訂正有価証券報告書-第110期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/12/09 11:02
【資料】
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【項目】
132項目
4.重要な会計上の見積り及び判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識しております。
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が当該見積り及び仮定に与える不確実性についても適切に検討しております。新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、翌連結会計年度において資産又は負債及び関連する収益、費用の帳簿価額に重要な修正が求められる結果となる可能性は低いと判断しております。
経営者の見積り及び判断を行った項目で重要なものは以下のとおりであります。
(1) 非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産及び無形資産について、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率及び長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果及び事業計画の修正により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
① ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.
当社グループは、当連結会計年度において、機能性化学品事業セグメントに属する当社の連結子会社であるニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.(以下、NSE)が保有する有形固定資産25,694百万円について、事業計画や市場の金利等を基に減損レビューを実施いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きがみられるものの、原燃料価格の高騰が継続しており、NSEが所在する欧州の高吸水性樹脂の事業環境は厳しい状況が継続しております。しかし、原燃料価格の高騰による影響は一過性のものと見込んでおり、また中長期的に需給バランスは改善していくと考えております。
これらの状況に鑑みて、NSEの事業計画等を基に、NSEが保有する有形固定資産の減損レビューを実施した結果、減損の兆候はないと判断しております。
事業計画の策定における主要な仮定は、販売数量、販売価格であります。将来の販売数量、販売価格は、顧客から入手した情報や将来の市場見通し等を基に、設定しております。なお、高吸水性樹脂の需給バランスや市場の見通しが想定と異なる変動をした場合、販売数量や販売価格が変動し、有形固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 電子情報材料製品
当社グループは、当連結会計年度において、機能性化学品事業セグメントに属する電子情報材料の一部製品に関連する有形固定資産等1,788百万円について、事業環境の変化に伴い収益性が低下したことにより、減損の兆候があると認められたため、減損テストを実施しております。当該資金生成単位の回収可能価額は事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定しております。その結果、回収可能価額が帳簿価額を上回っていることから、減損損失は認識しておりません。
当該資金生成単位の評価に用いた主要な仮定は、取締役会にて承認された事業計画に基づいた販売数量、販売価格であり、将来の販売数量、販売価格は、顧客から入手した情報や将来の市場見通し等を基に、設定しております。なお、将来の事業環境の見通しが想定と異なる場合、回収可能価額の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 確定給付制度債務の測定
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、退職率及び死亡率等の様々な変数についての見積り及び判断が求められます。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得ております。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・公布によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
これらの数理計算上の仮定及び関連する感応度については、注記「19.従業員給付」に記載しております。