有価証券報告書-第159期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/21 13:03
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122項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費や輸出で持ち直しの動きがみられたほか、設備投資や生産も上向くなど、景気は緩やかに回復しました。世界経済は、米国景気が堅調に推移するなど、全体として緩やかな回復基調が続きました。
化学工業界におきましては、期後半には円高の動きや原燃料価格の上昇もありましたが、企業収益は総じて堅調に推移しました。
このような経済環境のもと、当社グループは、国内外での拡販やコストの削減に努め、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、当期の業績は、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により、売上高は3,956億29百万円と前年同期に比べ329億82百万円(9.1%)の増収となり、過去最高を更新しました。収益面では、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加しましたが、販売数量の増加や交易条件の改善が収益拡大に寄与し、営業利益は336億52百万円(前年同期比78億7百万円増、30.2%増益)、経常利益は314億99百万円(前年同期比83億40百万円増、36.0%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は230億35百万円(前年同期比48億90百万円増、26.9%増益)となり、それぞれ過去最高益を大きく更新しました。
セグメントの経営成績は、次の通りであります。
なお、平成29年4月1日付で、デンカグループのすべての健康関連事業を統括する「ライフイノベーション部門」を新設し、従来「生活・環境プロダクツ部門」に区分していた健康関連事業を「ライフイノベーション部門」に移管しました。以下の営業概況説明では、前年同期の数値を変更後の区分方法により作成し記載しております。
<エラストマー・機能樹脂>クロロプレンゴムは、資源関連用途での需要回復などによる販売数量の増加や、採算是正を目的とした販売価格の改定により増収となりました。アセチレンブラックは、リチウムイオン電池や高圧送電ケーブル向けの販売数量が増加し増収となりました。また、スチレンモノマーやABS樹脂、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂等の販売は堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの売上高は1,784億44百万円(前年同期比267億38百万円増(17.6%増))、営業利益は168億8百万円(前年同期比90億34百万円増(116.2%増))となりました。
<インフラ・ソーシャルソリューション>農業・土木用途向けのコルゲート管や耐火断熱材などに使用されるアルミナ繊維は、販売数量が増加し増収となりました。また、セメントや肥料の販売は堅調に推移しましたが、特殊混和材の販売は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は531億46百万円(前年同期比13億29百万円増(2.6%増))、営業利益は1億89百万円(前年同期比6億70百万円減(77.9%減))となりました。
<電子・先端プロダクツ>電子部品・半導体の搬送用部材である“デンカサーモフィルムALS”等の機能フィルムや、半導体封止材向け球状溶融シリカフィラー、球状アルミナは、旺盛な需要により出荷増となりました。また、電子回路基板および高信頼性放熱プレート“アルシンク”は販売数量が増加し増収となり、LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”も好調な出荷が続きました。
この結果、当セグメントの売上高は542億79百万円(前年同期比80億27百万円増(17.4%増))、営業利益は95億12百万円(前年同期比24億35百万円増(34.4%増))となりました。
<生活・環境プロダクツ>プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が増加し増収となり、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品の販売も堅調に推移しました。また、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売は概ね前年同期並となりましたが、耐候性フッ素系アロイフィルム“DXフィルム”は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は409億80百万円(前年同期比2億7百万円減(0.5%減))、営業利益は8億17百万円(前年同期比7億11百万円減(46.5%減))となりました。
<ライフイノベーション>デンカ生研株式会社の試薬は国内、輸出とも販売数量が増加し増収となりましたが、インフルエンザワクチンの出荷は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は323億38百万円(前年同期比16億82百万円減(4.9%減))、営業利益は55億41百万円(前年同期比23億93百万円減(30.2%減))となりました。
<その他>株式会社アクロス商事等の商社は取扱高が前年を下回りました。また、デンカエンジニアリング株式会社は完成工事高が前年を下回りました。
この結果、売上高は364億39百万円(前年同期比12億22百万円減(3.2%減))、営業利益は7億58百万円(前年同期比1億82百万円増(31.6%増))となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ201億42百万円増加の4,750億86百万円となりました。流動資産は、売上債権の増加などにより前連結会計年度末に比べ175億65百万円増加の1,864億67百万円となりました。固定資産は、連結子会社Icon Genetics GmbHの完全子会社化に伴うのれんの増加などにより、前連結会計年度末に比べ25億76百万円増加の2,886億18百万円となりました。
負債は、買入債務の増加などにより前連結会計年度末に比べ48億49百万円増加の2,323億5百万円となりました。
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ152億92百万円増加の2,427億80百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の49.1%から50.3%となり、1株当たり純資産は2,526円42銭から2,727円94銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、141億1百万円となり、前連結会計年度末と比べ39億26百万円の増加となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前年比92億18百万円収入増の487億76百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払い増加に加え、Icon Genetics GmbHの株式取得による支払いがあったため、前年比70億40百万円支出増の292億98百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元は増加したものの、前年に長期借入金の返済があったため、前年比34億60百万円支出減の158億58百万円の支出となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
平成26年3月平成27年3月平成28年3月平成29年3月平成30年3月
自己資本比率(%)43.546.947.749.150.3
時価ベースの自己資本比率(%)38.248.746.756.265.8
債務償還年数(年)4.43.42.82.92.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)27.036.551.348.277.1

自己資本比率………………………………自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産
債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額
(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績について
当社は、前経営計画「Denka100」で、「生産体制の最適化」「徹底したコストの総点検」「成長ドライバーへの集中と次世代製品開発」の3つの成長戦略を立てるとともに、「健康、環境・エネルギー、インフラ」を重点3分野として、様々な施策を実行し、計画前と比べて着実に成果を出すことができました。また、将来の成長への種まきとして積極的な投資をおこない、個々の事業の収益向上の基盤固めを進めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、前経営計画「Denka100」の数値目標には未達であったものの、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも、それぞれ過去最高を大きく更新しました。
エラストマー・機能樹脂部門は、クロロプレンゴムの出荷増と採算是正が進んだことや、スチレンモノマーが非定修年であったことから、前年に比べ大幅な増益となりました。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、アルミナ繊維、農業・土木用コルゲート管の出荷が増加したものの、原材料価格上昇等のコストアップにより、前年比減益となりました。
電子・先端プロダクツ部門は、電子部品・半導体搬送材料用部材の機能フィルム、半導体封止材向け溶融シリカや球状アルミナの出荷が増加し、前年に比べ増益となりました。
生活・環境プロダクツ部門は、食品包装材料の原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定が進んだものの、耐候性フッ素アロイフィルムのDXフィルムの価格競争激化などから、前年に比べ減益となりました。
ライフイノベーション部門は、試薬販売数量が増加したものの、インフルエンザワクチン製造株の選定遅れにより、製造・販売が前年を下回ったことや、研究開発費等の負担増から、前年に比べ減益となりました。
(b) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、将来の安定的な成長を持続するためには、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金、株式取得資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。
資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
当連結会計年度は、設備投資に加えて、Icon Genetics GmbHの株式追加取得による支出があったほか、前連結会計年度を上回る株主還元を行いましたが、業績が好調であったことから、これらを上回る営業キャッシュ・フローを確保でき、余剰資金を有利子負債の返済に充当致しました。
この結果、財務体質の改善が進み、当連結会計年度末の有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ54億78百万円減少し1,082億69百万円となり、現金及び預金を差し引いたネット有利子負債は941億54百万円と1千億円を下回りました。また、自己資本比率も前連結会計年度末に比べ1.2%改善し50.3%となりました。

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