有価証券報告書-第117期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/26 13:06
【資料】
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【項目】
179項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、1873年の創業以来、国内最大手のシルクメーカーとして「カタクラシルク」のブランドを世界に広めると同時に、わが国近代産業の発展に寄与してまいりました。また、長い歴史の中で培われてきた信頼と有形無形の財産の有効活用により事業の多角化を推進し、カタクラグループとして広く社会に貢献してまいりました。
こうした歴史を踏まえ、2023年の創業150周年を契機に、変化の激しい時代の中で今後の10年、20年先の未来に向けて大切にすべきことを明確化し、ステークホルダーの皆様と共有化を図るべく、企業理念を刷新しております。当社グループが目指すべき方向性を「ミッション」、そのミッションを実現するために、役員・全従業員が大切にすべき考え方を「わたしたちの価値観」として掲げ、役員・全従業員の羅針盤としております。さらに、これらを正しく運用できるよう「行動指針」も制定し、企業価値向上に努めております。企業理念の全体像は、当社ホームページで開示しております。
URL:https://www.katakura.co.jp/company/philosophy/index.html
(2) 対処すべき課題
今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善がみられる一方、物価や賃金の上昇が継続する中で、個人消費や設備投資は内需を中心に緩やかな回復基調が続くものと考えられます。他方、アメリカの政策動向や欧米の高金利環境の継続、中国経済の停滞、中東やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクに加え、国内金利の上昇などもあり、先行きについては引き続き不透明な状況が続くものと認識しております。また、物価や人件費の上昇、為替変動によるコスト増加等により、事業環境は一層厳しさを増しています。
このような環境認識のもと、当社グループは引き続き構造改革を推進し、事業の安定化と収益性の向上に取り組んでまいります。不動産事業を基盤としつつ、成長が期待される機能性繊維分野等においては、積極的な投資を行うとともに、既存事業については、事業環境や収益構造を踏まえた構造改革や事業運営の見直しを継続し、将来にわたり安定的な収益基盤の確立に努めてまいります。
あわせて、新規事業の分野においては、M&A等を活用した新たな収益機会の創出を推進することで、既存事業の強化と新規事業の育成を両立させ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。さらに、安定的な収益の確保を通じて、株主の皆様への利益還元にも引き続き取り組んでまいります。
また、当社グループでは、サステナビリティ委員会の活動を通じて、人権の尊重、環境への配慮、地域社会との共生を推進し、安全・安心な商品・サービスの提供に努めてまいります。あわせて、リスク統括委員会を中心としたリスク管理体制のもと、ガバナンスの維持・向上を図るとともに、IT企画会議を通じて、IT投資やAIを含むDXの推進、サイバーセキュリティへの対応を継続し、事業活動の基盤強化に取り組んでまいります。
さらに、当社では、人材を競争力の源泉と捉え、人的資本戦略の推進を通じて成長を支える基盤の強化に取り組んでまいります。年齢・性別・経歴を問わず、能力・専門性・人格を重視した採用と育成を進めるとともに、2025年から導入した新しい人事制度のもと、当社のミッションである「昨日よりもっと、なくてはならない存在へ。」に基づく行動指針を、個々人の目標設定や人事評価に反映してまいります。これにより、従業員一人ひとりの主体的な成長と働きがいの向上を促し、組織全体の力を高めることで、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。
主要な事業の対処すべき課題は次のとおりです。
(不動産事業)
不動産事業は、さいたま新都心社有地におけるコクーンシティの競争力維持・向上を図るため、引き続き戦略的なテナントリニューアルや施設環境の整備を進め、エリア価値の向上に取り組んでまいります。さいたま新都心社有地再開発計画については、建築費や人件費の上昇、マーケット環境の変化を踏まえ、投資回収や事業リスクを考慮しながら、事業規模や開発時期を慎重に検討してまいります。
また、コクーンシティ周辺で進めている賃貸マンションの開発計画を確実に推進するとともに、地方不動産については、物件ごとのライフサイクルや収益性を踏まえ、適切な再投資や資産の有効活用を通じて、安定的な収益の確保に努めてまいります。
(医薬品事業)
医薬品事業は、毎年の薬価改定等により厳しい事業環境が継続する中、効率的な事業運営を一層推進してまいります。過年度から実施を進めている組織改革の効果を定着させるとともに、他社との新たな販売提携の推進や、自社販売体制における流通経路に応じた営業活動の最適化に取り組んでまいります。あわせて、後発薬の上市や既存薬の剤形追加・適応拡大を進め、循環器領域にとどまらず幅広い医薬品の開発を進めることで、収益性の改善と事業の安定化を図ってまいります。
(機械関連事業)
機械関連事業では、消防自動車事業を中心に、安定的な受注環境のもと、生産体制の効率化や原材料価格等を反映した適正な価格設定を継続してまいります。加えて、仕様の集約による生産性向上や販売代理店との連携強化を進めるとともに、海外メーカーとの協業を通じた製品ラインナップの拡充により、事業の安定性と収益力の向上を図ってまいります。
(繊維事業)
機能性繊維事業では、耐熱性繊維を中心に需要動向を踏まえた海外市場の開拓を進めるとともに、2026年後半に第4号焼成炉の稼働開始を見込み、生産体制の強化等に取り組んでまいります。また、水溶性繊維については、既存用途における販売の維持を図りつつ、将来の展開を見据えた取り組みを継続してまいります。
実用衣料事業では、事業構造の見直しと組織体制の再構築を継続し、収益性の改善を図るとともに、機能性インナー分野の強化を図ってまいります。

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