有価証券報告書-第165期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 13:05
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対処すべき課題

文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)当社グループの企業理念
当社グループは、創業者である渋沢栄一が座右の銘の一つとしていた『順理則裕』を企業理念としています。『順理則裕』とは、「なすべきことをする、なすべからざることはしない。順理を貫くことで、世の中をゆたかにし、自らも成長する。」という会社の創業精神です。いわゆるCSV(Creating Shared Value:社会課題の解決に貢献するとともに、経済的価値の向上を図り、企業価値を高める)の考え方を、当社グループは創業当時から140年間受け継いできました。
2019年、当社グループは、あらためて渋沢栄一の創業精神に立ち戻り、時代の変化に対応しながら、社会への貢献を通じて成長軌道を描き続ける会社となるために、企業理念体系「TOYOBO PVVs」として再整理しました。
■企業理念体系「TOYOBO PVVs」
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(2)サステナブル・ビジョン2030
企業理念体系「TOYOBO PVVs」に基づいて、2022年、長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」を策定しました。2030年の事業環境変化・社会トレンドを想定し、「人」と「地球」に関する5つの社会課題を設定しました。さらに、それぞれの課題について、サステナビリティ目標を設定しました。当社のコア技術をベースにイノベーションを起こしながら、これらの目標を達成することにより、「安心してくらせる「ゆたか」な社会の実現と企業価値向上のスパイラルアップ」という当社グループのありたい姿を実現していきます。
■サステナブル・ビジョン2030
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■社会課題に対するサステナビリティ目標
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(3)マテリアリティ
当社グループは、ステークホルダーの要請・期待に応え、めざす姿「人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」に向かって、マテリアリティ(サステナブルな会社であるための重要課題)を特定しています。ステークホルダーにとっての影響度と当社グループにとっての影響度の2軸において、特に優先度の高い課題を明確にしています。
策定した「サステナブル・ビジョン2030」を踏まえて見直しを進め、化学物質を扱うメーカーとして、「品質」、「化学物質管理」は、基盤となる重要課題であると再認識し、「安全防災、コンプライアンス(品質を含む)、ガバナンス」から、「品質」を独立させ、「化学物質管理」を追加しました。
■マテリアリティ
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(4)2025中期経営計画(2022~2025年度)
① 経営環境
2025中期経営計画のビジョンの検討にあたって、当社を取り巻く経営環境は、以下のように想定いたしました。
・ステークホルダー資本主義により企業のあり方が変わる
・脱炭素、循環型経済、EV化の進展
・技術進歩・実装の加速(DX、ライフサイエンスなど)
・国内市場漸減、資源価格の高止まり、調達リスクの高まり
・人々の意識・価値観・行動の変容
しかしながら、昨今の世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発する地政学的な緊迫、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、気候変動による自然災害の激甚化・多発化など、地球と社会の持続可能性が一段と問われる変化が当初の想定を上回るスピードで起こっています。
