四半期報告書-第56期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2015/11/02 9:30
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結累計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。なお、文中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(平成27年4月1日から平成27年9月30日まで)におけるわが国経済は、政府や日銀の各種政策の効果等から雇用・所得環境の改善傾向が続いていることに加え、設備投資に持ち直しの動きがみられるなど企業収益も緩やかな回復が続いております。一方で、個人消費は消費者マインドに足踏みがみられ、中国をはじめとするアジア諸国の景気が減速するなど、引き続き国内景気を下押しするリスクを残したまま推移いたしました。
このような環境の中、当社グループにおきましては、前第3四半期連結会計期間より新たに連結の範囲に含めた子会社の売上が加わったことなどにより、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高24,734百万円(前年同期比2,177百万円増加、9.7%増)、営業利益176百万円(前年同期比485百万円改善)、経常利益422百万円(前年同期比441百万円改善)、親会社株主に帰属する四半期純利益119百万円(前年同期比74百万円減少、38.3%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上していた事業再編に伴う子会社の繰越欠損金に係る法人税等調整額がなくなったことなどにより、前年同期を下回っております。
従来より、当社グループの売上高は、季節的変動が著しく、第4四半期連結会計期間に売上が集中する傾向にあります。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(地図データベース関連事業)
当社グループの主力事業であります地図データベース関連事業につきましては、ICT関連のスマートフォン向けサービスの有料会員数は減少傾向が続きましたが、住宅地図データベースを活用したGIS関連が堅調に推移したことに加え、自治体からの受託案件などにより売上が増加いたしました。
以上の結果、当事業の売上高は20,506百万円(前年同期比800百万円増加、4.1%増)、セグメント利益は102百万円(前年同期比545百万円改善)となりました。
(一般印刷関連事業)
一般印刷関連事業の売上高は1,738百万円(前年同期比68百万円減少、3.8%減)、セグメント損失は36百万円(前年同期比35百万円悪化)となりました。
(その他)
その他につきましては、上述の前第3四半期連結会計期間より新たに連結の範囲に含めたインシップ(同封・同梱)広告などを展開する子会社の影響などにより、売上高は2,489百万円(前年同期比1,444百万円増加、138.2%増)、セグメント利益は65百万円(前年同期比12百万円増加、24.5%増)となりました。
また、財政状態といたしまして、当第2四半期連結会計期間末の総資産につきましては、季節的変動の影響により、前第4四半期連結会計期間に比べ当第2四半期連結会計期間の売上高が減少したことを受け、受取手形及び売掛金が2,370百万円、また、短期借入金の返済等により、現金及び預金が1,904百万円減少いたしました。これらの要因により、総資産は57,002百万円(前連結会計年度末比4,319百万円減少、7.0%減)となりました。
負債につきましては、返済により短期借入金が1,827百万円、支払いにより買掛金が738百万円、納税により未払法人税等が341百万円それぞれ減少いたしました。これらの要因により、負債は15,689百万円(前連結会計年度末比3,670百万円減少、19.0%減)となりました。
純資産につきましては、第三者割当に伴う自己株式処分差益97百万円及び連結子会社株式の追加取得に伴う控除76百万円により、資本剰余金が20百万円増加いたしました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益119百万円があったものの剰余金の配当577百万円により、利益剰余金が457百万円減少いたしました。そのほか、第三者割当などにより自己株式が445百万円減少し、連結子会社株式の追加取得などにより非支配株主持分が548百万円減少いたしました。これらの要因により、純資産は41,313百万円(前連結会計年度末比649百万円減少、1.5%減)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は69.1%(前連結会計年度末比4.7ポイント上昇)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は4,484百万円(前連結会計年度末比1,908百万円減少、29.9%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が403百万円となり、仕入債務の減少738百万円、法人税等の支払額621百万円などの減少要因がありましたが、減価償却費2,478百万円、売上債権の減少2,354百万円などの増加要因により3,784百万円の収入(前年同期比1,292百万円増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出2,238百万円などがあったことにより2,535百万円の支出(前年同期比488百万円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減による支出1,828百万円、配当金の支払額576百万円、リース債務の返済による支出427百万円などがあったことにより3,172百万円の支出(前年同期比712百万円増加)となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりであります。
① 基本方針
