有価証券報告書-第109期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/22 13:57
【資料】
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【項目】
127項目

有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
日本触媒グループ 企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」のもと、当社は、「人間性の尊重を基本とします」「社会との共生、環境との調和を目指します」「未来を拓く技術に挑戦します」「世界を舞台に活動します」を経営理念として、グローバルな変化に対応できる企業体質及び競争力の強化に取り組んでおります。また、社是「安全が生産に優先する」を企業理念・経営理念と並ぶ最上位に位置づけております。
(2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化し、化学製品のグローバル化、コモディティ化が進む一方、求められる機能も多様化しております。当社グループはこれまでも既存事業の競争力強化とそれに代わる新規製品・新規事業創出に取り組んでまいりましたが、大きな成果は得られておらず、既存事業の収益性悪化に伴い業績の低迷を招きました。
世界での競争が激化する中、コスト競争力や求められるニーズへの柔軟な対応がますます必要になり、今までのような企業体質では勝ち残ることが難しくなっております。加えて持続可能な社会の実現に向けて、気候変動問題に対する取り組みも必要不可欠なものとなっております。
当社グループは新たな長期ビジョンのもと、スピード感をもって変革を進めてまいります。
( 後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」の振り返り )
4年間(2017-2020年度)の進捗といたしましては、既存事業の競争力強化を目指し、アクリル酸製造設備及び高吸水性樹脂(SAP)製造設備の新増設を行いました。また、吸水性樹脂事業の大規模コスト削減・競争力強化を目的とする「SAPサバイバルプロジェクト」については、コスト削減策を順次実施するとともに、複数の企業との共同研究のもと、SAPの新規リサイクル技術を開発するなど、取り組みを進めました。
新規事業のうち、健康・医療事業におきましては、吹田地区研究所にて国内有数の製造規模を有する中分子原薬合成施設の商業運転を開始いたしました。また、化粧品素材事業におきましては、複数の企業との共同開発を実施すると共に、2019年4月から製品の販売を開始し、ニーズに対応した素材提供による市場拡大を目指した取り組みを進めました。
当社グループは後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」の最終年度である2020年度に売上収益4,000億円、税引前利益400億円、ROA(資産合計税引前利益率)7.4%を目標として掲げておりましたが、主要事業である吸水性樹脂事業の競争激化や新型コロナウイルス感染症により経済活動が停滞し、需要が低迷するなどの影響もあり、いずれの指標においても未達となりました。
( 長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」 )
当社グループは激しい事業環境の変化に柔軟に対応するとともに、強靭な体質へと進化するために、「2030年の目指す姿」とその実現に向けた取り組みを示す長期ビジョンを策定しました。
また、自然環境との調和を含め、「持続可能な社会の実現」に向けた課題解決はグループ企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の精神そのものであり、当社グループが力を合わせて「持続可能な社会の実現」に貢献することを宣言するために、名称を「TechnoAmenity for the future」としました。
なお、長期ビジョンの実現に至るまでの具体的な行動計画となる新たな中期経営計画については、数値目標を含めて2021年度に策定し、2022年度4月より本格実行していく予定です。2021年度はゼロ年度とし、中期経営計画の策定完了を待たずに取り組みを開始します。
[ 長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」の概要 ]
長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」では、「人と社会から必要とされる素材・ソリューションを提供」、「社会の変化を見極め、進化し続ける化学会社」、「社内外の様々なステークホルダーとともに成長」を「2030年の目指す姿」とし、その実現に向け、「事業の変革」、「環境対応への変革」、「組織の変革」の3つの変革を定めています。

[ 3つの変革 ]
① 事業の変革
社会の変化を見極め、進化し続ける化学会社を目指し、カーボンニュートラル対応及びソリューションズ事業(下表参照)拡大に注力します。
マテリアルズ事業(下表参照)では、徹底的なコスト削減や他社とのアライアンスにより競争力を強化するとともに、脱炭素・リサイクル推進を積極的に進めます。
ソリューションズ事業では、顧客課題に対し、単一の素材提供だけでなく、複数の製品・技術を組み合わせ、タイムリーにソリューションを提供することを目指します。
収益性の高いソリューションズ事業を拡大し、2030年度にはROA8%以上、ソリューションズ事業の売上構成5割以上を目指します。その結果、マテリアルズ事業・ソリューションズ事業のそれぞれの事業群の強みを活かし、環境変化に柔軟に対応できる会社へと変革します。
<目指すべき事業ポートフォリオと各事業セグメント方針>
マテリアルズ事業ベーシックマテリアルズ
(酸化エチレン等)
高品質の素材を高い生産技術力でグローバルに提供する
アクリル
(アクリル酸及びアクリル酸エステル類・高吸水性樹脂)
ソリューションズ事業インダストリアル&ハウスホールド
(生活消費財、自動車、建材分野等)
多様な産業の顧客ニーズに応えるため、当社の強みであるキーマテリアル開発力を活かし、他社にない独自の機能を提供する
エナジー&エレクトロニクス
(電池、エレクトロニクス分野等)
ライフサイエンス
(健康医療、化粧品分野)

② 環境対応への変革
2050年カーボンニュートラル実現に貢献すべく、全社的に取り組みを推進します。2030年度までに、SAPを含む紙おむつのリサイクル技術の開発・実証、主要製品の原料のバイオマス化推進及び環境貢献製品の販売拡大などに取り組みます。なお、各取り組みの具体的な目標については新中期経営計画にて策定します。
③ 組織の変革
個人と組織が成長できる仕組みを早期に実現するために、自律型人財の育成、自律型組織への変革及びコーポレートガバナンスの更なる強化に取り組みます。具体的には、新人事制度の導入、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進、決裁権限の見直し、インターナルコミュニケーションの充実や役員による中長期戦略・経営課題の審議の充実等の取り組みを実施することにより、成長し続ける組織、多様な人財が活躍できる会社への変革を目指します。

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