有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 14:13
【資料】
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【項目】
143項目
(19) 提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象
当社グループは、これまでの水俣病関連累積損失に加え、2010年度より発生しております水俣病被害者救済一時金等による支払いが多額にのぼるため、当連結会計年度末の連結利益剰余金は△155,572百万円となる結果、大幅な債務超過となっており、当該状況が会社の運営継続に支障を来たさないための措置として、平成12年2月8日閣議了解に基づき、国、熊本県及び関係金融機関から種々の支援措置を講じていただいております。
国・熊本県からは、水俣病関連の公的債務返済につきましては、可能な範囲で返済を行い得るよう、各年度、所要の支払猶予等を講じていただいております。また、特措法(平成21年法律第81号)及びその救済措置の方針による水俣病被害者救済一時金の支払い額が75,601百万円と大幅に増加し、既往公的債務の償還に加えて同支払い債務の償還によって、償還合計額が増加する状況となったため、関係省庁による「チッソ株式会社に対する支援措置に関する連絡会議」において、2018年度以降の金融支援措置及び債務償還に関する申し合わせがなされ、2018年3月26日に、金融支援措置の継続並びに解決一時金債務の償還にかかる決定及び救済一時金債務について2019年度以降、当面の間、支払猶予とする決定を受けております。関係金融機関からは、現在当社に対し行われている貸付元本及び求償債権の返済猶予等の継続及びこれに係る利息等の免除並びに今後の当社及び子会社の運営継続に直接必要な資金融資を受けております。
また、当社は「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」を2021年3月に策定し、当社グループの早期の収益回復と持続的な経営を実現させるため、1.構造改革による業績改善、2.FIT化推進による電力事業の収益拡大、3.ガバナンス/モニタリング強化、の3つの骨子に取り組んでまいりました。長期間の渇水や令和4年の熊本県大雨災害の影響を受けたFIT化推進等の一部で効果が実現できていないものの、これら3つの骨子を着実に実行したことで赤字事業は減少し、業績は改善傾向となりました。一方で、当社グループの責務完遂を果たすために、早期の業績回復が今後の課題と捉えており、新たに「2023~2027年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」を2024年2月に策定いたしました。当該計画では、1.成長事業への投資、2.ガバナンス/モニタリングの更なる強化を骨子に据えており、収益の安定化と拡大に向けた地盤固めの実現に取り組んでおります。
以上により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。