有価証券報告書-第112期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 15:04
【資料】
PDFをみる
【項目】
144項目
4.重要な会計上の見積り及び判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識しております。
経営者の見積りおよび判断を行った項目で重要なものは以下のとおりであります。
(1)非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産および無形資産について、資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率および長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果および事業計画の修正により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア
当社グループは、当連結会計年度において、マテリアルズ事業セグメントに属する当社の連結子会社であるPT. ニッポンショクバイ・インドネシアが保有する有形固定資産44,444百万円について、アクリル酸およびアクリル酸エステルの東南アジア市場において、中国等の競合他社製品の流入を背景とした市況の悪化等により、減損の兆候があると認められたため、減損テストを実施しております。当該資金生成単位の回収可能価額は使用価値を用いております。使用価値は、経営者が承認した事業計画を基礎とした5年間の将来キャッシュ・フローに、一定の成長率を用いて算定した6年目以降の将来キャッシュ・フローを加味した金額を割り引いて算定しております。その結果、回収可能価額が帳簿価額を上回っていることから、減損損失を認識しておりません。
当該資金生成単位の評価に用いた主要な仮定は、事業計画の基礎となる販売数量および販売価格、市場金利等を基礎として設定した割引率ならびに長期成長率であります。将来の販売数量、販売価格は、顧客から入手した情報や将来の市場見通し等を基に設定しております。なお、アクリル酸、アクリル酸エステルおよび高吸水性樹脂等の需給バランスや市場の見通しが想定と異なる変動により販売数量や販売価格が影響を受けた場合や、将来の不確実な経済条件の変動により割引率や長期成長率が影響を受けた場合には、有形固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)確定給付制度債務の測定
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度および確定拠出制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率および死亡率等の様々な変数についての見積りおよび判断が求められます。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得ております。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・公布によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
これらの数理計算上の仮定および関連する感応度については、注記「19.従業員給付」に記載しております。