有価証券報告書-第145期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)
有報資料
米国におけるトランプ政権の発足、英国のEU離脱に象徴されるように、世界は巨大な不確実性に支配されています。世界政治、世界経済の秩序が揺らぎ始めた今こそ、我々は中正公平、経済の平和的民主的発展という信条や価値観に立ち、言論にさらに磨きをかけなければなりません。メディアを取り巻く事業環境も大きく変わっています。若年層を中心とする新聞無読層の拡大、スマートフォンの普及によるメディア接触の変化によって、地方紙を含めた国内新聞販売部数はこの5年で1割減りました。現状をしっかりと認識して、日経はメディアとして進化し続けなければなりません。
一つの進路は、最先端のITを駆使し、読者が必要とする時に必要な情報を的確に届ける「テクノロジーメディア」(Tech-driven Nikkei)になることです。紙の新聞製作の時間軸に縛られたままでは、必要な時に必要な情報を求める読者の期待に応えることはできません。紙中心の編集体制から、まず電子版で記事を配信し、その読まれ方の分析結果を紙面の編集にも生かす「デジタルファースト」に転換していきます。買収から1年、日経はFTが築き上げてきたデジタルファーストの編集体制、デジタルジャーナリズムの考え方を徹底的に吸収してきました。画像、映像、音声、グラフィックなどデジタルならではの表現手法も取り入れることで、読者からさらに高い支持を獲得していきます。
デジタル分野で勝ち残っていくには、日経グループの技術開発力と人材力を抜本的に強化しなければなりません。この春、社長直轄プロジェクトとして「日経イノベーション・ラボ」を発足させます。日経をはじめ、FTや日経BP、金融工学研究所、QUICK、テレビ東京などグループの技術陣が集まり、最新の情報を交換しながら、先端的な商品やサービスを生み出すための研究開発を進めていきます。
紙の新聞も意義が失われたわけではありません。読者ニーズに合わせ進化させます。これまで日曜朝刊に掲載してきた解説、論評は平日に移し、ニュースの発生と同時に深い分析記事を提供していきます。その上で、週末紙面ではオフタイムを豊かに過ごすための質の高い情報を届けます。「オフも日経」のイメージを浸透させることで、週末の広告収入増加につなげていきます。
もう一つの方向は「グローバルメディア」です。英文情報の基幹媒体であるNikkei Asian Review(NAR)は、2017年からの3年をブレークスルー期間と位置付け、編集・販売体制を抜本的に強化していきます。本紙に先立ちデジタルファーストの編集体制に変え、販売面ではFTの協力を得ながら、海外現地法人を増強し、代理店網も構築します。2016年に報道用として公表を始めたアジアの有力企業約300社を対象にする株価指数「日経アジア300指数」については、金融商品向けの指数も算出・提供していきます。
FTとの共同事業は、すでに様々な成果が出始めています。広告・イベントの共同営業によって、日本企業のグローバルブランドPRにFTが活用されるケースが増えました。アジア企業にフォーカスした法人向け英文データベースサービスの共同事業では、日経、FTそれぞれの強みを融合した商品開発を進めています。世界の企業・金融機関に求められるサービスとして発展させます。日経とFTで相互に掲載する翻訳記事を増やしたほか、人材交流も一段と進めています。
140年を超える歴史を持つ新聞社を、テクノロジーメディア、グローバルメディアに変えるには、言うまでもなく社員一人ひとりの進化が不可欠です。質が高く意欲のある人材を集めるには、魅力あふれる会社でなければなりません。働き方改革を進めることで、多彩な人材が集まり、生き生きと仕事をする組織にしていきます。
一連の改革によって、世界最先端のテクノロジーメディア、アジアを代表するグローバルメディアとして飛躍する。そして、その成長が次の成長投資につながるキャッシュフローを生み出す。この循環をつくることを最大の目標とし、全グループが一丸となって新しい時代を切り拓いてまいります。
一つの進路は、最先端のITを駆使し、読者が必要とする時に必要な情報を的確に届ける「テクノロジーメディア」(Tech-driven Nikkei)になることです。紙の新聞製作の時間軸に縛られたままでは、必要な時に必要な情報を求める読者の期待に応えることはできません。紙中心の編集体制から、まず電子版で記事を配信し、その読まれ方の分析結果を紙面の編集にも生かす「デジタルファースト」に転換していきます。買収から1年、日経はFTが築き上げてきたデジタルファーストの編集体制、デジタルジャーナリズムの考え方を徹底的に吸収してきました。画像、映像、音声、グラフィックなどデジタルならではの表現手法も取り入れることで、読者からさらに高い支持を獲得していきます。
デジタル分野で勝ち残っていくには、日経グループの技術開発力と人材力を抜本的に強化しなければなりません。この春、社長直轄プロジェクトとして「日経イノベーション・ラボ」を発足させます。日経をはじめ、FTや日経BP、金融工学研究所、QUICK、テレビ東京などグループの技術陣が集まり、最新の情報を交換しながら、先端的な商品やサービスを生み出すための研究開発を進めていきます。
紙の新聞も意義が失われたわけではありません。読者ニーズに合わせ進化させます。これまで日曜朝刊に掲載してきた解説、論評は平日に移し、ニュースの発生と同時に深い分析記事を提供していきます。その上で、週末紙面ではオフタイムを豊かに過ごすための質の高い情報を届けます。「オフも日経」のイメージを浸透させることで、週末の広告収入増加につなげていきます。
もう一つの方向は「グローバルメディア」です。英文情報の基幹媒体であるNikkei Asian Review(NAR)は、2017年からの3年をブレークスルー期間と位置付け、編集・販売体制を抜本的に強化していきます。本紙に先立ちデジタルファーストの編集体制に変え、販売面ではFTの協力を得ながら、海外現地法人を増強し、代理店網も構築します。2016年に報道用として公表を始めたアジアの有力企業約300社を対象にする株価指数「日経アジア300指数」については、金融商品向けの指数も算出・提供していきます。
FTとの共同事業は、すでに様々な成果が出始めています。広告・イベントの共同営業によって、日本企業のグローバルブランドPRにFTが活用されるケースが増えました。アジア企業にフォーカスした法人向け英文データベースサービスの共同事業では、日経、FTそれぞれの強みを融合した商品開発を進めています。世界の企業・金融機関に求められるサービスとして発展させます。日経とFTで相互に掲載する翻訳記事を増やしたほか、人材交流も一段と進めています。
140年を超える歴史を持つ新聞社を、テクノロジーメディア、グローバルメディアに変えるには、言うまでもなく社員一人ひとりの進化が不可欠です。質が高く意欲のある人材を集めるには、魅力あふれる会社でなければなりません。働き方改革を進めることで、多彩な人材が集まり、生き生きと仕事をする組織にしていきます。
一連の改革によって、世界最先端のテクノロジーメディア、アジアを代表するグローバルメディアとして飛躍する。そして、その成長が次の成長投資につながるキャッシュフローを生み出す。この循環をつくることを最大の目標とし、全グループが一丸となって新しい時代を切り拓いてまいります。