有価証券報告書-第108期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 11:56
【資料】
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【項目】
88項目

有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
日本触媒グループ 企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」のもと、当社は、「人間性の尊重を基本とします」「社会との共生、環境との調和を目指します」「未来を拓く技術に挑戦します」「世界を舞台に活動します」を経営理念として、グローバルな変化に対応できる企業体質及び競争力の強化に取り組んでおります。また、社是「安全が生産に優先する」を企業理念・経営理念と並ぶ最上位に位置づけております。
(2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標
近年、化学業界を取り巻く経営環境は厳しさを増しております。日本国内では、化学品の需要減少が見込まれ、化学メーカー同士の熾烈な競争が引き起こされている状況です。また、新興国においては、化学品の需要が増加しておりますが、新たに新興国メーカーが台頭すると共に、欧米系の巨大化学メーカーとの規模の格差が拡大しており、日本の化学産業の競争力が低下している状況にあります。
一方で高齢化の進展や環境・エネルギー問題など、近年の社会課題解決に向けて化学産業の果たすべき役割、期待される役割は益々大きくなってきております。
このような急激な外部環境の変化に対応するため、当社グループは、企業理念・経営理念及び社是のもと、長期ビジョン・目標「人の暮らしに新たな価値を提供する革進的な化学会社」の実現を目指し、2014年4月にスタートさせた長期経営計画「新生日本触媒2020」と、また、2017年度からの具体的な行動計画である後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」に取り組んでおります。
日本触媒グループ 企業理念
TechnoAmenity
私たちはテクノロジーをもって
人と社会に豊かさと快適さを提供します
社 是
「安全が生産に優先する」
経営理念
人間性の尊重を基本とします
社会との共生、環境との調和を目指します
未来を拓く技術に挑戦します
世界を舞台に活動します

( 長期経営計画「新生日本触媒2020」の概要 )
長期経営計画「新生日本触媒2020」は、長期ビジョン・目標である『2025年のありたい姿』を定めた上で、そこに至るための具体的なマイルストーンとして設定した『2020年のあるべき姿』の実現を目指して策定した経営戦略です。
( 後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」 )
後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」は、長期経営計画「新生日本触媒2020」で定めた『2025年のありたい姿』及び『2020年のあるべき姿』を達成するための具体的な行動計画です。
「新生日本触媒2020 NEXT」では、『2020年のあるべき姿』の実現に向けて、「売上規模よりも収益性を重視」「安全・安定な生産活動」を基本指針として、重要課題である「吸水性樹脂事業の死守」「成長事業・分野へのシフト」に取り組んでおります。そのために、全社のベクトルを基本姿勢である『世の中で求められる製品やサービスを創造し、タイムリーに提供する』に集中させ、企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を実践しております。
また、計画実行にあたっては、社員全員が危機意識と当事者意識を持って考動(“自ら考え、行動する”)し、目標を達成していくことにより、「皆が誇れる会社※」を実現してまいります。そして、本後半中期経営計画の最終の2020年度には、その先10年の当社グループの確実な成長が見通せるような状態にすることを目指しております。
※「皆が誇れる会社」: 1. 安全で安心して働ける会社、2. 汗を流した人が報われる会社、3. 胸を張って働いているといえる会社
[ 2025年のありたい姿 ]
『人の暮らしに新たな価値を提供する革進※的な化学会社』
・技術と創造力で、新しいことに挑戦し続けます
・No.1の製品や技術を増やし、グローバルに事業を行います
・最高水準の安全性と生産性を追求し続けます
・地球環境に貢献し続けます
・世界中の職場を多様性のある活気あふれる場にします
※革進:旧習・旧態を改めて、進歩を図ること(出所:大辞林)

セグメント:既存事業の強化を図りつつ、機能性化学品、新エネルギー、健康・医療、新規事業※が収益に貢献し、成長事業・分野へのシフトが進んでいる。
※新規事業:当社未参入市場、次世代市場における新たな事業
エ リ ア:日本国内にとどまらず、世界をマーケットとして事業展開をより一層加速している。
強 み:研究開発力、生産技術力、マーケティング力を掛け合わせた総合力を強みとし、経営のリーダーシップによって、その総合力を最大に引き出している。

