有価証券報告書-第161期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/19 13:08
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【項目】
154項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費の伸び悩みや輸出の減少に加え、年明け以降には新型コロナウィルス感染症の影響により景気が大幅に下押しされるなど、厳しい状況となりました。世界経済は、緩やかな回復が続いておりましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題の長期化に加え、2020年に入り感染症の世界的大流行により中国や欧米を中心に経済活動が停滞し、急速に減速しました。
化学工業界におきましても、ナフサ等の原材料価格は下落しましたが、期後半には国内外で需要が低迷し、企業収益は減少しました。
このような経済環境のもとで、当社グループは、企業理念“ The Denka Value ”を実現すべく、経営計画「Denka Value-Up」の成長ビジョン、成長戦略にもとづき、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、当期の業績は、車両電動化関連やヘルスケア分野で販売数量が増加しましたが、一部製品で原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しをおこなったこと、および米中貿易摩擦や期後半のコロナ禍による需要減を受けた販売数量の減少があったこともあり、売上高は3,808億3百万円と前年同期に比べ323億24百万円(7.8%)の減収となりました。利益面では、販売数量の減少に加えて、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加したことにより、営業利益は315億87百万円(前年同期比26億41百万円減、7.7%減益)となり、売上高営業利益率は8.3%となりました。また、経常利益は300億34百万円(前年同期比27億76百万円減、8.5%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は227億3百万円(前年同期比23億42百万円減、9.4%減益)となりました。
セグメントの経営成績は、次の通りであります。
<エラストマー・機能樹脂>クロロプレンゴムは、全体的に需要が減退したため販売数量が減少し減収となりました。また、スチレンモノマーやABS樹脂、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂の販売は概ね堅調に推移しましたが、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は1,493億25百万円(前年同期比299億12百万円減(16.7%減))、営業利益は109億3百万円(前年同期比32億72万円減(23.1%減))となりました。
<インフラ・ソーシャルソリューション>特殊混和材は出荷増および価格改定により増収となり、農業・土木用途向けのコルゲート管は概ね堅調に推移しましたが、セメントや肥料、耐火物・鉄鋼用材料の販売は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は548億2百万円(前年同期比44百万円減(0.1%減))、営業利益は2億59百万円(前年同期は営業損失2億74百万円)となりました。
<電子・先端プロダクツ>球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックなどの車両電動化関連製品は販売数量が増加し増収となり、電子回路基板および高信頼性放熱プレート“アルシンク”、LED用サイアロン蛍光体“アロンブライト”の販売も好調に推移しました。一方、電子部品・半導体の搬送用部材である“デンカサーモフィルムALS”等の機能フィルムや球状溶融シリカフィラーの販売は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は680億28百万円(前年同期比9億14百万円増(1.4%増))、営業利益は124億23百万円(前年同期比6億33百万円増(5.4%増))となりました。
<生活・環境プロダクツ>プラスチック雨どいおよび工業用テープの販売は堅調に推移し、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品も概ね前年並みとなりましたが、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売数量は前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は369億73百万円(前年同期比20億60百万円減(5.3%減))、営業利益は1億9百万円(前年同期比7億80百万円減(87.7%減))となりました。
<ライフイノベーション>デンカ生研株式会社の試薬は国内、輸出とも販売数量が増加し増収となり、インフルエンザワクチンの出荷も前年を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は355億10百万円(前年同期比14億5百万円増(4.1%増)、営業利益は69億64百万円(前年同期比6億63百万円増(10.5%増))となりました。
<その他>株式会社アクロス商事等の商社は取扱高が減少し、デンカエンジニアリング株式会社の完成工事高も前年を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は361億63百万円(前年同期比26億27百万円減(6.8%減))、営業利益は10億33百万円(前年同期比2億88百万円減(21.8%減))となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ176億20百万円増加の5,014億48百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金の増加などにより前連結会計年度末に比べ77億22百万円増加の1,984億52百万円となりました。固定資産は有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ98億98百万円増加の3,029億95百万円となりました。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ140億88百万円増加の2,474億34百万円となりました。
非支配株主持分を含めた純資産は前連結会計年度末に比べ35億32百万円増加の2,540億14百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.0%から50.0%となり、1株当たり純資産は2,839円16銭から2,906円95銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、291億70百万円となり、前連結会計年度末と比べ152億81百万円の増加となりました。なお、当連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金の減少などにより、前年比92億93百万円収入増の419億54百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資の支払いの増加などにより、前年比101億26百万円支出増の363億3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が増加し、前年比179億52百万円支出減の95億44百万円の収入となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)47.749.150.551.050.0
時価ベースの自己資本比率(%)46.756.265.957.339.2
債務償還年数(年)2.82.92.23.43.2
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)51.348.277.142.649.3

自己資本比率………………………………自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率………………株式時価総額/総資産
債務償還年数………………………………有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ……営業キャッシュ・フロー/利息支払額
