有価証券報告書-第179期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況の概要
当期における我が国の経済状況につきましては、米中の貿易摩擦が長期化する問題や英国のEU離脱問題などの影響で企業収益や業況に減速感が出始めた中、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界各国で入国制限が行われ、経済全体の大幅な悪化の兆候が見られました。
板紙業界におきましては、新型コロナウイルスの影響に伴う緊急事態宣言による外出自粛の影響を受け、いわゆる巣ごもり需要によるプラスもありましたが、経済活動全般の低迷により先行きが不透明な状況となっております。また、主要な原材料である古紙は海外輸出が低調で国内流通量が増加し、価格が安定しました。
こうした経営環境のもと、当社は経営全般にわたるコスト低減に総力を結集する一方、需要に見合った生産レベルの維持と適正な製品価格の実現に努めました。また、板紙製品の価格改定について引き続きその浸透に努め、一定の成果を得ることができました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の総資産は、前期末と比べ811百万円増加して13,587百万円となりました。負債は、前期末と比べ125百万円減少して4,341百万円となりました。純資産は、前期末に比べ936百万円増加して9,245百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高は10,032百万円(前期比0.0%増)、営業利益は1,350百万円(前期比79.5%増)、経常利益は1,408百万円(前期比75.1%増)、当期純利益は972百万円(前期比82.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(板紙事業)
中芯原紙販売数量、紙管原紙販売数量は共に減少いたしましたが、改定後の製品価格を維持することが出来たため、売上高は8,846百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益は1,394百万円(前期比81.2%増)となりました。
(美粧段ボール事業)
主力の通信機器関連品・青果物ともに低調で、売上高は1,185百万円(前期比6.2%減)と減収であったことからセグメント損失は43百万円(前年同期はセグメント損失16百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ752百万円増加し、4,359百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、前期比286百万円(35.8%)増の1,087百万円となりました。
収入の主な内訳は、税引前当期純利益1,394百万円及び減価償却費276百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額386百万円及び仕入債務の減少額155百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期比183百万円(289.0%)増の247百万円となりました。
収入の主な内訳は、利息及び配当金の受取額53百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出273百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期比12百万円(17.1%)増の87百万円となりました。
これは主に、配当金の支払額69百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.板紙事業の生産実績は板紙の生産数量(自家消費分を含む)に平均販売価格を乗じた金額を、また美粧段ボール事業の生産実績は販売金額を記載しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
板紙事業については、顧客が特定しているため需要を予測して見込生産を、また美粧段ボール事業は、受注生産を行っておりますが、いずれの製品も受注から生産・納入に至るまでの期間が短く期末における受注残高は少ないので、次に記載する販売実績を受注実績とみなしても大差はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、不確実性を内在、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たって、当事業年度末における資産・負債の報告数値、当事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断は、継続して評価を行っております。なお、以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
見積り及び判断については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症(以下、本感染症)の影響に関して、当社は岡山県及び大阪府の各事業拠点において、厳重な対策を実施した上で操業を継続しており、現時点においては平常時と比べて極端に稼働率が下がっているような状況にはありません。しかし、本感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難であります。そこで当社では外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、今後、2021年5月期の一定期間にわたり当該影響が継続するとの仮定のもと、以下の事項の会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
総資産は、13,587百万円で前期末の12,776百万円に比べ、811百万円増加いたしました。内訳としては流動資産が744百万円の増加、固定資産が66百万円の増加であります。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が利益の増加によって752百万円増加したことであります。また、固定資産増加の主な要因は、来期完成予定のデジタル印刷機に係る設備投資により建設仮勘定が113百万円増加したこと及び減価償却により機械及び装置が77百万円減少したことであります。
負債は、4,341百万円で前期末の4,467百万円に比べ、125百万円減少いたしました。内訳としては流動負債が216百万円の減少、固定負債が91百万円の増加であります。
流動負債減少の主な要因は、未払費用202百万円の減少及び原料古紙仕入の減少による買掛金116百万円の減少などであります。また、固定負債増加の主な要因は、相殺先の繰延税金資産の減少による繰延税金負債54百万円の増加及び退職給付引当金32百万円の増加であります。
純資産は、9,245百万円で前期末の8,309百万円に比べ、936百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金903百万円の増加であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社の主要な販売品目である板紙につきまして、国内景気の減速に伴い、1%前後の成長を続けてきた段ボール生産面積が2019年は前期比でマイナスとなり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響で減少しました。このような状況の下、当事業年度の板紙製品(中芯原紙・紙管原紙)の販売状況につきましては、販売数量が前事業年度比で95.6%と減少しました、これは年度計画の96.8%の達成率でした。
