有価証券報告書-第120期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 14:02
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有報資料

(1)経営方針
当社グループを取り巻く環境はわれわれの予測を超え、加速度を増して変化し続けております。今後の見通しにつきましても、新型コロナウイルス感染症の再拡大による国内外の経済への影響が算定できず、かつ、新型コロナウイルスの終息時期が依然として不明なことにより、当社グループ事業に大きな影響を与える可能性があります。当社グループで進めていく各事業を確実に推進するため、誠に遺憾ながら当連結会計年度においては無配とさせていただきます。そのため2022年3月期連結会計年度の当社グループの喫緊の課題は、着実な業績向上により市場の評価を取り戻し、復配並びに株価回復を実現することであります。当社の強みである人材の多様性を活かし、あらゆるビジネスチャンスにチャレンジしていく一方、健全堅実な経営を行いながら、市場環境の変化にも負けない財務体質を維持し、業績の回復を目指してまいります。
また、当社は2020年6月に開催した臨時株主総会及び第119回定時株主総会において経営体制を一新し、グループ全体の成長を推し進めるため、当社及び各事業を担う子会社の再編に着手しました。2021年4月からは、首都圏及び関西圏における不動産関連の一切の業務については株式会社グローベルスに、再生可能エネルギー関連に関する一切の業務については株式会社日本エネライズ(株式会社プロスペクトバイオマスより社名変更)に移管し、2022年3月期からは、それぞれの事業子会社を中心に事業展開をしております。今後当社においては、国内外の各子会社の管理を強化してグループガバナンスを再構築するとともに、M&A等による新規事業への参入により業容の拡大を進めてまいります。
これらを踏まえて、2022年3月期にて業績回復を達成するために重点的に行う施策は次のとおりであります。
① 当社における施策
ア.首都圏マンション分譲事業におきましては、事業用地・物件の仕入れスピードの強化を図るため、株式会社グローベルスに対して用地取得資金の貸付を行い、仕入競争において優位な展開ができるようサポートしてまいります。
また収益性を高め、総合不動産企業グループとして事業領域を拡げるため、周辺分野のM&Aや他社との協業を積極的に推進してまいります。
イ.海外不動産事業におきましては、海外子会社(プロスペクト・アセット・マネージメント・インク)を通じて米国ハワイ州における不動産開発事業に係る資金供給及び戸建分譲プロジェクトなどを行っております。THE BLOCK 803 WAIMANUプロジェクト(販売用コンドミニアム開発)は、2021年12月に竣工を予定しております。またKulalani(戸建プロジェクト)につきましては、事業環境を反映して評価の見直しを実施いたしました。今後も、適切に評価を行うと同時に、所管部署における管理を一層強化し、現地関係者と連携してリスク管理をしてまいります。
ウ.国内における再生可能エネルギー事業におきましては、全国で太陽光発電事業を展開しており、当連結会計年度中には売電開始済発電所が7箇所となりました。各発電所においては安定した発電を行い、売電収入も堅調に推移しました。2022年3月期においては、6月に成田神崎発電所の売却、7月には当社で手掛ける発電所としては、過去最大規模となる岡山英田光プロジェクト(約36.97MW(当社持分約11.09MW))の売電が開始する予定です。今後は関連業務を株式会社日本エネライズに移管し、新たな開発を進めてまいります。当社においては不動産同様、用地及びプロジェクト取得資金の貸付を行い、仕入競争において優位な展開ができるようサポートしていくとともに、将来キャッシュ・フローを十分に見極めたうえで発電所の適宜売却も進めてまいります。
エ.海外における再生可能エネルギー事業につきましては、ロシアのパートナーとバイオマス発電関連事業を進めております。2018年5月に着工した木質ペレット製造工場は2020年2月に主要設備が完成し、同年3月には長期供給契約を締結しました。その後ロシア国内の新型コロナウイルス感染症の影響により、供給開始時期が2021年4月に延期となりましたが、その間スポットによる販売をすすめ、ロシアや韓国などの企業へ木質ペレットを販売しております。また、現在進めている工場の製造能力を拡大するプランについては、パートナーとともに引続き計画を立案中であります。更に、海外における再生可能エネルギー関連事業には、依然として大きなビジネスチャンスがあるものと考えているため、新規の案件についても積極的に検討する方針です。その一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大を要因とする市場環境の変化は全世界に拡がりつつあるため、それらの影響を引続き注視してまいります。また、これらの事業は将来的な成長余地の大きい事業であると考えておりますが、新規事業であることに加え海外案件であるため、より高度なリスク管理が必要であります。そのため、事業採択の段階はもとより、法務・会計・税務・金融等各分野の専門家の知見をもとに、適切かつ積極的に事業展開を進めてまいります。
