有価証券報告書-第158期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/22 13:08
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120項目

有報資料

(対処すべき課題)
当社は、昨年、創立101周年の「新世紀元年」を迎えたタイミングで、次の100年に向けたデンカグループの企業活動の根幹をなす企業理念“ The Denka Value ”を制定いたしました。
この“ The Denka Value ”実現のため、昨年度も引き続き、経営計画「Denka100」の新成長戦略の一つである「成長4分野への資源集中と次世代製品開発」に関し、着実に実行してまいりました。
成長4分野のうち、「環境」「エネルギー」分野の取組みとして、次世代の自動車および自動車部品に求められる新規ニーズを的確に取り込むためのデンカグループ全体の窓口として、本社に「Automotive Materials & Solution 開発推進室」を開設いたしました。また、当社と北陸電力株式会社との共同出資会社である黒部川電力株式会社において、かねてより調査・検討を進めておりました新水力発電所の建設を正式に決定いたしました。
「インフラ」分野では、経済成長が著しい東南アジア地区における特殊混和材事業の取組みとして、マレーシアに続きインドネシアの建設資材メーカーを子会社化いたしました。
成長4分野の中でも将来大きく成長が見込まれる「健康」分野に関しましては、特に取組みを加速させております。具体的には、当社の主要グループ会社であるデンカ生研株式会社と、台湾に本社を置く戦略的パートナーであるPlexBio社との間で、同社が開発した測定システムに関する業務提携契約を締結いたしました。本システムは、従来のシステムに比べ、短時間かつ簡便で同時に多項目のタンパク質や遺伝子の測定ができる画期的なものであり、医療現場での多様な課題を解決するシステムとして、今後その普及に注力してまいります。また、シンガポールに、同国科学技術庁(A*STAR)とのパートナーシップにより、「Denka Life Innovation Research Private Limited」を設立し、本年2月に同国政府関係者にも多数ご出席いただき、開所式を執り行いました。同国には、世界中のバイオ関連企業の研究機関が集結しており、今後は同拠点を活用し、ライフサイエンス分野におけるグローバルな人材育成やオープンイノベーションを一層加速させてまいります。さらに、当社と米国KEW,Incとの間で、がん遺伝子変異検査ならびに情報提供サービス事業を目的とした「デンカ・キュー・ジェノミクス合同会社」を共同で設立いたしました。本事業を通じ、日本でのがん患者様ひとりひとりに最適化された医療サービスが提供できる環境を創出してまいります。
このように当社は、経営計画「Denka100」を着実に推進するとともに、コーポレートガバナンス体制の強化に努めてまいりました。これらを踏まえ本年4月より、会長・社長による経営執行体制とすることで、事業分野の拡大やグローバル化に適切かつスピーディーに対応するとともに、コーポレートガバナンス機能をより充実させることといたしました。さらに、現在、「Denka100」の流れを引き継ぐ次期経営計画「Denka Value-Up」の策定を進めております。今回、この「Denka Value-Up」策定にあたっての基本的な考え方に関し、取締役会で決議し、外部発表いたしました。具体的な内容は下記の通りです。
なお、次期経営計画「Denka Value-Up」につきましては、「Denka100」の総括も含め本年秋に正式発表する予定です。
◇次期経営計画「Denka Value-Up」(2018年~22年)の基本的考え方
○「Denka Value-Up」の成長ビジョン
◇世界に存在感を示すスペシャリティー企業※(Specialty Company)となる。
※スペシャリティー事業とは
独自性と高付加価値を兼ね備え、外部環境に左右されにくく、トップクラスのシェアを有する事業、及び近い将来その可能性を有する事業。
◇革新的プロセスによる飛躍的な生産性向上で、持続的成長(Sustained Growth)を目指す。
◇働き方改革推進による健全な成長(Sound Growth)の実現。
○成長戦略① スペシャリティー化
事業ポートフォリオの変革=スペシャリティー化

(1)スペシャリティー事業の成長加速化
◇重点3分野への経営資源集中
①ヘルスケア:ワクチン・試薬技術をベースとした健診・治療・予防領域への展開
がん・感染症領域への画期的な新技術導入
②環境・エネルギー:モビリティー、省エネ、クリーンエネルギー向け先端材料提供
③高付加価値インフラ:建設・土木の先端材料・ソリューション提供
(2)基盤事業(エラストマー、スチレン系、無機系、樹脂加工等)のスペシャリティー化
◇スペシャリティーグレードの比率拡大
◇ソリューションビジネスへのシフト
(3)コモディティー事業の位置付け再定義
◇バリューチェーン最適化、需要見合いの事業規模スリム化、事業再編等
⇒2022年度営業利益スペシャリティー化率90%を目指す。
○成長戦略② 革新的プロセス
生産・研究開発・業務のプロセス改革

