有価証券報告書-第126期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 15:32
【資料】
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【項目】
161項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
DNPグループは、経営の基本方針として、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、積極的な事業活動を展開し、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくよう努めていきます。
DNPグループの成長を持続的なものにし、中長期的に企業価値を向上していくため、企業としての社会的責任を常に認識し、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していきます。その実現のために、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に努めています。
これらの責任を果たすうえでも、「DNPグループ行動規範」に基づき行動するとともに、コーポレート・ガバナンスの充実に注力していきます。内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、的確で統合的な経営の 意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらの監督・監査を可能とする体制を構築・運用していきます。また、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育の徹底に努めていきます。
DNPグループは、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を 得られるよう、誠実な企業活動の実践に努めていきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
① DNPグループのありたい姿
DNPグループの対処すべき課題は、社会や環境が大きく変化し、人々の価値観なども変化していくなか、企業理念に基づき、従来の「受け身の体質」から脱却し、自らが主体となって、人々の期待に応えるとともに、社会課題を解決する新しい価値を提供する企業へと変革することであると認識しています。DNPグループは、潜在的な「価値」を自ら発見し、最適な「ビジネスモデル」を構築していきます。その際、グループ全体の総合力を発揮し、「P&I」(印刷と情報)の独自の強みを掛け合わせ、さらに社外のパートナーと連携することで、継続的に「利益」を創出していきます。
② 中期経営計画の策定
DNPグループは、そのありたい姿の実現に向けて、5年後の2025年3月期には、安定的にROE5.0%以上を確保する経営体質の構築を目指しています。これを達成するために、2021年3月期からの3か年の中期経営計画を策定しました。「P&Iイノベーションによる価値の創造」と「成長を支える経営基盤の強化」の2つを基本方針として、その計画の達成に努めていきます。
<基本方針1:P&Iイノベーションによる価値の創造>DNPグループは、社会や環境が大きく変化するなかで、収益性と市場成長性の2つの軸で、現在取り組んでいる事業が生み出す価値を見直し、今後注力していく事業領域を設定しています。これらの注力事業領域を中心に 経営資源を最適に配分して、強い事業ポートフォリオを構築していきます。
この方針に基づいて、「成長領域を中心とした価値の創出」「各国・地域への最適な価値の提供」「あらゆる 構造改革による価値の拡大」の3つの施策を推進していきます。
○成長領域を中心とした価値の創出:
生活者や社会に対する価値の提供と、その対価としての収益の拡大を目指し、複数の事業テーマを設定して、 重点的に事業を推進していきます。例えば、『データ流通関連事業』として、「情報銀行」関連のサービスをはじめ、高度な情報セキュリティ基盤で個人情報を扱う「BPO」、スマート健診といった「メディカル・ヘルスケア」等に注力していきます。また、『IoT・次世代通信関連事業』では、5G・6Gへの通信インフラの変革を先取りして、デジタル・トランスフォーメーションを支えるキーコンポーネンツ(主要部品)や、それを活用した新たなサービス等の開発を進めていきます。
○各国・地域への最適な価値の提供:
それぞれの国や地域での、特性やニーズを十分に把握し、きめ細かく対応して最適な価値を提供することで、 グローバル市場に対応していきます。
○あらゆる構造改革による価値の拡大:
強い事業ポートフォリオの構築に向けて、グループ全体で多様な構造改革を推進していきます。例えば、情報 コミュニケーション部門での紙メディア製造拠点の縮小、生活・産業部門での低付加価値製品の見直しと拠点の 縮小、エレクトロニクス部門でのカラーフィルター事業の縮小などを進めるとともに、これにより生み出された人的資源や土地、設備等を、注力事業の開発・製造に振り向けることで、事業構造の転換を進めていきます。
