有価証券報告書-第87期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/27 12:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
129項目
(2)戦略
・地域密着の報道と社会課題への貢献
当社は、地域の持続可能な発展を後押しするため、地域課題に寄り添ったきめ細かな報道を展開しています。環境保護、社会的弱者支援、経済的な持続可能性という三つの重要課題を柱に据え、読者の関心を高め、課題解決へと導く役割を果たしています。
まず環境分野では、自然環境の保全活動や再生可能エネルギーの導入、廃棄物処理問題など、岩手ならではのテーマを深掘りした特集・連載を掲載。地域住民の環境意識を高め、具体的な行動につながる情報を提供しています。
次に社会的弱者支援では、子どもの貧困や高齢者福祉、障がい者支援といった見過ごされがちな課題を積極的に報道。困難を抱える個人や団体の取り組みを紹介しつつ、支援体制の現状と課題を可視化することで、地域全体に支援の輪を広げるきっかけをつくっています。
さらに経済面では、地場産業や伝統工芸の保護・振興に焦点を当て、地域資源を生かした持続可能な経済モデルを提示。農業・漁業等の後継者不足や販路拡大の課題を詳細に報じ、地域経済活性化に向けた議論を促しています。
これらの報道活動を通じて、当社は地域住民の声を丁寧にすくい上げ、社会課題を正確かつわかりやすく伝達。地域全体の課題解決と持続可能な発展に寄与しています。
・防災への取り組み
当社は、2011年の東日本大震災で報道の最前線に立った経験を原点に、「命を守る情報」と「地域ぐるみの備え」を両輪とした防災活動を発展させてきました。近年はメディアの枠を超え、官・民・学が連携する“立体的な防災エコシステム”へと深化しています。
防災報道の骨格となるのが、1997年に岩手県と締結した「災害時における報道要請協定」です。県から要請があれば、避難情報や支援窓口を紙面・Web・SNSで即時発信。東日本大震災では掲示された手書き名簿を一字一句データ化し、約5万人分の避難者名簿を紙面に転載しました。
2024年3月11日には、福島民報社・電通と共同で「Future Bousai Initiative(フューチャー防災イニシアチブ)」を始動。過去の被災地で顕在化した“未解決課題”を共有し、自治体・企業・学校が共創で解を探る仕組みを構築しました。2025年3月に東京で開催した「防災新視点サミット」には全国から100件超の実践知と技術ソリューションが集い、新たな連携プロジェクトが多数生まれています。旗艦ウェブサイト「防災新視点」では、夜間避難の盲点や女性用更衣スペース不足など“備えきれていない視点”を全国公募し、寄せられたアイデアを「気づきのデータベース」として公開。自治体職員や起業家が具体的な取り組みに転化させる好循環が生まれています。
震災直後に世界中から駆け付けた救助犬への感謝を形にしたのが、独自企画「いわてワンプロ」です。当社は訓練費を継続支援し、候補犬「つる」を“新入社犬”として社に迎え入れました。2024年4月からは県内企業と協業し、限定1万パックの「味付ゆでたまご」を販売。1パックにつき10円を救助犬育成費に充てる仕組みを構築しました。さらに県立図書館でのパネル展や紙面連載を通じ、県民参加型の救助犬ネットワークづくりを進めています。
こうした一連の取り組みにより、当社は「情報発信」「課題共有」「地域参画」を有機的に結び、災害に強い社会づくりを牽引しています。
・地域貢献活動・社会福祉支援
当社は新聞発行という本業にとどまらず、地域社会の発展と福祉向上に寄与する多彩な活動を展開しています。
まず、文化・スポーツ振興では、「岩手日報文化賞」「岩手日報体育賞」「岩手日報随筆賞」などの表彰制度を主催し、芸術・スポーツ・文学分野で顕著な功績を挙げた個人・団体を顕彰しています。これらの賞は、挑戦を続ける県民を後押しし、地域の誇りと活力を育む原動力となっています。
次に、地域交流の場として、80年以上の歴史を誇る「日報駅伝」(一関・盛岡間駅伝競走大会)を毎年11月23日に開催。企業や学校、地域住民が一体となって参加し、スポーツを通じて世代間・地域間の絆を深めています。文化面でも、音楽コンサートや美術展、伝統芸能公演、講演会・シンポジウムを企画・後援し、県民が多様な文化芸術に触れる機会を創出しています。
