有価証券報告書-第88期(2025/04/01-2026/03/31)

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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価上昇の継続や金融政策の動向、中国経済の低迷に加え、米国の関税政策や中東地域における地政学的リスクの高まりなどにより、世界経済の先行き不透明感が高まる中、エネルギー価格の上昇や物流の不安定化が懸念されております。
当社グループの祖業である印刷関連事業におきましては、ペーパーレス化や少子高齢化の進展による需要減少に加え、競争の激化や価格の低迷が長期にわたり継続しており、引き続き厳しい事業環境が続いております。また、エネルギー価格や物流費、人件費の高騰のほか、断続的に実施される印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化(紙離れ)を一層加速させ、カタログやチラシ等の商業印刷物の減少が続いており、以前の水準に回復することは困難な状況です。
一方、半導体関連分野におきましては、AIサーバーやデータセンター関連需要の拡大を背景に、中長期的な市場成長が見込まれております。足元では中国経済の低迷やEV市場の減速などの影響も見られるものの、当社グループにおいては、当該分野を中長期的な収益拡大を担う中核事業と位置付けております。
このような環境のもと、当社グループは、既存事業の収益力強化に加え、半導体関連マスク事業、BPO・DX領域及びグローバルパッケージ事業への投資を通じて、事業ポートフォリオの変革を推進しております。
また、当社は中長期に目指す姿を「社会の課題解決を総合的に支援するパートナー」として位置付け、2024年度から2026年度までの3年間を対象期間とする中期経営計画「Takeda iP Create a Value Project」を推進しております。同計画では、既存事業の収益力強化、事業ポートフォリオの変革、成長分野への積極投資、株主還元の強化、攻めの経営を可能とするガバナンス体制への変革、海外事業の強化などを重点施策として掲げ、PBR1倍超の早期実現を含む企業価値の向上を目指しております。
当連結会計年度は中期経営計画の2年目として、当初目標値の上方修正を行うとともに、これらの重点施策を着実に推進し、計画の実現に向けた取り組みを一層前進させました。特に、国内印刷市場の縮小に対応するため、海外事業の強化や成長分野への投資を進めるとともに、既存事業の収益力強化と事業構造改革に取り組みました。
半導体関連マスク事業においては、国内における設備更新及び拠点再編による生産性向上と固定費削減を進めるとともに、海外拠点との連携強化により収益基盤の強化を図りました。また、情報コミュニケーション事業においては、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大により、印刷依存からの脱却を進めております。
さらに、人的資本経営の更なる充実を図るため、当社及び竹田印刷株式会社にて「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を受けるなど、従業員が能力を最大限に発揮できるよう心身の健康を保持増進するとともに、創造性や生産性の高い職場環境を実現する健康経営を進めております。
こうした取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産の部)
現金及び預金などが減少いたしましたが、受取手形及び売掛金、有価証券、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、リース資産、建設仮勘定、投資有価証券などの増加により、前連結会計年度末に比べ31億66百万円増加し、346億54百万円となりました。
(負債の部)
電子記録債務、退職給付に係る負債などが減少いたしましたが、支払手形及び買掛金、リース債務、繰延税金負債などの増加により、前連結会計年度末に比べ15億12百万円増加し、146億55百万円となりました。
(純資産の部)
利益剰余金、その他有価証券評価差額金などの増加により、前連結会計年度末に比べ16億53百万円増の199億98百万円となり、自己資本比率は57.3%となりました。
b. 経営成績
当社グループの当連結会計年度における売上高は344億79百万円(前期比0.8%増)となりました。このうち、海外売上高は35億37百万円(前期比3.6%増)となり、海外売上比率は10.3%(前期は10.0%)となりました。利益面では、営業利益13億2百万円(前期比5.3%減)、経常利益14億55百万円(前期比1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億14百万円(前期比10.7%減)となりました。
前期比では増収減益となりましたが、中期経営計画における収益目標を上回る結果となり、最終年度の達成に向けて着実に前進いたしました。
セグメント別の状況は、以下のとおりです。
(情報コミュニケーション)
情報コミュニケーションでは、印刷事業を基盤に、グローバルパッケージ、ロジスティクス(BPOサポート)、システム関連、プロモーション支援を組み合わせたワンストップソリューションを提供し、顧客の課題解決を総合的に支援しております。
これらの取り組みを強力に推進し、顧客にとっての価値(顧客価値)を創造し、その価値に見合った収益に結びつけることで業績向上に努めております。また、次世代を担う人材の採用と育成により、これまでの概念や思考に捉われない自由な発想で、新規顧客の開拓や新たな製品・サービスを提供し、印刷事業への依存度を低減する事業ポートフォリオ改革を進めております。
