有価証券報告書-第160期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/20 14:15
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費の持ち直しや設備投資が増加するなど、景気は緩やかに回復しましたが、期後半には輸出や生産の一部に弱さがみられました。世界経済は、米国を中心に全体としては緩やかな回復基調が続きましたが、米中貿易摩擦の顕在化や英国のEU離脱問題など、先行きに対する懸念が高まりました。
化学工業界におきましては、原材料価格の上昇などがありましたが、企業収益は総じて堅調に推移しました。
このような経済環境のもとで、当社グループは、企業理念“ The Denka Value ”を実現すべく、2018年度より5ヵ年の新経営計画「Denka Value-Up」をスタートいたしました。そして、「Denka Value-Up」の3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」に基づき、2つの成長戦略である「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、新経営計画の初年度となる当期の業績は、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定や、電子・先端プロダクツ製品を中心とした販売数量の増加により、売上高は4,131億28百万円と前年同期に比べ174億98百万円(4.4%)の増収となり、過去最高を更新しました。収益面では、スチレンモノマーの定期修繕や、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加しましたが、販売数量の増加や交易条件の改善により、営業利益は342億28百万円(前年同期比5億76百万円増、1.7%増益)、経常利益は328億11百万円(前年同期比13億11百万円増、4.2%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は250億46百万円(前年同期比20億10百万円増、8.7%増益)となり、それぞれ2期連続で過去最高益を更新しました。
セグメントの経営成績は、次の通りであります。
なお、2018年4月1日付で、高純度導電性カーボンブラック「デンカブラック」を、従来の「エラストマー・機能樹脂部門」から「電子・先端プロダクツ部門」に変更しており、以下の営業概況説明では、前年同期の数値を変更後の区分方法により作成し記載しております。
<エラストマー・機能樹脂>クロロプレンゴムは、米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマー社が寒波の影響により減産となり販売数量は減少しましたが、販売価格の改定が進み増収となりました。また、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂は販売数量が増加し増収となり、ABS樹脂の販売は堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は1,792億37百万円(前年同期比91億27百万円増(5.4%増))、営業利益は141億76百万円(前年同期比12億35百万円減(8.0%減))となりました。
<インフラ・ソーシャルソリューション>特殊混和材や、農業・土木用途向けのコルゲート管、耐火物・鉄鋼用材料の販売は堅調に推移しましたが、一方でセメントは販売価格の是正が遅れ、肥料の出荷は低迷しました。また、一部の製品では台風など自然災害の影響による出荷減がありました。
この結果、当セグメントの売上高は548億46百万円(前年同期比17億円増(3.2%増))、営業損失は2億74百万円(前年同期は営業利益1億89百万円)となりました。
<電子・先端プロダクツ>電子回路基板および高信頼性放熱プレート“アルシンク”や、放熱材料向け球状アルミナは、販売数量が増加し増収となりました。また、高純度導電性カーボンブラックはリチウムイオン二次電池向けや高圧送電ケーブル向けの販売数量が伸長し増収となりました。一方、電子部品・半導体の搬送用部材である“デンカサーモフィルムALS”等の機能フィルムや、LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”の販売は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は671億13百万円(前年同期比44億99百万円増(7.2%増)、営業利益は117億89百万円(前年同期比8億80百万円増(8.1%増))となりました。
<生活・環境プロダクツ>プラスチック雨どいや工業用テープの販売は増収となり、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品の販売も堅調に推移しました。このほか、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売は前年同期並となりましたが、耐候性フッ素系アロイフィルム“DXフィルム”は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は390億34百万円(前年同期比19億46百万円減(4.7%減)、営業利益は8億89百万円(前年同期比71百万円増(8.8%増))となりました。
<ライフイノベーション>デンカ生研株式会社の試薬は国内、輸出とも販売数量が増加し増収となり、インフルエンザワクチンの出荷も前年を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は341億4百万円(前年同期比17億66百万円増(5.5%増)、営業利益は63億円(前年同期比7億59百万円増(13.7%増))となりました。
<その他>株式会社アクロス商事等の商社は取扱高が前年を上回り、デンカエンジニアリング株式会社は完成工事高が増加しました。
この結果、売上高は387億91百万円(前年同期比23億51百万円増(6.5%増))、営業利益は13億22百万円(前年同期比5億63百万円増(74.3%増))となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ100億28百万円増加の4,838億27百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べ66億円増加の1,907億30百万円となりました。固定資産は有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ34億27百万円増加の2,930億97百万円となりました。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ23億26百万円増加の2,333億46百万円となりました。
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ77億1百万円増加の2,504億81百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の50.5%から51.0%となり、1株当たり純資産は2,727円94銭から2,839円16銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、138億89百万円となり、前連結会計年度末と比べ2億11百万円の減少となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の増加などにより、前年比161億15百万円収入減の326億60百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払いは増加したものの、前年に独バイオ医薬品研究開発企業の株式取得による支払いがあったため、前年比31億21百万円支出減の261億76百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の支払が増加しているものの、短期借入金と社債の発行による収入が増加し、前年比74億49百万円支出減の84億8百万円の支出となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
2015年3月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月
自己資本比率(%)46.947.749.150.551.0
時価ベースの自己資本比率(%)48.746.756.265.957.3
債務償還年数(年)3.42.82.92.23.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)36.551.348.277.142.6

自己資本比率………………………………自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産
債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額
(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績について
当社は、2018年度より5ヵ年の新経営計画「Denka Value-Up」をスタートいたしました。
そして「Denka Value-Up」における3つの成長ビジョン「スペシャリティーの融合体」「持続的成長」「健全な成長」に基づき、2つの成長戦略である「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」を推進し、2018年度は積極的な投資と個々の事業の収益向上を進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、自然災害や中国をはじめとした世界経済の成長減速に伴う販売の減少等もあり、期初予想の営業利益には届きませんでしたが、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも、それぞれ2期連続で過去最高を更新しました。また、成長分野であるリチウムイオンバッテリー、放熱用途等の自動車電動化関連製品、ヘルスケア分野などのスペシャリティー事業は期待通りの伸長となっており、順調な進捗を見込んでおります。
エラストマー・機能樹脂部門は、スチレンモノマーの定期修繕があったため、前年に比べ減益となりました。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、セメントでは物流合理化や産廃収入増加に努めましたが、値上げ交渉が難航し、また、自然災害で出荷減となった製品もあり、前年比減益となりました。
電子・先端プロダクツ部門は、当連結会計年度後半頃からの需要減少・在庫調整などの影響を受けたものの、セラミックス回路基板や、球状アルミナ、デンカブラックなどの出荷増により、前年に比べ増益となりました。
生活・環境プロダクツ部門は、耐候性フッ素アロイフィルムのDXフィルムの販売は減少しましたが、その他の製品の販売は堅調に推移し、前年に比べ増益となりました。
ライフイノベーション部門は、インフルエンザワクチンや各種検査試薬の販売が増加し、前年に比べ増益となりました。
(b) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、将来の安定的な成長を持続するためには、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。
資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
当連結会計年度は、積極的な設備投資による支出があったほか、新経営計画「Denka Value-Up」における株主還元の基本方針「総還元性向50%」に基づいた株主還元を実施いたしました。
この結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ38億65百万円増加し1,121億34百万円となりました。自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.5%改善し、51.0%となりました。

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