有価証券報告書-第136期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当期の世界経済の情勢は、英国のEU離脱問題や米国での新政権誕生などにより、不透明感は強まりはしたが、良好な雇用環境や財政拡張への期待感等を背景に米国経済が堅調に推移するなど、総じて底堅いものとなった。国内経済は、個人消費などに依然弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善や、堅調な企業収益などを背景に、緩やかな回復基調が続いた。
当社グループを取り巻く状況については、当期前半の円高の進行や新興国の景気減速などにより、一時的に厳しい状況もあったが、米国大統領選後の円安傾向や、アジアにおける高水準の石油化学製品市況などにより、期中から、事業環境に改善の兆しがみられた。
このような状況の下、当社グループは、全社を挙げて業績改善に努めるとともに、「事業ポートフォリオの高度化」、「キャッシュフロー創出力の強化」、「次世代事業の早期戦列化」等を基本方針とする中期経営計画(平成28年度~平成30年度)に基づき、持続的な成長を続けるレジリエント(回復力に富む)な住友化学グループへの変革をより一層加速すべく取り組んできた。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,475億円減少し、1兆9,543億円となった。損益面では、営業利益は1,343億円、経常利益は1,666億円となり、それぞれ前連結会計年度を下回った。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は855億円となり、前連結会計年度を上回った。
当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりである。
(石油化学)
石油化学品や合成樹脂は原料価格の下落により、市況が下落した。また、千葉工場の石油化学事業再構築の影響により、石油化学品の出荷も減少した。更に円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、851億円(12.9%)減少し5,720億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ22億円減少し266億円となった。
また、生産規模は、約4,380億円となった。(販売価格ベース)
(エネルギー・機能材料)
アルミニウムは円高等の影響により販売価格が下落した。一方、レゾルシン(接着剤用原料)やエンジニアリングプラスチックスは需要の増加により、出荷が増加した。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、31億円(1.5%)減少し2,059億円となったが、営業利益は前連結会計年度に比べ44億円増加し72億円となった。
また、生産規模は、約1,410億円となった。(販売価格ベース)
(情報電子化学)
偏光フィルムは販売価格が下落した。タッチセンサーパネルも、販売価格は下落したが、需要の増加により出荷は増加した。また、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、261億円(6.8%)減少し3,584億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ95億円減少し103億円となった。
また、生産規模は、約3,120億円となった。(販売価格ベース)
(健康・農業関連事業)
メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となった。更に円高による影響もあり、この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、397億円(11.1%)減少し3,193億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ314億円減少し462億円となった。
また、生産規模は、約1,570億円となった。(販売価格ベース)
(医薬品)
国内では、アイミクス(高血圧症治療剤)やトレリーフ(パーキンソン病治療剤)等の販売が拡大したが、薬価改定や長期収載品の出荷減少の影響が大きく、減収となった。北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)を中心に堅調に販売が拡大した。一方、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響があった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、87億円(2.0%)増加し4,442億円となった。北米での販売拡大により営業利益は前連結会計年度に比べ124億円増加し551億円となった。
また、生産規模は、約3,980億円となった。(販売価格ベース)
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析等を行っている。これらの売上高は前連結会計年度に比べ、22億円(3.9%)減少し544億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ21億円減少し57億円となった。
※当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいている。
なお、持分法投資利益は前連結会計年度に比べ、210億円増加し、412億円となった。
ペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート) リミテッドは好調な業績が続いた。またラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーは、前連結会計年度は定期修繕の影響により業績が悪化したが、当連結会計年度は定期修繕明けの出荷数量の増加等により、業績が改善した。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益の減少や法人税等の支払の増加等により、前連結会計年度に比べ737億円減少し、1,874億円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の大日本住友製薬株式会社によるシナプサス セラピューティクス インコーポレーテッド(以下、「シナプサス社」、現:サノビオン CNS ディベロップメント カナダ ULC(以下、「サノビオンCNSカナダ社」))およびトレロ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド(以下、「トレロ社」)の買収があったこと等により、前連結会計年度に比べ1,461億円支出が増加し、1,997億円の支出となった。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の2,075億円の収入に対して、当連結会計年度は123億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、81億円の支出となった。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ223億円減少し、1,933億円となった。
