訂正有価証券報告書-第142期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/08/08 10:02
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【項目】
124項目

対処すべき課題

当社は、1987年から20数年来“変えようセーレン、変わろうセーレン”をスローガンに「企業革命:21世紀のグッドカンパニー」に向け全力を注入してきた。その基本戦略は下記の4点である。
①「IT化・ビジネスモデル転換(流通ダイレクト化)」・ITを活用して、新しいビジネスモデルを構築
②「非衣料・非繊維化」・・・・・・・・オンリーワン技術の活用による新規事業の創出
③「グローバル化」・・・・・・・・・・地球規模での事業展開
④「企業体質の改革」・・・・・・・・・のびのび いきいき ぴちぴちで、強い企業体質へ
これら4つの基本戦略の制定から今日に至るまで、幾たびの経済環境や社会構造、そして流通構造の激しい変化があった。それらを越えたいま、得られた成果を評価すると、この基本戦略は、いつの時代においても将来を見据えた確かな戦略であったと確信している。今後も引き続き基本戦略として推進し、さらなる進化を図る。具体的には、以下のとおりである。
① IT化・ビジネスモデル転換(流通ダイレクト化)
企画・製造・販売の「流通一貫機能」と原糸製造から縫製までの「一貫生産体制」による「小ロット・短納期・在庫レス・オンネット・低コスト・省資源・省エネルギー」を進化させ、生活者のニーズ・CS(顧客満足度)に100%対応しつつ、究極の環境対応策であるムダ・ロスのゼロを実現する21世紀型ビジネスモデルの完成を目指す。
1)当社独自のデジタルプロダクションシステム「Viscotecs®」とSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムとをさらにレベルアップさせ、より小ロット・短納期、オンネットを実現
2)カスタムオーダービジネス「VISCONAVI®」を本格的に展開。バーチャル試着など便利性を高めたシステム開発やコンテンツ開発を推進し、在庫レス小売を目指した新しいビジネスモデルによるSPA事業の拡大
3)KBセーレン㈱の特殊原糸を活用したグループ一貫生産商品の開発及び拡販
② 非衣料・非繊維化
1)金属、陶器、樹脂、ガラス、コンクリートなどの非繊維材料において、省資源・省エネルギーでさまざまな顧客ニーズに対応する非繊維ビスコテックス・システム外販ビジネスの市場拡大と拡販
非繊維ビスコテックスの生産を行うSV工場における小ロット、短納期、高付加価値商品の事業拡大(用途:車輌用インパネ、インテリア資材など)
2)車輌内装材向けの「革を超える新素材(クオーレ®)」の拡販。さらなる快適機能や高耐久性能の付加、非繊維ビスコテックスとの融合による高付加価値品の開発と拡販
3)KBセーレン㈱のエンジニアリング・プラスチック繊維である、LCP繊維「Zxion®」ならびにPPS繊維「Gradio®」の用途開発と市場開拓及び拡販
4)シルクたんぱく質「セリシン」をベースにした当社オリジナル化粧品「comoace®」シリーズやヘルスケア商品の拡販、及びセリシンの優れた機能である保湿、美白、酵素安定、細胞保護、抗酸化機能などを応用した医療分野などへの参入・拡販
5)瞬間消臭機能を備えた「デオエスト®」(用途:アンダーウエア)、「イノドールクイック瞬感消臭®」シリーズ(用途:ブランケット、シーツ、介護商品など)の拡販
③ グローバル化
1)海外新拠点拡充による車輌資材事業の世界シェア拡大
2)Saha Seiren Co.,Ltd.(タイ)における、「Viscotecs®」を中核とする原糸から製品までの衣料一貫生産の安定稼動と衣料製品事業の拡大
3)上海を拠点とする、凱碧世聯(上海)化学繊維有限公司によるセーレングループ差別化商材の拡販
④ 企業体質の改革
1)意識改革
A)仕事の目的を理解し、その目的を完遂するための役割と責任の明確化
B)企業理念「のびのび いきいき ぴちぴち」「五ゲン主義(原理・原則・現場・現物・現実)」の徹底。仕組みとしての「整流」「見える化」「見つけましたね運動」「革命的VA活動」「改革小集団活動」「インテリジェンス」等の浸透・定着
2)研究開発型企業としての強化
技術開発、設備開発、ソフト開発などへの積極的な投資と環境づくり
3)グローバル企業としての強化
A)グローバル本社体制による、グループ企業のガバナンス強化
B)グローバル事業拡大に向けた人材育成
4)財務体質の強化とキャッシュ・フロー経営の推進
自己資本比率、ROE(自己資本当期純利益率)、ROA(総資産事業利益率)、有利子負債率などの改善、及びグループ余剰資金の効率的運用など。
5)グループ連結経営の強化
グループ企業価値を最大化するために、グループ各社の役割・責任を明確にし、効率的で最適な企業統治システムを構築するとともに、各社の事業の見直し・選択と集中を行う。
6)本社改革
スピード経営のための仕組みやシステムの構築、社長スタッフとしての役割機能強化など。
以上、今後も“変えよう、変わろう”を合言葉に、改革の手を緩めることなくこれらの課題を着実に具現化し、「生活価値創造企業」を目指して邁進していく。