有価証券報告書-第73期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。リスクを含めて、不確定な要素が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1) グループ経営理念
私たちの事業活動は、一人ひとりのお客様の声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、人と人とが「互いに信頼し合う関係」を積み重ねることで成り立っております。こうした「相互信頼」と「人間尊重」の考え方こそが、すべての事業活動の原点であり、創業以来の経営理念です。当社グループは、「株主」「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」など、すべてのステークホルダーと「相互信頼」の関係を築くために、企業経営の透明性を高めることに努め、公正性、独立性を確保することを通じて、企業価値の持続的な向上を図ります。
■目標 Our Mission
世の女性に美しくなって貰う事によって
広く社会に寄与する事こそ
わが社の理想であり目標であります
■社是 Our Vision
わが社は 相互信頼を基調とした
格調の高い社風を確立し
一丸となって 世界のワコールを目指し
不断の前進を続けよう
■経営の基本方針 Our Value
1. 愛される商品を作ります
2. 時代の要求する新製品を開発します
3. 大いなる将来を考え正々堂々と営業します
4. より良きワコールはより良き社員によって造られます
5. 失敗を恐れず成功を自惚れません
(2) 中長期的な会社の成長戦略と目標とする経営指標
①長期的なビジョン
当社グループは、「グループとして世界のワコールを目指す」という将来像の実現に向けた取り組みを進めていきます。経営資源やグループのネットワークを最大限に活用し、常に先駆的な商品を世界市場に提供するよう努めると同時に、下着文化の領域を開拓し続けることを通して、ワコールグループの商品やサービスに対して、また、社会的な課題への取り組みに対しても、世界のステークホルダーから高い信頼を獲得できるよう、尽力していきます。
さらに、世界市場における競争優位性の確立に向けて、新しい事業領域や成長領域へ投資を行い、非連続成長の実現に挑戦する一方で、経営基盤の継続的な改善に努め、より大きな成果を生み出すことによって、持続的な成長と企業価値の向上を図り、100年を超えて存続を期待され続ける企業に向けて、不断の前進を続けます。
「世界のワコール」の目指す姿
1.世界中の市場で、ワコールグループの商品やサービス、また、社会的な課題への取り組みが、顧客をはじめとするすべてのステークホルダーから高い信頼を得ている
2.事業を展開する国や地域が、増え続けている
3.グループネットワークのもと、世界的規模で連携がとれた事業展開を行っている
4.常に先駆的な商品を世界の市場に提供し、下着文化の領域を開拓し続けている
5.グループの目標や経営理念が、全世界の従業員に浸透している
2028年3月期の財務目標
・グループ売上高 3,000億円(海外合弁会社を含むグループ売上高)
・連結売上高営業利益率・ROE 10%
②中期経営計画
「グループとして世界のワコールを目指す」という将来像の実現に向けて、2020年3月期から2022年3月期までの3カ年を対象期間とする中期経営計画を策定し、現実を直視し、改革をスピーディーに進め、国内外ともに力強い成長を示すことに取り組んでおります。
基本方針
「現実を直視し、将来需要を見極め、果敢に改革を行い、成長にこだわる」
・国内外ともに力強い成長軌道を示す
・成果の乏しい事業やブランドの将来性を検証し、聖域なきグループ事業構造の見直しと改革を進める
・経済的価値と社会的価値の双方を向上し企業価値を高める
中期経営計画では、これらを軸にして、デジタル技術で進化させた顧客サービスの拡充をはじめ、競合が追随できないCX戦略(※)の実行や、国内外の垣根を取り払った付加価値の高い新製品の導入、国や地域特性を見据えた主要なECサイトとの連携強化ないしは自社ECサイトの構築、小規模にとどまっている国や地域の事業拡大に向けた成長投資、制度疲労を起こしている事業モデルの改革、競争優位性あるサプライチェーン網の確立など、個々の事業課題への対応を、スピード感を持って進めます。
また、持続可能な社会の実現に向けて、製造委託先との協働によるCSR調達の進化、脱プラスチックへの取り組みや廃棄商品の削減による地球環境との共生、多様な人材を活かしたダイバーシティ&インクルージョン組織体制の整備に努めます。こうしたサステナブルな事業基盤から育まれる、新しい価値の創出にも責任を持って取り組んでいきます。