このような変化の激しい経営環境の中で、当社グループは、社会のサステナビリティに貢献し、サステナブルな成長を実現する会社になるため、2025中期経営計画を実行していきます。
② 基本方針
2025中期経営計画(2022~2025年度)は、「サステナブル・ビジョン 2030」で掲げる目標達成に向けた通過点として、この4年間を「つくりかえる・仕込む4年」と位置づけています。「4つの施策」を経営方針とし「サステナブル・グロース」への変革を図ります。
■基本方針と4つの施策
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③ 4つの施策
イ)施策1:安全・防災、品質の徹底
安全・防災については、現場総点検、防災総点検、老朽設備更新を含む安全・防災投資、安全防災研修の充実などを含む「安全・防災マスタープラン」を実行し、「ゼロ災」をめざします(サステナビリティ目標:全ての現場でゼロ災害達成)。また、品質については、品質保証研修の充実、PL/QAアセスメントの徹底、コンプライアンス教育の強化など、組織風土改革と品質文化づくりに注力し、ゆるぎない信頼の獲得をめざします。さらに、安全・防災、品質をはじめとするリスクの把握、回避・低減、適切な対応を可能とするため、リスクマップの作成、モニタリングシステムの拡充、グループ会社のガバナンス整備などを進め、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化していきます。
ロ)施策2:事業ポートフォリオの組替え
「収益性」と「成長性」の2軸で各事業を「重点拡大事業」「安定収益事業」「要改善事業」「新規育成事業」に層別し、各々の位置づけに応じた事業運営を行います。「収益性」は営業利益を使用資本で除した使用資本利益率(ROCE)、「成長性」は年平均売上高成長率(CAGR)を指標としています。「収益性」は資本コストをベースにハードルレート6.5%、「成長性」は業界の年平均売上高成長率を参考にハードルレート4.5%を目安として設定しています。なお、当社グループ全体の資本効率性指標はROICとし、2025年度の目標を5.0%以上としていますが、各事業の層別においてはROCEを用いています。
フィルム事業およびライフサイエンス事業は、当社グループに優位性があり、市場の拡大が見込めるものとして「重点拡大事業」に位置づけ、中長期の成長拡大をめざして積極的な投資をしていきます。また、環境・機能材事業は、これまで安定収益事業に位置付けられていました。しかし、今後の事業環境を踏まえ、各商材のもつ成長機会および潜在力を再評価し、第三の柱とすべく、三菱商事との合弁会社を設立・運営することで、成長拡大に挑戦します。
「要改善事業」のエアバッグ用基布事業、医薬品製造受託事業、衣料繊維事業の3事業については、正常化に向けた対策を講じ、グループ全体の資産効率の向上に取り組み、2025中期経営計画期間中の黒字化をめざしています。
■事業ポートフォリオの組替え:事業層別の考え方
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■事業ポートフォリオの組替え:3分野での積極拡大
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ⅰ)フィルム事業
当社は他社に先駆け、すでに2010年にリサイクル樹脂の使用比率が60%で薄肉(18μm)のポリエステルフィルムを開発するなど、10年以上前からリサイクル・減容化(薄肉化)という環境に配慮した製品開発に取り組んできました。
現在、さらに省資源・循環型社会に貢献する製品を増やす取組みを進めています。以下の図はその取組みの一例です。
■フィルム事業の省資源・再資源化
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気候変動、廃プラ問題がグローバルな課題とされる中、当社は、上記の取組みにより環境配慮製品へのシフトを加速し、「プラスチックとの共生社会」の実現をめざしていきます。サステナビリティ目標として、2030年度にグリーン化(バイオマス、リサイクル、減容化)比率60%を掲げ、2050年度には100%をめざします。
一方、デジタル社会に貢献する製品としては、液晶偏光子保護フィルム、セラミックコンデンサ用離型フィルムを中心に拡販していきます。