印刷事業では、他事業とのクロスセル、品質管理と情報セキュリティ管理を徹底し、紙媒体需要の取り込みを図りましたが、商業印刷物の減少が響き、苦戦を強いられました。グローバルパッケージ事業では、海外展開を進める中、TAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.において昨年10月より当社グループ最大規模となる工場の操業を開始しました。ロジスティクス(BPOサポート)事業では、積極的な投資を通じて、受発注管理システムのプラットフォーム「TS-BASE」の新規成約の獲得や既存顧客への追加機能の提供のほか、ロジスティクス及び事務局代行業務の受託を拡大しました。プロモーション支援事業では各種制作物や自社通販及び顧客の通販代行に加え、ノベルティを中心とした物品製造販売の需要を取り込みました。
上記の結果、情報コミュニケーションセグメントの売上高は161億81百万円(前期比2.6%減)、営業利益は3億48百万円(前期比41.4%減)となりました。
(ソリューションセールス)
ソリューションセールスでは、国内印刷市場の縮小により厳しい市場環境にあるものの、株式会社光文堂を中核として、日本全国に展開する拠点を活用し、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローを通じてシェア拡大を図っております。また、印刷関連機材や資材の販売にとどまらず、顧客の設備投資や業務効率化に資する提案型営業を展開し、生産性向上や省人化ニーズへの対応を進めております。さらに、印刷業界に捉われない新商品の開発と新規顧客の開拓にも取り組み、事業領域の拡大を推進しております。
こうした活動の一環として、株式会社光文堂では、全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を行っており、昨年10月には「第49回最新製本省力化機材展」、本年1月にはPrint Doors2026(第62回光文堂新春機材展)を開催するなど、販売活動を強化しました。新商品の開発・販売では、オンデマンド段ボール加工機「KBD AUTO SLOTTER」の販売を開始いたしました。
これらの取り組みにより、資材販売・機械販売ともに好調に推移しました。利益面では、増収効果に加え、利益率の高い自社ブランド製品の販売増が寄与し、増益となりました。
上記の結果、ソリューションセールスセグメントの売上高は138億25百万円(前期比16.7%増)、営業利益は3億92百万円(前期比51.3%増)となりました。
(半導体関連マスク)
半導体関連マスクでは、竹田東京プロセスサービス株式会社と株式会社プロセス・ラボ・ミクロンの国内2社、そして中国と東南アジアに展開する海外3社が連携し、会社の垣根を越えた人事交流や情報共有による課題解決、新製品開発に組織的に取り組むことで、グループ全体最適とシナジーの最大化を目指しております。当社グループにおいて、同事業は中長期的な収益拡大を担う中核事業と位置付け、成長分野として重点的に強化しております。
世界半導体市場においては、AIサーバーやデータセンター関連をはじめとする需要拡大を背景に、中長期的な成長が見込まれており、当社グループにおける各種マスク需要も回復基調で推移しました。しかしながら、中国経済の低迷や世界的なEV市場の減速の影響もあり、本格回復には至りませんでした。分野別では、AIサーバー関連やスマートフォン、通信デバイス向けが好調に推移した一方、自動車分野においては、一部で生産面の調整の影響が見られたことに加え、EV需要の減速により、出荷は低調に推移しました。
海外では、市場低迷が続く中国においても堅実に業績を確保した一方、タイ及びベトナムにおいては、市場環境の影響を受け、受注は弱含みで推移しました。
一方、国内では、拠点の統廃合や生産体制の再編を進めることで、生産効率の向上及び固定費の最適化を図り、収益体質の強化に取り組みました。具体的には、株式会社プロセス・ラボ・ミクロンにおいて、本社工場の建替え及び本社工場・九州工場における生産設備の更新を実施し、生産性の向上を図るとともに、中部テクノロジーセンターを閉鎖し生産活動を集約することで、固定費の削減を推進しました。
これらの取り組みにより、設備投資の効果と構造改革が相まって、収益性は着実に改善しました。
上記の結果、半導体関連マスクセグメントの売上高は63億88百万円(前期比5.0%増)、営業利益は5億66百万円(前期比28.4%増)となりました。
(不動産賃貸)
当社グループが保有する土地・建物などの有効活用を目的として、連結子会社や外部顧客に対する不動産賃貸事業を行っております。保有資産の有効活用により安定収益を確保しましたが、コスト増加等の影響により減益となりました。当連結会計年度の売上高は7億82百万円(前期比0.9%増)、営業利益は4億24百万円(前期比5.