当期の世界経済の情勢は、英国のEU離脱問題や米国での新政権誕生などにより、不透明感は強まりはしたが、良好な雇用環境や財政拡張への期待感等を背景に米国経済が堅調に推移するなど、総じて底堅いものとなった。国内経済は、個人消費などに依然弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善や、堅調な企業収益などを背景に、緩やかな回復基調が続いた。
当社グループを取り巻く状況については、当期前半の円高の進行や新興国の景気減速などにより、一時的に厳しい状況もあったが、米国大統領選後の円安傾向や、アジアにおける高水準の石油化学製品市況などにより、期中から、事業環境に改善の兆しがみられた。
このような状況の下、当社グループは、全社を挙げて業績改善に努めるとともに、「事業ポートフォリオの高度化」、「キャッシュフロー創出力の強化」、「次世代事業の早期戦列化」等を基本方針とする中期経営計画(平成28年度~平成30年度)に基づき、持続的な成長を続けるレジリエント(回復力に富む)な住友化学グループへの変革をより一層加速すべく取り組んできた。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,475億円減少し、1兆9,543億円となった。損益面では、営業利益は1,343億円、経常利益は1,666億円となり、それぞれ前連結会計年度を下回った。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は855億円となり、前連結会計年度を上回った。
当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は、次のとおりである。
(石油化学)
石油化学品や合成樹脂は原料価格の下落により、市況が下落した。また、千葉工場の石油化学事業再構築の影響により、石油化学品の出荷も減少した。更に円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、851億円(12.9%)減少し5,720億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ22億円減少し266億円となった。
また、生産規模は、約4,380億円となった。(販売価格ベース)
(エネルギー・機能材料)
アルミニウムは円高等の影響により販売価格が下落した。一方、レゾルシン(接着剤用原料)やエンジニアリングプラスチックスは需要の増加により、出荷が増加した。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、31億円(1.5%)減少し2,059億円となったが、営業利益は前連結会計年度に比べ44億円増加し72億円となった。
また、生産規模は、約1,410億円となった。(販売価格ベース)
(情報電子化学)
偏光フィルムは販売価格が下落した。タッチセンサーパネルも、販売価格は下落したが、需要の増加により出荷は増加した。また、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響もあった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、261億円(6.8%)減少し3,584億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ95億円減少し103億円となった。
また、生産規模は、約3,120億円となった。(販売価格ベース)
(健康・農業関連事業)
メチオニン(飼料添加物)は市況の下落により、減収となった。更に円高による影響もあり、この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、397億円(11.1%)減少し3,193億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ314億円減少し462億円となった。
また、生産規模は、約1,570億円となった。(販売価格ベース)
(医薬品)
国内では、アイミクス(高血圧症治療剤)やトレリーフ(パーキンソン病治療剤)等の販売が拡大したが、薬価改定や長期収載品の出荷減少の影響が大きく、減収となった。北米では、ラツーダ(非定型抗精神病薬)を中心に堅調に販売が拡大した。一方、円高による在外子会社の邦貨換算差の影響があった。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ、87億円(2.0%)増加し4,442億円となった。北米での販売拡大により営業利益は前連結会計年度に比べ124億円増加し551億円となった。
また、生産規模は、約3,980億円となった。(販売価格ベース)
(その他)
上記5部門以外に、電力・蒸気の供給、化学産業設備の設計・工事監督、運送・倉庫業務、物性分析・環境分析等を行っている。これらの売上高は前連結会計年度に比べ、22億円(3.9%)減少し544億円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ21億円減少し57億円となった。
※当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいている。
なお、持分法投資利益は前連結会計年度に比べ、210億円増加し、412億円となった。
ペトロケミカル コーポレーション オブ シンガポール(プライベート) リミテッドは好調な業績が続いた。またラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニーは、前連結会計年度は定期修繕の影響により業績が悪化したが、当連結会計年度は定期修繕明けの出荷数量の増加等により、業績が改善した。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業利益の減少や法人税等の支払の増加等により、前連結会計年度に比べ737億円減少し、1,874億円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の大日本住友製薬株式会社によるシナプサス セラピューティクス インコーポレーテッド(以下、「シナプサス社」、現:サノビオン CNS ディベロップメント カナダ ULC(以下、「サノビオンCNSカナダ社」))およびトレロ ファーマシューティカルズ インコーポレーテッド(以下、「トレロ社」)の買収があったこと等により、前連結会計年度に比べ1,461億円支出が増加し、1,997億円の支出となった。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度の2,075億円の収入に対して、当連結会計年度は123億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、81億円の支出となった。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ223億円減少し、1,933億円となった。