また、製品価格の改定については、2017年8月と2018年11月に2回にわたって打ち出して、前期に引き続きその浸透・維持に努めてまいりました。その結果、当社板紙製品全体としては前事業年度比5.6%の単価上昇となり、2期連続の売上高100億円達成の主な要因となりました。
他方、美粧段ボール製品の販売状況につきましては、青果物の贈答用向け美粧ケースが、製品値上げによる仮需の影響もあり前事業年度比85.4%、通信機器の梱包資材が、前事業年度比82.5%の売上高となりました。この2ジャンルは、従来から当社美粧段ボール部門の売上の柱ですが、青果物については生産者の高齢化と後継者不足による生産の減少、通信機器については生産の海外移転など、先行きに不安要素もあるため、販売先の多様化、特にオンデマンド・小ロット対応を進める必要があると考えております。
以上より、当事業年度の売上高は10,032百万円となり、前事業年度に比べ1百万円(0.0%増)の増収となりました。
(営業利益)
当社の営業利益については、板紙製品の売上高、板紙製造の原料である古紙の価格、および主な燃料であるLNGの価格が大きな影響を与えます。
まず、原料古紙価格については、当社の主要な材料であることからその調達価格は利益に大きな影響があります。当期におきましては、中国向け輸出が減少した結果国内流通量が安定したこともあり、古紙価格は期を通じて安定して推移し、前事業年度比マイナス13.8%で、利益を押し上げる要因となりました。
次に、LNG価格についても、新型コロナウイルスの影響もあって世界的なエネルギー需要が減少し、前期と比較し調達価格が下がりました。前事業年度比マイナス4.6%でしたが、生産量減少にともなうLNG使用量減少もあり、LNG購入総額では11.2%の減少となりました。
以上より、当事業年度の営業利益は1,350百万円となり、前事業年度に比べ598百万円(79.5%増)の増益となりました。
当社の目標とする経営指標のひとつである営業利益5億円を達成することができました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は1,408百万円となり、前事業年度に比べ604百万円(75.1%増)の増益となりました。
なお、当社の営業外収益の約85%は保有株式の受取配当金であります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は972百万円となり、前事業年度に比べ439百万円(82.4%増)の増益となりました。
ROEは11.1%となり、当社の目標とする経営指標のひとつであるROE5%を達成することができました。
また、1株当たり当期純利益は前事業年度から88円20銭増加し、196円06銭となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料・燃料の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費、生産設備の取得及び既存設備の改善等に係る投資であります。また、2020年11月には美粧段ボール事業に係る設備投資としてオンデマンドデジタル印刷機及びそのための新工場が完成する予定です(設備投資予定額約700百万円)。これらの資金需要について、当社はすべて自己資金でまかなっておりますが、現状キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況の概要
当期における我が国の経済状況につきましては、米中の貿易摩擦が長期化する問題や英国のEU離脱問題などの影響で企業収益や業況に減速感が出始めた中、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界各国で入国制限が行われ、経済全体の大幅な悪化の兆候が見られました。
板紙業界におきましては、新型コロナウイルスの影響に伴う緊急事態宣言による外出自粛の影響を受け、いわゆる巣ごもり需要によるプラスもありましたが、経済活動全般の低迷により先行きが不透明な状況となっております。また、主要な原材料である古紙は海外輸出が低調で国内流通量が増加し、価格が安定しました。
こうした経営環境のもと、当社は経営全般にわたるコスト低減に総力を結集する一方、需要に見合った生産レベルの維持と適正な製品価格の実現に努めました。また、板紙製品の価格改定について引き続きその浸透に努め、一定の成果を得ることができました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の総資産は、前期末と比べ811百万円増加して13,587百万円となりました。負債は、前期末と比べ125百万円減少して4,341百万円となりました。純資産は、前期末に比べ936百万円増加して9,245百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高は10,032百万円(前期比0.0%増)、営業利益は1,350百万円(前期比79.5%増)、経常利益は1,408百万円(前期比75.1%増)、当期純利益は972百万円(前期比82.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(板紙事業)
中芯原紙販売数量、紙管原紙販売数量は共に減少いたしましたが、改定後の製品価格を維持することが出来たため、売上高は8,846百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益は1,394百万円(前期比81.2%増)となりました。
(美粧段ボール事業)
主力の通信機器関連品・青果物ともに低調で、売上高は1,185百万円(前期比6.2%減)と減収であったことからセグメント損失は43百万円(前年同期はセグメント損失16百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ752百万円増加し、4,359百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、前期比286百万円(35.8%)増の1,087百万円となりました。
収入の主な内訳は、税引前当期純利益1,394百万円及び減価償却費276百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額386百万円及び仕入債務の減少額155百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期比183百万円(289.0%)増の247百万円となりました。
収入の主な内訳は、利息及び配当金の受取額53百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出273百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期比12百万円(17.1%)増の87百万円となりました。
これは主に、配当金の支払額69百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 板紙事業(千円) | 9,067,104 | 101.3 |
| 美粧段ボール事業(千円) | 1,185,811 | 93.8 |
| 合計(千円) | 10,252,916 | 100.4 |
(注)1.板紙事業の生産実績は板紙の生産数量(自家消費分を含む)に平均販売価格を乗じた金額を、また美粧段ボール事業の生産実績は販売金額を記載しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
