有価証券報告書-第208期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 13:32
【資料】
PDFをみる
【項目】
119項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が継続する中、個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続いた。一方で、欧米の通商政策による海外経済の不確実性や金融市場の変動などの影響が懸念され、地政学リスクへの不安も払拭されず、先行き不透明な状況で推移した。
このような状況の下、当社グループは、昨年5月に公表した中期経営計画「“G”round 20 ~to The Next Stage(ジーラウンド・トゥエンティ ~トゥ ザ ネクスト ステージ)」に掲げる3つの“G”(Growth、Global、Governance)の実現に努めてきた。
この結果、当連結会計年度の売上高は128,388百万円(前期比1.7%増)、営業利益は11,658百万円(同7.0%減)、経常利益は9,972百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,081百万円(同9.4%増)となった。
事業セグメント別の経営成績は次のとおりである。
[高分子事業]
フィルム事業では、包装分野は、季節商品の国内販売が堅調に推移し、コンビニエンスストア向け商品などの需要やインバウンド消費が拡大した。加えて、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品の売上も増加した。また、海外でも、好調なアジア市況を背景に、インドネシア子会社のP.T.EMBLEM ASIA(エンブレムアジア)が売上を伸ばした。工業分野は、好調な半導体市況に支えられ、電気・電子機器分野で好調に推移したほか、シリコーンフリー離型PETフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売も好調であった。この結果、事業全体で増収となったが、原燃料価格上昇などの影響もあり、減益となった。
樹脂事業では、当社独自のポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、情報端末機器用途や海外向け自動車用途で売上、収益とも大幅に拡大した。ナイロン樹脂は、自動車用途などで堅調に推移したが、原燃料価格上昇の影響を大きく受けた。熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂「エリーテル」や環境配慮型の水性エマルション「アローベース」は、太陽電池用途での需要減少などにより低調に推移した。この結果、事業全体で増収減益となった。
不織布事業では、ポリエステルスパンボンドは、農業用途や建築資材用途などで売上を伸ばしたが、土木用途などで低調に推移した。タイ子会社のTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.(タスコ)は、新機台製品のスペックインを順次進めており、既存製品では土木用途、カーペット用途などの販売が堅調に推移した。コットンスパンレースは、スキンケア用品などの生活資材用途が引き続き好調で、輸出も堅調に推移した。この結果、事業全体で増収となったが、大型設備投資の償却費計上などの影響もあり、減益となった。
以上の結果、高分子事業の売上高は58,516百万円(前期比6.3%増)、営業利益は9,401百万円(同6.3%減)となった。
[機能材事業]
ガラス繊維事業では、産業資材分野は、建築土木用途での需要が伸び悩んだが、環境関連用途などは堅調に推移した。電子材料分野のICクロスは、高付加価値品である超薄物タイプを中心に、情報端末機器・ネットワーク関連用途での好調な需要に支えられ、販売が堅調に推移した。
ガラスビーズ事業では、電子部品や自動車部品などの工業用途が好調に推移し、路面標示用途も堅調に推移したが、原燃料価格上昇などの影響を受けた。
活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途は水栓一体型を中心に好調に推移し、VOC除去用途、工業用途なども好調に推移した。
以上の結果、機能材事業の売上高は12,536百万円(同3.7%増)、営業利益は1,227百万円(同8.6%増)となった。
[繊維事業]
産業繊維事業では、構造改革の実施により事業規模は縮小したが、ポリエステル短繊維は、複合繊維などの高付加価値品の販売を進め、前期並みの売上を確保した。ポリエステル高強力糸は、土木用途などで低調に推移したが、高付加価値品の販売数量は増加し、計画どおりの収益を確保した。
衣料繊維事業では、ユニフォーム分野はワーキング用途を中心に好調に推移し、寝装分野も需要の回復により堅調に推移したが、レディス分野や原糸販売などは不振が続き、売上が減少した。海外向けでは、デニムの需要が回復し、好調に推移した。
以上の結果、繊維事業の売上高は53,612百万円(同3.5%減)、営業利益は1,290百万円(同33.2%減)となった。
[その他]
その他の事業については、売上高は3,723百万円(同5.3%増)、営業損失は277百万円(前期は578百万円の損失)となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,721百万円減少し、26,169百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費などを加えた資金収入や、繊維事業における独占禁止法関連の支払いなどの支出により、9,739百万円の資金の増加(前期比46.2%減)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、高分子事業を中心とした設備投資に伴う支出などにより、3,231百万円の資金の減少(前期は4,158百万円の資金の減少)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、C種種類株式の取得及び消却などにより、17,207百万円の資金の減少(前期は19,089百万円の資金の減少)となった。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産活動の大半は、当社、日本エステル㈱、ユニチカテキスタイル㈱、ユニチカグラスファイバー㈱、㈱ユニオン、P.T.EMBLEM ASIA及びTHAI UNITIKA SPUNBOND CO.,LTD.で行われているため、これらの会社の実績により記載している。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
高分子事業58,8288.8
機能材事業9,1114.9
繊維事業5,109△18.6
報告セグメント計73,0495.8
その他--
合計73,0495.8