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億51百万円減少し、59億35百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、11億29百万円(前期は28億16百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億9百万円、減価償却費10億9百万円、減損損失81百万円などにより資金が増加した一方、投資有価証券売却益2億63百万円、固定資産除売却益92百万円、退職給付に係る負債の減少96百万円、売上債権の増加3億24百万円、法人税等の支払額3億68百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14億58百万円(前期は12億74百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入1億50百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入3億17百万円などにより資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出16億95百万円、無形固定資産の取得による支出2億97百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億77百万円(前期は9億21百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入5億円により資金が増加した一方、リース債務の返済による支出3億36百万円、長期借入金の返済による支出2億93百万円、配当金の支払額3億41百万円などにより資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
情報コミュニケーション16,905△0.5
ソリューションセールス--
半導体関連マスク6,7944.1
不動産賃貸--
合計23,7000.8

(注)生産実績は、販売価額により表示しております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比
(%)
受注残高(百万円)前期比
(%)
情報コミュニケーション16,091△4.42,235△3.9
ソリューションセールス13,53813.8721△28.4
半導体関連マスク6,4275.320523.5
不動産賃貸----
合計36,0573.53,162△9.7

(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
情報コミュニケーション16,181△2.6
ソリューションセールス13,82516.7
半導体関連マスク6,3885.0
不動産賃貸7820.9
消去△2,698△141.9
合計34,4790.8

(注)販売実績は、販売価額により表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べ2億81百万円増加し、344億79百万円(前期比0.8%増)となりました。当社グループは、国内印刷市場の長期的な縮小に対応するため、既存事業の収益力強化に加え、中長期的な収益拡大を担う中核事業として位置付ける半導体関連マスク事業の強化、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大、グローバルパッケージ事業への投資を通じて、事業ポートフォリオの変革を進めております。
当連結会計年度においては、半導体関連マスクが、国内における生産体制の再編効果等により増収増益となりました。また、ソリューションセールスも、資材販売・機械販売の好調な推移に加え、利益率の高い自社ブランド製品の販売増が寄与し、増収増益となりました。一方、情報コミュニケーションは、商業印刷物の減少やコスト増加等の影響を受け、減収減益となりました。
また、当社グループでは海外事業の強化を進めており、海外売上高は35億37百万円(前期比3.6%増)、海外売上比率は10.3%(前期は10.0%)となりました。TAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.では、当社グループ最大規模となる新工場が2025年10月より操業を開始しており、グローバルパッケージ事業の拡大に向けた基盤整備が進んでいると認識しております。
売上原価は、前期に比べ94百万円増加し、269億82百万円(前期比0.4%増)となりましたが、売上原価率は前期の78.6%から78.3%へ改善しました。一方、販売費及び一般管理費は、人件費の増加、減価償却費、貸倒引当金繰入額、その他費用の増加などにより、前期に比べ2億59百万円増加し、61億94百万円(前期比4.4%増)となりました。この結果、営業利益は前期に比べ73百万円減少し、13億2百万円(前期比5.3%減)となりました。
営業外収益は、受取配当金、為替差益、貸倒引当金戻入額などの増加により、前期に比べ65百万円増加し、2億12百万円となりました。営業外費用は、支払利息などの増加により、前期に比べ15百万円増加し、60百万円となりました。この結果、経常利益は前期に比べ23百万円減少し、14億55百万円(前期比1.6%減)となりました。
特別利益は、固定資産売却益1億41百万円、投資有価証券売却益2億63百万円、会員権売却益3百万円などを計上したことにより、4億9百万円となりました。前期は補助金収入4億90百万円を計上していたことなどから、特別利益は前期に比べ1億38百万円減少しました。
特別損失は、固定資産除売却損49百万円、減損損失81百万円、特別調査費用等6百万円、解体撤去引当金繰入額16百万円などを計上したことにより、1億54百万円となりました。前期は固定資産圧縮損4億64百万円などを計上していたことから、特別損失は前期に比べ5億52百万円減少しました。
法人税等合計は、法人税、住民税及び事業税3億90百万円、法人税等調整額2億円を計上したことにより、5億90百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ1億33百万円減少し、11億14百万円(前期比10.7%減)となりました。
