有価証券報告書-第178期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 15:29
【資料】
PDFをみる
【項目】
197項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、持株会社体制のもと、グループ全体が方向性を同じくし、これまで以上に社会的価値創造を推進すべく、Purpose(存在意義)とValues(価値観)から構成される「TOPPAN's Purpose & Values」をグループ理念としております。「Breathing life into culture, with technology and heart./人を想う感性と心に響く技術で、多様な文化が息づく世界に。」をPurposeに掲げ、その実現のために「Integrity(誠意を持って行動し、信頼関係を築く)」「Passion(情熱を持ち、積極果敢に挑戦する)」「Proactivity(周囲に先駆けて考え、スピーディーに行動する)」「Creativity(創造力を駆使して、新しい価値を生み出す)」の4つのValuesを共有しております。
グループ理念に基づき、当社グループ各企業が持つ強みや特長を掛け合わせ、ステークホルダーの皆さまと共に、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、中期的な経営課題を、①事業ポートフォリオ変革、②経営基盤の強化、③ESGの取り組み深化とし、次の施策を展開することにより経営資源の最適配分と有効活用を進め、事業の拡大を図ってまいります。
① 事業ポートフォリオ変革
「事業ポートフォリオ変革」につきましては、DX、国内SX・海外生活系、新事業の3つを成長事業と位置付け、収益力の向上を目指してまいります。
DX事業については、全社を挙げて取り組むDXのコンセプトを「Erhoeht-X(エルへートクロス)」とし、デジタル技術と高度なオペレーションノウハウを掛け合わせたハイブリッドなDXサービスを根幹に、データ分析、コンサルティングを含めたビジネスモデルの確立を目指します。
国内SX・海外生活系事業については、材料調達から廃棄までのサプライチェーンを通して、CO2排出量・プラスチック使用量削減に貢献し、脱炭素・循環型社会の実現を目指します。
新事業については、競争優位を持つテクノロジー、ビジネスモデルを核に、ヘルスケア、メタバース、センサ関連などの領域で、事業化を推進いたします。
② 経営基盤の強化
「経営基盤の強化」につきましては、事業変革の基盤を形成するため、持株会社体制のもと、知財戦略、人財戦略、システム基盤のモダナイゼーションなどを推進してまいります。
知財戦略については、「知的財産」を、事業競争力を高める重要な経営資産と位置づけ、グループ全体で知財戦略と事業戦略・研究開発戦略を一体化させ、知財活動を強化してまいります。
人財戦略については、DXやSX、グローバル事業などを牽引する人財の強化に向け、次期人事システムの構築や新たな人財開発プログラムの導入など、グループ内の人財活性化施策を推進するとともに、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を進めてまいります。
システム基盤のモダナイゼーションについては、グループのシステム統合などにより、経営効率の向上を目指します。
③ ESGの取り組み深化
「ESGの取り組み深化」につきましては、サステナビリティ(持続可能性)経営推進に向け、「サステナビリティ推進委員会」を設置し、当社グループ内のESG、SDGsテーマの課題共有、取り組み連携を強化しております。
SDGsへの取り組みとしては、SDGsが示す課題への事業を通じた貢献において特に注力すべき分野を特定した「TOPPAN Business Action for SDGs」のもと、これまで以上に社会から信頼される強い企業グループを目指してまいります。
環境への取り組みとしては、「TOPPANグループ環境ビジョン2050」に基づき、環境課題への取り組みをサプライチェーン全体や地域社会との協働で進めてまいります。また、2020年よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿って、気候変動に関する財務インパクト及びその対応について情報開示を行っております。さらに、2024年中を目途に、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った開示を実施する予定です。
社会への取り組みとしては、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し変革の原動力に変えていくため、「ダイバーシティ&インクルージョン」、「Well-being」を重視し、従業員のスキルアップやキャリア形成支援を進めてまいります。また、「TOPPANグループ人権方針」に基づき事業活動全般において人権に対する取り組みを強化するとともに、「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」に基づきサプライチェーン全体で持続可能な調達活動を進めてまいります。
ガバナンスへの取り組みとしては、「コーポレートガバナンス基本方針」及び「関係会社管理規程」に基づき、公正なグループ経営を推進し、グループ全体の価値最大化を目指してまいります。また、政治・経済情勢の変化や気候変動に伴う環境問題、サイバー攻撃の巧妙化や人権課題などを背景に多様化するリスクに対し、適切に対処することで経営に与える影響を最小化するなど、持続可能な企業経営を推進してまいります。