有価証券報告書-第154期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:37
【資料】
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【項目】
158項目

研究開発活動

当社グループでは、「レーヨンメーカーからセルロース総合企業」を目指し、繊維を中心に研究開発活動を行っております。
繊維の中心となる「レーヨン」繊維は、植物から得られるセルロースを再生して繊維化しており、原料の植物は、再生可能な生物由来の資源で「バイオマス」と呼ばれております。当社のレーヨン繊維は、2009年8月に日本有機資源協会よりバイオマスマーク商品の認定を受けました。(バイオマスマークは、自然の恵みで持続的に発展可能な社会づくりに貢献することを目指したマークであります。)
研究開発状況としましては、機能レーヨン関係では、当社のレーヨン練り込み技術に注目いただきアパレルメーカーやテキスタイルメーカーと独自成分を練り込んだ機能レーヨンを数社と共同開発を進めています。美容フェイスマスク用不織布向けに椿、アボカド、ひまわりなど植物オイルを練り込んだレーヨン「ボタニフルシリーズ」が海外のアパレルメーカーに注目されています。
当社の古紙パルプの溶解パルプ化技術が注目され、新規に古紙パルプを用いたレーヨン開発を検討いたしました。今期は新たに「タイヤコード用CNT複合溶剤法セルロース繊維の開発」のテーマでNEDO2018年度戦略的エネルギー技術革新プログラムに採択されました。今後3年間で技術開発を行なっていきます。
染色加工技術を用いた機能加工シリーズとして、前年度から引き続き日本に古来から存在する天然由来の美容成分加工した生地「温故知新シリーズ」としてメロンより抽出したプラセンター加工を開発しました。
これらの研究を含め今後とも当社では、大学等の研究機関と連携した再生セルロースの基礎的な研究開発、従来からの練り込み技術を駆使した機能レーヨン、染色加工技術による生地の機能加工、セルロースと多糖類を複合化した複合体の食品への応用など、人と地球環境にやさしい再生セルロース及び再生セルロースの複合体の研究開発に邁進してまいります。
また、従来からのレーヨン繊維に様々な機能を付加させ、地球環境にやさしい繊維の開発も引き続き行っており、清潔、健康、安心、安全、快適な暮らしを提供する機能素材の開発を実施してまいります。
今後も消費者ニーズに合った地球環境にやさしいレーヨン繊維の開発に邁進していく所存であります。
不動産、その他におきましても、既存事業の発展と新規事業の育成、所有不動産の積極的活用等を推進すべく、研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、113百万円であり、主として繊維であります。