有価証券報告書-第148期(2024/04/01-2025/03/31)
①気候変動への取り組み
イ.戦略
当社グループは2050年カーボンニュートラルに向け、温室効果ガス排出量(スコープ1、スコープ2)を実質ゼロとするための計画を策定しました。2050年カーボンニュートラル実現に向けた計画の推進を、重要な経営課題と位置づけています。2019年5月にTCFDの提言への支持を表明し情報開示を進めると同時に、気候変動に関するシナリオ分析を行い、この分析を通じ事業に影響をおよぼす重要なリスクと機会を特定し、経営に反映させています。
<シナリオ分析>気候変動による事業機会:1.5℃シナリオ
※ポール・ホーケン編著「DRAWDOWN–The Most Comprehensive Plan Ever Proposed to Reverse Global Warming」より
気候変動による事業リスクと対応策:1.5℃シナリオ(移行リスク)
気候変動による事業リスクと対応策:4℃シナリオ(物理的リスク)
イ.戦略
当社グループは2050年カーボンニュートラルに向け、温室効果ガス排出量(スコープ1、スコープ2)を実質ゼロとするための計画を策定しました。2050年カーボンニュートラル実現に向けた計画の推進を、重要な経営課題と位置づけています。2019年5月にTCFDの提言への支持を表明し情報開示を進めると同時に、気候変動に関するシナリオ分析を行い、この分析を通じ事業に影響をおよぼす重要なリスクと機会を特定し、経営に反映させています。
<シナリオ分析>気候変動による事業機会:1.5℃シナリオ
| 用途 | 詳細 | 収益への 影響度 |
| 樹脂窓 | 塩化ビニル樹脂は断熱性に優れているため樹脂窓に使用されている。省エネ住宅の普及とともに樹脂窓の需要増加が見込まれる。 | 大 |
| 電気自動車、 ハイブリッド車、燃料電池車 | 半導体シリコンは、モーターの回転数を制御するインバーターなどのパワー半導体デバイス、自動運転、AI向けロジック半導体デバイス等に使用される。 高性能で小型のレア・アースマグネットは、車両全体の重量を軽くし、燃費性能を上げられることから、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車の駆動モーターや車両のさまざまなモーターへの利用が広がる。シリコーンの放熱材料は、リチウムイオン電池や各種電子制御装置などの熱対策に使用されている。熱による動作不良や故障の防止に役立ち、需要の拡大が見込まれる。 | 大 |
| 風力発電機 | レア・アースマグネットは、洋上風力発電機の高効率化および発電機のメンテナンスコストの削減に寄与するため、需要の拡大が見込まれる。 送電網の整備、拡充により、電線被覆に使用される塩ビの需要拡大も見込まれる。 | 大 |
| エアコン | 半導体シリコンはコンプレッサーモーターのインバーター制御デバイスに使用され、モーターを適切な回転数に調節することで省電力に貢献することから、需要が拡大している。 レア・アースマグネットは、エアコンのコンプレッサーモーターのエネルギー効率を高め消費電力量を削減するため、需要の拡大が見込まれる。 | 中 |
| 航空機 | レア・アースマグネットは小型航空機の電動化やハイブリッド化、大型航空機の油圧駆動部の電動化に不可欠である。小型で強力なレア・アースマグネットは機体の重量を軽減し、燃費の向上に寄与するため、需要の拡大が見込まれる。 | 中 |
| 産業用モーター | レア・アースマグネットは、産業用モーターの効率を上げ、消費電力量を削減するため、需要の拡大が見込まれる。 | 中 |
| サービスロボット | 半導体シリコンは、製造、物流、農業用などの省エネ対応ロボット制御モーター用半導体への使用や、医療用、災害対策用ロボットへの採用が広がっている。 | 中 |
| 植物由来の代替肉の結着剤 | 植物性食品を中心にした食生活は、CO2排出量を年間1.6ギガトンも削減することができる可能性がある。(※)セルロース誘導体の製品のひとつである「メトローズMCE-100TS」は、植物由来の代替肉の結着剤として使用されている。代替肉の世界市場は年率2ケタの成長が見込まれており、今後もさらなる市場の拡大が期待される。 | 中 |
※ポール・ホーケン編著「DRAWDOWN–The Most Comprehensive Plan Ever Proposed to Reverse Global Warming」より
気候変動による事業リスクと対応策:1.5℃シナリオ(移行リスク)
| 事象 | 当社へのリスク | 収益への 影響度 | 対応策 |
| 世界各国での炭素税の導入、炭素排出枠の設定 | ・炭素税の支払い ・炭素排出枠の達成のための排出権の購入費用の発生 ・温室効果ガスの排出削減のための対策費用の増加 | 大 | ・スコープ1排出量の削減 ・生産工程の効率化や高効率な機器の導入などの さらなる推進 ・水素やアンモニアなどの二酸化炭素を排出しない エネルギーの使用 ・CCUSの活用 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天然 ガス)の熱源としての利用 ・温室効果ガスの絶対量での削減目標の達成 ・各国の炭素税等の環境規制に関する情報を収集し、対策を施す |
| 温室効果ガス排出の規制強化による再生可能エネルギー由来の電力の普及と電力価格の上昇 | ・電力コストの増大 | 大 | ・スコープ2排出量の削減 ・電力の使用量が少ない生産工程や高効率な機器の 導入などのさらなる推進 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天然 ガス)を使用したコージェネレーションシステムの 導入 |
気候変動による事業リスクと対応策:4℃シナリオ(物理的リスク)
| 事象 | 当社へのリスク | 収益への 影響度 | 対応策 |
| 異常気象の発生頻度の上昇 | ・生産拠点の浸水 ・サプライチェーンの寸断 | 大 | ・生産拠点の嵩上げや重要な設備の周辺への防水壁の設置、冠水リスクが低い場所への計器室の設置、港湾に近い生産拠点での防潮堤の設置 ・生産拠点の複数化 ・原材料の調達先の多様化 ・製品在庫の確保 ・損害保険への加入 |
| 降水パターンの変化などによる洪水の発生頻度の上昇 | |||
| 一部の国での炭素税の導入や炭素排出枠の設定 | ・当該国の生産拠点から排出される温室効果ガスに課税される炭素税の支払い ・当該国の炭素排出目標を達成できない場合、排出権の購入費用や課徴金の支払いの発生 | 小 | ・スコープ1排出量の削減 ・生産工程の効率化や高効率な機器の導入などの さらなる推進 ・水素やアンモニアなどの二酸化炭素を排出しな いエネルギーの使用 ・CCUSの活用 ・カーボンニュートラル天然ガス(排出権付き天 然ガス)の熱源としての利用 ・温室効果ガスの絶対量での削減目標の達成 ・各国の炭素税等の環境規制に関する情報を収集し、対策を施す |
| 電力価格 | ・IEAのシナリオ分析(現行施策シナリオ)によると、電力価格は上昇しない。このため、当社へのリスクはない | - | - |