有価証券報告書-第168期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 17:00
【資料】
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【項目】
186項目
② 人材の育成に関する課題と戦略
(イ)企業理念体系の体現をめざす人材の育成方針
企業理念体系「TOYOBO PVVs」を体現できる人材として、「Values:大切にすること」で示す「変化を恐れず、変化を楽しみ、変化をつくる」ことができ、そして「TOYOBO Spirit~9つの約束(※)」を実践できる人材の育成と組織開発に取り組んでいます。
(※)9つの約束:東洋紡グループが大切にすることを、「挑戦」「信頼」「協働」を3つの柱として定めた日常の考え方や行動指針
挑戦(①先取 ②創造 ③遂行)
信頼(④安全へのこだわり ⑤お客さま満足 ⑥現場・現物・現実)
協働(⑦双方向の意思疎通 ⑧多様性の確保・活用 ⑨やってみる機会の提供)
<課題>企業理念体系は、2019年に策定されて以降、当社グループ内に理解が浸透してきています。行動として実践できる人材育成と組織開発を継続していくことに加えて、「2030年中期経営計画」で新たに策定した「価値創造ストーリー」を実現するための人材育成を検討、実行していく必要があります。
なお当該人材戦略については、「第4提出会社の状況 5従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりです。
<戦略>組織に根付いてきたDNAである「TOYOBO PVVs」を体現する人材・組織を創出し続けるために、新卒新入社員研修、キャリア入社者研修、グループ会社管理者研修、管理職昇格者研修など各種研修の機会に「TOYOBO PVVs」に関する講義と対話を通じ、引き続き浸透を図っていきます。また、人事考課における行動評価に「TOYOBO Spirit~9つの約束」を含めることで、従業員の行動の変容と定着を促進しています。さらに、「変化を楽しみ、変革をやり遂げる人づくりと場をつくる」ために、部門を越えた協働と異動の推進、および社外との共創機会の提供などの積極支援策を検討、推進していきます。
〇指標:従業員一人当たりの教育投資額(教育時間)
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(ロ)事業環境変化に応じた能力と専門性を高める人材の育成方針
経営方針や事業戦略の変化に応じて能力や専門性を高める施策を充実させるとともに、当社グループが地球全体で事業活動を進めていく人材を育成していきます。
<課題>当社グループでは、各部門・各事業所・工場独自の教育体系を持ち、技術伝承・知識習得を図っていましたが、一部は重複や不足する内容もあり、教育体系の改善を進めています。
<戦略>■全社共通教育
当社グループにとって必要な共通知識を階層別・職種別・目的別に定め、全社の教育体系のもと、運営しています。
■技術者教育
技術者育成を担う技術総括部が中心となり、各事業所で実施されている研修体系を検証し、各部門に共通する技術を学ぶ技術者教育体系を整備し、モノづくり人材育成を進めています。
■専門技術・知識
部門で異なる専門技術・知識は、各部門で教育しています。さらには、必要な資格の取得を昇格要件と連携することで、それぞれの部門・等級に求められる能力や専門性を確保し、高めています。
■グローバル人材育成
当社では、海外マーケット開拓などができる海外要員を確保し、教育・育成を計画的に実施することを目的として、国内従業員を対象に、海外グループ会社で行う「短期海外業務研修」を2011年から実施してきました。参加者は累計100名に到達し、若手、中堅の従業員にとってグローバルビジネス参画への強い動機付けとなり、キャリアアップの大きな機会ともなっていましたが、業務としての海外派遣機会が増えてきたこともあり、2025年度以降は事業毎の海外派遣の中で実現しています。また、海外グループ会社の現地幹部候補を対象として、日本で教育を受ける「ナショナルスタッフ研修」を実施しており、これまで累計100名を超えるスタッフが来日し、受講しています。
〇指標:海外基幹人材の日本での研修受講者数、従業員一人当たりの教育投資額(教育時間)
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(ハ)組織に関する課題と戦略
<めざす組織・整備方針>変化に適応し、最適な配置によって人材を活かす組織(しなやかで強い組織)をめざしていきます。そのためにも組織を牽引する次世代経営人材として、自ら率先して「変化をつくる」人材を育成していきます。
<課題>経営戦略と連動した人材マネジメントを実現するために、経営戦略実現に必要な人材要件を明示するとともに、継続的にリーダーを育成していくことが重要となっています。
<戦略>■人材要件明示
事業運営に必要な人材の可視化を図るため、必要人材の人数と要件を明確にし、要員管理の高度化を進めていきます。
■次世代経営人材
選抜した人材に対して、経営幹部育成のための社内外の研修を実施しています。当社グループでは、次世代経営人材の育成施策を討議する「全社人材会議」を運用しています。マネジメントポストの後継者を討議する「全社人材会議」にて、人材の発掘と育成計画を経営メンバーにて検討し、部門・事業横断的な人材配置も行いながら、計画的に育成を図っています。
