有価証券報告書-第158期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、『日東紡グループは「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダーと共に喜びを分かち合い、企業価値を高めていくことを目指しております。
(2) 中長期的な経営戦略
当社は、2023年4月1日に創立100周年を迎えます。当社グループが次の100年も持続的に成長するために、101年目である2023年度をターゲットとする目指すべき企業像『長期ビジョン101』と、2017年度から2020年度までの4年間を対象とした『日東紡グループ 中期経営計画《Go for Next 100》』を策定いたしました。
『長期ビジョン101』の実現と『中期経営計画《Go for Next 100》』の達成に向けては、以下3つの基本方針の下、事業運営を進めて参ります。
当社グループは今、次の100年に向けた土台を築く時期であると考えています。当社が基盤を置く日本国内で生き残りを図ると同時に、世界に目を向け、日東紡グループの持続的な成長を目指すことが、我々のステークホルダーに対する責務であると考えます。このために、次の100年のスタート(101年目)である2023年度に、次の企業像を実現したいと考えます。
2017年度から2020年度の4年間を、2023年度『長期ビジョン101』の実現に向けて、現在の収益性を持続できる基盤を確立したうえで、将来の成長のチャンスを捉える重要な第一ステップと位置づけ、『中期経営計画《Go for Next 100》』では、以下の重点施策を実行して参ります。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標として以下の数値を掲げております。これらを重要指標と認識し、企業価値の向上に努めて参ります。
(4) 経営環境
世界経済は緩やかな成長が見込まれるものの、米中貿易摩擦や中国経済の減速懸念、英国のEU離脱問題の長期混迷等により不透明性が高まっております。日本国内においても企業の景況感に陰りが見られることに加え、消費税率引き上げの影響や原材料価格・為替の動向等の不確定要素もあるため、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
繊維事業
繊維事業では芯地や多層構造糸等、衣料の副資材や原糸の製造販売を行っています。芯地製品は、高級レディース向け市場で大きなシェアを持ち、薄物芯地の接着技術に独自性を有しています。原糸製品はストレッチ素材の先駆けとなる二層構造糸「C・S・Y®(コア・スパン・ヤーン)」を開発するなど、多層構造糸のカバーリング技術で、世界トップクラスの技術を有しております。
昨今は国内衣料市場が縮小していることや、海外廉価品の流入により競争環境が厳しい状況にありますが、高付加価値品の開発スピードを加速するとともに、接着技術や多層構造糸のノウハウを活用してグラスファイバー事業部門とコラボレーションを行い、産業資材への展開を進めております。また、本年5月に連結子会社であった中国製造拠点の持分を譲渡するなど、構造改革を進め収益性の改善に注力しております。
グラスファイバー事業 [原繊材事業、機能材事業、設備材事業]
当社は、1938年に日本で初めてグラスファイバーの工業化に成功して以来、業界のリーディングカンパニーとして、グラスファイバーの可能性を追求してまいりました。グラスファイバーを製造する原繊工程と、グラスファイバー加工工程の双方を備え、組成開発、原繊製造、クロス加工、複合材料開発に至る一貫した生産・開発体制を保有しております。当社独自の技術を活用した商品群を展開し、高付加価値品分野でのリーダーとして地位を築いております。
原繊材事業
原繊材事業においては、電子材料用途で、世界で最も細い水準にある極細ヤーンや、低誘電特性あるいは低熱膨張特性を備えた特殊な機能を持つスペシャルガラス・ヤーンを製造できる独自技術を保有しております。また、複合材用途においては、独自技術によりグラスファイバーの断面を通常の円形でなく長円形にすることで成型品の反り・ねじれを抑えるフラット・ファイバーを展開しています。
当社はこれらの独自技術により高い競争力を有しておりますが、今後、国内外の企業の技術的キャッチアップも想定されるため、研究開発体制の一層の強化と高付加価値製品の製造能力向上を行ってまいります。