[ 2020年のあるべき姿 ]
『2025年のありたい姿』に向けた具体的な到達点として、『2020年のあるべき姿』を次のとおり設定しております。
経営指標と数値目標(IFRS)
売上収益税引前利益ROA※2既存事業での
新規製品売上高※3
新規事業売上高
2020年度目標※1、44,000億円400億円7.4%390億円380億円

※1 当社は2019年3月期の有価証券報告書における連結財務諸表から国際財務報告基準(IFRS)を任意適用
するため、経営指標と数値目標はIFRSに基づき作成しております。

※2 ROA:当社は装置産業であること等から、従前から収益性と資産効率を重視し、売上高経常利益率と総資産回転率からなるROAをKPI(Key Performance Indicator)として、その向上に取り組んでおりました。IFRS適用に伴い資産合計税引前利益率に変更いたします。

※3 既存事業での新規製品売上高:高吸水性樹脂を除く、上市から5年以内の製品の売上収益合計
※4 上記目標は、後半中期経営計画策定時のものであり、新型コロナウイルス感染症流行による影響は考慮
しておりません。

[ 事業基本戦略 ]
『2020年のあるべき姿』に至るために、各事業の基本戦略を次のとおり定めております。
基礎化学品酸化エチレン事業自社酸化エチレンプラント再編及び競合との提携等により事業基盤を強化していきます。
アクリル事業積極的拡販により世界トップを走るグローバルサプライヤーを目指します。
機能性化学品吸水性樹脂事業戦略的パートナー顧客へ価格優位性のある差別化された製品を供給していきます。
機能性化学品事業独自の高機能製品を拡販していきます。
環境・触媒新エネルギー・
触媒事業
各種電池材料を競争力のある量産設備から供給・拡販していきます。
新規事業健康・医療事業一定分野での一貫した創薬支援サービスを提供していきます。
新規事業成長市場・分野を意識し、素材売りに留まらない当社の強みを活かしたビジネスモデルの新規事業を創出していきます。

[ 経営資源の投入 ]
既存事業の強化、成長事業・分野へのシフトを実現するために、以下の経営資源を投入してまいります。
設備投資戦略投資研究開発費2020年度末人員
2017~2020年度計画(4年累計)900億円600億円570億円4,600名


