有価証券報告書-第179期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 15:51
【資料】
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【項目】
223項目
②戦略
◇当社グループの環境相関図
当社グループの事業活動における自然資本との依存・インパクトについて、以下のとおり整理しております。
主力事業の1つであるコミュニケーションメディアやパッケージの製造において、紙への依存度が高く、原材料となる森林資源(木材)への依存が高いと想定しております。また、情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクスの各事業における地下水の使用が多く、依存・インパクトともに高いと想定しております。さらに、製造過程のみならず、使用後のプラスチック包装資材、販促物等の河川・海洋等自然への流出による生物多様性へのインパクトも想定しております。事業全般において、気候変動対策と企業の持続可能性との両立は重要な課題であり、GHG排出についても重要なインパクトと考えております。

◇リスク・機会一覧
気候変動については、シナリオ分析において重要な気候変動の物理的リスクと移行リスクを認識し、財務インパクトの評価及び対応策の検討を行っております。自然関連課題については、今後シナリオ分析と、外部環境変化の把握や有識者との対話を踏まえたリスク・機会特定の実施を想定しております。

※詳細は、当社ウェブサイト(https://www.holdings.toppan.com/ja/sustainability/environment/tcfdtnfd.html)を参照。
1) 気候変動に関するシナリオ分析、ビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
a 組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスク及び機会
ⅰ) 組織に重要な財務的影響を与えるリスク及び機会を特定するプロセス
シナリオ分析実施はサステナ委員会下部の地球環境WGが担当しております。本WGに関連部門及びグループ会社が参画し、気候変動に関する重要なリスクと機会の洗い出し、財務面のインパクト評価、その評価に基づいた対応策の検討を行っております。
シナリオ分析の検討は、各グループ会社の中期計画と連動させ、より具体的なビジネスを想定した財務インパクトの評価と対応策の検討を行っております。シナリオ分析は、日本国内拠点及び海外拠点を対象に、研究開発から調達、生産、製品供給までのバリューチェーンに対して、1.5℃シナリオ、4℃シナリオで、2050年までの長期想定で考察しております。
ⅱ) 財務影響の大きい気候関連課題
1.5℃シナリオでは、炭素税導入や購入エネルギー価格上昇に伴うコスト増のリスクがある一方、消費者選好の変化による低炭素排出製品・サービスの売上増や企業価値向上の機会があることを再確認しております。
4℃シナリオでは、気温上昇による風水害の増加が、当社グループの事業を支える主要工場の操業停止などのリスクに繋がる可能性を確認しておりますが、長期想定の代替生産計画の継続検討、浸水防止技術の定期的な情報収集・施策化などの対応策を進めております。
b 気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
ⅰ) 組織のビジネスと戦略に対する影響の検討
「TOPPANグループ環境ビジョン2050」が目指すネットゼロ社会実現へのさらなる貢献に向け、中期経営計画において「DX」と「SX」を柱とした事業ポートフォリオ変革を進めております。「DX」「SX」関連の成長領域でのM&Aなどの事業投資や導入期・成長事業設備投資に、2023年度から2025年度まで約6,800億円を計画しております。
ⅱ) 複数の気候関連シナリオに基づく検討を踏まえた組織の戦略のレジリエンス
2024年度から実施しているシナリオ分析の実施にあたっては、「国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)World Energy Outlook 2024(以下「IEA WEO2024」という。)のNZE(Net Zero Emissions by 2050)シナリオ」「IEA WEO2024のSTEPS(Stated Policies)」「気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)第6次評価報告書における共有社会経済経路(SSP)シナリオと放射強制力を組み合わせたシナリオのSSP1-1.9、SSP1-2.6及びSSP5-8.5」等の複数シナリオを利用し、定性的・定量的の両方で分析を行っております。対象期間は2030年から2050年としております。
◇シナリオタイプ

c 移行リスク及び物理リスクへの適応計画
シナリオ分析の結果、グループの移行リスクとして、世界全体におけるカーボンニュートラル実現に向けたカーボンプライシング制度の規制拡大を背景に、運用コスト負担の増加などが認識されました。また、グループが認識する物理的リスクでは、生産事業所の洪水などの浸水被害による生産停止や復旧費用の増加等が挙げられます。その対応として、再生可能エネルギーの段階的な導入等によるScope1+2及びScope3での温室効果ガス排出量削減、防災対策の強化などに取り組んでまいります。Scope1+2及びScope3の温室効果ガス排出量削減については、2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画を策定しております。将来を見据えた長期的視野での低炭素投資や対策の意思決定にICP(インターナルカーボンプライシング)制度を活用し、さらなる省エネ・再エネ設備の導入を推進してまいります。
当社グループの機会として、このような変化に対し、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトとした事業ポートフォリオ変革と連動させ、事業機会の創出・拡大を図ります。具体的には、サプライチェーンの温室効果ガス排出量削減に貢献するDX支援サービスの開発、リサイクル適性の向上や食品ロスの削減ができるサステナブルパッケージの充実化を図ってまいります。
当社グループは今後も、継続的にシナリオ分析を実施することでその精度を高め、経営戦略への統合をさらに推し進め、不確実な将来に向けたレジリエンスを高めてまいります。
◇2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画
・Scope1+2

※Scope1+2排出量算出において、2024年度実績値報告から、NMVOC燃焼分69千t-CO2eを含む。
・Scope3

◇ICP制度概要

※ICP(Internal Carbon Pricing):低炭素投資・対策推進に向け企業内部で独自に設定、使用する炭素価格のこと。CO2排出量1トン当たり費用を自社の基準で仮想的に費用換算し、気候変動リスクを定量化。投資判断の基準の1つとすることで、脱炭素社会に向け、低炭素設備・省エネ投資を加速させることが可能。

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