有価証券報告書-第13期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 13:05
【資料】
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【項目】
58項目
当社グループを取り巻く事業環境としましては、国内産業ガス市場は、グローバル市場に向けた電子部品向けの窒素需要など堅調な動きは一部であるものの、全般的にはリーマンショック前の水準に戻ることは想定できず、ゆるやかな成長になると想定しています。
海外産業ガス市場は、アジア地区が引き続き世界経済の成長センターであり、当該エリアの持続的成長を期待しています。中国ではエレクトロニクス産業の拡大が今後一層加速する見込みであり、同地域内での電子材料ガス需要は拡大すると予想しております。また、日本の約4倍の市場規模をもつ米国では、製造業回帰の動きも重なり、今後も成長が見込まれています。
一方で、世界の産業ガス業界では産業ガスメジャーによる統合・再編が進み、寡占化が急速に進行しておりますが、産業ガスメジャーと競合できる確固たる地位を確立するためには、グローバル競争力を高めつつ事業規模を拡大することが肝要と考えます。
当社は2014年5月に定めた長期経営ビジョンの中で売上収益1兆円を目指しております。
この長期ビジョンのもと、 2015年3月期から3ヵ年の中期経営計画「Ortus Stage 1」を「基盤強化」の時期と位置づけて、4つの重点戦略である構造改革・イノベーション・グローバリゼーション・M&Aを進め、2017年3月期の売上収益は5,815億円、コア営業利益は547億円となりました。
2018年3月期からは4ヵ年の中期経営計画「Ortus Stage 2」に取り組みます。この4ヵ年は、「Ortus Stage 1」の4つの重点戦略を引き継ぎながら、第一ステージで撒いた種を刈り取っていく「成長促進」の時期となります。中期経営計画の最終年度となる2021年3月期には下記の数値目標達成を目指します。
2017年3月期
実績
2021年3月期
計画
売上収益5,815億円8,000億円
コア営業利益547億円760億円
コア営業利益率9.4 %9.5 %
海外売上収益比率40.8 %45.0 %
ROCE8.4 %9.0 %

また、当社グループでは「Ortus Stage 2」の基本方針に保安・品質とコンプライアンスに関する取り組み強化を掲げております。保安・品質への取り組みでは、国内においてはさらなる技術力、活力維持向上を目指し、海外においては技術力向上、保安体制強化をめざし、各職場における事故・労災、品質トラブル“ゼロ”を目指します。コンプライアンスへの取り組みについては、各事業リスクに応じたコンプライアンスへの対応を図るとともに、内部統制システムの実効性ある運用を推進していきます。グループ全体のガバナンスを強化することで、当社グループの持続的成長と長期的な企業価値向上を実現してまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2017年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(注)当社では重要な経営指標として、コア営業利益とROCEを採用しております。
当社は当連結会計年度からIFRSを導入しており、IFRSの営業利益には事業撤退や縮小から生じる損失等が含まれています。コア営業利益は、営業利益からこれらの非経常的な要因から発生した損益を除いたもので、本業及び経常的な損益を表わす指標として開示しております。
ROCEは、コア営業利益を投下資本(有利子負債残高+親会社の所有者に帰属する持分)で割って算出しております。当社ではコア営業利益と資本、有利子負債のバランスを重視し、従来から継続してROCEを経営指標として使用しております。
会社の支配に関する基本方針
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係などを十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を長期的に確保、向上させる者でなければならないことを基本原則といたします。
また、上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆さまによる自由な取引が認められているものであり、仮に当社株式の大規模な買付行為や買付提案がなされた場合であっても、当該当社株式の大規模買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。
これら当社株式の大規模な買付等に応ずるか否かの最終判断は、株主の皆さまのご意思に基づいて行われるべきものと考えております。
②基本方針の実現に資する取組み
当社では、多くの投資家の皆さまに長期的に継続して当社に投資していただくため、また、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるために、次の取組みを実施しております。
これらの取組みは、前記当社における会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
②-1企業価値向上への取組み
当社は、2015年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「Ortus Stage 1」にもとづき、①構造改革、②イノベーション、③グローバリゼーション、④M&Aの4つを戦略の柱として企業価値の向上に取り組んでまいりました。当期は、エア・リキード社の米国での産業ガス事業の一部及び関連事業資産を買収することにより、これまで米国のフロリダ州からカリフォルニア州にまたがる南部と中西部で有していたエアセパレートガスの生産ネットワークを、さらに東部と中西部で拡大しました。また、当社は、2015年に豪州で産業ガスのディストリビューターを買収し、豪州の産業ガス市場に本格参入しましたが、当期も産業ガス会社の買収を行い、豪州全土での販売ネットワークを完成させました。さらに、経済発展に伴って増加する産業ガスの需要を取り込むことを目指して、これまで進出していなかったミャンマーに子会社を設立しました。2017年4月から4ヶ年の中期経営計画「Ortus Stage 2」を開始し、「Ortus Stage 1」で掲げた4つの戦略の柱にもとづき、引き続き企業価値の向上に努めてまいります。
②-2コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上への取組み
当社は、当社のコーポレート・ガバナンスの指針となるコーポレート・ガバナンス原則を取締役会で制定しております。当社は、当社グループの持続的な成長及び長期的な企業価値の向上を図る観点から、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、保有する経営資源を有効に活用し、迅速・果断な意思決定により経営の活力を増大させることがコーポレート・ガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え方に沿って、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。
(1)株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
(2)株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
(3)会社情報を適時適切に開示し、透明性を確保する。
(4)監督と執行を分離することにより、取締役会による業務執行の監督機能を実効化する。
(5)当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主との間で建設的な対話を行う。
また、内部統制システムについては、当社は「大陽日酸グループ行動規範」を制定し、当社グループ全体の遵法精神と企業倫理の向上を目指すとともに、チーフコンプライアンスオフィサー(以下、CCO)を任命し、CCOがコンプライアンス委員会の委員長として、当社グループのコンプライアンスの確保に努めております。さらに当社グループのリスクを横断的に管理するリスクアセスメント委員会と、保安、安全、品質、環境及び知的財産に関する技術リスクを重点的に管理する技術リスクマネジメント委員会を設けて、当社事業に伴うリスクの管理を行っております。
当社は、前記の取組み等を通じて株主の皆さまをはじめ取引先や当社社員など当社のステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにしながら、中長期的視野に立って企業価値の安定的な向上を目指してまいります。
②-3基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定を支配されることを防止するための取組み
当社は、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、その是非を株主の皆さまが適切に判断するために必要かつ十分な情報を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆さまのご検討のための時間の確保に努める等、会社法及び金融商品取引法等関係法令の許容する範囲内で適切な措置を講じます。
②-4具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、上記②-1及び2に記載した各取組みが、①に記載した基本方針に従い、当社をはじめとする当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

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