事業活動を通した収益性の改善と資本効率の向上に併せて、安定的な配当と機動的な自己株式の取得を行い、有価証券・投資評価損益影響(米国会計基準では連結損益計算書のその他の収益・費用として認識される)を除く、実質ベースでの総還元性向100%の維持に努めます。このほか、事業の持続的成長を支える投資を最優先する一方、適宜、政策保有株式の縮減を進めることで、適正なキャッシュバランスを築いていきます。
※これまで3Dボディスキャナーや接客AIの導入、オンラインとオフラインの連携・融合など、ワコールが進めてきたデジタル戦略を「ワコール版オムニチャネル戦略と表現しておりましたが、より顧客視点を反映した戦略を推進し、お客さま一人一人とのつながりをこれまで以上に深めていくため、呼称を「CX戦略」に変更しております。
③新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえた当社グループの方針
新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の世界的な拡大に伴う経済活動の停滞を受け、当社グループの経営は厳しい状況が継続しております。多くの国・地域でワクチン接種が開始されるなど、感染症の収束に向けた取組みに進展は見られるものの、国内を中心に感染症の再拡大の影響を注視する必要があり、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境の下、当社グループでは再成長に向け策定した下記の方針に基づき、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康を最優先に事業活動を行いつつ、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革に取り組んでおります。
感染症の影響を受け、中期経営計画において掲げた当初の目標経営指標の達成は困難となりました。中期経営計画の最終年度となる2022年3月期は、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革の実行フェーズと位置づけ、課題とする高コスト構造の是正に向けた取り組みを進めてまいります。同時に、企業価値の最大化に向けて、デジタル・IT・物流への成長投資を継続する計画です。
こうした取り組みを通して、中期経営計画の最終の会計年度となる2022年3月期の経営指標については、売上高1,840億円、営業利益60億円(連結売上高営業利益率3.3%)、当社株主に帰属する当期純利益55億円を計画しております。
(3) 会社の対処すべき課題
感染症の世界的な流行は、生活者の価値観や健康等に関する意識を変え、消費行動に大きな変化をもたらしました。感染症の脅威は現在も続いており、様々な国や地域でワクチンの接種が開始されるものの、感染防止対策としての外出規制など、経済活動の一部制限が続く可能性もあり、本格的な回復に向けては時間を要すると考えられます。
また、感染症が収束したニューノーマルの時代においても、消費者の行動は更に進化していくものと想定されます。消費者は引き続き、健康や安全を意識したライフスタイルを志向することが予想されますし、付加価値の高い商品や本当に価値のある良いサービスを選択していくものと思われます。様々な消費者の意識の変化を感じ取り、消費者視点に合う適切な対応をとっていくことが、ニューノーマル下での再成長の実現には欠かせません。
このような環境下、当社では、引き続き、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康の確保を最優先に事業活動を行いつつ、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革に取り組む計画です。感染症の蔓延をきっかけに大きく変化した消費者の生活様式に対応する商品・サービスの開発・提供を継続的に行うとともに、「オンラインとオフラインの融合」、「顧客データの活用」など顧客体験の向上に向けて取り組む独自のCX戦略を推進することで、お客さま一人ひとりとの「深く、広く、長い」関係性の構築を目指します。
また、環境問題はさらに深刻さを増しており、消費者のサステナビリティへの意識はますます変化しております。当社では、社会的価値と経済的価値の創造を軸に成長を目指すESG経営を推進し、ガバナンスや人権、環境などの重要課題に対する取り組みを強化する計画です。同時に、テレワークを含めたワークスタイル変革、事業成長を支える人材育成、働きがいを高める組織風土の醸成など、持続的な成長に向けた事業基盤の整備についても推進してまいります。
(1) グループ経営理念