a.液晶偏光子保護フィルムは、液晶テレビに使われています。当社独自の技術を駆使した超複屈折ポリエステルフィルムです。50%超の面積シェア(当社推定)をさらに高めていく予定です。
b.セラミックコンデンサ用離型フィルムは、MLCCの製造工程に使われています。平滑性に優れることが当社の強みです。市場の成長に応じて、2024年には、ハイエンドのセラミックコンデンサ用離型フィルムを、原反からコーティングまで1工程で製造する、当社独自の設備を新設・稼働予定です。
2025年度のフィルム事業の売上高は、2021年度に対して36%増の1,900億円を目標としています。
ⅱ)ライフサイエンス事業
バイオ事業は、1948年、レーヨン繊維の原料であるパルプの廃液処理のため酵母培養研究を開始したところから始まりました。現在、高機能たんぱく質を作る技術を強みに、生化学診断用原料酵素、遺伝子検査用原料酵素、研究用試薬、診断薬、診断システムまで幅広く展開しています。ポストコロナに向けて、感染症ソリューションビジネスを拡大していきます。メディカル事業は、製膜技術に強みがあり、その強みを生かして、慢性血液浄化膜から、急性血液浄化膜の市場に拡大していきます。以下は、主要製品の拡大計画です。
■ライフサイエンス事業の拡大
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2025年度のライフサイエンス事業の売上高は、2021年度に対して21%増の400億円を目標としています。
ⅲ)環境・機能材事業
当社は、三菱商事株式会社と機能素材の企画、開発、製造および販売を行う合弁会社として東洋紡エムシー株式会社を設立し、当社51%、三菱商事㈱49%の出資比率で、2023年4月に事業を開始しました。東洋紡エムシー㈱は、当社の技術力と、三菱商事㈱の総合力を融合し、グローバル市場でさらなる成長をめざします。特に、海水淡水化膜、VOC回収装置、浮体式洋上風力発電の係留ロープに使用可能な超高強力繊維などの「環境ソリューション」分野、自動車の軽量化に資するエンジニアリングプラスチック、5G・6Gの普及に貢献する接着剤・塗料原料などの「モビリティ・電子材料」分野での成長をめざします。
以下、環境・機能材事業の主要製品の拡大計画を示します。
■環境・機能材事業の拡大
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当社と三菱商事㈱の強みを生かすことで、環境ソリューション分野やモビリティ・電子材料分野を中心に、環境対応やEVを始めとするCASEの進展といったメガトレンドを先取りしながら、先進的な素材をエンドユーザーのニーズに繋げるソリューション提供力を強化していきます。
2025年度の環境・機能材事業の売上高は、2021年度に対して40%増の1,450億円を目標としています。
ⅳ)要改善事業
事業ポートフォリオの組替えにおいて、要改善事業には、エアバッグ用基布事業、医薬品製造受託事業、衣料繊維事業の3事業が該当します。全ての事業において、2025年度までに、事業の正常化・黒字化をめざします。
a.エアバッグ用基布事業は、2023年にタイのエアバッグ用原糸の新工場において商業生産を開始する予定です。
b.医薬品製造受託事業は、FDAからのWarning Letterに対して、早期の解決をめざして対応しています。
c.衣料繊維事業は、2022年4月に、東洋紡せんい株式会社を発足し、グループ会社の統合・再編を進め、収益力・資産効率の向上に努めています。また、2024年3月末を目途に、富山事業所の3拠点を集約します。井波工場、入善工場を休止するとともに、庄川工場の織布生産を縮小します。庄川工場は、井波工場、入善工場からの紡績工程の移管・集約を受け、新たな生産・開発体制のもと、マレーシアの生産拠点も活用しながら、国内の紡績・織布・加工のテキスタイル生産を継続していきます。
ハ)施策3:未来への仕込み
ⅰ)研究開発
当社の事業を支えているのは、合成繊維の開発から蓄積された、重合・変性・加工の「高分子技術」、酵母培養によるパルプ廃液処理研究から発展した「バイオ・メディカル」、高分子技術をベースに水・空気の浄化や廃棄・リサイクルを可能とする「環境技術」、人を中心とする生活シーン、モビリティ空間のための「快適性設計」の4つのコア技術です。これらのコア技術を駆使して、現在に至るまで、液晶偏光子保護フィルム、セラミックコンデンサ用離型フィルム、超高強力繊維、VOC回収装置、海水淡水化膜、生化学診断用酵素、PCR検査用試薬、人工腎臓用中空糸膜など、高付加価値製品を上市してきました。
