有価証券報告書-第81期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、常にお客さまを第一に考え、印刷を核に、持続的に発展し、社会に貢献することを経営理念として掲げ、さらに以下の3つの経営基本方針によって当社が目指すべき姿を明確にしております。
① 技術革新
印刷業界は日進月歩で技術が進化を続けています。サンメッセでも、その波に乗り遅れることなく、常に新しい技術を開発し、または設備を導入し、最先端の技術革新を続けてきました。これからも、最先端の情報に敏感に、常に新しい技術革新に挑戦していきます。
② 法令順守
サンメッセでは、法令はもちろん各種規則や社会的規範などを守り、常に公正な企業活動を行うことを基本としています。社内には「監査室(内部統制)」や「コンプライアンス委員会」「リスク管理委員会」などを設け、コンプライアンスに対する社員の意識向上を維持しています。
③ 環境保護
サンメッセでは、社会の一翼を担う企業として、「サンメッセ環境宣言」を発して、印刷を核とした環境保全に努めています。個々の環境にやさしい印刷技術を採用してお客さまに提供している他、社内でも社員一丸となって環境活動を実施しています。
(2) 目標とする経営指標
当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより営業利益率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)を向上することを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、世界経済は、各国の金融政策や通商政策の動向、中国をはじめとする主要国の景気動向、並びにイラン情勢を含む中東地域の緊迫化等に伴う地政学的リスクやエネルギー需給の変動等の影響により、先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、我が国経済においても、物価上昇が個人消費に与える影響に加え、人件費・物流費等のコスト上昇や人手不足による供給制約、円相場及び資源価格の変動等が企業収益や設備投資の下押し要因となることが懸念されます。さらに、印刷業界においても、原材料調達への不安が出始めている状況です。
当社グループにおきましては、2026年度においても、VUCAの時代を生き抜き、10年後の創業100周年を目指すべく、90周年を契機に制定したコーポレート・パーパス『対話(コミュニケーション)と技術力で、“感動をデザイン”する。』を掲げ、サステナビリティ経営を基軸として持続的成長を図り、当社新ビジョンである「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』へ」の実現に向け、具体的な取り組みを継続して推し進めてまいります。
① 新たな経営理念体系を策定
当社は2025年、創業90周年を機に、2035年の100周年に向け、さらにその先の未来においても、全社員が想いを一つにできるよう、当社のDNAであり経営の根幹である社是・経営理念の一部改訂を行い、当社初のコーポレート・パーパスを策定いたしました。さらにパーパスの実現に向けて、グループ全体で共有すべき価値観としてのミッション(使命)、ビジョン(ありたい姿)、バリューズ(価値観)を同時に制定しました。
当社初となるコーポレート・パーパスは、創業以来、当社が重視してきた「お客さまを大切にする姿勢」と、総合印刷企業としての「ものづくりへのこだわり」によって、お客さま・地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーに対して「感動」という価値を創出するという当社グループの強い想いを示したものです。当社は新たな経営理念体系をもとに、2035年のありたい姿として掲げる、「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」の実現に向けた変革に挑戦してまいります。

② 当社を取り巻く環境
現在の印刷業界は、デジタルシフトの進展による情報伝達手段の多様化や、ペーパーレス化の加速により、市場構造が劇的に変化しています。加えて、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰や、脱炭素社会に向けた環境負荷低減への要請が一段と強まっております。このような先行きの不透明感が増すなか、労働力不足への対応や生産プロセスのDX化など、事業継続における効率性と持続可能性の両立が不可欠な状況にあります。

③ 新経営ビジョン(中長期経営計画)「Change -SX2035- 印刷を、超える。」
このような環境変化に対応すべく、当社は創業100周年にあたる2035年をターゲットにした新経営ビジョン(中長期経営計画)「Change -SX2035- 印刷を、超える。」を策定いたしました。
新経営ビジョン(中長期経営計画)の基本方針として「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」を掲げ、①事業ポートフォリオの確立、②成長領域の安定成長と高収益体質への転換、③多様な人材の尊重とイノベーションを生む自律型組織の実現に向けて取り組みます。コア事業である商業印刷を堅持しつつ、IPS(セキュア事業)、パッケージといった成長領域へ経営資源を重点配分し、2035年までに「印刷を超えた領域」での収益の柱を確立します。従来の印刷業の枠を超え、新たな顧客価値を創造する『総合コミュニケーション企業』へと、事業ドメインを再定義し、持続可能な成長軌道を描いてまいります。