私たちの事業活動は、一人ひとりのお客様の声に耳を傾け、謙虚に自らを変革し、人と人とが「互いに信頼し合う関係」を積み重ねることで成り立っております。こうした「相互信頼」と「人間尊重」の考え方こそが、すべての事業活動の原点であり、創業以来の経営理念です。当社グループは、「株主」「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」など、すべてのステークホルダーと「相互信頼」の関係を築くために、企業経営の透明性を高めることに努め、公正性、独立性を確保することを通じて、企業価値の持続的な向上を図ります。
■目標 Our Mission
世の女性に美しくなって貰う事によって
広く社会に寄与する事こそ
わが社の理想であり目標であります
■社是 Our Vision
わが社は 相互信頼を基調とした
格調の高い社風を確立し
一丸となって 世界のワコールを目指し
不断の前進を続けよう
■経営の基本方針 Our Value
1. 愛される商品を作ります
2. 時代の要求する新製品を開発します
3. 大いなる将来を考え正々堂々と営業します
4. より良きワコールはより良き社員によって造られます
5. 失敗を恐れず成功を自惚れません
(2) 中長期的な会社の成長戦略と目標とする経営指標
①長期的なビジョン
当社グループは、「グループとして世界のワコールを目指す」という将来像の実現に向けた取り組みを進めていきます。経営資源やグループのネットワークを最大限に活用し、常に先駆的な商品を世界市場に提供するよう努めると同時に、下着文化の領域を開拓し続けることを通して、ワコールグループの商品やサービスに対して、また、社会的な課題への取り組みに対しても、世界のステークホルダーから高い信頼を獲得できるよう、尽力していきます。
さらに、世界市場における競争優位性の確立に向けて、新しい事業領域や成長領域へ投資を行い、非連続成長の実現に挑戦する一方で、経営基盤の継続的な改善に努め、より大きな成果を生み出すことによって、持続的な成長と企業価値の向上を図り、100年を超えて存続を期待され続ける企業に向けて、不断の前進を続けます。
「世界のワコール」の目指す姿
1.世界中の市場で、ワコールグループの商品やサービス、また、社会的な課題への取り組みが、顧客をはじめとするすべてのステークホルダーから高い信頼を得ている
2.事業を展開する国や地域が、増え続けている
3.グループネットワークのもと、世界的規模で連携がとれた事業展開を行っている
4.常に先駆的な商品を世界の市場に提供し、下着文化の領域を開拓し続けている
5.グループの目標や経営理念が、全世界の従業員に浸透している
2028年3月期の財務目標
・グループ売上高 3,000億円(海外合弁会社を含むグループ売上高)
・連結売上高営業利益率・ROE 10%
②中期経営計画
「グループとして世界のワコールを目指す」という将来像の実現に向けて、2020年3月期から2022年3月期までの3カ年を対象期間とする中期経営計画を策定し、現実を直視し、改革をスピーディーに進め、国内外ともに力強い成長を示すことに取り組んでおります。
基本方針
「現実を直視し、将来需要を見極め、果敢に改革を行い、成長にこだわる」
・国内外ともに力強い成長軌道を示す
・成果の乏しい事業やブランドの将来性を検証し、聖域なきグループ事業構造の見直しと改革を進める
・経済的価値と社会的価値の双方を向上し企業価値を高める
中期経営計画では、これらを軸にして、デジタル技術で進化させた顧客サービスの拡充をはじめ、競合が追随できないCX戦略(※)の実行や、国内外の垣根を取り払った付加価値の高い新製品の導入、国や地域特性を見据えた主要なECサイトとの連携強化ないしは自社ECサイトの構築、小規模にとどまっている国や地域の事業拡大に向けた成長投資、制度疲労を起こしている事業モデルの改革、競争優位性あるサプライチェーン網の確立など、個々の事業課題への対応を、スピード感を持って進めます。
また、持続可能な社会の実現に向けて、製造委託先との協働によるCSR調達の進化、脱プラスチックへの取り組みや廃棄商品の削減による地球環境との共生、多様な人材を活かしたダイバーシティ&インクルージョン組織体制の整備に努めます。こうしたサステナブルな事業基盤から育まれる、新しい価値の創出にも責任を持って取り組んでいきます。
事業活動を通した収益性の改善と資本効率の向上に併せて、安定的な配当と機動的な自己株式の取得を行い、有価証券・投資評価損益影響(米国会計基準では連結損益計算書のその他の収益・費用として認識される)を除く、実質ベースでの総還元性向100%の維持に努めます。このほか、事業の持続的成長を支える投資を最優先する一方、適宜、政策保有株式の縮減を進めることで、適正なキャッシュバランスを築いていきます。
※これまで3Dボディスキャナーや接客AIの導入、オンラインとオフラインの連携・融合など、ワコールが進めてきたデジタル戦略を「ワコール版オムニチャネル戦略と表現しておりましたが、より顧客視点を反映した戦略を推進し、お客さま一人一人とのつながりをこれまで以上に深めていくため、呼称を「CX戦略」に変更しております。