[ 重要課題に対する施策 ]
当社は、『2020年のあるべき姿』に至るために、重要課題に対する施策として「吸水性樹脂事業の競争力強化」「新規事業・新規製品の創出加速」に注力し、優先的に経営資源を投入しております。
① 吸水性樹脂事業の競争力強化
吸水性樹脂事業の存続には、抜本的な収益改善・競争力強化が不可欠であり、具体的施策として、サプライチェーン全体におけるコスト削減及び新規プロセスによる設備投資額削減により、大規模コスト削減・競争力強化に取り組む「SAP※サバイバルプロジェクト」、また、研究/技術/製造人員を集中投入することによる「開発力の強化」を全社員一丸となって進めております。
足元のSAP市場は、昨年来の各社増設による競争激化や景気減速に伴う需要鈍化により需給バランスは軟化傾向です。今後の見通しは、新興国でのオムツの普及及び大人用オムツ市場拡大により、SAP市場成長は引き続き堅調に推移すると想定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症流行による影響の見通しが立っておらず、不透明な状態となっております。
※SAP:高吸水性樹脂(Superabsorbent polymer)
② 新規事業・新規製品の創出加速
新規事業・新規製品の創出加速に向けて、市場ニーズをより一層意識し、成長事業・分野へのシフトを図る戦略を実行しております。
具体的施策としては、企業理念及び当社の存在価値を基本とした上で、市場性・適社性・社会性を踏まえ、①情報ネットワーク事業分野、②ライフサイエンス事業分野、③エネルギー・資源事業分野の3事業分野をターゲットに選定し、新たな技術の獲得に取り組んでおります。また、既存の研究体制の再編のほか、大学との共同研究や他社との提携等、事業開発に力点を置いた組織体制への変革を進めております。
[ 持続的成長に向けて ]
当社グループの持続的成長に向けた経営基盤の強化のために、以下の課題に全社一丸となって取り組んでおります。
① 人と組織の活性化
人事戦略として『2025年のありたい姿』を実現するための長期的な人材育成・確保のために、当社の『人と組織のあるべき姿』を設定しました。そして、当社の成長を支える人的リソースを確保するため、業務量低減などを目的とした各種取組みを実施しております。また、活発な議論やチャレンジが推奨される組織風土への変革を継続して進めております。
② 社会からのより一層の信頼獲得
「社会から信頼される化学会社への再生」に向けて、より一層、安全・安定操業といった製造現場力及びコンプライアンスの強化といった社内体制を強化するとともに、多様なステークホルダーと対話を重ね、企業価値を高める持続的なCSR(企業の社会的責任)活動を実践しております。
また、社会からのより一層の信頼獲得のための取り組みとして、2019年8月に「TechnoAmenity Report」を発行し、当社のステークホルダーの皆様に対する財務情報とESG(環境・社会・ガバナンス)活動などの非財務情報の積極的な開示に努めております。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症流行に対して、グループ全従業員の感染防止対策を徹底するとともに、社会に必要不可欠な業種としての使命感を持って、雇用の維持やグループ全製造拠点の安定稼働に努めております。
③ グループ経営の強化
事業・製品の選択と集中や企業理念の浸透を実施することで、グループ各社間の連携を深め、これまで各社が蓄積してきた様々な経営資源を有効に活用しております。
[ 2019年度の進捗状況 ]
2019年度の後半中期経営計画の進捗といたしましては、アジア圏におけるアクリル酸の需要増に対応するため、インドネシアの子会社PT. ニッポンショクバイ・インドネシアにおきまして、2021年3月末の完工を目指し、年産10万トンのアクリル酸製造設備の増設に着工しております。当該製造設備の増設後、当社グループのアクリル酸の年間生産能力は世界合計で98万トンとなります。また、吸水性樹脂事業の大規模コスト削減・競争力強化を目的とする「SAPサバイバルプロジェクト」については、コスト削減策を順次実施しております。
新規事業のうち、健康・医療事業におきましては、核酸医薬の早期実用化のため、2019年11月に核酸医薬の分野で革新的な技術を有するレナセラピューティクス株式会社を子会社といたしました。また、化粧品素材事業におきましては、複数の企業との共同開発を実施すると共に、2019年4月から製品の販売を開始し、ニーズに対応した素材提供による市場拡大を目指した取り組みを継続しております。
当社と三洋化成工業株式会社(以下、当社と総称して「両社」といいます。)は、2019年11月29日付「株式会社日本触媒と三洋化成工業株式会社との共同株式移転による経営統合に関する最終契約締結のお知らせ」で公表いたしましたとおり、同日付の両社それぞれの臨時取締役会において、共同株式移転の方式により両社の親会社となる「Synfomix株式会社」(以下、「統合持株会社」といいます。)を設立し(以下、「本株式移転」といいます。)、経営統合(以下、「本経営統合」といいます。)を行うことを決議し、両社間で対等の精神に基づいた最終契約(以下、「本最終契約」といいます。)を締結いたしました。
本最終契約では、2020年10月1日を統合持株会社の成立日(本株式移転の効力発生日)と予定しておりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や原油および石油製品相場の急落等を踏まえ、本経営統合の合意の基礎となった両社の業績等ならびに金融、経済、市場その他の事業環境の見通しが不透明となったことから、2020年4月13日に両社の臨時取締役会において、本経営統合の延期および本最終契約において合意した株式移転比率の見直しを行うことを決議し、本最終契約に関する覚書を締結いたしました
本経営統合の詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://www.shokubai.co.jp/ja/)に掲載の2019年11月29日及び2020年4月13日付ニュースリリースをご参照ください。
[ 新型コロナウイルス感染症による影響 ]
提出日現在において、新型コロナウイルス感染症による環境変化が当社グループに与える影響の見通しは立っておりません。

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