④ 第一次中期経営計画(FY2026-FY2028)における重点施策
このビジョン実現に向けた基盤づくりとなる第一次中期経営計画では「構造改革」と「会社変革に向けた事業推進」を基本方針に、以下の重点施策に取り組みます。
(1) 利益創出
製造工程の徹底した数値化・可視化を推進し、生産リードタイムの削減を目指します。内製稼働率を高める受注活動に注力することにより、限界利益を重視した高効率な収益モデルを確立します。これにより製造工程における固定費比率を圧縮し、資産回転率を高めることで収益性を向上させます。
(2) 稼ぐ会社への体質改善
市場成長率の高い大都市圏(東京・名古屋・大阪)でのリソースを強化し、各商圏におけるシェア拡大を図ります。同時に、単なる物品の提供から、お客さまのビジネスに深く入り込む高付加価値なサービスの提供へとシフトし「稼ぐ力」を底上げします。また、原価低減を実現する印刷ワークフローの自動化にも取り組み、製造工程における利益確保を抜本的に変える基盤構築に取り組みます。
(3) 事業ポートフォリオ確立に向けた基盤づくり
収益性の高いIPS分野、持続的な成長が見込まれるパッケージ分野など、成長市場に対するリソースの投下を重点的に行います。また同時に目的を持った業務提携、資本提携を戦略的に進め、将来性や収益性の高い事業領域の拡大も推進します。

⑤ コーポレート機能の基盤構築
新経営ビジョン「Change -SX2035- 印刷を、超える。」の実現に向け、変革を支える経営基盤の構築を優先課題の一つとして掲げています。特に「人的資本」と「DX」については、重点的に施策を推進することで、持続的な企業価値の向上を図ります。
当社では人材を「資本」と捉え、個々の成長を将来的な事業成果へとつなげる「人的資本経営」を推進しています。90周年事業では、社内公募型のサクセッションプランを実施し、次世代のリーダー層に対して経営スキルの習得機会を提供しました。さらに本プログラムより選抜したメンバーが、新たな企業理念体系や新経営ビジョン(中長期経営計画)の策定プロセスに参画。次世代の感性を戦略へと昇華させると同時に、未来の経営を自らデザインするオーナーシップの醸成を図りました。また新事業開発プロジェクトにおいても、社内選考を通過した女性チームによる新規事業の立ち上げ準備が着実に進んでいます。当社では引き続き、多様な人材が能力を最大限に発揮するための教育機会の提供をはじめ、人事評価制度の改定やウェルビーイング向上に資する取り組みを積極的に推進します。
またDX分野においては、新たなMIS(経営情報システム)の整備を進め、経営指標のリアルタイムな可視化による、迅速な経営判断を行うための基盤を整備します。営業見積や生産計画など、実務レベルでのAI実装を推進し、自動化によって創出したリソースを高付加価値業務へとシフトすることで、テクノロジーを「競争力の源泉」として活用してまいります。
⑥ 資本政策
持続的な企業価値の向上と資本効率の改善を重視した資本政策を推進するため、当社は財務健全性の維持を前提としつつ、既存事業で創出したキャッシュを成長領域へ優先的に再投資し、あわせて適切な株主還元を実施することで、最適な資本構成を追求してまいります。
まず、中長期的な収益基盤の拡大を図るための施策として「戦略的な投資枠」を設定いたします。この投資枠は、成長事業や成長市場における設備投資やコーポレート機能の高度化を目的とするシステム開発に加え、事業競争力をさらに強化するためのM&Aや戦略的提携へと機動的に配分してまいります。大型の戦略投資が必要となった場合には、財務健全性を十分に勘案したうえで、手元流動性の活用のみならず有利子負債の機動的な活用も検討し、資本コストを意識した最適な資金調達を行います。
また、資本効率(ROE)の向上を意識し、政策保有株式の継続的な縮減を進め、そこで得られた資金を成長投資や株主還元に充当することで、バランスシートの最適化を図ります。事業成長に伴う利益成長に応じ、安定的な配当の維持・継続を基本としつつ、配当性向を意識した還元に努め、経営の重要課題として株主への利益還元に取り組んでまいります。
⑦ サステナビリティ経営の推進
当社は、2025年5月に創業90周年を迎えたことを機に、2035年に向けた100年企業を目指し、さらにその先の未来を見据えたコーポレート・パーパス「対話(コミュニケーション)と技術力で、“感動をデザイン”する。」を新たに制定し、これを実現するためのミッション・ビジョン・バリューズを併せて策定しました。
当社は、岐阜県下の上場企業で真っ先にSDGs宣言を発し、17のゴールのうち7つを貢献すべき課題として特定しています。その行動の軸となるのが、サンメッセ社会価値共創事業モデル「SSI-G(SunMesse Social Impact Gifu)」です。当社が運営するSDGs共創プラットフォーム「Re:touch(リ:タッチ)」を中心に、文化、教育、リジェネレーション(再生)、環境、DXの5つのフィールドで、産官学やNPO/NGOなど数多くのパートナーシップを創出し、岐阜県内における独自のポジション構築に努めています。また新たな取り組みとして、岐阜県を中心とした地域金融機関と連携し、中小企業を含めた地域企業のサステナビリティ経営を加速させる協働モデルの構築を進めています。
喫緊の課題である気候変動対策については、2022年6月に当社としてのカーボンニュートラル宣言を公表し、2050年カーボンニュートラルを実現すべく、現状の温室効果ガス排出量と長期目標とのギャップを精緻に把握したうえで、削減ロードマップの再構築に取り組んでいます。
併せて、SBT(Science Based Targets)認定の取得を目指し、科学的根拠に基づく削減目標の設定に向けた検討を進めています。引き続きCDP※1への自主回答、TCFD※2提言、経済産業省が推進するGXリーグ※3にも参加し、脱炭素に向けた包括的な取り組みを進めてまいります。人的資本に関する取り組みとしては、2023年に取得した女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定(3つ星)」に加え、2026年3月には「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。また、岐阜市が推進するWORK! DIVERSITYに係る「雇用施策検討会議」に当社代表取締役社長が発起人として参画し、就労困難者の雇用拡大に向けた提言書を岐阜市長へ提出するなど、誰もが自分らしく働ける社会の実現に向けた取り組みを「岐阜モデル」として推進しています。

