訂正有価証券報告書-第125期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/07/09 16:56
【資料】
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【項目】
159項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものです。
DNPグループは、経営の基本方針として、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、積極的な事業活動を展開し、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくよう努めていきます。
DNPグループの成長を持続的なものにし、中長期的に企業価値を向上していくためには、コーポレート・ガバナンスの充実が重要であると考えています。的確で統合的な経営の意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらの監督・監査を可能とする体制を構築・運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育の徹底に努めていきます。
また、企業としての社会的責任を常に認識し、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していきます。その実現のために、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に努めています。これらの責任を果たすため、「DNPグループ行動規範」に基づいた活動を徹底するとともに、内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を得られるよう、誠実な企業活動に努めていきます。
今後の見通しについては、国内経済は、雇用・所得環境の改善が見られるものの、通商問題の動向、中国をはじめとする新興国経済の先行き、予定されている消費税率引き上げなどもあり、先行きには不透明感が強まっています。
印刷業界では、紙媒体の需要減少や競争激化による受注単価の下落などが見込まれ、引き続き厳しい状況が予想されます。
このような状況のなかで、DNPグループは、印刷(Printing)と情報(Information)の技術やノウハウ、営業や企画、製造や生産管理、知的財産やブランディングなど、さまざまな強みを柔軟に組み合わせた「P&Iイノベーション」により、社会課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値を創出することで、DNPグループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。そのために、
1.成長領域を中心とした事業の拡大による価値の創出
2.グローバル市場に向けた価値の提供
3.利益最大化に向けた価値の拡大
という3つの重点施策を推進していきます。
「成長領域を中心とした事業の拡大による価値の創出」については、「P&I」の強みと社外のパートナーの強みを掛け合わせ、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域で、社会課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値を生み出していきます。
「グローバル市場に向けた価値の提供」については、バリューチェーンがグローバルに広がるなか、国内にとどまることなく、世界的な視野で社会課題の解決に取り組み、人々の期待に応えていきます。2019年3月現在、15の製造拠点、27の営業拠点を海外で展開しており、地域特性やそこで暮らす人々の課題やニーズを的確に捉え、国内外に価値を広く提供していきます。
「利益最大化に向けた価値の拡大」については、事業部門や拠点の統合・再編を含む事業構造改革やコスト構造改革などを推進していきます。また、人財や知的財産などの非財務の資本と財務資本を統合的に活用し、企業価値の最大化に努めていきます。
<各事業部門における取り組み>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、高度な画像処理技術や情報セキュリティ技術などにより、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、安全で安心な生活者と企業のさまざまなコミュニケーションを実現していきます。
例えば、出版社との連携をさらに深め、各種出版物の企画・制作、流通・販売、コンテンツの著作権処理や海外展開などを推進し、出版市場の活性化に貢献していきます。
また、キャッシュレス決済の拡大と各種電子マネーの普及に対応して、国際ブランドプリペイド・デビットカードのほか、キーホルダー型などの異形状タイプのICカードにも力を入れ、生活者に高いセキュリティと利便性を提供していきます。
さらに、DNP柏データセンターや国内13箇所のBPOセンターなど、高度な情報セキュリティ環境を備えたインフラを活用し、クレジットカードやプリペイドカード、電子マネーやQRコードなど、さまざまな決済手段に対応するキャッシュレス決済プラットフォームの提供や、デジタルマーケティング事業など付加価値の高い多様なサービスを提供していきます。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していきます。
