有価証券報告書-第118期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 15:51
【資料】
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【項目】
183項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果により緩やかな回復基調にあったものの、依然として厳しい状況にありました。海外においても、欧米の高い金利水準や中国不動産市場の停滞に伴う景気の下振れリスク、物価上昇、米国の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等に留意する必要があり、先行き不透明な状況が続きました。
化学工業におきましても、原燃料価格や物流費の上昇に加え、半導体・電子材料業界の生産調整の影響等もあり、引き続き厳しい事業環境にありました。
このような情勢下におきまして、当社グループは、基礎化学品事業、精密化学品事業および鉄系事業の収益力を強化するとともに、当社の強みであるフッ素関連技術を活かした新規製品の開発に取り組んでまいりました。
当期の売上高は、623億51百万円と前期に比べ24億17百万円、3.7%の減少となりました。損益につきましては、経常利益45億7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益32億48百万円となりました(前期は、主に電池材料における売上原価の高止まりと棚卸資産評価損の計上により経常損失13億4百万円、電池材料の収益性低下を受けた減損損失の計上も加わり親会社株主に帰属する当期純損失46億10百万円)。
なお、セグメント別の概況は、次のとおりであります。
ア.基礎化学品事業部門
(無機製品)
か性ソーダは、一部品目の製造中止に伴う販売数量の減少と市況悪化に伴う販売価格の低下により前期に比べ減収となりました。塩酸は、価格修正効果により、前期に比べ増収となりました。
(有機製品)
トリクロールエチレンおよびパークロールエチレンは、販売価格は低下したものの販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
以上の結果、基礎化学品事業部門の売上高は、79億95百万円となり、前期に比べ8億41百万円、9.5%の減少となりました。営業損益につきましては、営業損失5億78百万円となりました(前期は営業損失1億39百万円)。
イ.精密化学品事業部門
(特殊ガス製品)
三フッ化窒素、六フッ化タングステンおよびヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。
(電池材料製品)
六フッ化リン酸リチウムは、販売数量の減少と販売価格の低下により、前期に比べ減収となりました。ライセンス契約に基づき受領した技術支援料は、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、精密化学品事業部門の売上高は、494億82百万円となり、前期に比べ17億71百万円、3.5%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益39億98百万円となりました(前期は営業損失28億24百万円)。
ウ.鉄系事業部門
複写機・プリンターの現像剤用であるキャリヤーは、販売数量の増加により、前期に比べ増収となりました。鉄酸化物は、着色剤の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、鉄系事業部門の売上高は、23億1百万円となり、前期に比べ4億87百万円、26.9%の増加となりました。営業損益につきましては、営業利益3億56百万円となり、前期に比べ、1億84百万円、107.0%の増加となりました。
エ.商事事業部門
商事事業につきましては、化学工業薬品の販売減少により、前期に比べ減収となりました。
以上の結果、商事事業部門の売上高は、6億62百万円となり、前期に比べ35百万円、5.1%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益1億31百万円となり、前期に比べ59百万円、31.3%の減少となりました。
オ.設備事業部門
化学設備プラントおよび一般産業用プラント建設の売上高は、請負工事の減少により前期に比べ減収となりました。
以上の結果、設備事業部門の売上高は、19億8百万円となり、前期に比べ2億57百万円、11.9%の減少となりました。営業損益につきましては、営業利益3億38百万円となり、前期に比べ3億29百万円、49.3%の減少となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べ51億26百万円減少し、200億98百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、130億85百万円となりました(前年同期は112億8百万円の資金の獲得)。これは主に、減価償却費が82億46百万円、税金等調整前当期純利益が50億13百万円となったことにより増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、140億81百万円となりました(前年同期は105億54百万円の資金を使用)。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、47億22百万円となりました(前年同期は17億80百万円の資金の獲得)。これは主に、長期借入れによる収入が73億00百万円となった一方で、長期借入金の返済による支出が90億41百万円、短期借入金の純減少額が19億18百万円となったことによるものであります。なお、長期借入れによる収入につきましては、主に精密化学品事業の成長投資および維持投資に使用予定であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品事業6,908△13.6
精密化学品事業46,1938.7
鉄系事業3,45781.6
設備事業3,801△24.8
合計60,3615.1