その他ESG課題についても、国際的な評価機関からの評価も受けつつ取り組みを継続的に見直し、あらゆるステークホルダーとの共創による、サステナビリティ経営推進の仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。
これらの活動を通じて、100周年、さらにその先においても、社会に選ばれる企業であり続けられるよう邁進してまいります。
※1 Carbon Disclosure Project
※2 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
※3 経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に基づき設置され、持続可能な成長実現を目指す企業が、様々な企業群や官公庁、大学などと一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践を行う場
当社グループは、常にお客さまを第一に考え、印刷を核に、持続的に発展し、社会に貢献することを経営理念として掲げ、さらに以下の3つの経営基本方針によって当社が目指すべき姿を明確にしております。
① 技術革新
印刷業界は日進月歩で技術が進化を続けています。サンメッセでも、その波に乗り遅れることなく、常に新しい技術を開発し、または設備を導入し、最先端の技術革新を続けてきました。これからも、最先端の情報に敏感に、常に新しい技術革新に挑戦していきます。
② 法令順守
サンメッセでは、法令はもちろん各種規則や社会的規範などを守り、常に公正な企業活動を行うことを基本としています。社内には「監査室(内部統制)」や「コンプライアンス委員会」「リスク管理委員会」などを設け、コンプライアンスに対する社員の意識向上を維持しています。
③ 環境保護
サンメッセでは、社会の一翼を担う企業として、「サンメッセ環境宣言」を発して、印刷を核とした環境保全に努めています。個々の環境にやさしい印刷技術を採用してお客さまに提供している他、社内でも社員一丸となって環境活動を実施しています。
(2) 目標とする経営指標
当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより営業利益率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)を向上することを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、世界経済は、各国の金融政策や通商政策の動向、中国をはじめとする主要国の景気動向、並びにイラン情勢を含む中東地域の緊迫化等に伴う地政学的リスクやエネルギー需給の変動等の影響により、先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、我が国経済においても、物価上昇が個人消費に与える影響に加え、人件費・物流費等のコスト上昇や人手不足による供給制約、円相場及び資源価格の変動等が企業収益や設備投資の下押し要因となることが懸念されます。さらに、印刷業界においても、原材料調達への不安が出始めている状況です。
当社グループにおきましては、2026年度においても、VUCAの時代を生き抜き、10年後の創業100周年を目指すべく、90周年を契機に制定したコーポレート・パーパス『対話(コミュニケーション)と技術力で、“感動をデザイン”する。』を掲げ、サステナビリティ経営を基軸として持続的成長を図り、当社新ビジョンである「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』へ」の実現に向け、具体的な取り組みを継続して推し進めてまいります。
① 新たな経営理念体系を策定
当社は2025年、創業90周年を機に、2035年の100周年に向け、さらにその先の未来においても、全社員が想いを一つにできるよう、当社のDNAであり経営の根幹である社是・経営理念の一部改訂を行い、当社初のコーポレート・パーパスを策定いたしました。さらにパーパスの実現に向けて、グループ全体で共有すべき価値観としてのミッション(使命)、ビジョン(ありたい姿)、バリューズ(価値観)を同時に制定しました。
当社初となるコーポレート・パーパスは、創業以来、当社が重視してきた「お客さまを大切にする姿勢」と、総合印刷企業としての「ものづくりへのこだわり」によって、お客さま・地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーに対して「感動」という価値を創出するという当社グループの強い想いを示したものです。当社は新たな経営理念体系をもとに、2035年のありたい姿として掲げる、「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」の実現に向けた変革に挑戦してまいります。

