半期報告書-第94期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2017/11/30 14:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
104項目

業績等の概要

(1) 業績
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、米国の経済政策の影響や中国及び新興国経済の動向に不透明感が残ったものの、国内の個人消費は底堅い動きとなり、企業収益や雇用環境は改善が続き、輸出も堅調となるなど緩やかな回復傾向となりました。
このような事業環境のなか当社グループでは、液晶材料において液晶ディスプレイの製造ライン増設が続く中国市場を見据え、中国子会社に品質・コスト競争力強化を目的に大型ブレンド設備の設置工事を完了させ、繊維製品においてはタイの複合繊維製造設備を本格稼動させるなど、海外生産拠点の能力拡充を推進したほか、国内では、電力事業において再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)活用に向け、引き続き既存水力発電所の大規模改修工事を進めるなど、収益力向上に向けた事業基盤強化に注力しました。
当中間連結会計期間の連結経営成績につきましては、売上高は753億1千7百万円(前年同期比4.5%増)となり、営業利益は6億9百万円(前年同期比72.8%減)、経常利益は29億5千4百万円(前年同期比277.3%増)となりました。特別損失に、当期間中に支払った水俣病被害者への救済一時金支払額8百万円を含む水俣病補償関係損失等16億3千6百万円及び災害による損失4億8千2百万円を計上し、親会社株主に帰属する中間純損失は7億8千4百万円となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
①機能材料事業
液晶ディスプレイ市場は、前期から引き続き需給バランスは改善しており、市場の成長も穏やかに継続しましたが、当社液晶材料はテレビ向けの販売がやや低調となり、売上は減少しました。
当セグメントの売上高は210億8千9百万円となりました。
②加工品事業
繊維製品は、中国・アジア地域における衛生材料の需要拡大を受けて引き続き生産能力増強を図り、販売は伸張しました。
肥料は、値上げ前の先取り需要の影響により国内販売が増加し、輸出も堅調に推移しました。
電子部品は、中長期的に成長が見込まれるスマートフォン・車載モニターの市場伸張を背景に販売は増加しました。
当セグメントの売上高は282億3千2百万円となりました。
③化学品事業
オキソアルコールは、アジア地域の製品需要に支えられ、国内向け及び輸出ともに販売は堅調に推移し、売上は増加しました。
ポリプロピレン及びポリエチレンは、自動車・フィルム用途向けを中心とした国内需要が依然として旺盛であり、出荷は好調に推移しました。
当セグメントの売上高は131億6千5百万円となりました。
④商事事業
主力のポリプロピレン及びオクタノールは、旺盛な国内需要を受けて販売は伸張し、売上が増加しました。
当セグメントの売上高は104億6千9百万円となりました。
⑤電力事業
FIT活用に向けて当社グループが保有する水力発電所の大規模改修工事を引き続き進め、平成29年6月には四箇所目の水力発電所で営業運転を開始させるなど、収益基盤の強化に注力しました。
当セグメントの売上高は18億5千4百万円となりました。
⑥その他の事業
エンジニアリング部門では、石油化学・環境設備関連の案件受注及び工事遂行に注力しました。
当セグメントの売上高は5億6百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億5千5百万円(1.3%)増加し、当中間連結会計期間末残高は423億3千6百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
営業活動によって得られた資金は、前中間連結会計期間に比べ2億2千9百万円(2.2%)減少の100億4千4百万円となりました。これは主に仕入債務の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動によって使用された資金は、前中間連結会計期間に比べ14億7千9百万円(20.8%)増加の85億8千9百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動によって得られた資金は、前中間連結会計期間に比べ6億9千8百万円増加の2億8千1百万円となりました。これは主に有利子負債の借入によるものです。
(水俣病補償によるキャッシュ・フロ-)
水俣病補償によって使用された資金は、17億7千3百万円となりました。