有価証券報告書-第149期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性が継続するなど先行き不透明な状況が続いたものの、雇用環境や企業収益の改善により緩やかな景気回復基調で推移しました。
このような状況のもと当社グループにおきましては、「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」を策定し、「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を主題として、企業価値の向上に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ35億9千6百万円増加し、2,208億9千8百万円となりました。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ31億3千5百万円減少し、760億9千6百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ67億3千2百万円増加し、1,448億1百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,412億3千万円(前年度比9.8%増)、営業利益63億9千万円(前年度比19.1%増)、経常利益92億4百万円(前年度比7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益63億7千8百万円(前年度比27.4%減)となりました。
セグメントの経営成績は次の通りであります。
化学品事業は、売上高394億9千8百万円(前年度比6.3%増)、営業利益16億3千1百万円(前年度比4.8%増)となりました。
農業化学品事業は、売上高432億1千5百万円(前年度比7.8%増)、営業利益19億8千万円(前年度比9.9%増)となりました。
商社事業は、売上高349億4千万円(前年度比5.8%増)、営業利益6億6千4百万円(前年度比33.2%増)となりました。
運輸倉庫事業は、売上高40億6千万円(前年度比1.6%増)、営業利益4億3千7百万円(前年度比7.1%増)となりました。
建設事業は、売上高116億8千8百万円(前年度比46.9%増)、営業利益13億9千6百万円(前年度比140.1%増)となりました。
その他は、売上高78億2千6百万円(前年度比21.8%増)、営業利益4億6千7百万円(前年度比20.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は55億6千1百万円減少し、275億8千5百万円となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純利益86億1千1百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益22億3千9百万円を含む)に加え、減価償却費65億3千2百万円、利息及び配当金の受取額26億8千万円などがあった一方、有形固定資産の取得による支出75億9千4百万円や、借入金の減少による支出76億3千1百万円があったことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化学品事業(百万円) | 43,509 | 102.9 |
| 農業化学品事業(百万円) | 24,381 | 97.6 |
| 報告セグメント計(百万円) | 67,891 | 101.0 |
| その他(百万円) | 8,633 | 106.8 |
| 合計(百万円) | 76,524 | 101.6 |
(注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.製品・商品仕入実績
当連結会計年度の製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化学品事業(百万円) | 5,526 | 98.8 |
| 農業化学品事業(百万円) | 6,495 | 130.2 |
| 商社事業(百万円) | 18,926 | 104.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 30,947 | 108.1 |
| その他(百万円) | 1,937 | 144.0 |
| 合計(百万円) | 32,885 | 109.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建設事業 | 15,762 | 184.4 | 9,729 | 172.7 |
(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化学品事業(百万円) | 39,498 | 106.3 |
| 農業化学品事業(百万円) | 43,215 | 107.8 |
| 商社事業(百万円) | 34,940 | 105.8 |
| 運輸倉庫事業(百万円) | 4,060 | 101.6 |
| 建設事業(百万円) | 11,688 | 146.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 133,404 | 109.2 |
| その他(百万円) | 7,826 | 121.8 |
| 合計(百万円) | 141,230 | 109.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の減損処理
当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定される使用価値により測定しております。
また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。
b.退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により処理する事としております。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が59億1千3百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ35億9千6百万円増加し、2,208億9千8百万円となりました。
負債につきましては、支払手形及び買掛金が35億8千6百万円増加した一方、借入金が72億8千3百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ31億3千5百万円減少し、760億9千6百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ67億3千2百万円増加し、1,448億1百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は64.2%となり、前連結会計年度末の62.3%から1.9ポイント増加いたしました。
(b)経営成績
当連結会計年度は、原燃料価格の上昇や研究開発費の増加などがあったものの、各事業における積極的な営業活動により、売上高は1,412億3千万円(前年度比9.8%増)、営業利益は63億9千万円(前年度比19.1%増)となりました。