③ 社内環境に関する課題と戦略
<めざす社内環境・整備方針>多様な人材が共に高め合い安心と働きがいを実感できる職場環境の構築、風土の醸成をめざします。
安全・安心な職場環境を構築したうえで、従業員が「成長」「誇り」「やりがい」(=「働きがい」)を感じることができる職場を実現していくことが、従業員の幸せと当社グループの持続的成長につながると考えています。
・安全・安心な職場の構築
従業員の心身の健康保持・増進を進め、多様な人材それぞれが働きやすい職場環境や各種制度を備えた当社グループをめざしています。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
東洋紡グループダイバーシティ推進方針を定め、Diversity(多様性:ダイバーシティ)、Equity (エクイティ:公平性)、Inclusion (インクルージョン:一体性)という3つの要素を柱としたダイバーシティを推進します。
<課題>当社は、従来からダイバーシティ推進に取り組んできましたが、管理職に占める女性比率のさらなる向上をめざして目標を定め、施策を展開していきます。
<戦略>■ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
当社グループでは、働き方・キャリア・性別・国籍・人種・信条の異なる人たちの中にあって、互いを認め合い、協力して目標に向けた努力をすることが、個人と組織の成長につながると理解しています。異なる意見、多様な人材の存在価値を認め合い、高い目標へと力を合わせて努力することを大切にしています。
女性の活躍推進のため、人事・労務総括部にダイバーシティ推進グループを設置し、2015年から女性の活躍推進活動に取り組んできました。上司向けセミナー、女性リーダー育成セミナー、女性のキャリア開発支援セミナーなどを継続して実施し、従業員の意識改革を図っています。女性管理職(課長職以上)比率の数値目標を設定し、当該目標の達成に向け、新卒採用の女性比率を40%とする取組みを推進しています。また、社外のイニシアチブへも積極的に参画し、活動しています。こうした活動を通じ、当社(東洋紡㈱)は、女性活躍推進に関する「えるぼし(2段階目)」認定を2021年12月に取得しています。
また、育児支援として総合研究所内(滋賀県大津市)に企業内保育園「おーきっずⓇ」を開設しています。育児休業からの早期復帰、計画的な復帰を可能にするだけでなく、安心して出産できる環境の整備にもつながっています。
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障がい者雇用率の向上については、労働環境の問題点の洗い出しを行い、整備につなげています。具体的な整備事案として、敦賀事業所、岩国事業所、犬山工場、庄川工場の事務所をバリアフリー化し、その他の事業所についても順次バリアフリーを意識した建物改良、積極的な障がい者の採用を進めています。
ジェンダーマイノリティを含め多様な人材が働きやすい職場づくりを推進するため、全従業員向けのLGBTQ+相談窓口を設置しています。実務担当者向けの研修を実施し、ガイドラインなども整え、従業員の理解が深まるような啓発活動を展開し、それらの活動が認められ「PRIDE指標2024」においてゴールド、「PRIDE指標2025」においてブロンズを取得しました。
0102010_026.png〇指標:管理職に占める女性比率
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■健康経営
当社グループは、従業員の健康に配慮した働きやすい職場づくりを行うため、従業員の心身の健康保持・増進に向けて取り組んでいます。健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」に着手し、従業員の健康保持・増進により、生産性の向上や組織の活性化を図り、業績向上に寄与する取組みを推進しています。健康管理最高責任者(CHO)である人事部門を統括する役員(常務執行役員)のもと、労務部、産業医・看護職、健康保険組合が連携する推進体制を構築し、「TOYOBO健康経営宣言」における以下の重点施策に取り組んでいます。
・従業員の健康意識向上(啓発・教育)への取組み
・従業員の生活習慣改善(運動・食事・禁煙支援など)への取組み
・メンタルヘルス対策の強化(高ストレス従業員・職場への改善対応など)への取組み
当社では、2022年度以降、健康保険組合との協働により受動喫煙やニコチン依存について解説する禁煙セミナーやオンライン禁煙外来の案内、女性特有の健康課題に対する理解促進を目的としたセミナーを開催するなど、従業員に対する啓発活動を行っています。健康診断は、法定項目に加え、健康保険組合との協働で、がん検診などの機会提供を行っています。がん検診は従業員本人だけでなく被扶養者の家族も含めて対象にしています。また、各拠点の保健スタッフが従業員の健康相談にも対応し、専門医療機関への紹介など、従業員の健康保持・増進を支援しています。
