有価証券報告書-第83期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/28 13:31
【資料】
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【項目】
157項目
② 戦略
地球温暖化による気候変動に加え、人権問題など責任ある調達や循環型社会の実現、人的資本経営への転換など、特にファッション産業が抱える環境・社会課題は多岐に亘っております。当社グループもこうした課題解決の一翼を担うべく、サステナビリティ基本方針及びその関連方針である環境方針、人権方針、人的資本方針のもと、中長期的なビジョンで4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その達成に向けた個別アクションプランを推進しております。アクションプランの推進にあたっては、従業員一人ひとりが自らの課題として取り組むとともに、サプライチェーン全体に渡る大きな課題については、パートナー企業との協働を推進しております。
また、当社グループのサステナビリティ基本方針及びその関連方針とマテリアリティについては、環境変化を適宜反映させるべく年次見直しを実施しております。
<4つのマテリアリティ(重要課題)>気候変動課題:マテリアリティ「持続可能な地球環境への貢献」
資源循環課題:マテリアリティ「サーキュラーエコノミーへの取り組み」
人権課題:マテリアリティ「CSR調達の更なる推進」
人的資本課題:マテリアリティ「人的資本経営の推進」
<重要課題のリスク/機会とそれに対する活動計画>当社グループは、それぞれのマテリアリティに関わるリスクと機会を特定し、リスクの低減に努めるとともに、環境・社会課題を解決する新たなビジネスモデルの創出を通じて、サステナブルな社会と企業の持続的成長を目指しております。
4つのマテリアリティ(重要課題)リスク機会活動計画
持続可能な地球環境への貢献● 気候変動に関する政策/法規制への対応や環境負荷の低い新素材の採用等によるオペレーションコスト、調達コストの増加
● 自然災害の増加による店舗休業及び生産/物流設備の停止
● 疾病リスク増加や気温上昇に伴う販売機会の喪失
● 取組/開示不足による顧客や投資家の離反
● 気候変動対応による売上拡大、企業評価の向上
● 省エネ・低炭素型生産プロセスによるコスト削減
● サステナブルブランドや環境配慮型商品の市場拡大
● 温室効果ガス排出量の削減
● 廃棄物削減
● プラスチック使用削減
● 環境配慮型素材を使用した製品づくり
サーキュラーエコノミーへの取り組み● 資源枯渇による原材料調達コストの増加
● 廃棄物処理コストの増加
● 循環型経済への移行遅れによる競争力の低下
● リサイクル技術普及による循環型製品市場の拡大
● 二次流通やリサイクルを通じた廃棄削減によるコスト効率化
● 長期着用推進による顧客ロイヤリティの向上
● 廃棄物削減
● グリーン物流
● SANYO RE: PROJECT(衣料回収活動/リユース品販売/グリーンダウンプロジェクト)
● ECOALF事業の推進
● 長期着用推進
CSR調達の更なる推進● サプライチェーンでの人権侵害による評判リスク
● 調達先での労働問題による操業停止リスク
● 人権関連の法規制厳格化に伴う調達コストの増加
● 倫理的調達による企業/ブランド価値向上
● サプライヤーとの長期的なパートナーシップの構築による安定的なサプライチェーンの確保
● 透明性向上による消費者からの信頼の獲得
● CSR調達
● ホワイト物流
● クオリティコントロール(QC)
● アニマルウェルフェア
人的資本経営の推進● 少子化進行に伴う採用難と採用・育成コストの増加
● 多様性欠如による創造性・革新性の低下
● 従業員エンゲージメント低下による離職率上昇や生産性低下
● 継続的な採用・育成を通じた人材獲得と人的資本の質向上
● 多様な人材活用による創造性・革新性向上
● 従業員エンゲージメント向上による離職率低下や生産性向上
● 未来を創る人材の育成
● 働きがいにつながる人事インフラの整備
● 従業員の健康管理

イ.気候変動課題:マテリアリティ「持続可能な地球環境への貢献」
当社グループは、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減を通して気候変動対策に取り組み、TCFD 提言に沿った情報開示を行っております。