旺盛なスペシャルガラスの需要に応えるべく2019年度より新溶融炉を順次立ち上げて生産能力を増強するとともに、2020年に福島、2021年に台湾に合わせて約100億円を投じて更なる生産能力の増強を図る方針です。
機能材事業
機能材事業では電子材料用途のガラスクロスを展開しています。ガラスクロスは絶縁性・耐熱性・寸法安定性に優れ、電子基板の基材として利用されており、当社の極薄ガラスクロスはその薄さと均一な繊維分布により、電子機器の小型・高機能化に寄与しています。また、当社独自の組成によるスペシャルガラス・クロスは、高速大容量通信に求められる低誘電率、低誘電正接、低熱膨張等の特性を持ち、データセンターや携帯基地局の高周波部材、サーバーやスマートフォンなどの半導体パッケージ基板に使用されています。
電子材料業界は技術開発のスピードが速く、また、次世代通信規格5GやAI、IoTなどの新たなテクノロジーの到来に向け競合他社や他素材との競争が激しい状況にありますが、当社独自の強みを更に強化すべく先端技術の研究開発や国内外の生産設備の増強と最適な生産体制の構築を進めて参ります。
設備材事業
設備材事業では産業資材用途グラスファイバー製品とグラスウール製品を展開しています。産業資材用途グラスファイバーは、当社の技術力が評価され大型建造物用の膜材から自動車用の制振材まで幅広い用途で採用されております。取引先が多岐に亘るため個別業界の市況変動が分散され安定的な収益計上が見込める一方で、他素材との競合もあり競争環境は厳しい状況にあります。自動車や航空機分野での軽量化ニーズは高く、当社の技術力を活かした用途開発を進めて参ります。
グラスウールは、その高い断熱性能により住宅・ビルなどの断熱材として使用されて省エネルギーに貢献するとともに、空き瓶や使用済みの窓ガラス等のリサイクルガラスを原料としているため資源の再利用にも貢献しています。当社グループはグラスウールを1949年に日本で初めて製造を開始し、現在も断熱材のパイオニアとして独自技術を保有しております。グラスウールの細繊維化を進めて断熱性能を向上させることで、環境負荷の低減に貢献しています。また、ノンホルムアルデヒドのグラスウールを開発し、安全・快適な生活の実現に寄与しています。当社グループは北海道および福島県にグラスウールの製造拠点を有する為、特に北海道・東北地区で高い販売シェアを確保しております。グラスウールは嵩比重が小さく、重量当たりの運搬コストが相対的に高いため、運搬コストの増加が業績に影響いたします。事業環境、競争環境は厳しい状況にありますが、独自技術を更に発展させ、より一層の省エネ社会の実現に貢献して参ります。
ライフサイエンス事業
ライフサイエンス事業では体外診断用医薬品、スペシャリティケミカルス製品及び清涼飲料水の製造販売を行っています。
体外診断用医薬品事業は、原料から最終製品をグループ内で一貫製造することにより高品質と安定供給を両立させ、特に免疫系の診断薬に強みを保有しています。国内市場では、高齢化の進展や医療費抑制に向けた治療から未病へのシフト等により診断薬の高機能化が求められています。また、海外市場において、先進国では高付加価値医療(高感度の免疫系試薬や感染症、遺伝子検査等)の需要増加、新興国では社会保険制度の整備に伴う診断機会の増加があり体外診断用医薬品の需要が拡大しております。当社グループは、国内において100種類以上の検査項目に対応した診断薬を販売しており、炎症マーカーや骨粗鬆マーカー等で大きな販売シェアを確保しております。当社が強みを保有する免疫系の体外診断用医薬品は、国内外で独自性と競争力を有しており、生産能力の増強および研究開発を加速させて、需要拡大の見込まれる海外市場への販売をより一層強化して参ります。2020年以降、福島県郡山市に工場・倉庫を統合した新工場を稼働させ、また体外診断薬の原料となる抗血清を生産しているアメリカ合衆国カリフォルニア州の生産拠点に新工場を建設いたします。
スペシャリティケミカルス事業では、機能性ポリマーの製造販売を行っております。販売先の業種・分野はトイレタリー、製紙、金属、電子材料、ジェネリック医薬品と多岐に渡っており、競合の参入が難しい独自性の高い製品の研究開発・製造販売に取り組んでおります。
清涼飲料水事業では、プライベートブランドのOEM生産を通じて個々のブランドホルダーのニーズにお応えすべく少量多品種製造を特徴としております。きめ細やかなレシピ対応と迅速な品種切り替え対応により、競合他社との差別化を図り、安定的な収益を確保しております。
(5) 対処すべき課題