以下のプロセス改革(最先端ICT技術導入・業務の本質追及・プロセス標準化等)を推進し、革新的な生産性の向上、新事業の創出、働き方改革、ダイバーシティによる組織の活性化を図る。
(1)生産プロセス
◇IoT・AI展開 ⇒ AI無人工場(未来工場)
◇生産革新 ⇒ 高度安定化、高効率
(2)研究開発プロセス
◇新事業の創出・展開、基幹事業の強化 ⇒ 先進デジタル技術による開発スピード加速
(3)業務プロセス
◇業務の生産性向上
◇健全で魅力ある職場
◇ダイバーシティ推進
◇The Denka Value(企業理念)
The Denka Value(企業理念)は、最上位としての「Denkaの使命(Denka Mission)」と、グループ社員一人ひ
とりが行動する上での規範となる「Denkaの行動指針(Denka Principles)」から構成されます。
The Denka Valueは経営企画を含むすべての企業活動の上位概念であり、当社は、このThe Denka Valueを実践することで、社会からの期待と信頼に応えることを目指しております。
・Denkaの使命(Denka Mission)
化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に
貢献する企業となる。

*コーポレートスローガン:「できるをつくる。」「Possibility of Chemistry.」
・Denkaの行動指針(Denka Principles)
わたしたちは、一、「誠意」と「チャレンジ精神」で、果敢に難題に挑みます
一、「未来」に向け、今何をなすべきかを考え、行動します
一、「創造」溢れるモノづくりを通して、お客様へ新たな価値と感動を届けます
一、「環境」に配慮し、「安全」優先の明るい職場をつくります
一、「信頼」される企業としての誇りを持ち、より良い社会作りに貢献します


※文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(株式会社の支配に関する基本方針)
Ⅰ.基本方針の内容
当社は、石灰石資源と自家発電所を基盤としたカーバイドと化学肥料の生産を出発点として1915年(大正4年)に創業し、カーバイド化学により培った電炉技術・高温反応制御技術・有機合成技術などを基に無機化学から有機化学、さらには電子材料、樹脂加工や医薬等まで非常に幅広い事業領域を有するユニークな化学メーカーとして成長してまいりました。
このような歴史を有する当社事業は、原材料から最終製品に至るまでの工程が非常に長い製品や、多様な領域の自社技術を複合的に活用した製品が多いことを特徴としております。
また、これらの事業は、地道な研究開発や保安活動、長期的な視点に基づく設備投資や人材育成、取引先や地域社会との信頼関係などの長年にわたる努力の積み重ねの上に成立しています。換言すれば、多様な技術とそれを複合的に活用できる知識と経験を有する人材が当社の企業価値の源泉であり、脈々と受け継いできた経営資源や信頼関係が企業価値を支える基盤であると当社は認識しています。
グローバル化、情報化の進む昨今においては、経営環境の変化は早く、市場におけるニーズや経済構造の変化を見逃せば、立ちどころに事業基盤を失う時代になっております。わが国においても、企業の成長戦略としてM&A(企業の合併・買収)・業務提携が多用されるようになってきておりますが、当社取締役会もこのような市場原理に基づくダイナミズムの活用が社会および当社を含む企業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る一手段として重要なものであると認識しております。
また、当社は株式を上場している企業として、多様な価値観を有する株主の存在を認めており、大量買付けを含む当社の支配権の異動については株主の皆様が最終的な判断を下すべきものであると考えております。しかしながら、現実におこなわれてきた大量買付けの中には、対象となる会社の企業価値や株主共同の利益を毀損するおそれのあるものや、これに応じるか否かを判断するために十分な情報と時間が提供されないものなどがあり、すべての大量買付けを無条件に認めることは株主の皆様の付託を受けている経営者として、責任を全うしているとは言いがたいものと考えております。
当社取締役会は、当社の財務および事業の方針を支配する者は、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、中長期的な視点に立って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していく者である必要があると考えており、下記の項目に該当するような当社株式の大量買付け等に原則として反対することを表明いたします。
また、当社株式の大量買付け等が下記の項目に当てはまるか否かを当社または株主が判断するに足る十分な情報と時間を提供しないような場合にも、当社取締役会はそのような大量買付け等に原則として反対の立場をとることといたします。
このような要件に該当する当社株式の大量買付けがおこなわれようとした場合、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が侵害されるのを防止するため、また、株主の皆様それぞれが納得のいく判断を下すことが可能となる環境を確保するため、法令、金融商品取引所等の諸規則および当社定款の定めが認める範囲内において必要かつ相当な対抗策を講じることを検討してまいります。当社取締役会は、当社株式の大量買付け等について日常的にチェック活動をおこない、株主共同の利益や企業価値を損なうことがないよう、機動的に対応していく所存です。