② 当社を取り巻く環境
現在の印刷業界は、デジタルシフトの進展による情報伝達手段の多様化や、ペーパーレス化の加速により、市場構造が劇的に変化しています。加えて、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰や、脱炭素社会に向けた環境負荷低減への要請が一段と強まっております。このような先行きの不透明感が増すなか、労働力不足への対応や生産プロセスのDX化など、事業継続における効率性と持続可能性の両立が不可欠な状況にあります。

③ 新経営ビジョン(中長期経営計画)「Change -SX2035- 印刷を、超える。」
このような環境変化に対応すべく、当社は創業100周年にあたる2035年をターゲットにした新経営ビジョン(中長期経営計画)「Change -SX2035- 印刷を、超える。」を策定いたしました。
新経営ビジョン(中長期経営計画)の基本方針として「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」を掲げ、①事業ポートフォリオの確立、②成長領域の安定成長と高収益体質への転換、③多様な人材の尊重とイノベーションを生む自律型組織の実現に向けて取り組みます。コア事業である商業印刷を堅持しつつ、IPS(セキュア事業)、パッケージといった成長領域へ経営資源を重点配分し、2035年までに「印刷を超えた領域」での収益の柱を確立します。従来の印刷業の枠を超え、新たな顧客価値を創造する『総合コミュニケーション企業』へと、事業ドメインを再定義し、持続可能な成長軌道を描いてまいります。



④ 第一次中期経営計画(FY2026-FY2028)における重点施策
このビジョン実現に向けた基盤づくりとなる第一次中期経営計画では「構造改革」と「会社変革に向けた事業推進」を基本方針に、以下の重点施策に取り組みます。
(1) 利益創出
製造工程の徹底した数値化・可視化を推進し、生産リードタイムの削減を目指します。内製稼働率を高める受注活動に注力することにより、限界利益を重視した高効率な収益モデルを確立します。これにより製造工程における固定費比率を圧縮し、資産回転率を高めることで収益性を向上させます。
(2) 稼ぐ会社への体質改善
市場成長率の高い大都市圏(東京・名古屋・大阪)でのリソースを強化し、各商圏におけるシェア拡大を図ります。同時に、単なる物品の提供から、お客さまのビジネスに深く入り込む高付加価値なサービスの提供へとシフトし「稼ぐ力」を底上げします。また、原価低減を実現する印刷ワークフローの自動化にも取り組み、製造工程における利益確保を抜本的に変える基盤構築に取り組みます。
(3) 事業ポートフォリオ確立に向けた基盤づくり
収益性の高いIPS分野、持続的な成長が見込まれるパッケージ分野など、成長市場に対するリソースの投下を重点的に行います。また同時に目的を持った業務提携、資本提携を戦略的に進め、将来性や収益性の高い事業領域の拡大も推進します。