板紙事業については、顧客が特定しているため需要を予測して見込生産を、また美粧段ボール事業は、受注生産を行っておりますが、いずれの製品も受注から生産・納入に至るまでの期間が短く期末における受注残高は少ないので、次に記載する販売実績を受注実績とみなしても大差はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 板紙事業(千円) | 8,846,565 | 100.9 |
| 美粧段ボール事業(千円) | 1,185,811 | 93.8 |
| 合計(千円) | 10,032,377 | 100.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) | 当事業年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 大王パッケージ株式会社 | 968,115 | 9.7 | 1,040,694 | 10.4 |
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、不確実性を内在、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たって、当事業年度末における資産・負債の報告数値、当事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断は、継続して評価を行っております。なお、以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
見積り及び判断については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症(以下、本感染症)の影響に関して、当社は岡山県及び大阪府の各事業拠点において、厳重な対策を実施した上で操業を継続しており、現時点においては平常時と比べて極端に稼働率が下がっているような状況にはありません。しかし、本感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難であります。そこで当社では外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、今後、2021年5月期の一定期間にわたり当該影響が継続するとの仮定のもと、以下の事項の会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変化が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
総資産は、13,587百万円で前期末の12,776百万円に比べ、811百万円増加いたしました。内訳としては流動資産が744百万円の増加、固定資産が66百万円の増加であります。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が利益の増加によって752百万円増加したことであります。また、固定資産増加の主な要因は、来期完成予定のデジタル印刷機に係る設備投資により建設仮勘定が113百万円増加したこと及び減価償却により機械及び装置が77百万円減少したことであります。
負債は、4,341百万円で前期末の4,467百万円に比べ、125百万円減少いたしました。内訳としては流動負債が216百万円の減少、固定負債が91百万円の増加であります。
流動負債減少の主な要因は、未払費用202百万円の減少及び原料古紙仕入の減少による買掛金116百万円の減少などであります。また、固定負債増加の主な要因は、相殺先の繰延税金資産の減少による繰延税金負債54百万円の増加及び退職給付引当金32百万円の増加であります。
純資産は、9,245百万円で前期末の8,309百万円に比べ、936百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金903百万円の増加であります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社の主要な販売品目である板紙につきまして、国内景気の減速に伴い、1%前後の成長を続けてきた段ボール生産面積が2019年は前期比でマイナスとなり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響で減少しました。このような状況の下、当事業年度の板紙製品(中芯原紙・紙管原紙)の販売状況につきましては、販売数量が前事業年度比で95.6%と減少しました、これは年度計画の96.8%の達成率でした。
また、製品価格の改定については、2017年8月と2018年11月に2回にわたって打ち出して、前期に引き続きその浸透・維持に努めてまいりました。その結果、当社板紙製品全体としては前事業年度比5.6%の単価上昇となり、2期連続の売上高100億円達成の主な要因となりました。
他方、美粧段ボール製品の販売状況につきましては、青果物の贈答用向け美粧ケースが、製品値上げによる仮需の影響もあり前事業年度比85.4%、通信機器の梱包資材が、前事業年度比82.5%の売上高となりました。この2ジャンルは、従来から当社美粧段ボール部門の売上の柱ですが、青果物については生産者の高齢化と後継者不足による生産の減少、通信機器については生産の海外移転など、先行きに不安要素もあるため、販売先の多様化、特にオンデマンド・小ロット対応を進める必要があると考えております。
以上より、当事業年度の売上高は10,032百万円となり、前事業年度に比べ1百万円(0.0%増)の増収となりました。
(営業利益)
当社の営業利益については、板紙製品の売上高、板紙製造の原料である古紙の価格、および主な燃料であるLNGの価格が大きな影響を与えます。
まず、原料古紙価格については、当社の主要な材料であることからその調達価格は利益に大きな影響があります。当期におきましては、中国向け輸出が減少した結果国内流通量が安定したこともあり、古紙価格は期を通じて安定して推移し、前事業年度比マイナス13.8%で、利益を押し上げる要因となりました。
次に、LNG価格についても、新型コロナウイルスの影響もあって世界的なエネルギー需要が減少し、前期と比較し調達価格が下がりました。前事業年度比マイナス4.6%でしたが、生産量減少にともなうLNG使用量減少もあり、LNG購入総額では11.2%の減少となりました。
以上より、当事業年度の営業利益は1,350百万円となり、前事業年度に比べ598百万円(79.5%増)の増益となりました。
当社の目標とする経営指標のひとつである営業利益5億円を達成することができました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は1,408百万円となり、前事業年度に比べ604百万円(75.1%増)の増益となりました。
なお、当社の営業外収益の約85%は保有株式の受取配当金であります。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は972百万円となり、前事業年度に比べ439百万円(82.4%増)の増益となりました。
ROEは11.1%となり、当社の目標とする経営指標のひとつであるROE5%を達成することができました。
また、1株当たり当期純利益は前事業年度から88円20銭増加し、196円06銭となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料・燃料の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費、生産設備の取得及び既存設備の改善等に係る投資であります。また、2020年11月には美粧段ボール事業に係る設備投資としてオンデマンドデジタル印刷機及びそのための新工場が完成する予定です(設備投資予定額約700百万円)。これらの資金需要について、当社はすべて自己資金でまかなっておりますが、現状キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。