訂正有価証券報告書-第116期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2018/12/13 14:24
【資料】
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【項目】
122項目

対処すべき課題

当社グループは、「Challenge & Ambition」をグループスローガンとする経営理念のもと、日々変化し続ける経済環境において、長期的な視点から将来の可能性を展望し、新たな価値の創造と極大化に挑戦しております。
その具体的な成果として、従前のマンション分譲事業単独事業から、経済環境の変化に対応し得る事業ポートフォリオの構築を一部推進しましたが、それぞれの部門の抱える課題に対して次のとおり施策を講じることにより、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
① 当社本体における事業領域の拡大
ア.従来の首都圏マンション分譲事業におきましては、高止まりしている建築コストおよび用地価格の高騰により採算確保が困難になりつつあります。そのため、仕入れる土地を厳選するだけでなく、仕入れの手法についても多様化することにより採算確保を目指してまいります。また、従来のマンション分譲事業のみならず、広く不動産業としての領域拡大を進めることにより将来に向けた収益確保を目指してまいります。
イ.海外不動産事業につきましては、マンション開発プロジェクトへの共同出資ならびに、戸建分譲プロジェクトへの資金供給などを行っております。マンション開発プロジェクトにおきましては順調に推移し、国内不動産開発事業を大きく上回る収益率、利益額を確保できる見込みとなっておりますが、一方で戸建分譲プロジェクトにおきましては一部貸倒引当金を計上することとなったことから、開発を進める現地パートナーとの連携を図りリスク管理を強化してまいります。
ウ.再生可能エネルギー発電事業につきましては、ソーラー発電事業において売電を開始しているプロジェクトが増加してまいりました。引き続き開発を進めて事業化してまいりますが、一方で、ソーラー発電事業における電力買い取り価格が引き下げられることなどを要因として、従来どおりの新規案件開発は困難になりつつあります。そういった事態に対処すべくロシアにおけるバイオマス燃料の製造工場への共同出資などは具体的に検討を開始しており、今後バイオマス発電、風力発電なども含め、再生可能エネルギー事業の中での領域拡張を推進してまいります。
② グループ会社における課題
ア.注文住宅事業については、ササキハウス本来の強みである二世帯住宅の受注強化を図るとともに、山形のエリア特性を活かした商品開発などにより収益力の向上を目指してまいります。
イ.投資顧問業につきましては、常にベストなパフォーマンスを顧客に提供し運用資産の増加を目指しておりますが、顧客の資金運用方針によっては運用財産が大きく変動することがあります。それらを補うために従来の株式運用のみならずフィー収入を得らることのできる事業の開発も推進してまいります。また、本年3月には、投資顧問業を営む子会社でありますプロスペクト・アセット・マネジメント・インク(米国ハワイ州)に係る証券取引等監視委員会による課徴金勧告がなされました。当社といたしましては、こうした事態を重く受け止め、全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、コーポレートガバナンスの充実・強化に傾注してまいります。
ウ.建設業につきましては、主に推進工事において業界トップクラスの卓越した技術力と経験をもつ強みを活かしつつ、国内および海外において、引き続き収益性の高い受注の増加を目指して、更なる競争力を強化してまいります。
以上のとおり、各事業領域において、それぞれの対処すべき課題を包含しておりますが、経営理念のもと、グループ一丸となって、長期的、かつ持続的な企業価値の増加を目指してまいります。