⑤ コーポレート機能の基盤構築
新経営ビジョン「Change -SX2035- 印刷を、超える。」の実現に向け、変革を支える経営基盤の構築を優先課題の一つとして掲げています。特に「人的資本」と「DX」については、重点的に施策を推進することで、持続的な企業価値の向上を図ります。
当社では人材を「資本」と捉え、個々の成長を将来的な事業成果へとつなげる「人的資本経営」を推進しています。90周年事業では、社内公募型のサクセッションプランを実施し、次世代のリーダー層に対して経営スキルの習得機会を提供しました。さらに本プログラムより選抜したメンバーが、新たな企業理念体系や新経営ビジョン(中長期経営計画)の策定プロセスに参画。次世代の感性を戦略へと昇華させると同時に、未来の経営を自らデザインするオーナーシップの醸成を図りました。また新事業開発プロジェクトにおいても、社内選考を通過した女性チームによる新規事業の立ち上げ準備が着実に進んでいます。当社では引き続き、多様な人材が能力を最大限に発揮するための教育機会の提供をはじめ、人事評価制度の改定やウェルビーイング向上に資する取り組みを積極的に推進します。
またDX分野においては、新たなMIS(経営情報システム)の整備を進め、経営指標のリアルタイムな可視化による、迅速な経営判断を行うための基盤を整備します。営業見積や生産計画など、実務レベルでのAI実装を推進し、自動化によって創出したリソースを高付加価値業務へとシフトすることで、テクノロジーを「競争力の源泉」として活用してまいります。
⑥ 資本政策
持続的な企業価値の向上と資本効率の改善を重視した資本政策を推進するため、当社は財務健全性の維持を前提としつつ、既存事業で創出したキャッシュを成長領域へ優先的に再投資し、あわせて適切な株主還元を実施することで、最適な資本構成を追求してまいります。
まず、中長期的な収益基盤の拡大を図るための施策として「戦略的な投資枠」を設定いたします。この投資枠は、成長事業や成長市場における設備投資やコーポレート機能の高度化を目的とするシステム開発に加え、事業競争力をさらに強化するためのM&Aや戦略的提携へと機動的に配分してまいります。大型の戦略投資が必要となった場合には、財務健全性を十分に勘案したうえで、手元流動性の活用のみならず有利子負債の機動的な活用も検討し、資本コストを意識した最適な資金調達を行います。
また、資本効率(ROE)の向上を意識し、政策保有株式の継続的な縮減を進め、そこで得られた資金を成長投資や株主還元に充当することで、バランスシートの最適化を図ります。事業成長に伴う利益成長に応じ、安定的な配当の維持・継続を基本としつつ、配当性向を意識した還元に努め、経営の重要課題として株主への利益還元に取り組んでまいります。
⑦ サステナビリティ経営の推進
当社は、2025年5月に創業90周年を迎えたことを機に、2035年に向けた100年企業を目指し、さらにその先の未来を見据えたコーポレート・パーパス「対話(コミュニケーション)と技術力で、“感動をデザイン”する。」を新たに制定し、これを実現するためのミッション・ビジョン・バリューズを併せて策定しました。
当社は、岐阜県下の上場企業で真っ先にSDGs宣言を発し、17のゴールのうち7つを貢献すべき課題として特定しています。その行動の軸となるのが、サンメッセ社会価値共創事業モデル「SSI-G(SunMesse Social Impact Gifu)」です。当社が運営するSDGs共創プラットフォーム「Re:touch(リ:タッチ)」を中心に、文化、教育、リジェネレーション(再生)、環境、DXの5つのフィールドで、産官学やNPO/NGOなど数多くのパートナーシップを創出し、岐阜県内における独自のポジション構築に努めています。また新たな取り組みとして、岐阜県を中心とした地域金融機関と連携し、中小企業を含めた地域企業のサステナビリティ経営を加速させる協働モデルの構築を進めています。
喫緊の課題である気候変動対策については、2022年6月に当社としてのカーボンニュートラル宣言を公表し、2050年カーボンニュートラルを実現すべく、現状の温室効果ガス排出量と長期目標とのギャップを精緻に把握したうえで、削減ロードマップの再構築に取り組んでいます。
併せて、SBT(Science Based Targets)認定の取得を目指し、科学的根拠に基づく削減目標の設定に向けた検討を進めています。引き続きCDP※1への自主回答、TCFD※2提言、経済産業省が推進するGXリーグ※3にも参加し、脱炭素に向けた包括的な取り組みを進めてまいります。人的資本に関する取り組みとしては、2023年に取得した女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定(3つ星)」に加え、2026年3月には「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。また、岐阜市が推進するWORK! DIVERSITYに係る「雇用施策検討会議」に当社代表取締役社長が発起人として参画し、就労困難者の雇用拡大に向けた提言書を岐阜市長へ提出するなど、誰もが自分らしく働ける社会の実現に向けた取り組みを「岐阜モデル」として推進しています。

その他ESG課題についても、国際的な評価機関からの評価も受けつつ取り組みを継続的に見直し、あらゆるステークホルダーとの共創による、サステナビリティ経営推進の仕組みづくりに積極的に取り組んでいます。
これらの活動を通じて、100周年、さらにその先においても、社会に選ばれる企業であり続けられるよう邁進してまいります。
※1 Carbon Disclosure Project
※2 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
※3 経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」に基づき設置され、持続可能な成長実現を目指す企業が、様々な企業群や官公庁、大学などと一体となり、経済社会システムの変革や新たな市場を作るための実践を行う場