2019年度は4年間の『中期経営計画《Go for Next 100》』の3年目に当たります。中期経営計画前半の2年間は、高付加価値戦略を推進するための基盤強化に努め、設備投資、人材投資、研究開発に注力して参りました。前述の環境認識の下、2019年度は中期目標達成への道筋をつけるべく、引き続き基盤強化を推し進めるとともに、投資効果の発現、コスト競争力の強化、生産性改善を実行して参ります。また、2020年度以降に効果発現を企図して取り組んでいる各種施策については、生産・技術・営業・管理の基盤整備を着実に進めて参ります。優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
繊維事業
収益性の改善を喫緊の課題と捉え、芯地事業では2019年4月に発表した中国製造拠点の持分譲渡を含めた事業再構築を進めるとともに、原糸事業では高機能品の開発と上市、グラスファイバー事業部門とのコラボレーションによる産業資材への展開を加速させます。
グラスファイバー事業 [原繊材事業、機能材事業、設備材事業]
旺盛なスペシャルガラスの需要に応えるべく、2019年度より順次立ち上がる新溶融炉の稼働による供給能力の増強を着実に実行いたします。また、2020年度以降の稼働を予定している日本・台湾におけるスペシャルガラス・ヤーンの製造設備の増強計画を推し進めるとともに、各拠点における原繊工程、加工工程の最適な生産体制を構築して参ります。
ライフサイエンス事業
2020年以降に計画している郡山市、カリフォルニア州の新工場稼働に向け、商品企画開発力、国内外の営業体制の強化を行うとともに、生産性の改善と製造・販売・品質管理システムの導入を遂行いたします。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、『日東紡グループは「健康・快適な生活文化を創造する」企業集団として社会的存在価値を高め、豊かな社会の実現に貢献し続けます。』との経営理念に基づいて、時代の要請に即応し、社会の役に立つ新しい価値を創造し提供し続けることで、株主・投資家・行政・地域社会等すべてのステークホルダーと共に喜びを分かち合い、企業価値を高めていくことを目指しております。
(2) 中長期的な経営戦略
当社は、2023年4月1日に創立100周年を迎えます。当社グループが次の100年も持続的に成長するために、101年目である2023年度をターゲットとする目指すべき企業像『長期ビジョン101』と、2017年度から2020年度までの4年間を対象とした『日東紡グループ 中期経営計画《Go for Next 100》』を策定いたしました。
『長期ビジョン101』の実現と『中期経営計画《Go for Next 100》』の達成に向けては、以下3つの基本方針の下、事業運営を進めて参ります。
| ①社内外に風通しのよい日東紡グループを目指す。 |
| ②研究・技術開発なくして日東紡の発展はありえない。 |
| ③コーポレート・ガバナンスの構築と不断の見直しを行う。 |
当社グループは今、次の100年に向けた土台を築く時期であると考えています。当社が基盤を置く日本国内で生き残りを図ると同時に、世界に目を向け、日東紡グループの持続的な成長を目指すことが、我々のステークホルダーに対する責務であると考えます。このために、次の100年のスタート(101年目)である2023年度に、次の企業像を実現したいと考えます。
| ○目指すべき企業像(ビジョン)『長期ビジョン101』 |
| 「顧客と技術を基軸とした、特色ある事業・商品群を持ち、 |
| 創業の地・福島から、そして日本から世界へイノベーション(革新)を発信し続ける企業」 |
2017年度から2020年度の4年間を、2023年度『長期ビジョン101』の実現に向けて、現在の収益性を持続できる基盤を確立したうえで、将来の成長のチャンスを捉える重要な第一ステップと位置づけ、『中期経営計画《Go for Next 100》』では、以下の重点施策を実行して参ります。
| < 営 業 >高付加価値戦略推進 |
| <生産体制>高付加価値品の生産能力強化、コスト競争力強化、生産性向上 |
| <研究開発>次世代・次々世代の高付加価値追求 |
| <環境対策>環境負荷低減目標の設定 |
| <経営基盤>健全な経営基盤の構築 |
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標として以下の数値を掲げております。これらを重要指標と認識し、企業価値の向上に努めて参ります。
| 2023年度 | |