当連結会計年度は、前期比では増収減益となりましたが、中期経営計画の2年目として、当連結会計年度に係る当初の収益目標を上回る結果となりました。また、半導体関連マスクの収益性改善、ソリューションセールスの伸長、海外売上比率の上昇などにより、国内印刷市場の縮小に対応した事業ポートフォリオ変革は一定の進捗があったものと認識しております。
b. 経営成績等に重要な影響を与えた要因
当社グループの業績に重要な影響を与えた要因としては、中長期的な成長分野と位置付ける半導体関連マスク事業における収益性の改善、ソリューションセールスにおける販売活動の強化及び自社ブランド製品の販売増、ならびに情報コミュニケーションにおける国内印刷市場縮小の影響が挙げられます。
半導体関連マスクにおきましては、AIサーバーやデータセンター関連需要の拡大を背景に、中長期的な市場成長が見込まれております。当連結会計年度においては、中国経済の低迷や世界的なEV市場の減速などの影響により市場環境はなお回復途上にあるものの、当社グループにおける各種マスク需要は回復基調で推移しました。また、国内では、拠点の統廃合や生産体制の再編、設備更新による生産性向上及び固定費の最適化を進めたことにより、収益性は着実に改善しました。
ソリューションセールスにおきましては、全国拠点を活用した顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローに加え、展示会等を通じた販売活動の強化により、資材販売・機械販売ともに好調に推移しました。また、利益率の高い自社ブランド製品の販売増も寄与し、収益拡大につながりました。
一方、国内の印刷市場では、ペーパーレス化の進展による市場の縮小、競争の激化、価格の低迷という構図が長期にわたり継続しており、引き続き厳しい状況が続いております。また、エネルギー価格や物流費、人件費の高騰のほか、断続的に実施される印刷用紙の値上げが広告宣伝媒体のデジタル化、いわゆる紙離れを一層加速させ、カタログ、チラシ等の商業印刷物の減少が続いております。
このような状況下において、当社グループは、中期経営計画に掲げる既存事業の収益力強化、事業ポートフォリオの変革、成長分野への積極投資、株主還元の強化、攻めの経営を可能とするガバナンス体制への変革などの各種施策を着実に推進しました。当連結会計年度は、情報コミュニケーションが減益となった一方、半導体関連マスク及びソリューションセールスが増収増益となり、事業ポートフォリオ変革は着実に前進しているものと認識しております。
また、資本効率の向上に向けては、成長分野への投資による収益力の強化に加え、政策保有株式の縮減、株主還元の強化、資本コストを意識した経営資源配分を進めることが重要であると認識しております。さらに、保有資産の効率性を継続的に検証し、事業上の必要性、収益性及び資本効率等を踏まえ、有効活用又は処分を含めた見直しを進めることで、事業ポートフォリオと資産ポートフォリオの両面から資本効率の向上を図ってまいります。これらの施策を通じて、PBR1倍超の早期実現を含む企業価値の向上を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
単位:百万円
セグメント売上高前期比セグメント
利益
前期比経営上の位置付け
情報コミュニケーション16,181△2.6%348△41.4%構造改革・収益構造転換
ソリューションセールス13,825+16.7%392+51.3%提案型営業による収益拡大
半導体関連マスク6,388+5.0%566+28.4%中核成長事業
不動産賃貸782+0.9%424△5.2%安定収益基盤

※上記の売上高及びセグメント利益は、セグメント間取引及び調整額控除前の数値であります。
(情報コミュニケーション)
情報コミュニケーションでは、印刷事業を基盤に、グローバルパッケージ、ロジスティクス(BPOサポート)、システム関連、プロモーション支援を組み合わせたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決を総合的に支援しております。国内の印刷市場では、ペーパーレス化の進展や少子高齢化による需要減少等により、カタログ、チラシ等の商業印刷物の需要は減少傾向にあります。このような環境のもと、当社グループは、紙媒体需要の取り込みを継続しつつも、グローバルパッケージ、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大により、印刷事業単体に依存する収益構造からの転換を進めております。
また、印刷事業においては、需要構造の変化に対応するため、設備の統廃合や生産体制の見直しを進めるとともに、固定費の削減及び生産性向上に取り組むことで、収益力の改善を図ってまいります。
グローバルパッケージ事業では、TAKEDA PACKAGING (Thailand) CO., LTD.において、2025年10月より当社グループ最大規模となる新工場の操業を開始しました。今後は、同工場の本格稼働を通じて、東南アジア地域における顧客のグローバル生産体制に対応した供給体制を強化し、情報コミュニケーションセグメントにおける収益基盤の拡充を図ってまいります。