例えば、リチウムイオン電池用バッテリーパウチは、世界トップシェアの強みを活かし、電気自動車の普及にともない需要が拡大する車載用に加え、ドローンやロボットなどの新たな用途開拓に努めていきます。また、車体を軽量化して自動車の燃費向上を実現する曲面樹脂ガラスの開発などを進めていきます。
包装関連では、持続可能な循環型社会の実現に向けて、植物由来の原料を使用した「DNP植物由来包材 バイオマテック」シリーズや、リサイクルの推進に寄与するパッケージの開発に取り組んでいます。海外では、インドネシアやベトナムの生産拠点を中心に、東南アジア地域でのシェア拡大を目指していきます。
さらに、住宅や商業施設にとどまらず、自動車や鉄道車両等も快適性の求められる生活空間と捉え、EBコーティング技術等を活かした高付加価値製品のほか、感性工学等を活用した心地よい空間の設計や評価測定、より施工しやすい工法の開発などを行っていきます。欧米や新興国に対しても、意匠性に優れた金属パネルや自動車用内外装材について、グローバルな販売網を活かしてシェア拡大を図っていきます。
また、生活空間関連事業の製品である壁紙の一部に生じた不具合の補修対策については、見直しした補修対策計画を着実に実行していくとともに、再発防止に向けた品質保証体制の整備・強化を一層推進していきます。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、次世代のエレクトロニクス製品を視野に入れ、機能性に優れた高付加価値製品の開発に取り組んでいきます。その際、新たなコア技術の開発に努めるとともに、取引先や専門的な強みを持つ企業との協業にも力を入れ、事業化のスピードアップを図っていきます。また、技術供与なども含めた他社とのアライアンスやロイヤリティビジネスなども積極的に展開していきます。
また、国内外の市場の変化を見極めて、製造設備の最適化や生産・開発体制の見直しなど、構造改革を引き続き推進していきます。
例えば、需要の急速な拡大が進む有機ELディスプレイ市場に対して、その製造に使用するメタルマスクの生産能力を増強し、ディスプレイの高解像度化に対応した製品の開発と安定供給の体制を整備して、市場シェアを維持・拡大していきます。また、位相差フィルムなど、有機ELディスプレイ用の各種光学フィルムの開発にも努めていきます。2019年10月には、世界的な大型テレビの需要拡大に対応するため、広島県・三原工場に増設した、大型テレビ向けの光学フィルムの製造装置が量産を開始する予定で、世界トップの市場シェアを有するディスプレイ用光学フィルムのさらなる拡大に注力していきます。
半導体製品用フォトマスクについては、製造時の描画時間を大幅に短縮するマルチ電子ビームマスク描画装置やナノインプリントなどの次世代微細加工技術の活用により、次世代製品の生産体制を強化して、微細化や低コスト化という半導体メーカーのニーズに応えていきます。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界でのシェア争いが激化すると予想されるなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」というビジョンに基づき、「北海道で唯一の総合飲料会社としてさわやかさと潤いを提供し、道民から愛され続ける企業を目指す」を基本方針とした中期経営計画の達成を目指していきます。
<事業体制の強化>DNPグループは、「対話と協働」という行動指針を掲げ、部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて新しい価値の提供に努めていきます。事業拡大に向けては、今後も国内外を問わずさまざまな強みを持ったパートナーとの連携を強化していきます。
また、事業ビジョンを推進する拠点の整備を国内外で進めるなかで、東京・市谷地区の拠点の再開発に取り組んでいます。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約し、有効に活用することで、新規事業開発を強力に推進していきます。
<事業継続のための体制構築>DNPグループは、東日本大震災の経験から事業継続計画(BCP)の重要性を再認識し、「災害発生時の人的安全対策を最優先すること」「会社の災害に対する対応力と復旧力を高めること」を基本に、日ごろから災害リスクを正しく認識して適切な予防対策を進めています。災害等、不測の事態に対しては、「DNPグループ災害対策基本規程」に基本方針や推進体制を定め、社員及び関係者の安全を確保し、さまざまなステークホルダーに安心していただけるよう防災対策を進めています。
<持続可能な社会の実現への貢献>気候変動や格差拡大などの社会課題の解決を目指し、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた、企業の取り組みの強化が期待されています。DNPグループは、中長期での安定的な成長のために、SDGsが達成された持続可能な社会の実現を目指しています。
そのために、製品・サービスを通じた「価値創造」と、バリューチェーンにおける「価値創造を支える基盤」の構築を進めています。特に、気候変動については喫緊の環境課題と認識しており、事業活動及び製品・サービスを通じた環境負荷の低減を進めています。

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