| 経常利益 | 150億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 100億円 |
| ROE | 10%以上 |
| 自己資本比率 | 70% |
(4) 経営環境
世界経済は緩やかな成長が見込まれるものの、米中貿易摩擦や中国経済の減速懸念、英国のEU離脱問題の長期混迷等により不透明性が高まっております。日本国内においても企業の景況感に陰りが見られることに加え、消費税率引き上げの影響や原材料価格・為替の動向等の不確定要素もあるため、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
繊維事業
繊維事業では芯地や多層構造糸等、衣料の副資材や原糸の製造販売を行っています。芯地製品は、高級レディース向け市場で大きなシェアを持ち、薄物芯地の接着技術に独自性を有しています。原糸製品はストレッチ素材の先駆けとなる二層構造糸「C・S・Y®(コア・スパン・ヤーン)」を開発するなど、多層構造糸のカバーリング技術で、世界トップクラスの技術を有しております。
昨今は国内衣料市場が縮小していることや、海外廉価品の流入により競争環境が厳しい状況にありますが、高付加価値品の開発スピードを加速するとともに、接着技術や多層構造糸のノウハウを活用してグラスファイバー事業部門とコラボレーションを行い、産業資材への展開を進めております。また、本年5月に連結子会社であった中国製造拠点の持分を譲渡するなど、構造改革を進め収益性の改善に注力しております。
グラスファイバー事業 [原繊材事業、機能材事業、設備材事業]
当社は、1938年に日本で初めてグラスファイバーの工業化に成功して以来、業界のリーディングカンパニーとして、グラスファイバーの可能性を追求してまいりました。グラスファイバーを製造する原繊工程と、グラスファイバー加工工程の双方を備え、組成開発、原繊製造、クロス加工、複合材料開発に至る一貫した生産・開発体制を保有しております。当社独自の技術を活用した商品群を展開し、高付加価値品分野でのリーダーとして地位を築いております。
原繊材事業
原繊材事業においては、電子材料用途で、世界で最も細い水準にある極細ヤーンや、低誘電特性あるいは低熱膨張特性を備えた特殊な機能を持つスペシャルガラス・ヤーンを製造できる独自技術を保有しております。また、複合材用途においては、独自技術によりグラスファイバーの断面を通常の円形でなく長円形にすることで成型品の反り・ねじれを抑えるフラット・ファイバーを展開しています。
当社はこれらの独自技術により高い競争力を有しておりますが、今後、国内外の企業の技術的キャッチアップも想定されるため、研究開発体制の一層の強化と高付加価値製品の製造能力向上を行ってまいります。
旺盛なスペシャルガラスの需要に応えるべく2019年度より新溶融炉を順次立ち上げて生産能力を増強するとともに、2020年に福島、2021年に台湾に合わせて約100億円を投じて更なる生産能力の増強を図る方針です。
機能材事業
機能材事業では電子材料用途のガラスクロスを展開しています。ガラスクロスは絶縁性・耐熱性・寸法安定性に優れ、電子基板の基材として利用されており、当社の極薄ガラスクロスはその薄さと均一な繊維分布により、電子機器の小型・高機能化に寄与しています。また、当社独自の組成によるスペシャルガラス・クロスは、高速大容量通信に求められる低誘電率、低誘電正接、低熱膨張等の特性を持ち、データセンターや携帯基地局の高周波部材、サーバーやスマートフォンなどの半導体パッケージ基板に使用されています。
電子材料業界は技術開発のスピードが速く、また、次世代通信規格5GやAI、IoTなどの新たなテクノロジーの到来に向け競合他社や他素材との競争が激しい状況にありますが、当社独自の強みを更に強化すべく先端技術の研究開発や国内外の生産設備の増強と最適な生産体制の構築を進めて参ります。
設備材事業
設備材事業では産業資材用途グラスファイバー製品とグラスウール製品を展開しています。産業資材用途グラスファイバーは、当社の技術力が評価され大型建造物用の膜材から自動車用の制振材まで幅広い用途で採用されております。取引先が多岐に亘るため個別業界の市況変動が分散され安定的な収益計上が見込める一方で、他素材との競合もあり競争環境は厳しい状況にあります。自動車や航空機分野での軽量化ニーズは高く、当社の技術力を活かした用途開発を進めて参ります。