さらなる新事業領域への展開に向けて研究開発を進めており、早期の実用化をめざしています。以下は、現在、取り組んでいる主要テーマです。
■未来への仕込み例
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研究開発は、新製品やサービスを生み出すための重要な投資であり、売上高研究開発費比率は3.6~3.8%を目安としており、売上高の増加に伴い研究開発費も増やしていく計画です。
ⅱ)デジタルトランスフォーメーション
ITの発展によって急速に社会のデジタル化が進んでいます。こうした中で当社グループは、バリューチェーン全体をカバーするITシステム基盤の再構築を進めるとともに、デジタル技術を活用したビジネススタイルへの変革、新たなソリューションの創出に取り組んでいます。それによって、業務の効率性向上だけでなく、社会やお客さまへの価値提供の強化も図っています。今後、2025年をマイルストーンとして定めたロードマップに従って、システム基盤の強化に加え、DX推進体制を整備・強化し、デジタルトランスフォーメーションを推進していきます。
ⅲ)カーボンニュートラル
当社グループは、カーボンニュートラルに向けて、2030年度は2013年度比GHG排出削減量46%、2050年度にはネットゼロをめざしています(Scope1,2)。さらには、当社グループバリューチェーン全体のGHG排出量に対して、当社が提供する海水淡水化膜、浸透圧発電などによるGHG削減貢献量が上回ることを目標としています。2022年12月には、当社グループの2030年度までのGHG排出量削減目標がSBTイニシアチブに認定されました。GHG排出量削減に向けて、策定したロードマップに従って、エネルギー転換、省エネ、再生可能エネルギーの導入などを着実に実行していきます。加えて、2022年4月より、インターナルカーボンプライシング(ICP)制度を導入しており、設備投資判断の基準の一つとして活用していくことで、低炭素・脱炭素設備、省エネ投資など、GHGの排出量削減に貢献する投資を加速しています。これらの活動はTCFDのフレームワークを活用して包括的に取り組んで参ります。
二)施策4:土台の再構築
土台の再構築として「人材育成・働き方改革・ダイバーシティ推進」「ガバナンス・コンプライアンス」「モノづくり現場力」「組織風土改革」「事業基盤の整備」を進め、サステナブル・グロースに必要な土台の強化を図ります。
「人材育成・働き方改革・ダイバーシティ推進」では、従業員一人ひとりが成長を感じ、誇りとやりがいを持って働くことができることをめざし、2022年7月に人事制度を大幅に刷新しました。①年功序列運用を脱却した昇格要件の見直し、②次世代経営人材の開発育成プログラムの開始、③高度な専門性を持つ人材を処遇するプロフェッショナル職の設定、④職能給・本人給の見直し、およびシニア社員制度の拡充を進めています。また、女性活躍をはじめとするダイバーシティの推進として、2025年度に、管理職に占める女性割合を5.0%以上とするよう取り組みます。さらに将来の女性管理職比率を高めていくため、グローバルコースの新卒採用の女性比率の目標を40%として採用を進めています。
「ガバナンス・コンプライアンス」においては、2022年6月、経営全般に関するスキルを持った社外取締役を1名増員し、取締役の50%が社外取締役という構成にしました。社外取締役比率を高め、当社経営に対する第三者の視点での意見を増やすことで、取締役会の実効性の向上を図っています。また、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬等諮問委員会(委員長は社外取締役)を設置し、取締役等の指名・報酬の決定に関し、透明性と客観性の確保を図っています。さらに、グループ管理総括部は担当部門およびスタッフ部門と連携し、グループ会社のリスクマネジメント体制の整備などを支援し、取締役会において、グループ会社のリスク管理に関する報告をしています。コンプライアンスについては、研修や勉強会を充実させ、コンプライアンスの徹底を図っています。また、サプライチェーンマネジメントにおいて、法令順守、公正な取引、環境配慮、人権尊重(児童労働・強制労働の禁止や、LGBTQを含むあらゆる属性の人々への差別の禁止を含む)などに対応する「CSR調達ガイドライン」を制定していますが、近年のグローバルな諸課題を踏まえ、2022年9月に改定しました。サプライチェーンを通じて、社会・環境面への配慮、公正・誠実な取引、人権を尊重した調達・物流を実現していきます。
