有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)戦略、指標及び目標
1.気候変動に関する取り組み
1-1.戦略
気候変動問題は当社グループが取り組むべき社会課題であると同時に大きな事業機会と捉え、マテリアリティの一つとして事業戦略との統合を進めております。具体的には自らのGHG排出量削減という<責務>と製品・事業を通じた社会のGHG排出削減という<貢献>の両面からサプライチェーン全体でカーボンニュートラルに取り組んでおります。
また、脱炭素化を加速し、持続可能なビジネスモデルへの転換を促すための効果的な手段として、目に見えないCO2の価値を金銭的指標で評価し、事業や投資に潜在的に含まれるCO2排出コストを可視化するインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の運用を2024年度から開始しました。
なお、当社グループは、2021年8月、TCFDの提言に賛同を表明、提言に沿った気候変動関連の重要情報を当社ウェブサイトにおいて開示しております。本項目は、その抜粋を掲載しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations.html
1) 責務
当社グループは自らが排出するGHGの削減として、2030年の30%削減目標達成までの道筋や課題、期日などを明確化するためにロードマップを策定しております。このロードマップに基づき、以下の削減方針によりGHG排出量を削減いたします。2025年12月より山口県防府市の防府工場でオンサイトPPAスキームを活用した太陽光由来電力の調達を開始しております。これにより、当社グループとして年間約4,000t-CO2のGHG排出量削減となる見込みです。さらに、当社グループの㈱日本海水讃岐工場(香川県坂出市)の石炭火力発電所を木質バイオマス発電所へと転換する計画を進めており、2026年度着工・2028年度運転開始を予定しています。当バイオマス発電所の稼働により、坂出市全体のCO2排出量の約17%に相当する削減効果を見込んでいます。
また、当社グループは2025年3月にScope3(自社の事業活動を通じた他社のGHG排出量)の削減方針を定め、サプライチェーン全体でのGHG削減に取り組んでいきます。
2) 貢献
製品・事業を通じた社会のGHG排出削減は社会課題の解決に通じる取り組みと考えており、この社会課題解決力を示す指標としてGHG削減貢献量を設定し、2030年度に700千t-CO2/年以上の達成を目指しております。
当該目標の達成に向け、地域ごとに特色あるエネルギー資源の活用を推進しています。垂直ソーラー発電システム「VERPA」の拡販や、家畜ふん尿由来のバイオメタンを都市ガス導管へ混入・供給する地産地消型モデルの構築、未利用天然ガスを活用したCO2フリー水素サプライチェーンの構築に取り組んでおります。
3) インターナルカーボンプライシング(ICP)
カーボンニュートラルに向けた投資を促進するため、当社グループでは2024年度よりICPを反映した内部収益率を算出し、投資判断の一つの指標としております。2025年度からは先進国では18,000円/t-CO2、途上国では5,000円/t-CO2として、国際的な炭素価格高騰と地域格差を反映することで事業活動の脱炭素に関する行動変容を促進いたします。
4) シナリオ分析によるリスクと機会の検証
気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクと機会がどのように事業の戦略に影響を与えるのかを確認するためにシナリオ分析を行いました。2024年度に実施した、全ての事業ユニットとその他主要事業を対象とする、世界の気温が今世紀末に産業革命前と比較して1.5℃上昇するシナリオ「1.5℃シナリオ」、4℃上昇するシナリオ「4℃シナリオ」を用いた分析結果について、2025年度は見直しを行い、事業への影響について再分析しました。また報告対象は短期(2025~2027年)、中期(2028~2030年)、長期(2031~2050年)を想定しております。
シナリオ分析の結果、リスク・機会ともに「1.5℃シナリオ」の方が影響は大きいが、「1.5℃シナリオ」、「4℃シナリオ」のいずれも十分な対応策や機会獲得・拡大を見込んでおり、不確実な長期的な将来に対し、当社の基本戦略は十分なレジリエンスを有していることを再確認しました。なお、リスクは機会とトレードオフの関係にあると認識しており、例えば炭素税の影響を全社共通のリスクとしておりますがGHG削減ロードマップに基づくGHG排出量の削減をコストの低減につなげることで当社の市場での競争力を強化してまいります。事業部門ごとのシナリオ分析の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations/tcfd_tnfd_01.html
気候変動に関するリスクと機会一覧(抜粋)
(注) 1 長期:2031年~2050年(サステナブルビジョン2050)
中期:2028年~2030年(経営計画terrAWell30)
2 大:売上収益/コスト 100億円以上 中:売上収益/コスト 10億円以上100億円未満
1.気候変動に関する取り組み
1-1.戦略
気候変動問題は当社グループが取り組むべき社会課題であると同時に大きな事業機会と捉え、マテリアリティの一つとして事業戦略との統合を進めております。具体的には自らのGHG排出量削減という<責務>と製品・事業を通じた社会のGHG排出削減という<貢献>の両面からサプライチェーン全体でカーボンニュートラルに取り組んでおります。
また、脱炭素化を加速し、持続可能なビジネスモデルへの転換を促すための効果的な手段として、目に見えないCO2の価値を金銭的指標で評価し、事業や投資に潜在的に含まれるCO2排出コストを可視化するインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の運用を2024年度から開始しました。
