有価証券報告書-第72期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 9:23
【資料】
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【項目】
105項目

対処すべき課題

(1)会社の対処すべき課題
制度環境が大きく変化する中で、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上を行います。
① 開示に係る制度環境の変化に対応した中核ビジネスの売上・収益維持及び拡大
② システムサポート・BPOサービスの強化による実務支援領域の拡大
③ 金融商品マーケットの多様化と市場拡大に対応した新たなサービス体制の構築
④ コーポレートガバナンス・コードの導入に対応したIR支援サービスの強化
⑤ 海外投資家の増大と資本市場のグローバル化に対応した英文開示体制の構築と強化
⑥ Web化の進展に対応した企画制作体制の構築と強化
⑦ アジア市場における日系企業支援サービス体制の構築と強化
⑧ 領域拡大に対応する営業支援体制・バックヤードの整備
⑨ 印刷設備の安定稼働による内製率のさらなる向上と収益力の向上
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の変化に対応して持続的な成長を実現するために、以下の戦略を実行いたします。
① コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備
② 開示制度の変化に対応した、新たな実務支援サービスの開発
③ システムサービスの強化による顧客支援領域の拡張
④ M&A、資本・業務提携を含めた外部リソースの活用による事業領域の拡張
⑤ 生産性の向上と競争力の強化による収益力の拡大
⑥ 資本効率の向上と高い水準の株主還元策の遂行
(3)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本方針の内容の概要
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をなされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
② 基本方針の実現に資する取り組みについての概要
当社は、昭和5年に株券印刷の専門会社として創業いたしましたが、近年はディスクロージャー分野全般に事業分野を広げ、法制度の改正や情報開示の電子化が相次ぐなかで、お客様への支援サービスの充実に取り組んでおります。こうした諸活動の結果、主要製品については市場シェア50%以上(注)を占め、お客様からも多くのリピートをいただいており、当社サービスに対し、高い評価を得てきております。
(注)全上場会社のうち、当社の主要製品である有価証券報告書や株主総会招集通知を受注している顧客数の割合(平成28年3月末現在)
このような当社及び当社グループの企業価値の主な源泉は、法制度に適合した正しい情報開示を支援するコンサルティングサービス、お客様の情報開示実務を効率化・高精度化するIT活用支援サービス、短納期でミスのない高品質の製品作りを集中的に行える生産体制にあり、その蓄積がブランド価値としてお客様に浸透するとともに、良好な業績の継続と現在の企業価値につながっていると自負いたしております。
また当社は、ディスクロージャー実務支援の業務を通して資本市場の健全な成長に貢献する社会的インフラともいうべき役割を担っております。こうした役割を最大限に発揮できる事業運営体制を整備、充実させていくことが、結果として企業価値及び株主共同利益の最大化につながるものと考えております。
当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の大きな変化のなかで中長期の成長シナリオを描き実現するために、以下の戦略を推進いたします。
1)コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備
2)コンサルティングをはじめ各分野でお客様にご満足と信頼をいただくための、高い専門性の発揮
3)最新のITでお客様の業務効率を高める開示支援システムの開発とサービス領域の拡大
4)Web化の進展を事業の成長に取り込むWeb企画開発体制の構築と強化
5)M&Aを含めた事業領域の拡張と新たなビジネスモデルの構築
6)低コスト生産体制の構築と、Web化の進展に対応した新たな生産構造の構築
これらの取り組みを着実に遂行することにより、当社及び当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要
当社は、平成20年4月30日開催の取締役会において導入し、直近では平成23年6月28日開催の当社定時株主総会において承認をいただいた「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」につき、平成26年5月7日開催の取締役会決議に基づき「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」として継続することを決定いたしました。また、平成26年6月27日開催の当社定時株主総会に付議し、承認をいただいております。
詳細につきましては、下記アドレスから平成26年5月7日、平成26年6月27日及び平成28年6月28日付開示資料をご参照ください。
(当社ホームページ)http://www.pronexus.co.jp/home/news/kessan.html
④ 本プランの合理性
イ.基本方針に沿うものであること
本プランは、当社株券等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものであります。
ロ.株主の共同の利益を損なうものではないこと
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)をすべて充足しており、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
ハ.会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本プランの運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として当社の業務執行を行う経営陣から独立した者から構成されている独立委員会を設置しております。
また本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。