「モノづくり現場力」では、技術者教育の整備および充実に取り組み、デジタル技術の活用(スマートファクトリーなど)、現場交流などにより、生産革新活動を全社に展開・推進していきます。
「事業基盤の整備」では、全社・事業所の拠点構想を検討し、リニューアル投資やレガシーシステムの更新などに取り組んでいます。
「組織風土改革」では、カエル推進部による企業理念体系「TOYOBO PVVs」の浸透活動を通じて、組織の垣根を越えて、気づきを改善・改革につなげる働きかけを続けています。また、「まじめな雑談」などによる対話の促進により心理的安全性の向上に努めています。
企業と従業員個人は対等な関係として、組織目標の達成と個人の成長のベクトルを一致させていく必要があります。エンゲージメントサーベイに基づく従業員の「働き方肯定度」の向上を図り、2030年に従業員エンゲージメントスコア70%を目標としています(サステナビリティ目標)。
④ 財務目標、および資本コストを意識した経営
2025中期経営計画(以下、「2025中計」といいます。)において、「売上高」「営業利益」「営業利益率」「EBITDA」「当期純利益」「自己資本利益率(ROE)」「投下資本利益率(ROIC)」「D/Eレシオ」「Net Debt/EBITDA倍率」を重要財務指標としています。持続的な成長に向けて、積極的な投資マインドを社内に形成するため、営業利益に減価償却費を加えた「EBITDA」を指標に加えるとともに、資本効率を重視した経営を推進する目的で、投下資本利益率(ROIC)を指標に加え、成長性と効率性の両側面から経営資源の最適な配分に努めます。
また、社債の発行体格付の維持向上等を通じて資金調達の安定性を確保する観点から、有利子負債と自己資本の比率(D/Eレシオ)を重視しています。2018~2021年度の中期経営計画では、D/Eレシオ1.0倍未満を目標とし、その目標を達成しました。2025中計では、将来の成長に向けた先行投資を、時機を逸することなく実施していくため、D/Eレシオの目標を1.2倍未満としています。併せて、キャッシュ・フローの創出力と有利子負債とのバランスを失することなくコントロールするため、Net Debt/EBITDA倍率の指標を加え、4倍台を目安にコントロールし、財務状態を安定的に管理していく方針です。
2022年5月の2025中計発表において、設備投資は4年間で総額2,400億円を計画し、そのうち成長投資を1,150億円としました。成長が期待される事業に積極的に投資をして収益力を高める計画としています。成長投資が営業キャッシュ・フローを超える投資となるものの、将来の成長には必要なことと判断しています。しかし、2025中計1年目の業績は、営業利益が約65%減の大幅減益となりました。その主原因は、原燃料価格高騰、MLCCの市況悪化などの外部環境によるところが大きく、2023年度は回復する見込みではありますが、今後、設備投資については、営業キャッシュ・フローの推移を見ながら、Net Debt/EBITDA倍率による管理を進め、投資の優先順位をつけて実施していく予定です。
当社は、資本コストを意識した経営を推進しており、2025中計の重要財務指標にROE、ROIC等を採用しています。現状、PBRが1.0倍を下回る状態にあることを重く受け止め、ROE、ROICをいかに高めるかが重要課題と認識しております。資産効率、収益性を高めることでROEを改善するとともに、「重点拡大事業」において成長への具体策を着実に実行し、ステークホルダーの皆さまの成長期待に応える成果を示し、PBRの向上を図ってまいります。
■財務目標
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⑤ 株主還元方針
株主への利益還元は最重要事項の1つであるとの認識のもと、安定的な配当の継続を基本としつつ、持続性のある利益水準、将来投資のための内部留保、財務体質の改善などを勘案した上で、今回の中期経営計画の対象期間においては、総還元性向 30%を目安として、自己株式の取得も選択肢に含めた株主還元策を講じてまいります。