有価証券報告書-第109期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 11:46
【資料】
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【項目】
161項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、一層の企業価値向上と収益の拡大を図るため、絶えず経営全体の透明性及び公正性を高めてゆくとともに経営環境の変化に迅速に対応できる効率的且つ合理的な組織体制の確立に努めていくことをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、取締役会と監査役会をコーポレート・ガバナンスの基本的体制とした上で、2004年6月29日開催の当社第90回定時株主総会終結後に執行役員制度を導入し、重要な経営事項に関する意思決定及び業務執行の監督機能並びに業務執行機能を分離することで取締役会をスリム化し、経営の効率化と迅速化を図っております。
また、監査・監督機能を高めるため、一般株主と利益相反が生じるおそれのない独立性を有する社外取締役及び社外監査役が、取締役会の判断の公正を担保、且つ取締役会の恣意的な判断を排除するための役割を担っております。
(イ)取締役会、取締役、経営会議
当社の取締役は10名以下と定款に定めており、2023年6月29日現在、取締役会は9名(うち社外取締役3名)で構成しております。取締役会は、原則として月1回、また必要に応じて適宜開催し、取締役会規則に則り法定決議事項及び経営上重要な事項を審議・決議し、取締役及び社長をはじめとする執行役員の業務執行を監督しております。経営会議は、2023年6月29日現在、9名の執行役員で構成し、経営会議規則に則り、原則週1回開催し、業務執行上重要な事項を審議・決議し、取締役会への上程議案を審議しております。
(ロ)監査役会、監査役
当社の監査役会は、2023年6月29日現在、監査役5名(うち社外監査役3名)で構成しております。監査役会は、原則として月1回、また必要に応じて適宜開催され、監査に関する重要な事項について協議・決議しております。監査状況につきましては、相互に意見を交換し、効率的、効果的な監査体制を構築しております。また、代表取締役と監査役との相互理解を深め、定期的に会合を開き、経営上及び監査上の重要な課題等について意見交換を行っております。
監査役は、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、取締役会をはじめとする重要な会議に出席し、取締役及び執行役員の職務執行状況を監査するとともに、監査の充実を図るため、各事業場及び子会社等の業務遂行状況に関する監査を行っております。
(ハ)指名・報酬委員会
取締役及び監査役の指名、報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することにより、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させるため、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しております。同委員会は3名以上で構成し、その過半数は独立社外取締役とし、かつ、1名以上は代表取締役としております。委員長は、委員の中から同委員会の決議によって選定いたします。
2023年6月29日現在の各機関の構成員は次のとおりです。(◎は議長を表す)
役職氏名取締役会監査役会指名・報酬委員会
(注)
経営会議
代表取締役会長清水 正
代表取締役社長執行役員前田 一彦
取締役専務執行役員入澤 稔
取締役常務執行役員徳永 敦之
取締役常務執行役員石井 章央
取締役常務執行役員赤松 佳則
社外取締役西出 徹雄
社外取締役鯉沼 希朱
社外取締役河田 正也
常勤監査役冨岡 孝夫
常勤監査役村田 正德
社外監査役西村 俊英
社外監査役三箇山 俊文
社外監査役後藤 昌子
常務執行役員七井 秀寿
常務執行役員辻岡 章一
常務執行役員毛利 勇
常務執行役員金井 哲男

(注)指名・報酬委員は2023年6月29日付の取締役会で選任され、同委員選任後の最初の同委員会において、社外
取締役の互選により議長が選任される予定です 。
③ 企業統治に関するその他の事項
(イ)内部統制システムの整備の状況
会社法に定める内部統制体制の構築に関する基本方針を2006年5月15日開催の取締役会において決議し、全社的な内部統制体制の整備に努めております。金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制につきましては、2006年度より当社グループを対象として整備を進め、2008年4月から運用を開始するとともに、当社の監査部が、監査法人及び監査役と必要に応じて協議の上、評価を実施しております。また、2009年2月には財務報告リスク評価委員会を設置し、同委員会は経営の意思決定及び会計事実が財務報告に与える影響の評価及び分析を行い、財務報告の信頼性を確保するための活動を行っております。
会社法に定める内部統制体制の構築に関する基本方針、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制のいずれも必要に応じて一部改正を随時行っており、その内容は以下に例示するとおりです。
・コンプライアンス推進委員会の設置
・反社会的勢力の排除
・社外取締役の選任
・内部通報制度の拡充
・秘密情報の適正な管理体制の構築
・金融商品取引法改正に伴う未公表の内部情報の伝達及び取引推奨行為の規制
・会社法及び会社法施行規則の改正に伴う企業集団における業務の適正を確保するための体制整備及び監査役の
監査を支える体制等の整備
(ロ)リスク管理体制の整備