①下記に掲げる行為等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付け等である場合
(ⅰ)株券等を買い占め、その株式等について当社または当社の関係者に対して高値で買取りを要求する行為
(ⅱ)当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲のもとに買付け者等の利益を実現する経営をおこなうような行為
(ⅲ)当社の資産を買付け者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
(ⅳ)当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
②強圧的二段階買付け(最初の買付けで全株式の買付けを勧誘することなく、二段階目の買付け条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付けをおこなうことをいう。)等株主に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付け等である場合
③当社取締役会に、当該買付け等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付け等である場合
④当社株主に対して、必要情報その他買付け等の内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供しない買付け等である場合
⑤買付け等の条件(対価の価額・種類、買付け等の時期、買付け等の方法の適法性、買付け等の実行の蓋然性、買付け等の後の経営方針または事業計画等を含む。)が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当な買付け等である場合
⑥当社の企業価値を生み出すうえで必要不可欠な当社の従業員、取引先等との関係や当社のブランド力を損なうこと等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらす買付け等である場合
⑦買付け者等の経営者または主要株主に反社会的勢力と関係を有する者が含まれている場合等、公序良俗の観点から買付け者等が当社の支配権を取得することが不適切である場合
Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
イ.基本的方針の実現に資する特別な取組み
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、経営計画「Denka100」を推進しています。2013年(平成25年)4月からその戦略を見直しいたしました。目標年度を2017年(平成29年)として、業績の数値目標を達成するために「3つの新成長戦略」を設定し、それに基づいた多くの具体的施策を「攻め」の姿勢で積極的に実行してまいりました。
[3つの新成長戦略]
①生産体制の最適化
②徹底したコストの総点検
③成長分野への資源集中と次世代製品開発
[数値目標/2017年度]
連結営業利益 600億円以上
営業利益率 10%以上
海外売上高比率 50%以上
2014年(平成26年)には、同計画の最終成果である収益について、株主様への配分を定めた「株主還元方針」を策定するとともに、さらなる成長に向けて、M&Aなどの戦略投資の財源を明確化しております。
また、同計画達成のための経営体制を強化するとともに、ガバナンス体制を拡充して、経営の透明性と健全性をさらに向上させるため、社外取締役の増員(2名から3名に増員)および取締役会の人数の減員(取締役の定員を2名減員)を含めた新体制を第156回定時株主総会で決議いたしました。これにより、「守り」と「攻め」を兼ね備えた経営体制の強化を図ってまいります。
さらに、2015年(平成27年)の創立100周年を機に、全社員が心を一つにして同計画の達成に挑戦して行く決意を表すものとして、コーポレートロゴの一新およびコーポレートスローガンと社員の行動指針の制定をおこない、10月1日からの商号(社名)変更を第156回定時株主総会で決議いたしました。
ロ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針を支配されることを防止するための取組みとして、過去、当社株式の大量取得行為に関する対応策(いわゆる事前警告型敵対的買収防衛策、以下「本プラン」という。)を導入した経緯がありますが、本プランの有効期限の終了をもって本プランを継続しないことを決議しております。
今後とも基本方針を遵守することで企業価値の向上と株主共同の利益の確保に努めてまいります。
Ⅲ.取締役会の判断およびその判断に係る理由
当社取締役会は、上記Ⅱ.イに記載した取組みは、中長期的な視点に立って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることを目的として実施するものであり、当社の基本方針実現に資するものであると考えております。そして、これらの取組みは、株主の共同の利益に合致したものであり当社役員の地位の維持を目的としたものではありません。

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