当連結会計年度においては、グローバルパッケージ、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大に取り組みましたが、商業印刷物の減少やコスト増加等の影響を補うには至らず、情報コミュニケーションセグメントの売上高は161億81百万円(前期比2.6%減)、営業利益は3億48百万円(前期比41.4%減)となりました。今後は、印刷事業における設備の統廃合、固定費削減及び生産性向上による収益力改善に加え、グローバルパッケージ事業の本格的な収益貢献、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大を通じて、印刷市場縮小の影響を緩和し、セグメント全体の収益構造の転換を進めてまいります。
(ソリューションセールス)
ソリューションセールスでは、株式会社光文堂を中核として、日本全国に展開する拠点を活用し、顧客ニーズの発掘ときめ細かなフォローを通じてシェア拡大を図っております。また、印刷関連機材や資材の販売にとどまらず、顧客の設備投資や業務効率化に資する提案型営業を展開し、生産性向上や省人化ニーズへの対応を進めております。
当連結会計年度においては、全国各地でのイベント出展による広告宣伝活動を行い、2025年10月には「第49回最新製本省力化機材展」、2026年1月にはPrint Doors2026(第62回光文堂新春機材展)を開催するなど、販売活動を強化しました。また、新商品の開発・販売では、オンデマンド段ボール加工機「KBD AUTO SLOTTER」の販売を開始いたしました。
これらの取り組みにより、資材販売・機械販売ともに好調に推移しました。利益面では、増収効果に加え、利益率の高い自社ブランド製品の販売増が寄与し、増益となりました。
この結果、ソリューションセールスセグメントの売上高は138億25百万円(前期比16.7%増)、営業利益は3億92百万円(前期比51.3%増)となりました。今後も、印刷関連総合商社としての全国拠点網を活用し、顧客の設備投資や省人化・効率化ニーズに対応した提案型営業を強化することで、収益拡大を図ってまいります。
(半導体関連マスク)
半導体関連マスクでは、竹田東京プロセスサービス株式会社と株式会社プロセス・ラボ・ミクロンの国内2社、そして中国と東南アジアに展開する海外3社が連携し、会社の垣根を越えた人事交流や情報共有による課題解決、新製品開発に組織的に取り組むことで、グループ全体最適とシナジーの最大化を目指しております。
世界半導体市場においては、AIサーバーやデータセンター関連をはじめとする需要拡大を背景に、中長期的な成長が見込まれており、当社グループにおける各種マスク需要も回復基調で推移しました。しかしながら、中国経済の低迷や世界的なEV市場の減速の影響もあり、本格回復には至りませんでした。分野別では、AIサーバー関連やスマートフォン、通信デバイス向けが好調に推移した一方、自動車分野においては、一部で生産面の調整の影響が見られたことに加え、EV需要の減速により、出荷は低調に推移しました。
海外では、市場低迷が続く中国においても堅実に業績を確保した一方、タイ及びベトナムにおいては、市場環境の影響を受け、受注は弱含みで推移しました。
一方、国内では、拠点の統廃合や生産体制の再編を進めることで、生産効率の向上及び固定費の最適化を図り、収益体質の強化に取り組みました。具体的には、株式会社プロセス・ラボ・ミクロンにおいて、本社工場の建替え及び本社工場・九州工場における生産設備の更新を実施し、生産性の向上を図るとともに、中部テクノロジーセンターを閉鎖し生産活動を集約することで、固定費の削減を推進しました。
これらの取り組みにより、設備投資の効果と構造改革が相まって、収益性は着実に改善しました。この結果、半導体関連マスクセグメントの売上高は63億88百万円(前期比5.0%増)、営業利益は5億66百万円(前期比28.4%増)となりました。
今後も、AIサーバー、データセンター、通信デバイス等の需要拡大を見据え、国内外の生産体制の最適化、設備更新による生産性向上、新製品開発を進め、中長期的な収益拡大を担う中核事業として強化してまいります。
(不動産賃貸)
不動産賃貸では、当社グループが保有する土地・建物などの有効活用を目的として、連結子会社や外部顧客に対する不動産賃貸事業を行っております。当連結会計年度においては、保有資産の有効活用により安定収益を確保しましたが、コスト増加等の影響により減益となりました。
この結果、不動産賃貸セグメントの売上高は7億82百万円(前期比0.9%増)、営業利益は4億24百万円(前期比5.2%減)となりました。
c. 中長期的な目標に照らした経営成績の分析・評価
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」にて、2024年5月14日に公表いたしました、2024年度から2026年度までの3年間を対象とする中期経営計画の概要を記載しております。また、「(4)目標とする経営指標」にて目標とする経営指標を記載しております。
中期経営計画の2年目である2025年度(2026年3月期)においては、国内印刷市場の縮小という厳しい事業環境が継続する中、中長期的な収益拡大を担う中核事業と位置付ける半導体関連マスクが、設備更新及び拠点再編による生産性向上と固定費削減の効果により増収増益となりました。また、ソリューションセールスも販売活動の強化及び自社ブランド製品の販売増により収益拡大に寄与し、当社グループ全体として当連結会計年度に係る当初の収益目標を上回る結果となりました。
一方で、情報コミュニケーションでは、商業印刷物の減少やコスト増加等の影響により減益となっており、印刷事業の構造改革に加え、グローバルパッケージ、BPO・ロジスティクス・DX領域の拡大を通じた収益構造の転換が重要な課題であると認識しております。