なお、当社グループは、2021年8月、TCFDの提言に賛同を表明、提言に沿った気候変動関連の重要情報を当社ウェブサイトにおいて開示しております。本項目は、その抜粋を掲載しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations.html
1) 責務
当社グループは自らが排出するGHGの削減として、2030年の30%削減目標達成までの道筋や課題、期日などを明確化するためにロードマップを策定しております。このロードマップに基づき、以下の削減方針によりGHG排出量を削減いたします。2025年12月より山口県防府市の防府工場でオンサイトPPAスキームを活用した太陽光由来電力の調達を開始しております。これにより、当社グループとして年間約4,000t-CO2のGHG排出量削減となる見込みです。さらに、当社グループの㈱日本海水讃岐工場(香川県坂出市)の石炭火力発電所を木質バイオマス発電所へと転換する計画を進めており、2026年度着工・2028年度運転開始を予定しています。当バイオマス発電所の稼働により、坂出市全体のCO2排出量の約17%に相当する削減効果を見込んでいます。
また、当社グループは2025年3月にScope3(自社の事業活動を通じた他社のGHG排出量)の削減方針を定め、サプライチェーン全体でのGHG削減に取り組んでいきます。
| 自社の生産活動に伴う 直接排出(Scope1) | 外部購入エネルギーによる 間接排出(Scope2) | 自社の事業活動を通じた 他社の排出(Scope3) |
| ・生産工程で使用されるエネルギーのバイオマス燃料などへの転換による低・脱炭素化 ・省エネ活動 | ・グループ内のバイオマス発電で創出される環境価値の活用 ・太陽光などの外部再エネ電源の調達 | ・製造プロセスの見直しによる生産性向上(調達量の適正化) ・販売する製品の低・脱炭素化 |
2) 貢献
製品・事業を通じた社会のGHG排出削減は社会課題の解決に通じる取り組みと考えており、この社会課題解決力を示す指標としてGHG削減貢献量を設定し、2030年度に700千t-CO2/年以上の達成を目指しております。
当該目標の達成に向け、地域ごとに特色あるエネルギー資源の活用を推進しています。垂直ソーラー発電システム「VERPA」の拡販や、家畜ふん尿由来のバイオメタンを都市ガス導管へ混入・供給する地産地消型モデルの構築、未利用天然ガスを活用したCO2フリー水素サプライチェーンの構築に取り組んでおります。
3) インターナルカーボンプライシング(ICP)
カーボンニュートラルに向けた投資を促進するため、当社グループでは2024年度よりICPを反映した内部収益率を算出し、投資判断の一つの指標としております。2025年度からは先進国では18,000円/t-CO2、途上国では5,000円/t-CO2として、国際的な炭素価格高騰と地域格差を反映することで事業活動の脱炭素に関する行動変容を促進いたします。
4) シナリオ分析によるリスクと機会の検証
気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクと機会がどのように事業の戦略に影響を与えるのかを確認するためにシナリオ分析を行いました。2024年度に実施した、全ての事業ユニットとその他主要事業を対象とする、世界の気温が今世紀末に産業革命前と比較して1.5℃上昇するシナリオ「1.5℃シナリオ」、4℃上昇するシナリオ「4℃シナリオ」を用いた分析結果について、2025年度は見直しを行い、事業への影響について再分析しました。また報告対象は短期(2025~2027年)、中期(2028~2030年)、長期(2031~2050年)を想定しております。
シナリオ分析の結果、リスク・機会ともに「1.5℃シナリオ」の方が影響は大きいが、「1.5℃シナリオ」、「4℃シナリオ」のいずれも十分な対応策や機会獲得・拡大を見込んでおり、不確実な長期的な将来に対し、当社の基本戦略は十分なレジリエンスを有していることを再確認しました。なお、リスクは機会とトレードオフの関係にあると認識しており、例えば炭素税の影響を全社共通のリスクとしておりますがGHG削減ロードマップに基づくGHG排出量の削減をコストの低減につなげることで当社の市場での競争力を強化してまいります。事業部門ごとのシナリオ分析の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations/tcfd_tnfd_01.html
気候変動に関するリスクと機会一覧(抜粋)
| シナ リオ | 区分 | 事象 | 事業インパクト | バリューチェーンの段階 | 時間軸 (注1) | 対応策 | 財務 影響度 (注2) |
| 1.5℃ | 移行 リスク | GHG排出に関する規制の強化(炭素税) | 炭素賦課金(海外は炭素税)の導入による使用する電力および燃料のエネルギーコストの増加 | 直接操業 | 中期 | ・製品価格への転嫁 ・高効率プラントの開発 ・環境価値の購入 ・太陽光発電設備の設置 ・拠点の統合による削減 ・バイオディーゼル燃料など非化石燃料の利活用 | 大 |
| 移行 機会 | 新規市場の獲得、既存事業の拡大 | デジタル化によるデータ処理量増加に伴う製品の省エネ化・次世代パワー半導体の需要の増加 | 下流 | 中期 | ・半導体分野向けの産業ガス、特殊ガス及び特殊ケミカル品の安定供給体制の拡充 ・高効率プラントの開発 | 大 | |
| 移行 機会 | 新規市場への事業拡大 | バイオメタン、eメタン及びCCUS事業の拡大 | 下流 | 中期 | ・優良な国内バイオメタンソースの確保 ・都市ガス会社と協業による導管への導入 ・CO2回収・精製・メタネーション技術の蓄積 | 大 | |
| 4℃ | 物理的 リスク | 台風・洪水のような異常気象の深刻化や増加 | 自社製造拠点の設備被害や交通インフラの物理的被害による生産活動と製品輸送の損害 | 上流、直接操業、下流 | 長期 | ・保険加入による補償、補填でカバー ・設備対策BCP | 中 |
(注) 1 長期:2031年~2050年(サステナブルビジョン2050)
中期:2028年~2030年(経営計画terrAWell30)
2 大:売上収益/コスト 100億円以上 中:売上収益/コスト 10億円以上100億円未満