当社取締役会は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値及び株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
また、当社取締役会は、株券等所有割合が3分の1以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)が、ゼンリングループの企業価値に重大な影響を及ぼす場合において、ゼンリングループの企業価値及び株主共同の利益を確保し、又は向上させるため、大規模買付行為に適切な対応を行う必要があると考えております。
当社は創業以来、地図業界のリーディングカンパニーとして地図関連情報の提供を通じて、社会に貢献し続けることを活動の基本として事業を拡大してまいりました。ゼンリングループは、「知・時空間情報の創造により人びとの生活に貢献します」を企業理念として掲げ、「Maps to the Future」のスローガンのもと、地図情報で未来を創造していくことを使命として企業運営を行っております。そして、情報化社会の発展により地図情報に求められる価値やニーズが大きく変化を続ける今、私たちは「より適した価値」を実現することで、「情報を地図化する世界一の企業」となることを目指してまいります。
その結果として、企業価値の向上を図り、ゼンリングループが株主の皆様にとって魅力ある企業集団であることを目指すとともに、お客様及び従業員を大切にし、社会に貢献し続けていく企業集団でありたいと考えております。
ゼンリングループは経営ビジョンである「情報を地図化する世界一の企業」を実現するために、2015年度から2019年度までの5ヵ年の中長期経営計画「ZENRIN GROWTH PLAN 2020(以下、ZGP2020)」(2016年3月期~2020年3月期)を策定いたしました。
ZGP2020では位置情報サービスの拡充、防災・減災に対する意識の高まり、安全運転支援など、多様化する地図情報の用途に対し、情報の差別化とコストリーダーシップを実現することで「日本の地図をすべてゼンリン基盤とする」ことを目指します。
ZGP2020ではニーズに対応したサービスの提供にとどまらず、地図情報の新たな利用価値創造を目指し、「モノ」から「コト」への転換を軸として、①「利用シーン」を創造した用途開発による収益拡大、②「QCDDS」(※)を追求した時空間情報システムの安定運用、③「生産性改革」の実現による固定費率の低減の3つを基本構成として、収益を維持しながら持続的な成長に向けて取り組んでまいります。
(※)QCDDS:Quality(品質)、Cost(価格)、Delivery(納期)、Diversity(多様性)、Scalability(拡張性)
ゼンリングループは、創業以来培った技術やノウハウを活かして、このような理念に基づくコンテンツの充実や新たな事業領域開発に取り組み、会社と事業の変革を通じて市場の変化に対応しながら企業価値向上に努めると同時に、ゼンリングループの地図関連情報は官公庁や公共的な企業においても活用されているという、高い公共性も自負しております。加えて、当社は地域社会への貢献も企業の重要な役割と考え、地域事業への出資やスポーツ・文化活動の支援等を通じてその役割に取り組んでおります。
当社の経営においては、上記のような事業環境や事業特性並びに顧客や従業員、取引先等のステークホルダーとの関係に対する理解が必要不可欠であり、また、十分な理解なくしては、ゼンリングループの企業価値を適正に把握することは困難であると考えます。
② 基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組み
当社取締役会は、ゼンリングループの企業価値及び株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模買付者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えます。
このような不適切な大規模買付者に対しては、情報開示を積極的に求め、当社取締役会の判断、意見などとともに公表するなど、株主の皆様が適切な判断を行うための情報と時間の確保に努めるとともに、必要に応じて法令及び定款の許容する範囲内において適切な対応をしてまいります。
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記取組みは、企業価値及び株主共同の利益を確保又は向上させる目的をもってなされるものであり、基本方針に沿うものです。
従いまして、これらの取り組みは基本方針に沿い、当社株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は191百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
① 資金需要
当社グループの資金需要は、運転資金としては、各種地図データベースの構築のための調査業務費用などがあり、設備投資資金としては、主に各種データベース製作システムやソフトウエアプログラムなどへの投資があります。
② 財政政策
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び、効率的な資金の確保を最優先としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。
資金が不足する場合、運転資金等の短期的な資金は、複数の金融機関より確保している融資枠からコスト面を考慮し1年以内の借入金で、また、設備投資資金等の長期的な資金は、ファイナンス・リースの活用や金利変動リスクを考慮した固定金利の長期借入金で調達しております。なお、余剰資金が生じた場合は、借入金の返済に充当しております。
以上により、当社グループの今後の事業活動において必要な運転資金及び設備投資資金を確保することは可能と考えております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
「(3)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおり重要な変更はありません。