グラスウールは、その高い断熱性能により住宅・ビルなどの断熱材として使用されて省エネルギーに貢献するとともに、空き瓶や使用済みの窓ガラス等のリサイクルガラスを原料としているため資源の再利用にも貢献しています。当社グループはグラスウールを1949年に日本で初めて製造を開始し、現在も断熱材のパイオニアとして独自技術を保有しております。グラスウールの細繊維化を進めて断熱性能を向上させることで、環境負荷の低減に貢献しています。また、ノンホルムアルデヒドのグラスウールを開発し、安全・快適な生活の実現に寄与しています。当社グループは北海道および福島県にグラスウールの製造拠点を有する為、特に北海道・東北地区で高い販売シェアを確保しております。グラスウールは嵩比重が小さく、重量当たりの運搬コストが相対的に高いため、運搬コストの増加が業績に影響いたします。事業環境、競争環境は厳しい状況にありますが、独自技術を更に発展させ、より一層の省エネ社会の実現に貢献して参ります。
ライフサイエンス事業
ライフサイエンス事業では体外診断用医薬品、スペシャリティケミカルス製品及び清涼飲料水の製造販売を行っています。
体外診断用医薬品事業は、原料から最終製品をグループ内で一貫製造することにより高品質と安定供給を両立させ、特に免疫系の診断薬に強みを保有しています。国内市場では、高齢化の進展や医療費抑制に向けた治療から未病へのシフト等により診断薬の高機能化が求められています。また、海外市場において、先進国では高付加価値医療(高感度の免疫系試薬や感染症、遺伝子検査等)の需要増加、新興国では社会保険制度の整備に伴う診断機会の増加があり体外診断用医薬品の需要が拡大しております。当社グループは、国内において100種類以上の検査項目に対応した診断薬を販売しており、炎症マーカーや骨粗鬆マーカー等で大きな販売シェアを確保しております。当社が強みを保有する免疫系の体外診断用医薬品は、国内外で独自性と競争力を有しており、生産能力の増強および研究開発を加速させて、需要拡大の見込まれる海外市場への販売をより一層強化して参ります。2020年以降、福島県郡山市に工場・倉庫を統合した新工場を稼働させ、また体外診断薬の原料となる抗血清を生産しているアメリカ合衆国カリフォルニア州の生産拠点に新工場を建設いたします。
スペシャリティケミカルス事業では、機能性ポリマーの製造販売を行っております。販売先の業種・分野はトイレタリー、製紙、金属、電子材料、ジェネリック医薬品と多岐に渡っており、競合の参入が難しい独自性の高い製品の研究開発・製造販売に取り組んでおります。
清涼飲料水事業では、プライベートブランドのOEM生産を通じて個々のブランドホルダーのニーズにお応えすべく少量多品種製造を特徴としております。きめ細やかなレシピ対応と迅速な品種切り替え対応により、競合他社との差別化を図り、安定的な収益を確保しております。
(5) 対処すべき課題
2019年度は4年間の『中期経営計画《Go for Next 100》』の3年目に当たります。中期経営計画前半の2年間は、高付加価値戦略を推進するための基盤強化に努め、設備投資、人材投資、研究開発に注力して参りました。前述の環境認識の下、2019年度は中期目標達成への道筋をつけるべく、引き続き基盤強化を推し進めるとともに、投資効果の発現、コスト競争力の強化、生産性改善を実行して参ります。また、2020年度以降に効果発現を企図して取り組んでいる各種施策については、生産・技術・営業・管理の基盤整備を着実に進めて参ります。優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
繊維事業
収益性の改善を喫緊の課題と捉え、芯地事業では2019年4月に発表した中国製造拠点の持分譲渡を含めた事業再構築を進めるとともに、原糸事業では高機能品の開発と上市、グラスファイバー事業部門とのコラボレーションによる産業資材への展開を加速させます。
グラスファイバー事業 [原繊材事業、機能材事業、設備材事業]
旺盛なスペシャルガラスの需要に応えるべく、2019年度より順次立ち上がる新溶融炉の稼働による供給能力の増強を着実に実行いたします。また、2020年度以降の稼働を予定している日本・台湾におけるスペシャルガラス・ヤーンの製造設備の増強計画を推し進めるとともに、各拠点における原繊工程、加工工程の最適な生産体制を構築して参ります。
ライフサイエンス事業
2020年以降に計画している郡山市、カリフォルニア州の新工場稼働に向け、商品企画開発力、国内外の営業体制の強化を行うとともに、生産性の改善と製造・販売・品質管理システムの導入を遂行いたします。