② グループ会社における施策
ア.株式会社グローベルスは従前からの戸建販売及び商業用施設の設計・施工に加え、当社が行っていたマンション開発・販売に係わる業務の移管を受け、首都圏のみならず関西圏において引続き高品質の住宅を開発してまいります。なお、マンション・戸建ともに引続き用地取得競争は激化し建築コストも高止まりにて推移していることから、採算を確保することが容易でない状況は依然として続いております。また新型コロナウイルス感染症の再拡大により、今後営業活動が事実上困難となる場合には、当該事業の業績に多大な影響を及ぼすことも想定されるため、個別分譲ではなく一棟売却による開発・販売手法の構築を推進してまいります。
また新たな資金調達方法として、不動産投資型クラウドファンディング「大家.com」を開設し、当連結会計年度においては5案件、合計2億92百万円を募集し、いずれも早期期間にて満額成立いたしました。今後も引続き株式会社グローベルスが開発・所有する予定の物件に対して資金を募集し、業績の拡大を目指してまいります。
イ.株式会社ササキハウスは自社の強みである高気密・高断熱の注文住宅の受注強化を図るとともに、山形のエリア特性を活かした商品開発や既存顧客への二次営業などにより収益力の向上を目指してまいります。
ウ.株式会社日本エネライズは当社で進めていた国内の太陽光発電所の発電管理や、ロシアペレット工場の製造管理が主な業務となりますが、太陽光発電業界の先行きにつきましては依然としてFIT価格の低下を要因として、新規案件に係るビジネスチャンスは縮小しつつあるとされております。そのような市場環境の中でも採算の見込める新規開発案件や、セカンダリー・マーケットからの案件の発掘にも注力し、また既存事業のみならず風力や地熱発電など新たな再生可能エネルギー分野の開拓を推進してまいります。
また国内外の有力企業との連携を深め、再生可能エネルギーを活用した不動産開発など、新たなビジネスチャンスの創出も目指してまいります。
エ.プロスペクト・アセット・マネージメント・インクは、ハワイにおける不動産の調査・投資・管理が主な業務となりますが、今後も当社の海外事業部との連携により、ハワイにおける新規プロジェクトを推進してまいります。
オ.株式会社オータスは当社グループの新たな収益の柱として2021年2月に設立したばかりですが、当連結会計年度においてすでに利益に貢献しております。今後も国内の有価証券の保有・売買を中心に、業績向上を目指してまいります。
③ グループ全体における施策
先述のとおり、2021年4月以降グループ全体の組織体制の見直しを実行しております。それぞれの事業子会社が各事業を推進し、子会社ごとに収益性を高めてまいります。また当社においては、子会社間における連携を強化し、グループ全体でのシナジー効果が発揮できるよう適正な組織運営を図ってまいります。
なお、当社グループは過年度の有価証券報告書等の訂正をきっかけに、再発防止として国内外の税務会計や海外事業案件に長けたアドバイザリーを選任し適切な人材を配置するとともに、既存担当者のスキルアップを図り、諸問題の発生に対して迅速に対応できる組織づくりなど内部管理体制を強化してまいりました。同時に、監査等委員会設置会社への機関設計の移行、任意の指名・報酬委員会の設置、意思決定プロセスや内部通報制度の適正化を図るべく内部統制システムの構築に関する基本方針の改定など、ガバナンス体制の改善・強化のための施策を継続的に講じ、その効果を十分に発揮しつつあります。今後につきましてはガバナンス体制の強化と並行して、多様な人材を活かし事業の収益性を効果的に向上できるよう、グループ一丸となって計画達成並びに企業価値向上に全力で取り組んでまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(事業上の課題)
①不動産事業
不動産事業におきましては、マンション分譲専業からの脱却、その他不動産商品の開発へのシフト、専門業者との協業、及び新たな開発手法の確立が課題でありました。
マンション分譲専業からの脱却及びその他不動産商品の開発につきましては、株式会社グローベルスの子会社化により戸建分譲、商業用施設の設計・施工、及びマンションの一棟売却等新たな事業スキームを確立しました。今後は、各スキームごとに収益性を高めてまいります。