今後も、半導体関連マスクを中核事業として強化するとともに、印刷事業の構造改革、BPO・ロジスティクス・DX領域及びグローバルパッケージ事業の拡大を通じて、事業ポートフォリオの変革をさらに推進してまいります。また、成長分野への投資による収益力の強化、政策保有株式の縮減、株主還元の強化、資本コストを意識した経営資源配分を進めることで、収益力及び資本効率の向上を図り、PBR1倍超の早期実現を含む企業価値の向上を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当期のキャッシュ・フローの概況
(単位:百万円)
2025年3月期2026年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー2,8161,129△1,687
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,274△1,458△184
フリー・キャッシュ・フロー※1,542△328△1,871
財務活動によるキャッシュ・フロー△921△477+444
現金及び現金同等物6,6865,935△751
減価償却費9191,009+89
固定資産取得による支出△1,820△1,992△172

※フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であります。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは11億29百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは14億58百万円の支出となりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは3億28百万円のマイナスとなりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は59億35百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17億9百万円、減価償却費10億9百万円、減損損失81百万円などにより資金が増加した一方、投資有価証券売却益2億63百万円、固定資産除売却益92百万円、退職給付に係る負債の減少96百万円、売上債権の増加3億24百万円、法人税等の支払額3億68百万円などにより資金が減少したことにより、11億29百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出16億95百万円、無形固定資産の取得による支出2億97百万円などがあった一方、有形固定資産の売却による収入1億50百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入3億17百万円などがあったことにより、14億58百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入5億円があった一方、リース債務の返済による支出3億36百万円、長期借入金の返済による支出2億93百万円、配当金の支払額3億41百万円などがあったことにより、4億77百万円の支出となりました。
当連結会計年度においては、成長分野への投資、設備更新、拠点再編等に伴う固定資産取得支出が営業活動によるキャッシュ・フローを上回ったことにより、フリー・キャッシュ・フローはマイナスとなりました。一方で、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は59億35百万円であり、自己資本比率も57.3%と引き続き高い水準を維持しております。また、有利子負債は前期末に比べ増加したものの、当社グループの事業規模に照らすと借入水準は抑制的な範囲にあるものと認識しております。これらを踏まえると、当社グループの財務健全性は確保されており、今後の成長投資やM&A等に対しても、財務規律を維持しながら、必要に応じて金融機関からの借入等による機動的な資金調達を行う余地を有しているものと考えております。
当期のフリー・キャッシュ・フローのマイナスは、成長投資及び収益体質強化に向けた投資を実行した結果であり、今後は当該投資の効果を営業利益及び営業キャッシュ・フローの改善につなげることが重要であると認識しております。
また、当社グループは、成長分野への投資を進める一方で、保有資産の効率性を継続的に検証し、事業上の必要性、収益性及び資本効率等を踏まえ、有効活用又は処分を含めた見直しを進めております。当連結会計年度においても、固定資産の売却等を通じて資産の入替えを進めており、今後も事業ポートフォリオと資産ポートフォリオの両面から経営資源の最適配分を図ってまいります。
当社グループは、事業ポートフォリオの変革を進める中で、成長分野への事業投資、M&A、株主還元の強化、人的資本やDX戦略への投資に必要な資金を確保しつつ、財務規律を維持した資本政策を推進してまいります。資本配分にあたっては、財務健全性を確保しながら、成長投資と株主還元のバランスを重視し、資本コストを意識した経営資源配分を行う方針です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成に当たっては、決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の報告金額、並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

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