(注)1.生産高を明確に表示するため、外注生産高を含む総生産高で記載している。
2.上記の金額には消費税等は含まれていない。
b.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っている。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
高分子事業58,5166.3
機能材事業12,5363.7
繊維事業53,612△3.5
報告セグメント計124,6651.6
その他3,7235.3
合計128,3881.7

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていない。
2.販売実績が総販売実績の10%以上の相手先はない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としている。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益を重視している。また、中期経営計画「“G”round 20 ~to The Next Stage」では、最終年度である平成32年3月期の数値目標として、連結売上高1,400億円、営業利益134億円、経常利益102億円、親会社株主に帰属する当期純利益47億円を、持続的成長に向けたひとつの通過点として掲げており、今後の成長への基盤強化のため、3つの“G”、Growth「事業成長戦略の推進」、Global「グローバル事業展開の強化・推進」、Governance「グループガバナンスの強化」という視点から施策を推進・実行し、その実現を目指している。
財務体質強化の観点からは、自己資本比率の向上、有利子負債の削減を念頭に置くとともに、キャッシュ・フローについても重要視し、重点管理している。
ロ.経営成績及び財政状態の分析
a.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2,169百万円(1.7%)増収の128,388百万円となった。構造改革の影響等で繊維事業が減収となったが、それ以外の事業で概ね堅調に推移したことにより、全体の売上が増加したためである。
b.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ879百万円(7.0%)減益の11,658百万円となった。高付加価値品の販売は増加したが、原燃料価格の上昇などによるコスト影響を大きく受け、全体では減益となった。セグメント別では、原燃料価格上昇の影響を大きく受けた高分子事業と繊維事業が減益となった。
c.営業外損益と経常利益
当連結会計年度の営業外損益については、営業外収益は、327百万円(33.9%)減少の639百万円となり、営業外費用は、有利子負債の削減に伴う支払利息の減少などにより696百万円(23.1%)減少の2,325百万円となった。これらの要因と、営業利益段階での減益により、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ510百万円(4.9%)減益の9,972百万円となった。
d.特別損益
当連結会計年度の特別損益については、特別利益は、投資有価証券売却益の減少などにより、前連結会計年度に比べ187百万円(18.6%)減少の822百万円となった。一方、特別損失は、固定資産処分損の減少や、前連結会計年度に計上した独占禁止法関連損失などの影響により、前連結会計年度に比べ1,774百万円(51.6%)減少の1,666百万円となった。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損益の好転が大きく影響し、前連結会計年度に比べ692百万円(9.4%)増加の8,081百万円となった。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりである。当連結会計年度においては、特に原燃料価格等の上昇が当社グループの経営成績に影響を及ぼしたが、今後も原燃料価格や為替の変動などに迅速かつ柔軟に対応しながら、業績の拡大に努める。
f.総資産
総資産は、前連結会計年度末に比べ8,546百万円減少し、203,326百万円となった。これは、主として現金及び預金が減少したことや、繊維事業の事業撤退に関連した有形固定資産の減損損失の計上などによる固定資産の減少によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ4,012百万円減少し、162,596百万円となった。これは、主として有利子負債が減少したことによるものである。純資産は、前連結会計年度末に比べ4,534百万円減少し、40,729百万円となった。これは、主としてC種種類株式の取得及び消却により資本剰余金が減少したことによるものである。
ハ.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
当連結会計年度の事業セグメント別の経営成績については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりである。
ニ.資本の財源及び資金の流動性について
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.契約債務
平成30年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりである。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超
3年以内
3年超
5年以内
5年超
短期借入金2,4502,450---
長期借入金102,8012,720100,04139-
リース債務732575191550

c.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金または借入により資金調達することとしている。また、運転資金の効率的な調達を行うため、当社と取引銀行1行との間で5,000百万円のコミットメントライン契約を締結し、資金の流動性を確保している。なお、当連結会計年度末における借入実行残高はない。
財務体質の健全化については、在庫削減等による運転資金の効率化によって有利子負債の圧縮に努めている。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。