特に重要と認められるコンプライアンスやリスクに関しては、これに対応する環境・安全推進委員会、独占禁止法遵守推進委員会、グループ品質コンプライアンス委員会、安全保障貿易管理委員会、財務報告リスク評価委員会、コンプライアンス推進委員会、サステナビリティ委員会等を組織横断的に設置し、各専門テーマに関する審議・調査・指導・啓蒙活動を行うとともに、各事業部門がそれぞれの部門に応じたリスク管理を行っております。新たなリスクが生じた場合、又は生じる可能性がある場合には、速やかに対応責任者となる執行役員を定めることとしております。取締役会は、随時、担当執行役員及び各委員会から報告を受け又は報告を求めることにより、リスクの把握に努め、必要な対策を講じることとしております。そして、ステークホルダーに対して、適時・適切な情報開示を行っております。
また、当社は、基本理念と基本方針で構成する「企業理念」を掲げており、この「企業理念」の下、当社の利害関係者に対して、誠実な企業活動を行うための行動規範として「セントラル硝子グループ行動規範」を制定し、当社の関係会社を含めて全社的に規範の実践を推進しております。
(ハ)子会社の業務の適正を確保するための体制整備
当社は、関係会社規程を定め、子会社の状況に応じた必要な管理を行います。関係会社規程に従い、各子会社に対する総括責任者として当社担当役員をそれぞれ定めるとともに、各子会社の業務について指導、監督する当社管理部署をそれぞれ定めて、各管理部署は子会社の業務状況について適宜総括責任者に報告、協議しております。又、関係会社規程に従い、子会社は重要な経営事項の意思決定にあたっては当社に承認を得るとともに、必要に応じて、決算、業務内容を当社重要会議に報告しております。
(ニ)責任限定契約の内容と概要
当社は、取締役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役又は監査役(取締役又は監査役であった者を含む)の損害賠償責任を法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、また会社法第427条第1項により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)又は監査役との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約(ただし当該契約に基づく責任の限度額は法令が規定する額とする)を締結することができる旨を、定款に定めております。
これに基づき、当社は、社外取締役3名及び監査役5名との間に会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
(ホ)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者等から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金、争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしています。
なお、被保険者は、株主代表訴訟に関する保険料部分を負担しております。
(へ)取締役の選任及び解任の決議要件
取締役の選任につきましては、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨を定款で定めております。また、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる体制を構築するために、取締役の任期を定款で1年以内としております。
(ト)取締役会で決議できる株主総会決議事項及び株主総会の特別決議要件
機動的な資本政策及び配当政策を図るため、株主総会による決議を排除するものではありませんが、剰余金の配当及び自己株式取得等、会社法第459条第1項各号に定める事項につきましては、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により行うことを可能とする旨を定款で定めております。
又、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
④取締役会、指名・報酬委員会の活動状況
(イ)取締役会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
役職氏名出席状況
代表取締役社長執行役員清水 正100%(19回/19回)
代表取締役副社長執行役員前田 一彦100%(19回/19回)
代表取締役専務執行役員宮内 徹100%(19回/19回)
取締役常務執行役員久米 孝司100%(19回/19回)
取締役常務執行役員入澤 稔100%(19回/19回)
取締役常務執行役員巻幡 良忠100%(19回/19回)
社外取締役西出 徹雄100%(19回/19回)
社外取締役鯉沼 希朱100%(19回/19回)
社外取締役河田 正也89%(17回/19回)
常勤監査役近藤 隆寛100%(3回/3回)
常勤監査役冨岡 孝夫100%(19回/19回)
常勤監査役村田 正德100%(16回/16回)
社外監査役堀 正明100%(19回/19回)
社外監査役河合 弘行100%(19回/19回)
社外監査役西村 俊英100%(19回/19回)

近藤隆寛氏は2022年6月29日付で退任、村田正德氏は同日付で監査役に就任したため、他の取締役、監査役と出席対象の取締役会の回数が異なります。
当事業年度においては、合計19回の取締役会を開催し、業務執行の監督を行うとともに、取締役候補者及び執行役員の決定、中期経営計画、資本政策、予算等の重要事項等の承認を行いました。
(ロ)指名・報酬委員会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
役職氏名出席状況
代表取締役社長執行役員清水 正100%(8回/8回)
代表取締役副社長執行役員前田 一彦100%(8回/8回)
社外取締役西出 徹雄100%(8回/8回)
社外取締役鯉沼 希朱100%(8回/8回)
社外取締役河田 正也100%(8回/8回)

当事業年度においては、合計8回の指名・報酬委員会を開催し、取締役、監査役、及び執行役員の候補者の選定、最高経営責任者(CEO)の後継者計画、取締役及び執行役員の報酬額、業績連動報酬の指標及び基準値変更、株式報酬制度の導入等について審議しました。