また、管理職向けのメンタルヘルスの研修等を実施し、啓発・教育に取り組んでいます。全従業員を対象とするストレスチェックの結果を基に、高ストレス従業員への個別対応を行うとともに、集団分析結果を各職場の管理職向けにフィードバックするなどの対応に取り組んでいます。
グローバル展開の加速のため、アジアを中心に全世界の拠点に海外赴任者を配置しています。海外赴任者には赴任前に人間ドック受診・予防接種の義務付け、現地での医療体制支援および渡航先情報の提供などの支援を行っています。
当社(東洋紡㈱)は、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、2021年~2026年まで6年連続「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に、そのうち2023年、24年の2年間は「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に認定されました。引き続き、従業員の健康保持・増進に積極的に取り組むなど、健康経営を推進することで、企業価値のさらなる向上をめざします。
〇指標:健康経営ホワイト500認定
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■多彩な人材が働きやすい職場環境と制度の整備
従業員が意識を変えて効率的に働き、仕事と私生活の充実を図ることができるよう、「働き方改革」に取り組むとともに、育児・介護、フレックスタイム、テレワークなどの制度を整備しています。当社は、法定基準を上回る内容の「育児短時間勤務」「介護休職」などの制度を導入している他、育児休業5日間を有給とする制度を設けています。子どもが生まれた男性従業員に個別に制度の案内を行い、上司からも取得を勧めることで、男性の育児休業取得を促し、「男性の育児休業取得は当たり前」となってきています。こうした活動を通じ、当社(東洋紡㈱)は、高い水準で子育て支援に取り組む企業として、「プラチナくるみん」認定を取得しています。
0102010_029.pngまた、60歳で定年退職した従業員で、本人が希望し、通常勤務が可能と認められた者を再雇用するシニア社員制度を導入し、雇用を推進しています。再雇用されたシニア社員は、若手の育成や技術伝承の担い手として活躍しています。
〇指標:男性の育児休業取得率、年休取得率
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■超過重労働による健康障害撲滅
当社では、健康障害の要因となり得る長時間労働の常態化を防ぐため、各事業所において労使で一定のラインを設定し、長時間労働につながる動きをチェックし、過度な労働時間の削減を進めています。また、各事業所で労使が協力し「定時にカエルデー」を設定して定時帰宅を促し、自分や家族のために時間を使うよう働きかけています。なお、3ヶ月連続で一定の基準を超えた場合、経営層に、状況および対応策を報告することとしています。
〇指標:過重労働者比率(2024年度以降は長時間労働による健康障害防止に重点化を図るため、従来の指標「年間法定時間外労働削減」から当該指標に変更しています)
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■新人事制度の定着と自発的な学びの促進
2022年7月から運用がスタートした新人事制度においては、従業員全員が「成長」「誇り」「やりがい」を感じることができるように、「能力向上を促進・支援」「職責に応じた処遇と評価」「マネジメント力の強化」「多様な専門人材の活躍推進」という四つの方針を掲げて実行しています。
また、個人の能力向上につなげるために、等級毎の期待能力を明示し、年1回実施する人事考課時に行うキャリア開発シートの作成と上司との面談を通じ、将来のキャリアや能力開発を考える機会を設けています。そのうえで、職務上の期待や自身のキャリアに基づいて、自身が必要な知識・スキルを学ぶことができるよう、公募型の研修や自己啓発e-learning等のメニューを整え、自律的な学び・能力開発を支援しています。
■従業員エンゲージメント
上記各種戦略・施策への取組みの結果が、最終的に従業員エンゲージメントの向上につながるものと考え、全役員・全従業員を対象とする「エンゲージメントサーベイ」(2024年度までは「組織風土・働きがい調査」として実施)を実施しています。同調査によって定期的に従業員エンゲージメントの状況を把握し、従業員が誇りとやりがいを持って主体的に業務に取り組める環境を整えていきます。
〇指標:従業員エンゲージメントスコア肯定的回答率
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※本稿において「当社グループ」と記載していない箇所は、特段の注記がない箇所を除き、東洋紡㈱、および主要な子会社である東洋紡エムシー㈱、東洋紡STC㈱における記載です。各国の法規制・慣習を含む地域の特性および事業形態・事業規模、それらを背景とした人事制度も異なることから連結会社ベースでの記載が困難であり、東洋紡㈱と同一の人事制度を適用している主要な子会社を対象に施策を展開しています。

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