さらに、社会福祉支援として「フードバンク岩手」と連携し、社内に常設のフードバンクポストを設置。毎月第2水曜日には一般来訪者からの寄付も受け付けるほか、公式キャラクター「イワさんとニッポちゃん」をデザインしたタイアップ自動販売機を導入し、社員の社会貢献意識を高めています。これにより、生活困窮者や福祉施設への食料支援を着実に推進し、地域のセーフティネット強化に貢献しています。
こうした文化・スポーツ振興、交流促進、福祉支援の取り組みを通じて、当社は地方紙としての枠を超え、地域社会とともに歩み続けています。
・教育支援・次世代育成への協力
当社は、地域の未来を担う子どもたちの育成を柱に、2000年代から NIE(Newspaper in Education)活動を継続的に推進してきました。年間を通じて県内外の小・中・高等学校に記者や社員を派遣し、出前授業を実施。記事の読み解きや要約演習に加え、環境・防災・SDGsといった地域から地球規模までの課題を題材に討議を促すことで、児童生徒の批判的思考力と探究心を育んでいます。
こうした取り組みを一段と深化させるべく、2023年度には「+(プラス)日報~確かな情報スクエア」プロジェクトを開始しました。同プロジェクトは文部科学省のGIGAスクール構想に対応し、①2004年4月以降の記事を収録した紙面データベース、②PCやタブレットで閲覧可能なデジタル版、③参加学級への朝刊一部配送をパッケージ化して提供。県内の小学校5・6年生と全中学生を中心に高校まで対象を広げ、生徒の読解力向上とメディアリテラシー教育を体系的に支援しています。
さらに、毎週火曜日掲載の「ジュニアウィークリー」には読解力養成コーナーを設置し、双方向の学習機会を提供。青少年の夢を後押しする企画としては、2023年度に地元企業と協働し「教えて!メジャーリーガー」を展開し、岩手ゆかりの大リーガーが紙面で小中高生の質問に答えました。また「岩手読書感想文コンクール」では菊池雄星投手を特別審査員に迎え、優秀作品を顕彰しています。
読書推進と循環型支援の一環として、地元書店と連携した「象と花プロジェクト」に参画。本社ロビーに古本回収ボックスを設置し、2023年11月の導入から年内で800冊超を回収しました。その売却益を新しい本の購入費に充て、県内の子どもたちへ寄贈しています。加えて、南極観測隊に同行取材した記者と岩手医科大附属病院に長期入院中の児童をオンラインでつなぐ講演・交流会を開催するなど、夢や学びを支える独自の機会も提供しています。
これら一連の教育支援・次世代育成活動を通じて、当社は「確かな情報」と「学びの場」を子どもたちに届け、地域の未来をともに築くパートナーとしての役割を果たしています。
・紙面広告による啓発活動
当社は、紙面広告を単なる情報伝達の手段にとどめず、地域社会の課題解決とサステナビリティ推進に寄与する媒体として積極的に活用しています。防災啓発・環境保護・スポーツ振興・文化活動支援といった、地域の未来を支えるテーマを盛り込んだ意見広告やプロジェクト型広告を定期的に展開。地域企業、行政、NPO など多様な主体と連携し、読者が主体的に社会課題へ向き合えるようメッセージを発信しています。
特に防災啓発キャンペーンでは、全国の地方紙と連携して災害への備えを再確認する視点を提供し、地域住民の防災意識を高めるとともに、具体的な行動を促進しています。また、スポーツ振興や文化活動を支援する広告では、若い世代が地域への誇りと愛着を育めるよう、体験型・参加型の手法を取り入れています。
こうした取り組みを通じて、当社の紙面広告は読者の社会的関心を喚起し、地域の持続可能な発展を後押しする重要な役割を果たしています。
・出版事業による地域資源の継承
当社出版部門は、岩手の歴史・文化・自然を後世へ伝えることを使命に、郷土に根ざした多彩な書籍を刊行しています。テーマは地域史や民俗文化、スポーツ、自然環境など岩手県ゆかりの分野が中心で、書籍として体系的に記録・保存することで地域資源の継承に寄与しています。
とりわけ、東日本大震災の記録集や被災地の証言集、岩手の通史や先人伝記、さらに宮沢賢治・石川啄木といった郷土の偉人に焦点を当てたシリーズなどを精力的に出版。これらは地域の貴重な一次資料として評価され、県内の学校教育の副教材や図書館資料としても活用されるなど、郷土学習の深化に貢献しています。
・環境負荷低減への取り組み
