訂正有価証券報告書-第161期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/08/26 13:08
【資料】
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【項目】
186項目
③ リスク管理
a)リスクの特定と評価プロセス
当該項目の説明につきましては、前述の「(1)サステナビリティに関する考え方 ③ リスク管理」をご参照ください。
b)リスクマネジメントのプロセス
リスク・コンプライアンス委員会では「脱炭素社会への対応リスク」を最も大きなリスクと位置づけ、複数の専門委員会による対応を決定しました。環境に関する法規制とGHGなどの排出量の把握は環境対策委員会、製造拠点における高潮などの物理リスクは保安対策委員会、気候変動に対するイニシアチブや外部開示に関するソフトロー対応はサステナビリティ委員会が受け持ち、連携して対応を進める体制としました。
サステナビリティ委員会では、積極的にサステナビリティ課題に向き合い、取り組み事項についての開示を行いました。気候変動に係る情報開示では、TCFDレポートの開示内容の拡充と当社グループ全体でのScope 3の目標設定に取り組みました。
気候変動に関連する個別の活動としては、例えば当社グループにおける最大のGHG排出源である徳山製造所では、製造所長を委員長とするエネルギー管理委員会を定期的に開催し、原単位改善を含む省エネルギー活動の計画を協議し進捗を確認しています。さらに、経営に関連する重要案件については、必要に応じ経営会議や取締役会に報告されます。
2025年度以降はリスク・コンプライアンス委員会とサステナビリティ委員会の改組に伴い、当該リスク対応を全社横断的に行うため、サステナビリティ会議と環境対策委員会が取り組みを管掌する体制としています。
c)全社リスクへの統合(重要リスクの特定プロセス)
当社グループの中期経営計画2025では、社会の潮流が脱炭素へと加速する中、これまで強みとしてきたエネルギー多消費型事業を中心とした事業構造からの脱却が不可欠であると判断しました。
当社は徳山製造所のインテグレートされた高効率な生産プロセスが競争力の源泉であり、石炭火力発電所に依存したエネルギー多消費型事業が収益を牽引してまいりました。しかし産業構造の変化が加速し、循環型社会実現に向けての環境意識の向上や規制強化が進むことが想定され、これまでの延長線上にない事業の構築・成長によって収益力・競争力を確保していくことが必須であると考えています。
そのため、中期経営計画2025では、私たちの存在意義を「化学を礎に、環境と調和した幸せな未来を顧客と共に創造する」と定義し、重点課題の一つとして「地球温暖化防止への貢献」を挙げ、全社的な取り組みを進めています。
サステナビリティ上の機会とリスクについては、前述のとおりサステナビリティ会議を頂点とする体制で取り組みますが、投資判断など経営に関連する重要な意思決定を伴うものについては、必要に応じ経営会議や取締役会において議論・承認されます。
④ 指標と目標
当社グループは、短期を2025年度(中期経営計画2025の設定年度)、中期を2030年度、長期を2050年度ととらえ、指標と目標を定めて管理しています。
a)気候関連の指標
当社グループはこれまで、GHG排出量および原単位、エネルギー消費原単位を管理してきましたが、中期経営計画2025ではGHG排出量(Scope 1、2)を単体および連結生産子会社において測定・管理指標に定め、下図のとおり2030年度には2019年度比で30%の削減、2050年度にはカーボンニュートラルを達成することを目標に定めました。
また、全執行役員の役員報酬算定時に、当社が定めたマテリアリティのうち関連するものを指標として組み込み、貢献度による評価を行っています。これにより、具体的な役割や責任などを一定の要素として勘案しています。
GHG排出量(Scope 1、2) 中長期削減目標

当社グループは、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルに挑戦するため、新たにScope 3についても、排出量削減目標を設定しています。
当社グループのScope 3は、カテゴリー1、3、4が全体の90%以上を占めるので、この三つのカテゴリーの総量に対し、2030年度までに10%削減(2022年度比)を目指します。目標達成に向けて、サプライチェーンエンゲージメント活動の強化を図ります。
GHG排出量 (Scope 3) 中長期削減目標 (カテゴリー1、3、4)