<基本方針2:成長を支える経営基盤の強化>DNPグループは、中長期的な成長に向けて、財務資本と非財務資本を統合的に活かすことで経営基盤を強化していきます。特に、「資本政策」のほか、「環境」に対する取り組み、「人財・人権」に関する取り組みを強化し、具体的な行動計画を策定・実行していきます。これらの施策により、価値の創出に向けて、変革に挑戦していく組織風土を醸成して、DNPグループの持続可能な成長を支える基盤を形成していきます。
○資本政策:
基本方針1と連動させて、成長領域を中心とした注力事業への投資などを進め、今後3年間は、年間1,000億円規模の投資を計画しています。これらの事業投資の財源として、自己資金だけでなく、他人資本の活用による成長資金の調達や、遊休資産の圧縮などを進めていきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
○環境に対する取り組み:
2020年3月に「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現に向けた価値創出の取り組みを一段と強化しました。特に、気候変動は世界的な影響の大きい変動要素(リスク)であり、こうした変化に先んじて対応していくことで、企業活動の持続可能性を高めることができます。自社だけでなくバリューチェーン全体に関わる活動を進め、環境負荷の低減につながる製品・サービスの開発・提供にも注力していきます。
○人財・人権に関する取り組み:
ダイバーシティの推進を一層強化することで、多様な人財が持つアイデアや技術の獲得と、新たな価値の創出に努めていきます。特にDNPグループでは2000年代の初めから女性活躍推進に力を入れてきており、女性社員の キャリア形成支援、働き方改革及び組織全体のマネジメント改革を進め、2021年度末までに女性管理職比率を 7.0%以上、また女性の管理職層・リーダークラスの人数を2倍とする目標を掲げています。
このように、DNPグループは、財務資本と非財務資本をそれぞれ充実させるとともに、強みの掛け合わせによって相乗効果を高めることで、「P&Iイノベーション」を支える経営基盤を強化していきます。
<具体的な経営目標>DNPグループは、上記の取り組みを推進し、2025年3月期には安定的にROE5.0%以上を確保する経営体質の構築を目指します。また、2025年3月期の目標として、営業利益750億円、営業利益率5.1%を設定しました。
これらの目標設定においては、新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んでいません。なお、新型コロナウイルス感染症が与える影響は次のとおりです。
<新型コロナウイルス感染症が事業に与える影響>[印刷事業]
(情報コミュニケーション部門)
情報イノベーション事業は、オリンピック・パラリンピックの開催延期をはじめとする全国のイベント中止や、キャンペーン等の広告需要が減少しています。一方で、ネット通販等の利用拡大により、デジタルマーケティングやネット決済関連のサービスに対する需要増加が見込まれるほか、企業のBCP対策として業務のアウトソーシング化(BPO)に関する引合が増加しています。
イメージングコミュニケーション事業は、グローバル規模でのテーマパークや観光地の営業縮小により、写真の体験価値を高める「コトづくり」事業に影響が出ています。
出版関連事業は、ビジネス街の書店営業の一部自粛により売上が大幅減少となっていますが、外出自粛や学校 休校により自宅で過ごす機会が多いなか、「honto」事業での電子書籍販売や郊外書店における自宅学習教材の売上は順調に推移しています。
(生活・産業部門)
包装関連事業は、外出自粛により飲料や土産品、飲食店向けの業務用包材は減少していますが、医薬・衛生材料向け包材や家庭用の食品包材の需要は増加しています。
生活空間関連事業は、国内における住宅建築やリフォームの延期・休止の増加が影響しています。
産業資材関連事業は、グローバルでの自動車業界の操業停止により内装加飾部材等の需要減少が懸念されます。一方でタブレットやスマートフォン向けのリチウムイオン電池用バッテリーパウチは、テレワークやオンライン 消費の普及による需要増加が見込まれます。
(エレクトロニクス部門)
ディスプレイ関連製品事業は、得意先企業の操業短縮などによる需要の減少があるなか、ディスプレイが液晶 から有機ELへのシフトが進み、有機ELディスプレイ製造用のメタルマスクは、得意先企業の材料確保にともなう需要の増加が見られます。
電子デバイス事業は、半導体市況の先行きは不透明ですが、テレワークの進展などにより5GやIoTの広まりによる需要増加も期待できます。
[清涼飲料事業]
(清涼飲料部門)
外出自粛による観光地や飲食店等での需要減少が影響していますが、「家飲み」需要の増加で新製品のアルコール飲料「檸檬堂(れもんどう)」の販売増加が期待されます。

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