(注) 1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品がほとんどであるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため「生産、受注及び販売の実績」については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの経営成績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における財政状態及び経営成績は、国内では、個人消費の伸び悩みや輸出の減少に加え、年明け以降には新型コロナウイルス感染症の影響により景気が大幅に下押しされるなど、厳しい状況となりました。世界経済は、緩やかな回復が続いておりましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題の長期化に加え、2020年に入り感染症の世界的大流行により中国や欧米を中心に経済活動が停滞し、急速に減速しました。化学工業界におきましても、ナフサ等の原材料価格は下落しましたが、期後半には国内外で需要が低迷し、企業収益は減少しました。
このような経済環境のもとで、当社グループは、企業理念“ The Denka Value ”を実現すべく、経営計画「Denka Value-Up」の成長ビジョン、成長戦略にもとづき、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。
この結果、当期の業績は、車両電動化関連やヘルスケア分野で販売数量が増加しましたが、一部製品で原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったこと、および米中貿易摩擦や期後半のコロナ禍による需要減を受けた販売数量の減少があったこともあり、売上高は前期比減収となりました。利益面では、販売数量の減少に加えて、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加したことにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも前期比減益となり、目標としていた3期連続の過去最高益の更新は、残念ながら実現することはできませんでした。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、以下のとおりであります。
エラストマー・機能樹脂部門は、スチレンモノマーの定期修繕がなく、シンガポールの子会社デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂、MS樹脂の収支スプレッドが改善しましたが、クロロプレンゴムの需要減に伴う販売数量の減少などにより前年に比べ減益となりました。
インフラ・ソーシャルソリューション部門は、製品の価格改定が進み、また特殊混和材の販売数量の増加などにより、前年に比べ増益となりました。
電子・先端プロダクツ部門は、生産体制の強化に伴う固定費負担の増加がありましたが、球状アルミナ、デンカブラックなどの車両電動化関連製品の販売数量の増加などにより、前年に比べ増益となりました。
生活・環境プロダクツ部門は、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売数量の減少などにより、前年に比べ減益となりました。
ライフイノベーション部門は、先行投資による費用負担の増加がありましたが、インフルエンザワクチンや各種検査試薬の販売数量が増加し、前年に比べ増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは419億54百万円の収入となりましたが、経営計画「Denka Value-Up」における2つの成長戦略である「事業ポートフォリオの変革」と「革新的プロセスの導入」にもとづく積極的な投資による支出をおこない、また株主還元方針にもとづく配当及び自己株式の取得を実施した結果、当連結会計年度末のネット有利子負債残高は前連結会計年度末に比べ69億36百万円増加し1,051億68百万円となりました。なお、自己資本比率は50.0%、ネットD/Eレシオは0.42倍と引き続き良好な財政状態を維持しているものと判断しております。
資本の財源及び資金の流動性については、当社グループでは将来の安定的な成長を持続するため、良好な財務バランスを維持することが重要と考えており、資金需要に見合った資金調達を行うことを基本的な方針としております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資資金等であり、必要資金の調達については、自己資金を主とし、運転資金の一部を短期借入金やコマーシャル・ペーパーによって、設備資金等の長期資金の一部を長期借入金や社債によって外部調達しております。
資金の流動性については、適正な水準の現預金を保持した上で、不測の事態に対応するため、取引金融機関と貸出コミットメント契約を締結することで流動性を確保しております。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるリスクへの対応として、2020年3月より現預金の水準を引き上げており、事態が収束するまでは、この対応を継続する予定です。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針と合理的と考えられる見積りに基づき、収益、費用、資産、負債の計上について判断しております。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、例えば一般債権に対する貸倒引当金の引当については主として過去の貸倒実績率を、繰延税金資産の計上については将来の税務計画を、退職給付債務については、昇給率、割引率などを使用して見積っておりますが、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、当社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が、2020年度第2四半期(2020年7月1日から2020年9月30日まで)以降徐々に収束に向かい、第3四半期(2020年10月1日から2020年12月31日まで)以降は正常化するとの前提に基づいて、会計上の見積りをおこなっておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、世界経済に与える影響をはじめ不確定要素が多いことから、翌連結会計年度の当社の財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(a)固定資産(のれんを含む)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しております。将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映しているほか、必要に応じて外部専門家による評価を活用しております。
減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討をおこなっておりますが、将来の予測不能な事業環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、減損損失が発生する可能性があります。
(b)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、収益力もしくはタックス・プランニングに基づく将来の課税所得の十分性により判断しており、課税所得の算定にあたっては、各納税主体の事業計画をもとに最新の事業環境に関する情報等を反映し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の予測不能な経営環境の著しい悪化等により見直しが必要となった場合、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
(c)退職給付債務の算定
当社グループでは、簡便法を採用している連結子会社を除き、確定給付制度の退職給付債務および関連する勤務費用について、数理計算上の仮定を用いて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の計算基礎があり、これらの計算基礎については、例えば期待運用収益率であれば前提となる企業年金の運用方針などを、定期的かつ合理的な見直しをおこなっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付債務および関連する勤務費用が変動する可能性があります。

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