その他、気候変動に関連する重要な目標は下記のとおりです。
・SBT(Science Based Targets)認定を目指し検討中
2023年3月に認定機関へコミットメントレターを提出。SBT認定要件改定の状況にも留意しながら、認定取得の可能性について引き続き多角的に検討しております。
・エネルギーに関する目標
当社グループは、2030年度に燃料起源GHG排出量のうち、自家発電由来のGHG排出量を2019年度比で50%削減する努力目標を設定しており、自家発電における非化石燃料(バイオマス、アンモニア)への転換を行う計画にしています。また、2030年度までに再生可能エネルギーとアンモニアのエネルギー合計で30%達成を目指します。バイオマスは2023年度から段階的に混焼率を上げていき、2024年度には木質ペレットの混焼を行うために、設備改造工事を開始しました。2025年秋頃から混焼を開始する予定です。アンモニアは2030年度までの混焼開始を目指し、2023年度から検討を開始しました。検討には以下の支援を受けています。
2023年度:資源エネルギー庁『令和5年度石油供給構造高度化事業費補助金(次世代燃料安定供給のためのトランジション促進事業)』
2024年度:資源エネルギー庁『令和6年度非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)』
2024年度におけるグループ全体での再生可能エネルギーの比率は3.5%でした。
再生可能エネルギーの実績と目標
(再生可能エネルギー由来として、バイオマス・太陽光発電/アンモニアによる発電分を集計)

・GXリーグ
当社は、2022年度より経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を表明し、2023年度より本格稼働した「GXリーグ」に参画しました。GXリーグ参画にあたっては、GXリーグの定める基準に沿ってGHG排出量削減目標を定めることになっており、当社がGHGプロトコルに準拠して設けたGHG排出量削減目標とは別に、単体および国内連結生産子会社のScope 1について目標を定めています。
GXリーグのデータは、GHGプロトコルに準拠して設定したものとは基準年度や排出量の計算方法が異なりますが、元となるデータは共通のものであり、削減目標も整合を取っています。
GXリーグのGHG排出量(Scope 1)削減目標

・インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入に関する指標(取り組み)
当社は、GHG排出量削減策を促進するため、2019年度に投資案件の評価基準にICPを導入しました。当初は欧州連合域内排出量取引制度(EU-ETS)取引価格を参考にして、3,700円/t-CO2に設定していましたが、GHG排出量削減の更なる取組強化のため、2022年度より10,000円/t-CO2に引き上げました。これにより短中期的に脱炭素に向けた活動を推進していきます。
b)Scope 1、2、3のGHG排出量
下表は、GHG排出量(Scope 1、2、3)の推移を表したものです。2024年度は、バイオマス混焼や積極的な省エネ活動により、GHG排出量(Scope 1、2)は基準年度2019年度比で19%削減しました。
GHG排出量(Scope 1、2、3)の推移

下表は、カテゴリー別の内訳を示したものです。
GHG排出量(Scope 3)は、基準年度2022年度比で6%削減しました。
GHG排出量 Scope 3 カテゴリー別排出量

下表はGHG排出量(GXリーグ)の推移を示したものです。2024年度のScope 1とScope 2の合計は、基準年度(2019~2021年度の平均)比で17%削減しました。
GHG排出量(GXリーグ)の推移

c)目標およびその目標に対するパフォーマンス
当社グループは、燃料起源GHG排出量削減を目指すとともに、原料起源GHG排出量の削減や革新的技術開発等によりカーボンニュートラルを目指しています。下図は、2030年度、2050年度に向けた削減の内訳と多方面に渡るアプローチを表しています。
GHG排出量削減を着実に進めることが企業としての責任である一方で、製品が世の中で使われることによるGHG排出量削減も重要な役割であると認識しています。今後、更なる革新的技術開発を行っていくことで、世界のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。
GHG排出量(Scope 1、2)の中長期削減目標

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