有価証券報告書-第167期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/17 15:03
【資料】
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【項目】
151項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 経営の基本方針
当社は、「私たちは、人と地球環境を大切にし、革新的な技術で、豊かな社会の発展に貢献します」という企業理念の実現のために、「共有すべき行動精神」として「誠実」「和」「積極性」及び「イビテクノの進化」を掲げ、全役職員の行動の柱としております。この方針に基づき、社会に有用な技術・製品の開発・提供を行うとともに、全てのステークホルダーから信頼・評価される企業経営に努めております。
② 中期経営計画と活動の柱
当社グループでは、収益基盤をいっそう強固なものとし、新たな成長に向けて2018年度より、持続的な成長と安定的な収益の実現を目指し、2022年度を最終年度とする中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」を策定し、取り組んでおります。
この中期計画では、「既存事業の競争力強化」「新規事業の拡大」「人財育成」「ESG経営の推進」を活動の柱としています。
[既存事業の競争力強化]
電子事業においては、既存の当社が強みを持つパソコン・スマートフォン市場に於けるシェアを維持しつつ、既存市場で培った技術をベースに、今後伸長が見込まれるデータセンター、更には車載分野といった新たな市場の開拓を図ります。
セラミック事業においては、環境規制の強化に伴い伸長が見込まれる新興国に於けるディーゼル大型車市場での拡販を図るとともに、パワートレインの多様化に対応した製品の開発及び上市を進めてまいります。
その他事業においては、電力事業の長期安定収益と併せて、国内関連会社各社における独自の競争力による安定した事業成長を実現し、収益の基盤としての位置づけを確かなものにしてまいります。
[新規事業の拡大]
当社においては、2017年度に4つの開発センターを設立し、既存コア技術をベースに社会問題の解決、顧客ニーズを捉えた新製品の研究開発に取り組んでまいりました。3年間の取り組みの結果、開発の方向性に一定の目途が付いたことにより、2019年度末をもって開発センターを発展的に解散し、世界人口増加による将来の食糧危機を解決するための植物性タンパク質(バイオマテリアル)製品と、環境問題・エネルギー問題を解決するための電動車向けの製品について、社内プロジェクトを新設し、事業化に向けた仕上げに入っております。その他の開発領域においては、技術開発本部におきまして、感染症リスクを低減するための抗ウィルスコート剤や、航空機エンジンの燃費を飛躍的に向上させる先進セラミック製品などの開発を進めております。併せて、他社とのアライアンスによるオープンイノベーションを積極的に進めるとともに社内ベンチャー制度を立上げ、社内起業家(アントプレナー)を育成することで、新製品開発を推進してまいります。
[人財育成]
企業成長を支えるのは人財であるとの考え方に基づき、ワークライフバランスを実現する働き方改革として、「①生産性改善 ②人事教育制度の充実 ③労働時間管理の徹底 ④多様な社員が活躍できる環境整備 ⑤IT技術の活用」の5つの施策を進めてまいります。
[ESG経営の推進]
当社ではESG経営を次の100年も安定的・永続的に成長するための基盤として位置付けており、全てのステークホルダーの皆さまからの支持を獲得し、地球環境と共存しながら持続可能な発展を目指してまいります。
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の世界経済の見通しにつきましては、米中の通商問題に端を発した中国経済の減速、更には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響拡大による経済活動の減速が懸念されるなど、先行きを予測することはますます難しくなっております。COVID-19による当社事業への影響につきましては、サプライチェーンの停滞や自動車市場の減速などの可能性があり、不透明な状況が続くと思われます。当社グループにおきましては、全社総力をあげ、従業員及びステークホルダーの皆様の安全優先を前提に、機動的かつ柔軟な施策を講じることで、事業への影響を最小限に留めてまいります。
①電子事業
2019年度の当社電子事業の市場におきましては、ハイエンドスマートフォンの需要減少が続くなか、5G及びICTの進展によるデータセンター市場の拡大、更に車載用画像解析など、より高機能でファインな電子部品の需要が拡大すると予測されます。当社におきましては、最先端のICパッケージ基板向け大型投資の量産を開始することにより、従来から当社が強みをもつ最先端分野におけるシェアを拡大してまいります。また、併せて市場の変化に対応した生産体制・生産品目の選択と集中を進めてまいります。
(来るべき5G・ICT時代へ向けた需要増に、更なる生産能力増強で応える)
今後、半導体市場は、5G・ICTの進展によるデータセンター市場の拡大や、車両用の画像解析など、企業活動を中心にデジタル化やクラウド化が加速し、高機能ICパッケージの更なる需要拡大と難仕様化が見込まれております。当社では、2018年11月に公表致しました総額700億円の設備投資に加え、追加で600億円の設備投資の実施を決定いたしました。これらの需要に確実に対応することで、高機能ICパッケージの分野における強固な地位を確立し、電子事業を持続的に成長させていくことに加え、人々の暮らしや経済活動をより豊かに変えていくデジタルトランスフォーメーションの進展に積極的に貢献してまいります。
②セラミック事業
セラミック事業におきましては、主力のディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)事業は、世界的な自動車市場の成長鈍化に加え、欧州を中心にディーゼル乗用車比率の低下が継続すると予測されます。今年から始まる排ガス規制の強化によって需要の拡大が見込まれる新興国・大型車用の受注を確実に取り込むとともに、グローバルで生産性とコスト競争力を高めることで、中期的に安定的な収益を生み出せる事業に再構築してまいります。また、触媒担体保持・シール材(AFP)・特殊炭素製品(FGM)事業は、需要拡大が見込まれる市場及び分野に対して、積極的に設備投資を行うことで、セラミック事業全体を安定的な成長軌道に乗せてまいります。
(中国に触媒担体保持・シール材の新たな生産拠点を設立)
世界最大の自動車市場である中国市場において、触媒担体保持・シール材の生産能力増強及び顧客サポート強化を図る目的で、中国江蘇省に生産拠点を新規設立することを決定いたしました。
自動車市場全体で見れば、今後、環境規制の強化に伴い、高機能な触媒担体保持・シール材の需要拡大が見込まれております。当社におきましては、需要拡大が見込まれる市場及び分野に対して、積極的に設備投資を行うことで、セラミック事業全体を安定的な成長軌道に乗せてまいります。
③建設・その他事業
建設・その他事業におきましては、国内グループ各社の独自の競争力を持った製品による事業拡大と、電力事業により、当社グループの安定的な収益源としての位置づけを確かなものにしてまいります。
当社グループは、環境の変化を乗り越え、持続的な成長を実現するため、2018年度より5ヵ年の中期経営計画「To The Next Stage 110 Plan」を始動しております。
2020年度は折り返しの年度となりますが、選択と集中の視点で、伸びる市場への積極果敢な経営資源の投入を継続するとともに、オープンイノベーションやアライアンスなど外部との連携も強化することで、既存事業の収益基盤を固めつつ、新製品の事業化に確かな道筋を付けることで、中・長期での安定した成長を実現してまいります。また、全てのステークホルダーの皆様より信頼される会社に向け、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を積極的に推進してまいります。
当社グループといたしましては、これらの経営課題・リスクに着実に対処することで、収益基盤を一層強固なものとし、この厳しい状況を乗り越え、企業間競争を勝ち抜いていく所存でございます。

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