量・定性の両面で影響を評価しています。
分析対象については2024年に国内グループ会社全体に範囲を拡大し、2030年および2050年時点の影響について評価しています。
想定シナリオ
| 4℃シナリオ | 1.5℃シナリオ | |
| 世界観 | 経済活動が優先され、物理的な影響が拡大すると予想される世界観 ・2100年までに世界の平均気温が産業革命期以前と比較して約4℃上昇 ・政府が気候変動関連の政策や規制には消極的 ・慢性的な気象変化や異常気象災害などの物理的な影響が拡大 | 脱炭素社会実現に向けた取り組みが積極的に進められる世界観 ・2100年までに世界の平均気温が産業革命期以前と比較して約1.5℃上昇 ・脱炭素社会への移行を目指して政府による政策や規制が活発化 ・政策や規制が強まる一方で、物理的な影響は4℃と比較すると低い |
| 参考シナリオ | IEA WEO(2023)STEPS IEA WEO(2019)STEPS IPCC 第5次評価報告書 RCP 8.5 | IEA WEO(2023)NZE IEA WEO(2023)APS IEA WEO(2019)SDS IPCC 第5次評価報告書 RCP 2.6 |
リスク影響分析結果一覧
| 項目 | 当社グループへの影響 | 時間軸 | 影響度 | |||
| 分類 | 要因 | 4℃ | 1.5℃ | |||
| 移行リスク | 政策・法規制 | カーボンプライシング | 事業活動に伴うCO2排出に対して炭素税が課され、操業コストが増加する。また、排出規制に対応するための証書やクレジットの購入コストが増加する。 | 中期~ | 小 | 大 |
| 再エネ/ 省エネ政策 | 再エネ使用の増加や工場における省エネ設備機器への更新、物流関連事業におけるトラックのHV・EV等への更新に伴い、環境配慮への投資が拡大する。 | 短期~中期 | 大 | 大 | ||
| プラスチック規制の強化 | 石油由来のプラスチック容器包装に対して規制が敷かれ、包材の購入コストや処理コストが増加する。 | 短期~中期 | 小 | 中 | ||
| 市場 | エネルギー コストの変化 | 再エネ電力使用割合の高まりによる電力価格の高騰や、化石燃料需要の変化に伴う価格高騰により、操業コストが増加する。 | 中期~長期 | 小 | 中 | |
| 物理リスク | 急性 | 異常気象の激甚化 | 本社や工場における直接的な被害や、サプライチェーン寸断による操業停止損失が生じる。 | 短期~長期 | 大 | 中 |
| 農作物が直接的な被害に遭い、調達コストが増加する。 | 短期~長期 | 大 | 中 | |||
| 慢性 | 平均気温上昇 | 主要な原材料である米は収量が増加するものの品質が低下し、海苔は収量が減少することにより、調達コストが増加する。 | 中期~長期 | 中 | 小 | |
・時間軸の定義
短期:0~3年 中期:2030年前後 長期:2050年前後
・影響度の評価基準
大:5億円以上の影響 中:2億円以上5億円未満 小:2億円未満
(4℃シナリオ分析)
4℃シナリオでは、平均気温上昇がもたらす主要な原材料の生育不良による価格上昇が、長期的に重大な財務的影響となる可能性があります。加えて、当社グループの一部工場では、主に台風や豪雨災害による洪水によって被害を受ける可能性があり、今後こうした異常気象の激甚化と頻発化により、保有する資産の被害や一時的な操業停止による損失が発生・拡大することが想定されます。また、原材料の生産地が異常気象の激甚化の影響を受けることで、調達コストの高騰を引き起こす可能性があります。
(1.5℃シナリオ分析)
1.5℃シナリオでは、炭素税の導入による追加的コストの発生が、重大な財務的影響となる可能性があります。また、炭素税導入への対応や再エネ・省エネに関する政策の強化への対応として、再生可能エネルギーの導入や省エネ性能の高い設備/トラックへの更新が考えられますが、それらの対応にはエネルギーコストおよび設備投資コストの増大が懸念されます。他にも、製品の容器包装にプラスチックを使用しているため、石油由来のプラスチック使用に対する規制の強化が進むと包材の購入コストが増大する可能性があります。
温室効果ガス排出量の削減に向けては、省エネ、創エネ、再エネ調達に取り組むことで2030年度までの基準年(2018年度)に対する50%削減および2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しています。省エネにおいては、工場の熱、電気、水の利用効率の向上や生産体制の再構築によるエネルギー消費の低減などに取り組んでおります。創エネにおいては、工場への太陽光発電設備の設置に注力しています。また、再エネ調達においては、エネルギー調達における再生エネルギー利用率向上の可能性を検討しております。
他にも、プラスチック規制への対策として、廃プラスチック消滅装置を導入し、排出量の削減を推進しています。
気候変動によって引き起こされる被害に向けては、シミュレーションを行い、被害を最小とする対策や生産体制を構築していきます。また、気候変動の影響を大きく受ける原材料については代替品や代替の産地について調査検討していきます。