2025年3月にSBT(Science Based Targets)認定を取得し、パリ協定が定める水準に整合する中期削減目標として「2030年度までに2019年度比でScope1・2排出量を52%削減、Scope3(カテゴリ1・3・4・12)排出量を30%削減」することを再設定いたしました。
当社グループは長期削減目標として、「2050年度までにScope1・2排出量をネットゼロ」とすることを定めており、削減に向けた主な取組として「2030年までに自社ビルをCO2排出ゼロの電力に変更」することを公表しております。この取組の一環として、2024年12月に東京本社ビルを再生可能エネルギー100%の電力に切り替えました。Scope3排出量の削減については、廃棄物削減、環境配慮型素材への段階的な置き換え、サプライチェーン全体での取組を推進しております。
また、排出量データの信頼性向上を目的として、2023年度のGHG排出量からISO14064-3に準拠した第三者検証を一般財団法人日本品質保証機構(JQA)に依頼し、検証報告書を取得しております。
サステナビリティ委員会においては、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照の上、パリ協定の目標である1.5℃シナリオと4℃シナリオを想定し当社グループの事業及び財務に及ぼす影響を分析し、対応策を検討しております。特定した気候関連リスク、機会は経営戦略に反映するとともに、環境変化に応じて定期的に分析・見直しを行っております。リスクについては、移行リスクにおける事業及び財務に及ぼす影響度を「中」以下と分析しておりますが、物理リスクにおいては、急性的、慢性的リスクの4℃シナリオにおける影響度を「大」と分析し、リスク低減に向けて中長期の時間軸で気候変動対策に取り組んでおります。機会については、資源効率の区分において企業価値向上や投資拡大への影響度を1.5℃シナリオにおいて「大」と分析し、生産・流通プロセスの効率化を図っております。
なお、特定した気候関連リスク/機会と当社グループの事業及び財務に及ぼす影響に関する詳細情報については、当社ホームページの「サステナビリティ」に掲載しておりますのでご参照ください。
ロ.資源循環課題:マテリアリティ「サーキュラーエコノミーへの取り組み」
当社グループは、長くご愛用いただける良質な製品づくりを基盤に、循環型社会の実現を目指しております。
当マテリアリティへの取組の一環として、当社グループの3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動の総称を「SANYO RE: PROJECT(サンヨー・リ・プロジェクト)」とし、リユースを前提とした新たな衣料回収活動と、認定リユース品「RE: SANYO(リ・サンヨー)」の販売を2024年度より開始いたしました。2026年度は、新たなKPIとして回収対象品の前年度生産着数に対する回収割合を10%(2031年度)に設定し、循環型社会への貢献と持続可能なビジネスモデルの両立に向けて更に取組を進めてまいります。
また、環境負荷の低い物流・店舗運営を目指して、CO2排出量・資源使用量・廃棄物量の削減を図るべく、プラスチックの3R活動を推進しております。
ハ.人権課題:マテリアリティ「CSR調達の更なる推進」
当社グループは、パートナーシップを通じて、サプライチェーン全体における人権への配慮、格差・差別の解消に取り組んでおります。
生産過程における人権の尊重については、2019年度に三陽商会取引行動規範(SANYO Code of Conduct)基本ガイドラインを定め、これに則り生産数の約9割をカバーする取引工場を対象に第三者機関における工場監査を実施し、監査実績に応じたランク付けと改善指導によるCSR調達を行っております。
当社グループの人権デュー・ディリジェンスへの取組の一つとして、2024年度には、三陽アラーム制度(コンプライアンスに関する通報制度)を拡充し外部通報窓口を新設、国連グローバル・コンパクトに正式加入し、4分野(人権・労働・環境・腐敗防止)10原則への賛同を表明しております。
ニ.人的資本課題:マテリアリティ「人的資本経営の推進」
人的資本課題の「戦略」については、「(2)人的資本 ② 戦略」に詳細を記載しております。

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