また、株式会社日本エネライズがマンション管理業の免許を取得したことで、当社グループの開発物件の管理を受託することが可能となりました。これにより当社グループでは、仕入から開発、販売、管理までグループ一貫にて実行することが可能となりますので、競合物件との差別化を図るべく、マンション購入者に対して販売訴求を高めてまいります。
このほか、株式会社グローベルスにおきましてはスマートライフ実現促進のため、IoT機器の開発等を行っている株式会社 Robot Home(現株式会社 Residence kit)と業務提携しました。今後は、分譲物件及び一棟売却物件を問わず、IoTを標準搭載したレジデンスの開発をするとともに、引続き他社との協業も含め新たな不動産商品の開発を促進してまいります。
②再生可能エネルギー事業
太陽光発電におきましては、発電所の新規案件の購入と出口を見据えた発電所の入替が課題でありました。当連結会計年度においては、2020年12月に3プロジェクトの取得に関する基本合意書を締結しました。条件交渉等最終合意に向け、協議を継続してまいります。なお、発電所の入替の実績はありませんでしたが、将来キャッシュ・フローを充分に見極めたうえで、引続き適宜売却を進めてまいります。
バイオマス発電関連におきましては、長期供給契約に基づく木質ペレットの製造出荷開始など事業の推進が課題でありました。ロシア国内における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により当初予定していた出荷開始が2020年11月から2021年4月へと延期されました。その間はスポット販売にて対処しましたが、引続き感染状況にも留意し、供給体制に支障がでないよう最善の品質コントロールを図ってまいります
このほか、新たなクリーンエネルギーへの取組みや関連分野への新規参入が課題でありました。株式会社日本エネライズにおきましては、環境にやさしい魅力的なまちづくりに向けた一環として、中国国内の大手総合不動産グループであるカントリー・ガーデン・ホールディングスのパートナー企業であるカントリー・ガーデン・ジャパン株式会社と業務提携しました。今後は、クリーンエネルギーを使ったスマートシティの共同開発等、新たな事業展開を推進するとともに、風力や地熱発電など新たな再生可能エネルギー分野への開拓も進めてまいります。
③新規事業
新規事業としては、戦略的提携の機会の創出、その他積極的な海外プロジェクトへの参画、及び事業拡大のための業務提携等の実施と、CVCによるベンチャーへの投資が課題でありましたが、上述の業務提携をはじめ一部を実行しておりますので、新たな商品開発やプロジェクトの発掘等、具体的な案件が進められるよう注力してまいります。
また当連結会計年度においては、株式会社オータスを設立し、当社グループの第3の収益柱として投資事業を立ち上げました。国内の有価証券の保有・売買が中心となりますが、市場の動向によっては収益もさることながら損失が発生する可能性もあるので、毎時変化する市場動向に最善の注意を払ってまいります。
(財務上・経営上の課題)
①財務基盤の強化
財務基盤の強化としましては、持続的成長を実現する安定的なキャッシュ・フローの創出、及び財務バランスの健全性向上が課題でありました。安定的なキャッシュ・フローの創出につきましては、太陽光発電による売電収入や株式会社グローベルスが行っている自社所有不動産の賃貸などで、安定的な収益を確保しておりますので、発電設備や製造プラントの管理のほか、入居者管理を徹底してまいります。またロシア工場の木質ペレットの長期供給も安定収益となる見込みです。
②資本効率の向上
資本効率の向上としましては、株主資本利益率(ROE)7.5%を目標とし、資本コストを意識した事業計画を立案し、効率的な経営を行うことが課題でありました。当連結会計年度においてはROE0.34%と大幅な未達でありました。まずは最終利益の増加を最優先課題として各事業の収益力を高めるとともに、不採算事業の見直しを図ってまいります。
③コーポレートガバナンスの実効性を高める
コーポレートガバナンスの実効性としましては、経営の透明性を確保し信頼性を向上すること、及びグローバルガバナンス並びにグループガバナンスの強化が課題でありました。監査等員会設置会社への機関設計の移行、指名・報酬委員会の設置、意思決定プロセスや内部通報制度の適正化を図るべく内部統制システムの構築に関する基本方針の改定など、ガバナンス体制の改善・強化のための施策を継続的に講じております。引続き、ガバナンス体制の強化と並行して、多様な人材を活かし事業の収益性を効果的に向上してまいります。

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