<コーポレート・ガバナンス体制の概要図>0104010_001.png
④ 会社の支配に関する基本方針
(イ)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
(a)基本方針の内容の概要
当社は、当社株主は市場における自由な取引を通じて決定されるものと考えております。従って、当社の支配権の移転を伴うような当社株式の買付けの提案に応じるか否かのご判断も、最終的には株主の皆様の自由な意思に基づいて行われるべきものと考えております。
しかしながら、当社株式の大規模買付行為の中には、(ⅰ)買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、株主の皆様の共同の利益(以下、単に「株主共同の利益」といいます。)に対する明白な侵害をもたらすもの、(ⅱ)株主の皆様に株式の売却を事実上強要するもの、(ⅲ)当社取締役会が、大規模買付者が提示する買収提案や事業計画等に代替する事業計画等を提示するために合理的に必要となる期間を与えないもの、(ⅳ)株主の皆様に対して、買付内容を判断するために合理的に必要となる情報や時間を十分に提供することなく行われるもの、(ⅴ)買付けの条件等(対価の価額・種類、買付けの時期、買付けの方法の適法性、買付けの実行の蓋然性等)が当社の企業価値に鑑み不十分又は不適当なものも想定されます。当社といたしましては、株主共同の利益を最大化すべきとの観点に照らし、このような大規模買付行為を行う大規模買付者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。
そこで、当社は、当社が生み出した利益を株主の皆様に還元していくことで株主共同の利益を最大化することを本分とし、市場における自由な取引を通じて当社株主となられた方々にお支え頂くことを原則としつつも、大規模買付行為により、このような株主共同の利益が毀損される場合には、かかる大規模買付行為を行う大規模買付者は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるものとして、法令及び定款によって許容される限度において、株主共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることをその基本方針といたします。
(b)基本方針策定の背景
昨今、新しい法制度の整備や資本市場の情勢、経済構造・企業文化の変化等を背景として、対象となる会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大量の株式の買付けを強行するといった動きが散見されるようになり、場合によっては取引関係や経営資源、適切な企業集団の形成等に基づく当社の持続的な企業価値の維持及び向上が妨げられるような事態が発生する可能性も否定できない状況となってまいりました。
当社は、このような動きに鑑み、大規模買付者が現われる事態を常に想定しておく必要があるものと考えております。
以上の事情を背景として、当社は上記(a)の通り基本方針を策定いたしました。
(ロ)基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資して頂くため、株主共同の利益を向上させるための取組みとして、下記(a)の中期計画等による企業価値向上への取組み、及び、下記(b)のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方に基づくコーポレート・ガバナンスの充実のための取組みを実施しております。これらの取組みを通じて、株主共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映していくことにより、上記のような株主共同の利益を毀損する大規模買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記(イ)の基本方針の実現に資するものであると考えております。
(a)中期計画等による企業価値向上への取組み
(i) 当社グループの経営の基本方針
当該内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(経営の基本方針)」をご参照下さい。
(ii) 中長期的な会社の経営戦略
当該内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(経営の基本方針)」をご参照下さい。
(b)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方等
(i) コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当該内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」をご参照下さい。
(ii) 会社の機関及び内部統制体制の整備の状況等
当該内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」並びに「③ 企業統治に関するその他の事項」をそれぞれご参照下さい。
(ハ)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、基本方針に基づき当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に取り組むとともに、当社株式の大規模な買付行為を行おうとする者に対しては、大規模な買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
(ニ)上記(ロ)及び(ハ)の各取組みについての取締役会の判断
上記(ロ)及び(ハ)の各取組みは、いずれも上記(イ)の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものと考えております。従いまして、当社は、これらの取組みにつきまして、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。