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、基本的に販売価格によっておりますが、設備事業の金額は、当連結会計年度の製造費用によっております。
イ.受注状況
当連結会計年度の設備事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
設備事業2,16521.31,40627.9
合計2,16521.31,40627.9

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品事業7,995△9.5
精密化学品事業49,482△3.5
鉄系事業2,30126.9
商事事業662△5.1
設備事業1,908△11.9
合計62,351△3.7

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
Samsung Electronics Co., Ltd.13,35420.613,54821.7
キオクシア株式会社6,49410.09,62515.4

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

② 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は1,236億17百万円となり、前期末に比べ16億84百万円減少しました。
(流動資産)
流動資産は574億26百万円で、前期末に比べ58億41百万円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が51億15百万円減少したためであります。
(固定資産)
固定資産は661億91百万円で、前期末に比べ41億57百万円増加しました。その主な要因は、投資有価証券が10億43百万円減少した一方、有形固定資産が61億68百万円増加したためであります。なお、有形固定資産の増加につきましては、主に精密化学品事業の成長投資および維持投資によるものであります。
(流動負債)
流動負債は291億80百万円で、前期末に比べ17億10百万円減少しました。その主な要因は、未払法人税等が4億67百万円増加した一方、短期借入金が18億77百万円減少、支払手形及び買掛金が8億52百万円減少したためであります。
(固定負債)
固定負債は268億14百万円で、前期末に比べ20億17百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が21億85百万円減少したためであります。有利子負債の残高は378億84百万円となり、前期末に比べ37億98百万円の減少となりました。
(純資産)
純資産合計は676億22百万円となり、前期末に比べ20億43百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により23億85百万円増加したためであります。
③ 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は623億51百万円となり、前期に比べ24億17百万円、3.7%の減少となりました。これは、主に精密化学品事業の販売数量の減少や販売価格の低下により減収となったためであります。
なお、事業別の売上の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①業績」に記載のとおりであります。
売上原価は、原材料価格の低下等により92億45百万円減少しました。また、販売費及び一般管理費は人件費等が増加しました。以上の結果、営業利益は42億72百万円となりました(前期は営業損失19億68百万円)。
営業外収益は為替差益が減少したこと等により6億41百万円減少しております。また、営業外費用はデリバティブ評価損が減少したこと等により2億12百万円減少しております。以上の結果、経常利益は45億7百万円となりました(前期は経常損失13億4百万円)。
特別利益は投資有価証券売却益が増加したことにより3億32百万円増加しております。特別損失は減損損失がなくなったこと等により41億86百万円減少しております。以上の結果、税金等調整前当期純利益は50億13百万円となりました。法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は32億48百万円となりました(前期は親会社株主に帰属する当期純損失46億10百万円)。
④ 資本の財源および資金の流動性
ア.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
イ.資金需要
当社グループの主な資金需要は、設備投資、関係会社貸付金等の長期資金ならびに原材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金であります。
資金調達の方法および状況ならびに資金の主要な使途を含む資金需要の動向につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題 ④ 財務戦略」に記載のとおりであります。
ウ.財務政策
長期資金については自己資金のほかに金融機関からの長期借入、短期資金については自己資金のほかに金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達・安定性に配慮し、取引銀行との間でコミットメントライン契約を締結しております。
なお、当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、財務状況や金融・経済情勢に応じて最適と判断した手段により資金を調達しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度を初年度とする第12次中期経営計画(5ヵ年)において、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。
数値目標(最終年度の連結経営指標)
第12次中期経営計画
売上高1,000億円
営業利益150億円
ROE12%以上
ROIC8%以上

第12次中期経営計画の3年目にあたる当連結会計年度の売上高は623億51百万円、営業利益は42億72百万円となりました。なお、第12次中期経営計画の目標達成に向けた経営戦略と課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題」に記載のとおりであります。

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