③新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえた当社グループの方針
新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の世界的な拡大に伴う経済活動の停滞を受け、当社グループの経営は厳しい状況が継続しております。多くの国・地域でワクチン接種が開始されるなど、感染症の収束に向けた取組みに進展は見られるものの、国内を中心に感染症の再拡大の影響を注視する必要があり、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境の下、当社グループでは再成長に向け策定した下記の方針に基づき、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康を最優先に事業活動を行いつつ、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革に取り組んでおります。
| <基本方針> | お客さま・従業員・お取引先の、「健康・安全」を最優先として対応 |
| <短期的な方針> | 経営悪化を踏まえたコスト削減の実行と、財務基盤の安定性確保 |
| ・事業領域全般にわたり、これまでの施策や支出計画の見直し実行 ・感染症の長期化に備えた、手元流動性の強化 ・売上減少に伴う過剰在庫の回避に向けた生産調整 | |
| <中長期的な方針> | バリューチェーンの徹底的な点検と改革の実行~「高収益の経営体質」に向けた転機に~ |
| ・現状のコストストラクチャーの見直し(固定費削減に向けた取り組みの推進) ・デジタル・トランスフォーメーションの取り組み加速 ・お客さまとのタッチポイントの見直し・再整備(変化する主要チャネルへの対応) ・「新しい生活様式」で顧客が待ち望む商品・サービスの開発、新たな接客や販売スタイルへの対応力強化 |
感染症の影響を受け、中期経営計画において掲げた当初の目標経営指標の達成は困難となりました。中期経営計画の最終年度となる2022年3月期は、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革の実行フェーズと位置づけ、課題とする高コスト構造の是正に向けた取り組みを進めてまいります。同時に、企業価値の最大化に向けて、デジタル・IT・物流への成長投資を継続する計画です。
こうした取り組みを通して、中期経営計画の最終の会計年度となる2022年3月期の経営指標については、売上高1,840億円、営業利益60億円(連結売上高営業利益率3.3%)、当社株主に帰属する当期純利益55億円を計画しております。
(3) 会社の対処すべき課題
感染症の世界的な流行は、生活者の価値観や健康等に関する意識を変え、消費行動に大きな変化をもたらしました。感染症の脅威は現在も続いており、様々な国や地域でワクチンの接種が開始されるものの、感染防止対策としての外出規制など、経済活動の一部制限が続く可能性もあり、本格的な回復に向けては時間を要すると考えられます。
また、感染症が収束したニューノーマルの時代においても、消費者の行動は更に進化していくものと想定されます。消費者は引き続き、健康や安全を意識したライフスタイルを志向することが予想されますし、付加価値の高い商品や本当に価値のある良いサービスを選択していくものと思われます。様々な消費者の意識の変化を感じ取り、消費者視点に合う適切な対応をとっていくことが、ニューノーマル下での再成長の実現には欠かせません。
このような環境下、当社では、引き続き、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康の確保を最優先に事業活動を行いつつ、高収益の経営体質の構築に向けた構造改革に取り組む計画です。感染症の蔓延をきっかけに大きく変化した消費者の生活様式に対応する商品・サービスの開発・提供を継続的に行うとともに、「オンラインとオフラインの融合」、「顧客データの活用」など顧客体験の向上に向けて取り組む独自のCX戦略を推進することで、お客さま一人ひとりとの「深く、広く、長い」関係性の構築を目指します。
また、環境問題はさらに深刻さを増しており、消費者のサステナビリティへの意識はますます変化しております。当社では、社会的価値と経済的価値の創造を軸に成長を目指すESG経営を推進し、ガバナンスや人権、環境などの重要課題に対する取り組みを強化する計画です。同時に、テレワークを含めたワークスタイル変革、事業成長を支える人材育成、働きがいを高める組織風土の醸成など、持続的な成長に向けた事業基盤の整備についても推進してまいります。