経常利益は、当社持分法適用関連会社Novus International, Inc.の減益などにより、92億4百万円(前年度比7.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度において持分変動利益を計上したことなどにより63億7千8百万円(前年度比27.4%減)となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に重要な影響を与える要因には、市場動向、為替動向、原燃料価格の動向等があります。
化学品事業においては、原燃料価格上昇の影響が懸念されますが、新製品の円滑な販売開始や、セルロース誘導体事業・機能性高分子事業における拡販に取り組むとともに、工業薬品等の価格改定により、収益改善を図ります。
農業化学品事業においては、為替の影響や、海外市場における既存製品の競争激化及び新規農薬の開発に伴う研究開発費が引き続き高い水準で推移することが見込まれますが、新規殺菌剤「ピシロック」類の普及・拡販や、既存製品の販売数量拡大及び自社開発新規農薬の着実な開発推進・販売開始に取り組みます。
当社グループでは、引き続き「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に向けて、強固な企業基盤の構築を進めてまいります。
なお、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の通りであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(a)資金需要
資金需要の主なものは、設備資金、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税等の支払いであります。
(b)資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により対応しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。
この理念のもと、当社は独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。
「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」において掲げる目標は、営業利益率6.5%以上(商社事業を除く営業利益率8.0%以上)、経常利益2020年3月期 130億円、ROE 7.0%以上としております。当連結会計年度においては営業利益率4.5%(商社事業を除く営業利益率5.4%)、経常利益92億4百万円、ROE4.6%であり、引き続き目標達成に向け取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
[化学品事業]
原燃料価格の上昇の影響を受けたものの、市況の回復や需要の増加により、工業薬品および医薬品の販売が堅調に推移しました。また、連結子会社Alkaline SASにおける金属ナトリウムの販売が堅調に推移しました。
この結果、当会計年度の売上高は394億9千8百万円(前年度比6.3%増)、営業利益は16億3千1百万円(前年度比4.8%増)となりました。
工業薬品は、カセイソーダおよび青化ソーダが堅調に推移したことにより、増収となりました。
化成品は、感熱紙用顕色剤および硫黄誘導体が減少したものの、金属ナトリウムが堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
機能材料は、前年並みとなりました。
エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向けが増加したものの、重金属固定剤「ハイジオン」の減少などにより、減収となりました。
医薬品・医薬中間体は、医薬品添加剤「NISSО HPC」の伸長により、増収となりました。
工業用殺菌剤は、木材用防虫剤などが堅調に推移したことにより、増収となりました。
[農業化学品事業]
新規農薬の開発に伴う研究開発費が高い水準で推移しているものの、当会計年度において新規殺菌剤「ピシロック」類の販売を開始し普及活動に努めるとともに、既存製品の積極的な販売活動を推進しました(海外販売比率58.5%)。
この結果、当会計年度の売上高は432億1千5百万円(前年度比7.8%増)、営業利益は19億8千万円(前年度比9.9%増)となりました。
殺菌剤は、「パンチョ」の輸出向けが減少したものの、「ピシロック」類の販売開始などにより、前年並みとなりました。
殺虫剤・殺ダニ剤は、殺虫剤「モスピラン」の輸出向けの伸長により、増収となりました。
除草剤は、「ナブ」・「ホーネスト」の輸出向けの減少により、減収となりました。
[商社事業]
各種無機・有機薬品が堅調に推移したことにより、当会計年度の売上高は349億4千万円(前年度比5.8%増)、営業利益は6億6千4百万円(前年度比33.2%増)となりました。
[運輸倉庫事業]
運送業および倉庫業が堅調に推移したことにより、当会計年度の売上高は40億6千万円(前年度比1.6%増)、営業利益は4億3千7百万円(前年度比7.1%増)となりました。
[建設事業]
プラント建設工事の増加により、当会計年度の売上高は116億8千8百万円(前年度比46.9%増)、営業利益は13億9千6百万円(前年度比140.1%増)となりました。
[その他]
当会計年度の売上高は78億2千6百万円(前年度比21.8%増)、営業利益は4億6千7百万円(前年度比20.7%増)となりました。
(3) 次期の見通し
今後の見通しにつきましては、引き続き雇用環境の改善などによる緩やかな景気の回復が期待されるものの、不安定な国際情勢や為替の変動懸念など、海外経済の不確実性により先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループにつきましては、化学品事業において、工業薬品の価格改定など収益改善に取り組むとともに、二次電池材料の販売開始や、セルロース誘導体事業・機能性高分子事業における拡販を見込んでおります。
その一方、農業化学品事業においては、新規殺菌剤「ピシロック」類の普及・拡販や、事業譲受契約を締結したゾエティス・ジャパン株式会社のプラントヘルス事業による寄与を見込むものの、海外市場における既存製品の競争激化や、新規農薬の開発に伴う研究開発費が引き続き高い水準で推移することが見込まれます。
また、原燃料価格の上昇による影響を見込んでおります。
かかる経営環境の中、当社グループといたしましては、引き続き「中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)」の主題である「事業収益力の向上」と「新規事業の創出」を推進し、さらなる企業価値の向上に向けた諸施策を全力で実行に移してまいります。
次期の業績予想につきましては、売上高1,440億円、営業利益50億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益56億円を予想しております。
また、為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=130円を想定しております。