有価証券報告書-第60期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 13:47
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126項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の金融緩和政策に伴う円安・株高の進行や、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要などにより、企業収益の改善、個人消費の増加等、景気は緩やかに回復してきました。海外につきましては、中国などの新興国経済の減速懸念などの下振れリスクもあり、不透明な状況で推移しました。
ビジネスフォーム業界におきましては、一部の市場で需要の回復は見られましたが、引き続き企業の経費削減の徹底や競争激化による価格低下、IT化・ネットワーク化の進展により、厳しい経営環境となりました。
このような状況のなか、当社グループは価値創造型企業への変革を基本方針として掲げ、成長戦略の推進と経営基盤の強化に取り組みました。
成長戦略の推進につきましては、子会社化した株式会社ジェイ エスキューブとの連携やビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の拠点として日野センターを開設するなど、データ・プリント・サービス(DPS)を核としたBPOへの領域拡大を図り、事業基盤の強化を図りました。また、増加するウェブ化・IT化ニーズに対応して、情報通信技術(ICT)分野の新事業・新サービスの開発を推進するとともに、新商品の開発・拡販と有望市場の開拓による商品事業の拡大に取り組みました。海外市場におきましては、香港・シンガポール市場の深耕を図りました。また、資本業務提携した浙江茉織華印刷有限公司との連携による中国市場の開拓とともに、海外グループ企業との連携によるASEAN市場の開拓に努めました。
経営基盤の強化につきましては、製造拠点の集約、生産性向上の追求、材料費低減など、徹底した製造コストの削減により、収益力の強化を図りました。また、より高度な情報セキュリティー体制の実現と事業継続性の対応力強化を目的として、凸版印刷株式会社と共同でグループデータセンターを構築するなど、IT基盤の強化に取り組みました。
以上の結果、前連結会計年度に比べ売上高は7.2%増の2,614億円、営業利益は3.2%増の122億円、経常利益は8.3%増の133億円、当期純利益は3.0%増の73億円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
印 刷 事 業 売 上 高 2,059億円(対前連結会計年度 4.6%増)
セグメント利益(営業利益) 137億円(対前連結会計年度 5.3%減)
ビジネスフォームでは、経費削減の徹底、競争の激化による価格低下や電子化に伴う需要量の減少はあったものの、利用者にとっての分かりやすさ、伝わりやすさを追求するユニバーサルデザインや、帳票を中心とする印刷物の調達業務を一括受託する企画・提案を推進しました。また、企業のシステム変更に伴う帳票改訂や周辺印刷物、さらには消費税増税に伴う需要などの取り込みにより、前年から増収となりました。
DPSは、通知物の電子化に伴う需要の減少や仕様の簡素化、競争激化による単価ダウンはあったものの、顧客の囲い込みに向けた販売促進用ダイレクトメール(DM)などの拡販や、プリント業務一括アウトソーシング需要の取り込み、さらには株式会社ジェイ エスキューブの子会社化を含めたBPO受託の増加などにより、前年から増収となりました。
電子メディア関連では、RFID技術を活用したソリューションを推進するとともに、文書の電子化や電子配信の対応など、ウェブビジネスが好調に推移したことにより、前年から増収となりました。
なお、徹底した製造コストの削減を図りましたが、新工場建設による減価償却費やグループデータセンター構築に伴う費用の増加などもあり、営業利益における収益性は低下しました。
以上の結果、印刷事業では前年に比べて売上高は増加し、セグメント利益は減少しました。
商 品 事 業 売 上 高 554億円(対前連結会計年度 18.2%増)
セグメント損失(営業損失)(△) △0億円(対前連結会計年度 - )
サプライ品は、当社が保有するウェブ購買システムを活用した一括受注提案を推進するとともに、販売促進用ノベルティーや運輸業界をターゲットに海外市場も含めて高機能保冷材の拡販を図りましたが、オフィス用品の販売価格の下落や、トナー販売の減少などにより、前年から減収となりました。
事務機器関連では、企業におけるメーリング業務のアウトソーシング化による需要減はあるものの、通販市場の拡大に伴い運輸業界で増加する事務機器需要の取り込みや、小売業や医療機関などへのカード発行システムの拡販、株式会社ジェイ エスキューブのスキャナー・入力機器類の販売などが加わったことにより、前年から増収となりました。
業務運用管理受託事業は、金融機関の新システム運用や、共同化システムの運用受託の取り込みなどにより、前年から増収となりました。
なお、付加価値の高い商品の拡販に加え、仕入価格の低減や低差益受注の見直しなどにより営業利益における収益性は改善しました。
以上の結果、商品事業では前年に比べて売上高は増加し、セグメント損失は縮小しました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ45億円減少し、376億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ33億円減少し138億円となりました。これは主に収入では税金等調整前当期純利益120億円、減価償却費83億円、仕入債務の増加額23億円、支出においては売上債権の増加額43億円、法人税等の支払額48億円によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ71億円増加し159億円となりました。これは主に収入では投資有価証券の売却及び償還による収入21億円、支出においては有形固定資産の取得による支出132億円、投資有価証券の取得による支出24億円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、26億円となりました。これは主に配当金の支払額27億円によるものであります。