有価証券報告書-第112期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 15:08
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「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さがみられたものの、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続きました。一方、海外においては、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の不確実性、金融資本市場の変動リスクについても留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、各種資源価格の上昇や、中国経済の減速等もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、精密化学品事業部門の販売数量増加や、基礎化学品事業部門の価格修正効果などにより、552億00百万円と前期に比べ38億91百万円、7.6%の増加となりました。損益につきましては、経常利益は、95億90百万円と前期に比べ5億93百万円、6.6%の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、65億52百万円と前期に比べ4億35百万円、7.1%の増加となりました。
なお、セグメント別の概況は、次のとおりであります。
ア.基礎化学品事業部門
(無機製品)
か性ソーダは、販売数量は減少したものの価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。塩酸は、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。
(有機製品)
塩素系有機製品につきましては、トリクロールエチレンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。パークロールエチレンは、前期並の売上高となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、68億18百万円となり、前期に比べ7億99百万円、13.3%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益2億71百万円となりました(前期は営業損失44百万円)。
イ.精密化学品事業部門
(特殊ガス製品)
半導体・液晶用特殊ガス類につきましては、三フッ化窒素は、販売数量の減少により、前期に比べ減収となりました。六フッ化タングステンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
電池材料の六フッ化リン酸リチウムは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、414億00百万円となり、前期に比べ34億67百万円、9.1%の増加となりました。営業損益につきましては、原燃料費用の上昇や固定費の増加などにより、営業利益83億52百万円となり、前期に比べ1億04百万円、1.2%の減少となりました。
ウ.鉄系事業部門
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、販売数量は減少したものの、新規製品への切り替えが進み、前期並の売上高となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、24億83百万円となり、前期に比べ29百万円、1.2%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益4億63百万円となり、前期に比べ83百万円、15.3%の減少となりました。
エ.商事事業部門
商事事業につきましては、化学工業薬品の販売増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、23億41百万円となり、前期に比べ26百万円、1.1%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益1億26百万円となり、前期に比べ32百万円、34.6%の増加となりました。
オ.設備事業部門
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設は、請負工事の減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、21億55百万円となり、前期に比べ3億72百万円、14.7%の減少となりました。営業損益につきましては、工事原価の改善により、営業利益3億42百万円となり、前期に比べ2億36百万円、222.4%の増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ49億36百万円増加し、180億90百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、106億64百万円となりました(前年同期は72億43百万円の資金の獲得)。これは主に、売上債権の増加額が13億51百万円、たな卸資産の増加額が10億84百万円、法人税等の支払額が28億74百万円となったことにより減少した一方で、税金等調整前当期純利益が94億73百万円、減価償却費が50億50百万円となったことにより増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、93億15百万円となりました(前年同期は74億72百万円の資金を使用)。これは主に、精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、36億16百万円となりました(前年同期は30億43百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入金の返済による支出が12億71百万円、配当金の支払額が6億90百万円となった一方で、長期借入れによる収入が61億48百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設の目的によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品事業6,97710.5
精密化学品事業37,90212.0
鉄系事業2,517△4.2
設備事業4,214△1.2
合計51,6129.7

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注状況
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
設備事業2,4209.31,34824.5
合計2,4209.31,34824.5

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品事業6,81813.3
精密化学品事業41,4009.1
鉄系事業2,483△1.2
商事事業2,3411.1
設備事業2,155△14.7
合計55,2007.6

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Samsung Electronics Co., Ltd.9,39618.311,07620.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は816億01百万円となり、前期末に比べ109億80百万円増加しました。
(流動資産)
流動資産は469億64百万円で、前期末に比べ71億20百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が49億55百万円、受取手形及び売掛金が10億76百万円、たな卸資産が9億89百万円増加したためであります。
(固定資産)
固定資産は346億36百万円で、前期末に比べ38億59百万円増加しました。その主な要因は、投資有価証券が19億50百万円減少した一方で、有形固定資産が51億68百万円、繰延税金資産が7億51百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設によるものであります。
(流動負債)
流動負債は202億54百万円で、前期末に比べ17億99百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金が5億01百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が7億86百万円、流動負債のその他が13億73百万円増加したためであります。
(固定負債)
固定負債は172億46百万円で、前期末に比べ48億71百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が47億87百万円増加したためであります。これは主に、精密化学品事業部門のうち、半導体・液晶用特殊ガス類製造設備の成長投資やその他の維持投資ならびに海外子会社における製造設備の新設の目的によるものであります。受取手形割引高及び社債を含む有利子負債の残高は208億37百万円となり、前期末に比べ42億98百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は441億00百万円となり、前期末に比べ43億09百万円増加しました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が12億05百万円減少した一方、利益剰余金が当期純利益により58億56百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は552億00百万円となり、前期に比べ38億91百万円、7.6%の増加となりました。これは、設備事業部門が減収となった一方で、精密化学品事業部門のうち半導体・液晶用特殊ガス類が旺盛な需要により増収となったためであります。なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、原材料価格の上昇や減価償却費等の固定費の増加により30億62百万円増加しております。また、販売費及び一般管理費は輸送費等が増加しました。以上の結果、営業利益は94億47百万円となり、前期に比べ4億00百万円、4.4%の増加となりました。
営業外収益は前期にデリバティブ評価益を計上したこと等により12百万円減少しております。また、営業外費用は前期に為替差損を計上したことにより2億05百万円減少しております。以上の結果、経常利益は95億90百万円となり、前期に比べ5億93百万円、6.6%の増加となりました。
特別利益は投資有価証券売却益を計上したため66百万円増加しております。特別損失は固定資産除却損が増加したことにより27百万円増加しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は94億73百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は65億52百万円となり、前期に比べ4億35百万円、7.1%の増加となりました。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、平成28年度を初年度とする第10次中期経営計画(3ヵ年)および平成31年度を初年度とする第11次中期経営計画(3ヵ年)において、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。
数値目標(最終年度の連結経営指標)
第10次中期経営計画第11次中期経営計画
売上高550億円700億円
営業利益100億円120億円
自己資本比率-50%以上
ROE-15%以上

第10次中期経営計画の最終年度にあたる当連結会計年度の売上高は552億00百万円、営業利益は94億47百万円となりました。この結果は、数値目標に対し、売上高は計画を達成したものの、当連結会計年度後半の半導体市況減速の影響により営業利益は計画を達成することができませんでした。なお、第11次中期経営計画の目標達成に向けた経営戦略と課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおりであります。

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