有価証券報告書-第64期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/28 15:30
【資料】
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【項目】
129項目
②戦略
当社グループは1年ごとの状況(短期)、経営計画に合わせた状況(3~5年の中期)、国際的な見通し(SDGsやパリ協定などのように10年、20年といった長期)に応じてリスクや機会を捉えています。また、ERM※2の考え方を踏まえ、全社的なリスクを抽出し、その中のひとつとして気候変動のリスクに取り組んでいます。抽出したリスクや機会に対応するために、財務計画とも連動して対応していきます。
>>シナリオ・プランニング
推定される物理的影響を計算するためのベースとして、RCPシナリオ※3を使用します。これには、海面が上昇する沿岸地域でのプラントの運用に関連するリスク、サイクロンなどによって引き起こされるサプライチェーンの混乱に関連する運用リスク、熱波による赤道地域のGDP低下のリスク、陸上生態系の変化による森林資源の生育や、農作物等の収穫の遅れのための原材料コスト上昇の影響などが含まれます。地球温暖化は地球環境だけでなく、当社の事業展開にも深く影響を及ぼします。パリ協定を遵守すべく、さまざまなステークホルダーと協働して対応を進めていきます。また、このような地球温暖化問題が深刻化する状況は、当社が有する「使用済み紙パンツのリサイクル技術」を広める機会でもあります。この技術によって森林保護や脱炭素といった取り組みに貢献していきます。
気候変動に関する最も重要な、ビジネス上の戦略への影響は、COP21パリ協定の2℃目標に科学的アプローチで参加することだと考えています。当社はSBT※4で2030年の削減目標の承認を受けたことから、2030年に向けた「Kyo-sei Life Vision 2030」と、当社の2050年のあるべき姿である「2050ビジョン」に向けたグループ全体の自然環境重点目標「環境目標2030」の目標達成に向けて、マーケティング部門と開発部門においては商品開発戦略の中に環境配慮を掲げ、生産部門においては省エネ活動、再生可能電力の導入など短期・長期それぞれの視点で計画を戦略に落とし込み、実施しています。
※2 ERM:Enterprise Risk Management/統合型リスク管理
※3 RCP(Representative Concentration Pathways/代表濃度経路)シナリオは、代表濃度経路を複数用意し、それぞれの将来の気候を予測するとともに、その濃度経路を実現する多様な社会経済シナリオを策定できる
※4 SBT:Science Based Targets/科学的根拠に基づく目標