当社は、事業運営に伴う環境負荷の低減を重要課題と位置付け、新聞の製作・輸送・印刷の各工程でエネルギー効率と資源効率を高める取り組みを進めています。
まず、新聞配送ではトラック輸送に伴う燃料消費量とCO₂排出量を削減するため、輸送ルートを定期的に検証・最適化。配達経路の効率化によって無駄な走行を減らし、燃料使用量削減とドライバー負荷軽減を同時に実現しています。
印刷工程では、刷版時などに発生する刷り損じ紙の削減に注力し、新聞用紙の損紙率の継続的な低減を達成。原材料の無駄を抑えることで、環境負荷軽減と経費削減の双方に効果を上げています。
さらに、印刷には石油系溶剤の使用量を抑えた環境対応型オフセットインキ(植物油インキ等)を採用し、VOC排出の抑制を徹底。紙面には環境対応インキ使用を示すマークを掲載し、読者にも環境配慮型の印刷であることを周知しています。
これら一連の施策を通じ、当社は環境負荷の低減と持続可能な事業運営の両立を図り、地域社会と地球環境への責任を果たしています。
・「いわて地球環境にやさしい事業所」認定
当社は、岩手県の「いわて脱炭素化経営企業等認定制度」に基づき、「いわて地球環境にやさしい事業所(一つ星)」の認定を受けています(認定期間:2023年2月1日~2026年1月31日)。本制度は、温暖化防止に向けて積極的にCO₂排出抑制策を講じる県内事業者を評価・認定するものです。
一つ星の認定基準である「CO₂排出抑制に向けた具体的計画・取組の実施」を満たすため、当社は社内で温暖化対策計画を策定し、省エネ・再エネ施策を推進しています。具体的には、社用車のハイブリッド車への更新、オフィス照明のLED化、ペーパーレス化の徹底などにより、電力・燃料消費の削減とCO₂排出量の低減を図っています。
県からの認定取得は、当社の環境経営への積極的な関与を社内外に示すとともに、従業員の環境意識向上にもつながっています。今後も脱炭素化の取り組みを深化させ、地域社会と地球環境に貢献してまいります。
・グリーン/ブルーボンドへの投資
当社は、地域の環境課題解決と持続的成長に資する金融商品への投資にも注力しています。その一環として、2023年度より岩手県が発行する環境債「グリーン/ブルーボンド」への投資を継続的に実施しています。
グリーン/ブルーボンドは、気候変動対策を推進するグリーンプロジェクトのみならず、海洋資源の保全を目的とするブループロジェクトにも資金を充当できる地方債です。調達資金は、県内におけるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進を通じた環境と地域経済の好循環創出、新たな持続可能な成長施策、さらには東日本大震災で被災した三陸沿岸の海洋・沿岸環境の保全強化に活用されます。
同債券は日本格付研究所(JCR)から最上位評価である「Green1(F)/Blue1(F)」を取得しており、信頼性の高いESG金融商品として位置付けられています。当社はこの投資を通じ、脱炭素社会の実現と震災復興支援への貢献を金融面からも示すとともに、今後もSDGs達成に向けて多角的なサステナビリティ施策を展開していく方針です。
また当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下の通りです。
①女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」行動計画期間は2022年4月1日から2027年3月31日までの5年間です。男女を問わず活躍でき、仕事と家庭を両立できる雇用環境の整備に取り組みます。
②次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画(第8回)」行動計画期間は2023年9月1日から2026年8月31日までの3年間です。全従業員が安心して働ける環境を整え、家庭や地域への参画を支援します。
③「いわて健康経営認定事業所」への認定岩手県より認定を受け、健康経営を積極的に実践し、働き盛り世代の健康づくりを推進します。
④全国健康保険協会岩手支部「いわて健康経営宣言」への登録
従業員の健康を経営資源と捉え、健康増進施策を継続的に実施します。
⑤岩手県「いわて働き方改革推進運動」への参加長時間労働の抑制と労働生産性の向上に取り組み、魅力ある職場づくりを進めます。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。